安全の手引

安全の手引き
平成27年11月23日
在南スーダン日本国大使館
目次
Ⅰ はじめに
Ⅱ 緊急事態発生時の手引き
1.平素の準備と心構え
2.緊急時の行動
Ⅲ 防犯の手引き
1.防犯の基本的な心構え
2.最近の犯罪発生状況
3.住居防犯
4.外出時の防犯対策
5.生活する上での注意点
6.交通事情と事故対策
7.テロ・誘拐対策
8.緊急連絡先
Ⅳ おわりに
I はじめに
南スーダン全土には,2013年12月23日以降,「レベル4:退避して下さい。渡航は止めて
下さい。(退避勧告)」という最も高いレベルの危険情報が出されていましたが,2014年
10月24日にジュバ市に対する渡航情報については,「レベル3:渡航は止めて下さい。(渡
航中止勧告)」に変更(引き下げ)されました。ジュバ市を除く南スーダンへの渡航は,
目的のいかんによらず中止して下さい。既に滞在している方には退避を勧告しますが,や
むなく滞在を続ける場合は安全に最大限の注意を払うよう心掛けて下さい。また,ジュバ
市への渡航も中止することをお勧めいたします。既に滞在している方は不測の事態に備え,
退避を含め,危険回避を真剣に心がけて下さい。
1.南スーダン共和国はスーダン共和国から2011年に分離・独立をして誕生した新しい
国ですが,二度にわたる内戦で国土は荒廃し,多数の国民は貧困層となっているため,治
安状況は好ましくなく,ひったくりや住居侵入などの一般犯罪が数多く発生しています。
2.また,2013年末には首都ジュバ市内で銃撃戦が発生し,大統領派と前副大統領派に
よる派閥抗争へと発展し,内乱が全土に拡大する緊急事案が発生するなど,一般犯罪の被
害に遭うだけではなく政変や内乱に巻き込まれる危険性もあります。
3.本手引きは南スーダンにやむなく滞在する皆様が事件・事故に巻き込まれることな
く滞在することができるよう,皆様の防犯上・危機管理上で留意すべき事項をまとめまし
たので,お役に立てて頂ければ幸いです。
在南スーダン日本国大使館
(連絡先)
事務所 :+870-7725-43222(インマルサット)
事務所代表 :095-900-3153,095-900-3154
国外からは(国番号211)95-900-3153, 95-900-3154
緊急連絡先 :095-439-0821, 091-301-1570
国外からは(国番号211)95-439-0821, 91-301-1570
Ⅱ 緊急事態発生時の手引き
1.平素の準備と心構え
(1)在留届の提出
在留届は,緊急事態における大使館からの安否確認や,日本のご家族との連絡等におい
て非常に重要な役割を果たします。そのため,3 か月以上滞在される在留邦人の方々は必
ず在留届を提出して下さい。3か月未満の滞在でも外務省海外旅行登録「たびレジ」に現地
での滞在予定を登録していただき,大使館に居所及び滞在期間を必ずご連絡下さい。記載
事項に変更(転居,家族同居等)が生じた場合や帰国の際にもその旨を必ず当館宛にご一
報下さい。
(2)連絡体制の整備
緊急事態はいつ発生するかわかりません。そのため,緊急事態が発生してから家族や所
属する組織と連絡が取れなくなるという状態に陥らないため,日頃から家族や組織の間で
の緊急連絡方法について取り決めをしておき,常にお互いの所在を把握できるように努め
て下さい。定期的に緊急連絡テストを実施するのも一案です。
(3)避難方法の選定
緊急事態の度合いによって,避難場所や方法が変わりますので,下記の区分を参考に前
もって避難方法を取り決めておいて下さい。
○ 自宅待機
緊急事態が発生しても,居住地区周辺に影響が及ぶ可能性が低い場合は,連絡手段を確
保し,自宅に待機して情報収集等に努める。
○一時退避
争乱,自然災害等で居住地区周辺に危険が迫り,自宅待機した場合,被害が及びそうな
場合は知人宅やホテル等に一時的に避難し,大使館に連絡先を伝えると共に情報収集に努
める。
○ 大使館への緊急避難
緊急事態の状況によっては,大使館への集結をお勧めすることがありますので,あらか
じめ大使館の所在地を確認して,そこまでのルートを幾つか把握しておいて下さい。
(在南スーダン日本国大使館)
住所:Palm Tree Resort, No.705, 3-K South Tong Ping 1st Class Juba, Central Equatoria
電話
事務所 :+870-7725-43222(インマルサット)
事務所代表 :095-900-3153,095-900-3154
(国番号211)95-900-3153, 95-900-3154
緊急連絡先:095-439-0821,091-301-1570
(国番号211)95-439-0821, 91-301-1570
(4)非常事態に備えたチェックリスト
○旅券等
・常時6か月以上の残存有効期間があることを確認しておく。
・最終ページの「所持人記載欄」はもれなく記入しておく。
・最終ページの下段に血液型を記入しておく。
・想定される退避先(ウガンダ,エチオピア等)査証の事前取得が望ましい。
(注)旅券は残存有効期限が1年未満から更新が可能です。
○現金,貴重品等
・貴重品は緊急事態発生時にすぐに持ち出せるように保管しておく。
・現金は家族を含め10日程度生活できる外貨(米ドル等)及び現地通貨を用意する。
○自動車
・自動車を所有する場合は,日頃から整備を励行し,緊急事態に備えておく。
・燃料は不測の事態に備えて,普段から十分に補給しておく。
・車内には懐中電灯,地図,ティッシュ,ミネラルウォーター等を用意する。
(5)常備・携行品の準備
避難場所への移動を必要とする事態に備え,上記(4)のほか,次の常備品を用意し,
すぐに携行出来るようにして下さい。
○衣類・着替え
長袖・長ズボンが賢明。動きやすいもので,人目を引くような華美でないもの。麻・綿
等吸湿性,耐暑性に富む素材が望ましい。
○非常用食料
自宅待機となる場合に備え,米,調味料,缶詰類,インスタント食品,粉ミルク等の保
存食及びミネラルウォーターを,家族全員が10日間程度生活できる量を準備しておいて下
さい。自宅から避難する場合は,この中からインスタント食品,缶詰類,粉ミルク,ミネ
ラルウォーターを携行するようにして下さい(3日分程度)。
○医療品等
家族用常備薬の他,常用薬,外傷薬,消毒用石けん,衛生綿,包帯,絆創膏
など。
○携帯電話(充電器も忘れずに)
○履き物(行動に便利で靴底の厚い頑丈なものが望ましい)
○洗面用具(タオル,歯磨きセット,石けん等)
○その他:懐中電灯,予備のバッテリー,固形燃料,紙製の食器,マッチ,ロウソク,
ライター,トイレットペーパー,十徳ナイフ,ヘルメット,防災ずきん等
2.緊急時の行動
(1)基本的な心構え
緊急事態発生の危険が高まった際には,早めに国外へ避難して危機そのものを回避する
ことが最良の対策です。邦人の皆様は危機に巻き込まれる前に退避することを心がける様
にして下さい。
緊急事態時には,冷静に行動することが何よりも大切となりますので,デマや流言に惑
わされず,群集心理に巻き込まれてしまうことなく,平静を保ち,互いに助け合う姿勢を
見失わないようにして下さい。
(2)情報の把握
緊急事態発生,または発生のおそれがある場合,大使館は邦人の皆様の保護に向けて情
報収集,情勢判断及び対策の決定を行い,大使館ホームページに掲載いたします。また,
電子メール,電話,SMS 等を通じて随時連絡をいたします。
緊急事態発生の際には,現地及び海外報道,衛星放送テレビ,ラジオ等の視聴による情
報収集に努め,冷静な行動を心掛けて下さい。
(3)大使館への通報等
現場の状況や,皆様の所属先から得た情報など,他の邦人の皆様に対して有益と思われ
る情報については,大使館へご共有下さい。また,ご自身やご家族及び他の邦人の皆様の
生命・身体・財産に危害が及ぶか,及ぶ恐れがあるときは,速やかに大使館へ状況をご連
絡ください。
(4)国外へ退避する場合の連絡
事態が悪化し,ご自身または所属する組織の判断により,あるいは大使館の勧めにより,
帰国又は第三国に退避する場合には,その旨を大使館までご連絡下さい。大使館への連絡
が困難であったり,既に出国してしまった場合等には,日本の外務省の海外邦人安全課(外
務省代表電話+81-3-3580-3311)または夜間・休日の緊急番号(+81-3-5501-8160)へ連
絡するようお願いします。外務省または大使館が「退避を勧告します」の情報を発出した
場合,商業便等が運行している間は,それを利用して可能な限り早急に国外への退避をお
願いします。商業便等が運行を停止した場合,運行再開や臨時便の情報を収集するように
して下さい。また,状況によっては,我が国,各国政府及び国連によるチャーター便を利
用することになります。チャーター便の場合は,大使館との連絡手段を確保した上で,指
示された日時,場所に集結し,国外へ退避しますので,退避手段の情報収集に努めて下さ
い。
事態が切迫し,大使館より退避または退避のための集結をお願いした場合には,指定さ
れた緊急避難先,集結先にお集まり下さい。その際,集結先で長時間待機することも考え
られますので,可能な限り非常用物資(上記1.(4),(5)をご参照)を持参して集
結して下さい。また,緊急時にはご自身及び家族の生命,身体の安全を第一に考え,その
他の携行荷物は必要最小限にして下さい。
Ⅱ 防犯の手引き
1.基本的な心構え
南スーダンで生活する上で大切なことは,「自分の身は自分で守る」という心構えを持つ
ことです。下記に役に立つと思われる防犯の基本的な心構えを記載いたしましたので,参
考にして下さい。
(1)自己防衛意識を持つ
首都ジュバ市は2014年7月に警察の緊急通報システムが導入され,一定の効果を上げてい
ますが,警察車両に限りがあり,道路等のインフラが十分に整備されていないため,緊急
事態発生時に警察へ通報しても日本のような迅速な対応は期待できません。「自分や家族
の身を守るのは他でもない自分である。」という自己防衛意識を常に持ち,高める事が必
要です。
(2)基本に徹する
「目立たない」,「行動のワンパターン化を避ける」,「用心を怠らない」という行動
を心掛け,常日頃から周囲を警戒することが大切です。
(3)情報収集に努める
平素より新聞,ラジオ及びテレビ等から治安関係の情報収集をすると共に,邦人間での
情報共有を行い,どのような脅威があるかを知ることは防犯上非常に有益です。
(4)安全は無料ではない
警備員を配置する,窓に鉄格子を設置する等の対策は有料ですが,防犯上,高い効果を
得ることができますので,安全を第一に考えて防犯対策を進めてください。また,凶器を
持った犯人に金品等を要求された場合は抵抗せず,刺激しないことが大切です。
(5)連絡手段の確保
緊急連絡先リストを作成し,電話機の側に置いたり短縮ダイヤルや携帯電話に登録して
下さい。外出時には携帯電話やリストを携行する事を忘れず,有事の際は大使館へご一報
下さい。
(6)自分の存在を知らせる
犯罪や緊急事態などの不測の事態に巻き込まれたとき,大使館が邦人の皆様の滞在を把
握していなければ援護することが出来なくなります。海外に3ヶ月以上滞在する場合には在
留届を,3ヶ月未満の滞在でも外務省海外旅行登録「たびレジ」に現地での滞在予定を登録
していただき,日本大使館に居所及び滞在期間等の情報を必ずお知らせ下さい。
2.最近の犯罪発生状況
(1)犯罪状況
首都ジュバ市をはじめとして,当国においては,警察の能力欠如,司法当局の脆弱性に
よる抑止力不足,銃器の氾濫のため,自動小銃や拳銃で武装した複数名の強盗による住居
侵入事件や侵入窃盗事案,車両強奪事件が発生しており,滞在者にとって大きな脅威とな
っています。また,路上では2人乗りのバイクを使用したひったくり事件も発生しており,
治安状況は日本とは比較にならないほど劣悪といえます。特に2013年12月以降は軍や警察
等による外国人に対する嫌がらせが多発していますので,十分注意が必要です。
(2)最近の邦人が犯罪被害に遭った例
○空き巣事案
2015年3月,ジュバ市内のジュバタウンにあるホテルで,邦人が外出中,部屋に空き巣が
入り,現金及びパソコン等の貴重品が盗まれた。
○ひったくり事案
2013 年10月,ジュバ市の空港通り(ジュバ空港と官庁街を結ぶ車両の往来が多い通り)
を渡ろうとして中央分離帯で車の往来が途切れるのを待っていたところ,二人乗りのバイ
クタクシーに乗った犯人に,持っていた鞄をひったくられて転倒,そのまま暫く引きずら
れ,負傷した。
○武装侵入強盗事案
2013 年7月,勤務を終えてジュバ市内のトンピン地区に帰宅したところ,普段閉鎖して
いる正面ゲートが開放されており,他の住人やスタッフが床に伏せていた。異変に気付い
た後,すぐに現場から離脱した。後ほど警察による検証が行われた結果,犯人は逃走済で,
部屋が荒らされており,所持品が盗まれていた。目撃者によると6名ほどの犯人で,銃を所
持していたとのこと。
3.住居防犯
(1)入居前の選定
防犯対策が十分に整備されていない住居が多いので,入居の際は特に下記に気をつけて
安全第一で住居を選定することが大切です。
○ 夜間の照明や大雨時の冠水等,その地域は安全か。
○ 住居には24時間警備員が配置されているか。
○ 外壁の高さは鉄条網を入れて2.5メートル程度はあるか。
○ 敷地外から内部の状況が見えるような構造ではないか。
○ 隣家の塀などから簡単に侵入できるような構造ではないか。
○ 全ての窓に鉄格子が設置され,ドアは強固な作りとなっているか。
○ いざというときに避難して内部から施錠出来る部屋はあるか。
○ 家主は防犯に理解が有り,協力的な人か。
※必ずご自身の目で周囲の環境や物件を確認し,遠慮せずに家主に対策を依頼して下さい。
「これぐらい大丈夫だろう」という考えは非常に危険です。
(2)入居後の対策
入居後も油断することなく以下のことに留意して対策を進めて下さい。
○ 入居後は第三者(前入居者等)に悪用されないため鍵を交換する。
○ 短時間であっても出かける際は必ず窓や扉の施錠を確認して外出する。
○ 避難室へ逃げ込んだ際の,電話等外部への連絡手段の確保をする。
○ 現金や貴重品を机上などの目立つ場所に放置したまま外出しない。
○ 使用人の身元を十分確認し,行動に注意して隙を見せない。
○ 警備員を良く指導し,特に車や人の出入管理を徹底させる。
○ 見知らぬ訪問者や使用人の知人等を敷地内に入れないようにする。
4.外出時の防犯対策
南スーダン政府は,2013年12月の騒擾以降,午後11時から午前6時までの間,夜間外出禁
止令を発出していましたが,2014年12月24日に解除されました。しかしながら,日没後は
強盗事件,車両強奪事件及び発砲事件が多発しておりますので,不要不急の外出は控えて
いただき,外出する場合であっても徒歩での外出は避け,車両を使用し,事件に巻き込ま
れぬようにして下さい。日本人が外出時に被害に遭いやすい犯罪には,スリやひったくり
があります。特にバイクを使用したひったくりは,被害に遭うと倒されたり引きずられた
りして,骨折などの重傷を負う事もありますので十分に注意して下さい。また,暴動等に
巻き込まれないよう以下の点に留意して行動して下さい。
(1)服装,携行品
目立たないことを基本原則として,以下の点に注意して下さい。
○ 派手な服装や行動は慎み,ターゲットとならないように注意する。
○ ポケットから財布がはみ出している等,隙のある服装をしない。
○ 財布の中には必要最小限のお金を入れ,身分証明書等は別にする。
○ 手提げタイプのバックやカバンは避け,たすき掛けできるものを選ぶ。
○ 不測の事態発生時に即座に対応できるよう動きやすい服装を選ぶ。
(2)心構え
「自分は狙われているかもしれない」との意識のもと,以下を参考にし
て下さい。
○ 自分は関係ない,被害に遭わないという考えは持たない。
○ 特に女性はひったくりの被害に遭う可能性が高いので十分に注意する。
○ 歩道を歩くときは車道から距離をとり,ひったくりに注意をする。
○ 集会やデモが行われている場所には極力近づかないようにする。
(3)常に警戒する
いくら警戒をしてもしすぎることはありません。常に周囲の状況に気を
つけてください。
○ イヤホンで音楽を聴きながら歩くなど,隙を作らないようにする。
○ 歩行時は時々振り返るなど,自分の背後にも気を配る。
○ 尾行されていないか,不審者が周りにいないかを常に確認する。
○ 狙われていると感じた時は躊躇せず,公共施設や近くのホテル等へ避難する。
5.生活する上での注意点
(1)写真撮影
当局の許可なしに政府関係施設や橋,道路等の施設の写真を撮影することは禁止されて
います。写真撮影をしているのが見つかった場合は,私服の警察官や役人に止められるこ
とがあり,状況によっては連行されることもあります。2015年5月には,ジュバ市内で路肩
の花をデジタルカメラで撮影していた邦人が,私服警察官に違反である旨を告げられ,警
察暑に連行されたケースも発生していますので,無用なトラブルに巻き込まれないよう,
当局の許可なく屋外での写真撮影は行わないようにして下さい。
(2)使用人ついて
良い使用人であれば防犯対策上,非常に効果的ですが,逆のケースでは窃盗や犯人の手
引きをする等の悪事を働く可能性もあります。使用人との接し方について以下の点に注意
して下さい。
○ 信頼できる人からの紹介や,身元のはっきりした人を雇う。
○ しっかりと契約を結び,指導しても改善されない場合の解雇等を明記する。
○ 使用人を過度に信用せず,金品や貴重品を身近なところに放置しない。
○ 毅然とした態度で接し,防犯に対する意識が甘いと思わせないようにする。
○ 使用人のプライドを傷つけるなど,無用な恨みを買うような言動はしない。
○ 使用人の家族や知人を無断で敷地内に入らせないようにする。
(3)長期不在時の注意
出張,旅行及び一時帰国等で長期間住居を離れるなど,長期間不在となる情報が知られ
た場合は,住居侵入のターゲットになる場合があります。長期間不在にする場合は信用の
おける知人等に貴重品を預ける,定期的に住居の管理をお願いすることをおすすめします。
6.交通事情と事故対策
(1)交通マナー・道路事情
南スーダンは右側通行で,主要道路はロータリー式であり,交通マナーも劣悪です。2014
年10月以降,ジュバ市内の一部交差点では信号機が設置されましたが,信号機のルールが
徹底されておらず,信号無視が頻繁に見られており,交通事故も多く発生しているため,
基本的に当国での運転はお勧めしません。運転する際には特に注意が必要です。また舗装
された道路区間は限定され,未舗装道路は凸凹が多く,雨季には冠水する可能性が高いた
め,より細心の注意をもって運転することが必要です。また,現地の運転マナーは悪く,
逆走,急な割り込み,車線変更,無理な追い越し等の危険運転が非常に多く見られます。
(2)ジュバ市内交通機関
首都ジュバ市には市内各所を結ぶ乗り合いバス(ミニバス,ライトバン),タクシー及
びボダボダと呼ばれるバイクタクシーがあります。しかしながら乗り合いバスは経路も不
明確な上,現地人であっても強盗の被害の対象となるなど安全面で問題が多く,また,タ
クシーには料金メーターがなく,バイクタクシーは一般的に運転が荒く事故も多発してい
るため,いずれも利用はお勧めできません。地理関係を熟知している運転手付きのレンタ
カーを利用する事が出来ますのでそちらをお勧めします。
(3)交通事故及びその処理
不幸にも交通事故に巻き込まれた際は冷静に行動しなければなりません。事故の際は車
輌を動かすことなく,直ちに最寄りの警察署に連絡し,現場検証及び事故調書を作成して
もらいます。示談を持ちかけられても後々のトラブルに巻き込まれることがありますので
お勧めしません。また,身体の安全を確保した上で,所属する組織に連絡し,現地スタッ
フに対応を補助してもらうとスムーズに処理できる場合がありますので,日頃から対応要
領を定めておくことが大切です。万一,人身事故等を発生させてしまった際に,群衆が興
奮して車両が取り囲まれそうになる等,身体の危険を感じた場合は,速やかに現場を離れ
て安全な場所から所属組織や会社に連絡する等,日頃より対策を検討して下さい。
7.テロ・誘拐対策
現在までのところ,南スーダンでは対日感情は良好であり,日本人がテロや誘拐事案に
巻き込まれた情報はありませんが,今後の情勢の変化によっては,対日感情が悪化し,テ
ロ・誘拐のターゲットになる可能性は否定できません。以下に注意すべき点をまとめまし
たので参考にして下さい。
○ 普段から新聞,ラジオ,テレビ等でテロ・誘拐をはじめとする犯罪に関する情報を収
集する。
○ 単独行動や夜間の外出は極力控え,外出時は周囲の状況に気を配る。
○ 通勤時の経路,時間等をこまめに変更し,行動を予測されないようにする。
○ 派手な衣装や装飾品は避け,極力目立たないように行動する。
○ 集会やデモが行われている場所には極力近づかないようにする。
8.緊急連絡先
○ 交通事故や犯罪に遭遇した際の連絡先
警察ホットライン(ジュバ市管轄)
Tel 777
※ただし,電話がつながらない場合もあります。
○ 火災発生時の連絡先
消防:マラキア消防署(首都ジュバ地区管轄)
Tel(211)(0)095-6149149
※ただし,電話がつながらない場合もあります。
○ 在南スーダン日本国大使館
事務所 :+870-7725-43222(インマルサット)
事務所代表 :095-900-3153,095-900-3154
(国番号211)95-900-3153, 95-900-3154
緊急連絡先:095-439-0821, 091-301-1570
(国番号211)95-439-0821, 91-301-1570
Ⅳ おわりに
当国で生活する中で,被害に遭う可能性が高い犯罪や,緊急事態が発生した場合などの
不測の事態への対処について基本的なことを記載しましたが,この手引きの対策だけをし
ていれば100パーセント安全が保証されるということではもちろんありません。また,政情
や治安情勢の変化によって,犯罪の傾向や発生しうる緊急事態も刻々と変わってゆきます。
そうした中で最も大切なことは,基本的な心構えとして申し上げました,「自分の身は自
分で守る」という基本原則を忘れずに,平素から不測の事態に備えることです。その際に
この安全の手引きが皆様の参考になりましたらこの上ない幸いです。