北見市高齢者相談支援センター南部通信 転倒しないカラダづくり『フォローアップ教室』 平成27年 5 月発行 第15号 家族の介護負担軽減に焦点を当て 家族介護者交流会『ほっとできる場』を開催 厚生労働省は平成 27 年 1 月、全国で認知症を患う人の数が 2025 年には 700 万人を超えるとの推 計値を発表しました。65 歳以上の高齢者のうち、5 人に 1 人が認知症に罹患する計算です。認知症高 齢者の数は 2012 年の時点で全国に約 462 万人と推計されており、約 10 年で 1.5 倍にも増える見通 しとなっています。 地域包括支援センターでは毎年、 『家族介護教室』と題して家族介護者の方への各種講座等を開催して いますが、平成 26 年度は『認知症の方への対応方法』 『家族介護者の負担軽減・交流』に焦点を当てた 教室を、北見市認知症疾患医療センター(北見赤十字病院内) の協力のもと、平成 27 年 2 月 7 日(土)に北見市民会館で 開催しました。 家族介護者の介護負担 家族介護者は、介護疲れを感じている方は少なくありません。 ストレスとその解決策については、『友人知人との会話・相談 などで解消した』が 56.1%と最も多く、次いで『趣味や遊び で気分転換することで解消した』が 44.7%、『要介護者を一 時的に預かってもらうことで解消した』が 38.3%であり、介 護者の自由な時間を確保すること、相談し合える関係や時間が、 介護負担の軽減に必要なことがわかっています。 家族介護者には『ほっとできる場』が必要 北見市内では『認知症の人と家族の会(よりそいの会)』が、 年 6 回程度介護者交流集会を開催していますが、それ以外で、 家族介護者が交流できる公的な場はなく、個人的につながる 他ないのが現状でした。そこで、認知症に限らず、実際に家 族介護を行っている介護者が集い、日頃の苦労話や、愚痴な どを話せる場を設けることとし、その場の名前を『ほっとで きる場』としました。 参加された方からは、 『参加して良かった』 『またこういう機 【出典】家族介護者の実態と支援方策に関する 会を作って欲しい』という多くの声がありました。 調査研究事業 報告書 平成 24 年 3 月 社団法人 これを受け、北見市南部地区地域包括支援センターでは、 全国国民健康保険診療施設協議会 平成 27 年度も継続して『ほっとできる場』が必要と強く感 じ、複数回開催することとしています。 【ほっとできる場に参加した方からの感想を一部抜粋】 ・大変な状態で頑張られている方々のお話しを聞いて、私はまだ… これからだと思い、親に優しく寄 り添いたいと思いました。 ・初めて家族の方の交流会に参加できてよかった。また機会があれば参加して、もっと具体的な話を聞 きたいです。 ・うちとけて声が出るようになった頃に時間が来るのが残念です。 ・介護をされているご家族のみなさんと交流させていただき、それぞれの悩みなどを聞く事で、心が楽 になりました。ありがとうございました。 ・色々悩みを持っている人と話をするだけで、気持ちが落ち着きました。 北見市における、要介護認定申請上位疾患をご存じでしょうか。上位から関節疾患(たとえば膝の 痛みなど)、心疾患、脳卒中、転倒・骨折と続きます。その疾患の中から『転倒予防』に注目し、理学 療法士会道東支部の協力を得て『元気アップ講座フォローアップ教室』を 2 月 18 日、3 月 18 日の 2 日に分け、北光地区住民センターで開催しました。講師は、理学療法士である箭内一浩先生。いま、特 に『一次予防』の重要性叫ばれています。一次予防とは、予防概念の中で最も重要な『病気にならない』 ための取り組み。 北見市南部地区地域包括支援センターでは、平成19年度より元気 アップ講座と題して、転倒予防、口腔、栄養改善に必要な一次予防教 室を、それぞれ専門分野の先生をお招きして開催していますが、今回 は、今までの講座に参加したことのある方を対象としたフォローアッ プ講座としました。 時間が経過するにつれて、『自分の体はどう変化しているのか』 『筋 力は落ちていないか』 『足は上がらなくなっていないか』など、転倒予 防に必要な専門的な評価を交えながら、かつ楽しく身体を動かす機会 を持ちました。講座参加者には、箭内理学療法士よりそれぞれの体力 測定結果と先生が感じる生活上の留意点等についてまとめた評価票が配られ、『自分の身体のことが数 字になって表れるのでわかりやすい』といった声や、 『通知せんみたいだね』といった声、さらには『参 加するだけではなく、こういった講座を企画してみたい』という声も挙がり大変好評でした。 次回は、7月1日より4回に分けて、中ノ島町圏域での開催を予定しています。ふるってご参加くださ い。なお、ご案内は6月北見市広報に掲載予定です。 箭内理学療法士に聞きました『一次予防の重要性』 誰しも他人の手を借りずに生活したい、いつまでも元気でイキイキ過ごしたいと思われます。しかし 老化は誰にでも訪れ、老化に対して不安を抱かれている方も少なくありません。 元気で過ごす時間を延ばすためには、健康増進・病気の予防といった一次予防が重要です。一次予防の ためには、まずは自分の体の状態を知ることが始まりです。 『最近転びやすくなった』 『物忘れがひどくなった』『尿がもれてしまう』など、年齢を重ねるとともに現れる 症状はありませんか?自分にあった予防の運動をみつけるきっかけは、日々のからだ の変化に目を向けることが第一歩となります。予防のための運動は、何歳から始めて も効果的です。 体の変化に早めに気づき、対策することが一次予防の重要なカギになります。予防 の方法はひとりひとり違いますし、知識がないので何をどうすればいいか分からないという方もいら っしゃるでしょう。私たち北海道理学療法士会道東支部の理学療法士は、『呼ぼう!予防!理学療法 士!』をキャッチフレーズに、地域住民の方々に一次予防の啓蒙を続け、地域貢献を図っていきたいと 思っております。 予防のために専門家である理学療法士の話を聞いてみたいという時には、ぜひお声掛けください。 北見市高齢者相談支援センター南部 介護、医療のことなど高齢者の 困りごとはお気軽にご相談下さい (北見市南部地区地域包括支援センター) 〒090-0824 北見市北光 280 番地7 電話 0157-57-3161
© Copyright 2024 ExpyDoc