公正な判決を求める要請書

東京高等裁判所 第 15 民事部 御中
平成 27 年(ネ)2592
地位確認等請求控訴事件
公正な判決を求める要請書
原告の橋場恒幸さんは、㈱DNP ファイン・エレクトロニクス(大日本印刷久喜工場)で 2005
年から請負契約で働いていました。2009 年、会社の業績不振を理由に解雇され ました。その後
自らの働き方が二重の偽装請負という違法状態にあったことを知り、さいたま地裁に対して、
DNP ファインに対する雇用契約の地位確認と損害賠償を求めて提訴し ました。
さいたま地裁は、被告らの 契約形態は多重の偽装請負であるとし、職業安定法 44 条違反、
労働基準法 6 条違反を認定しました。そもそも職安法 44 条では、
「何人も、次条に規定する場
合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働
者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない」として います。DNP ミクロテクニカは無許
可で労働者供給事業を行い、不法行為を行ってい ました。労基法 6 条は、「何人も、法律に基
づいて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない」として、中
間搾取を禁止しています。被告らは、それに違反していたことになります。
本来ならば時給 2,100 円のところ 2 社が介在し、原告の橋場さんは約半額の 1,060 円しか受
け取れないまま解雇されました。原告は、泣き寝入りはしない、たとえ大企業でも悪いことは
悪いと、不法行為に対する損害賠償と職場復帰を求めて、裁判に立ち上がったのです 。裁判は
5 年以上かかり、27 回に及ぶ裁判に毎回、傍聴席を満席にするほどの傍聴人が詰めかけ、多く
の方々が原告の橋場さんを応援し続けていました。
職安法44 条、労基法 6 条は、生産手段を持たない弱い立場の労働者を保護し、 人間として
の自由や尊厳を守る法律です。さいたま地裁は被告らの違法性を認めたにも関わらず、雇用契
約の確認及び、損害賠償請求を棄却としました。これでは労働者は何一つ救済され ません。派
遣切りや契約切りなど非正規雇用労働者の失業者が 急増する中で、違法行為を認めながら司法
が救済しなければ、労働者が安心して暮らせる社会はなくなってしまいます。
違法行為を犯した被告らを処罰し、原告を救済する 、公正な判決を強く要請します。
年
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日
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≪連絡先・署名≫
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