253121063:河川における、漂着木材、石

河川整備基金助成事業
(総合的な学習の時間)
「河川における、漂着木材、石、砂などを
使った造形遊び」
報告書
助成番号:25-3121-063
長野県松川町立松川東小学校
校
長
連絡担当者
高森
山﨑
広治
哲矢
平成25年度
様式6・2〔
「総合的な学習の時間」における河川を題材とした活動〕
[:概要版報告書]
助成番号
助成事業名
学校名
253121063
河川における、漂着木材、石、砂などを使った造形遊び
松川東小学校
校長名
高森広治
過去の助成実績
なし
担当教諭名
あり〔助成番号:
キーワード
助成事業名:
天竜川 漂着木材 石 砂
対象児童生徒
高校生( 年
対象河川名
天竜川
山崎哲矢
名) 中学生( 年
活動場所の指定状況
〕
造形遊び
名) 小学生(3 年
4 名)
なし 子どもの水辺 水辺の楽校
年間学習計画(シラバス)における本助成事業の位置づけ
テーマ
: 賢い子、正しい子、丈夫な子
ねらい
: 小規模校・少人数学級での学習指導の充実、特色ある教育活動の実践、心と体の健康
評価の観点: 子供の姿を適確に捉えているか。環境を生かした教育になっているか。
活動時期の予定: 4 月から翌年 3 月
総合的な
各教科学習
クラブ活動
その他
活動形態
学校行事
合計
学習の時間
(図工)
(
)
(
)
上記の
12 時間
3 時間
時間
時間
時間 15 時間
活動時間数
支援者等(複数記入可)
外部小学校
の支援
河川管理者
の支援
支援概要
活動成果
保護者
外部中学校の 外部高校
外部大学
市民団体
専門家等の
支援
個人の支援
の支援
の支援
の支援
の支援
行政機関の支援
その他
関係団体等の支援
企業
・博物館 ・歴史資料館
・漁協
・農協
の支援
・ビジターセンター 等
天竜川の教材化に関わる調査支援 活動場所の選定 安全のためのロープ設置
造形遊びの例題作り 道具提供
発表形態
成果作品
学級単位
学年単位
学校全体
発表テーマ「河川における、漂着木材、
対外発表(長野県内地留学生の会下伊那支部) 石、砂などを使った造形遊び」
安全対策に関する課題
すぐ横を天竜川の本流が流れているので、杭を打ち、50mのトラロープを張り、ロープから出ないよ
うに指示した。また、弁天岩を歩くとき、滑らないように注意した。特に、危険と思われることはな
かった。
今後の課題・展開
造形遊びは、日常生活で、心を豊かにしてくれることがある。水がこぼれたところを見て○○だ、と
か、大雪の後の溶け残りを○○だといった表現である。あるいは、一見役に立たないような廃物を
大切な遊び道具にするのも楽しそうである。豊かなイメージを思い描いているものと思われる。
天竜川には、漂着木材、石、砂、奇岩と言ってもよさそうな岩などがたくさんあり、造形遊びの材料
には事欠かない。また、学習後、ていねいに片付ける必要もなさそうである。なぜなら大雨が降り、
水かさが増せば、あたり一面、きれいな河原に変わるからである。天竜川での造形遊びをもっとダ
イナミックに展開してみたい。
今後、折に触れ、日常生活の中でも、造形遊びを大切にしていきたい。
活動内容と実施時期(主な活動を2つのみ記入)
部門
データベースに登録
するキーワード
啓発部門
大分類
総合的な学習
中分類
体験活動系
文化・歴史系
小分類
川遊び
文化
実施時期
10.11 月
10・11 月
※データベースに登録するキーワードは、本冊子 P.38 の表から代表的なものを2つ記入して下さい。
「総合的な学習の時間」における河川を題材とした活動〕
助成番号
253121063
[:概要版報告書(年間学習計画の写し)]
助成事業名
学校名・学校長氏名
河川における、漂着木材、石、砂など 松川東小学校
を使った造形遊び
高森広治
<年間学習計画の写し添付>
4 月下旬 天竜川の川原の調査
5 月下旬 造形遊びに使えそうな素材を集め、写真に収める。
6 月下旬 第一回造形遊びをする。
7 月下旬 第二回造形遊びをする。
10 月下旬 川原で次年度の干作りの素材探し
12 月中旬 干支作りをする。
様
式 6・3
〔
「総合的な学習の時間」における河川を題材とした活動〕報告書
助成番号
253121063
助成事業名
:活動写真
学校名・学校長氏名
河川における、漂着木材、石、砂など 松川東小学校
を使った造形遊び
高森広治
フィールド:平成 23 年学校で撮った写真
日
付 :10 月 25 日
コメント:造形遊びの導入に使った写真。
導入の話:皆さんは、毎年、竹で、次年の
干支を作ってきました。この写真は、辰を
作った時のものですね。竹で干支の動物を
作ることは無理なことです。そのとき、自
分で作ったものが、辰、と言えば辰になる
のです、と、お話しました。今回の造形遊
びでも同じです。思い切ってダイナミック
に作りましょう。象を作ったと言えば象!
フィールド:天竜川
日
付 :10 月 28 日
コメント:教師の作品例。
天竜川の工事のあとに石積みがあった。
その中の先がちょっと飛び出したよう
な半かけの岩に丸石とコンクリートが
くっついた石を拾ってきて、「象」が出
来上がり。はじめに作品例として子供た
ちに紹介した。
フィールド:天竜川
日
付 :10 月 28 日
コメント:教師作品 おじいさんと子供
天竜川の河原に生えていた草が流水で
下流側になびいたところがあったので、
それを髪の毛に見立てて、目や鼻に当た
る石を置き、作品にした。このほか、た
くさんの教師作品をあらかじめ用意し
ておいて、はじめに紹介した。
様
式 6・3
〔
「総合的な学習の時間」における河川を題材とした活動〕報告書
助成番号
253121063
助成事業名
:活動写真
学校名・学校長氏名
河川における、漂着木材、石、砂など 松川東小学校
を使った造形遊び
高森広治
フィールド:天竜川
日
付 :10 月 28 日
コメント:児童作品 恐竜の顔
児童の説明:石の形から恐竜をイメージ
し、マジックで目と歯を入れて作った。
評価:恐竜が振り向いているように見え
て、とってもリアル。
フィールド:天竜川
日
付 :10 月 28 日
コメント:児童作品 花
児童の説明:河原に平らな丸い石がいっぱ
いあったので、それを花びらにし、芯や茎
葉に合う石を探して作った。
評価:ぱっとみてわかる作品。花びらに合
う石、葉っぱに合う石など微妙に違う石を
探して作っている。
フィールド:教室
日
付 :11 月 6 日
コメント:天竜川の流木を使った造形遊び
の計画
第二回天竜川での造形遊びに向けて、計画
をした図面
結果的には、これに縛られるということで、
あまり、よくなかったかも。
様
式 6・3
〔
「総合的な学習の時間」における河川を題材とした活動〕報告書
助成番号
253121063
助成事業名
:活動写真
学校名・学校長氏名
河川における、漂着木材、石、砂など 松川東小学校
を使った造形遊び
高森広治
フィールド:天竜川
日
付 :11 月 11 日
コメント:教師作品 ワニに食べられた人
二度目の造形遊び
二つの岩が折り重
なっているような岩の間に子供たちに
入ってもらった。目に当たる所へ丸い石
を置いた。このほか、たくさんの教師作
品をあらかじめ用意しておいて、はじめ
に紹介した。右手前に助成金で買ったチ
ェーンソウが写っている。
フィールド:天竜川
日
付 :11 月 11 日
コメント:児童作品 船
天竜川には漂着木材がたあくさんある。
子供たちがイメージがはたらくように
いろいろな助成金で購入したチェーン
ソウでいろいろな大きさ、長さの丸太を
切り、用意しておいた。これは、船。岩
を背景にして、停泊を示している。
フィールド:天竜川
日
付 :11 月 11 日
コメント:児童作品 ケーキ
天竜川にはきれいな砂浜が広がってい
る。それを活用させてケーキを作った。
飾りは石に綺麗な模様を描いて貼り付
けている。こんなケーキを作って、他人
に分けてあげたり、自分たちで食べてみ
たいという思いが感じられる。
写真は、実績報告書の中にも掲載してある。
様式6・5
〔
「総合的な学習の時間」における河川を題材とした活動〕
[実施箇所位置図]
助成番号
助成事業名
学校名・学校長氏名
25-3121-063
河川における、漂着木材、石、砂など
を使った造形遊び
松川東小学校・高森広治
主な実施箇所
松川東小学校(上)と弁天岩(下)
助
成 事 業 の 主 な 実 施 箇 所
年間活動実績
松川東小学校
山崎哲矢
テーマ 「河川における漂着木材、石、砂などを使った造形遊び」
[造形遊びの素地]松川東小学校では、申請者手塚恒人講師(平成 24 年度で退職)が中心となって、地域
産竹で、全校児童(16人前後)
、毎年 12 月次年の干支を作ってきた。細長い竹で動物の形を作ることは大
変なことである。手塚講師は「自分が寅と言えば、とら、兎と言えば、うさぎ、辰と言えば、たつになるか
らね。実際の動物の通りにならなくていい。だから、思い切って作ってみよう。
」と呼びかけ、子供たちに
とって楽しい造形遊びを続けてきた。24 年度は地元産、粘土も使った。
[予備調査]天竜川には、大雨後の洪水の時、河原に漂着木材が多数見られる。また、領家帯、秩父帯、四
万十帯などの、模様や色の変化に富む美しい円礫、淘汰された砂、小石等が見られる。さらに、天竜川の河
床の中には、隆起、侵食を繰り返した岩が散在する。まさに、造形遊びの素材に事欠かない。川原での遊び
は、どんなに広げても、また、大雨が降れば、綺麗に洗い流してくれるので、綺麗に片付ける、といった手
間も省ける。そこで、学区のある松川町から飯田市下久堅までの天竜川の調査を通して、造形遊びにいちば
んいいフィールドを決め出すことにした。
調査の結果、ロープを張れば安全であり、川原が広がっていて、漂着木材があり、砂場・小石の広がりも
あって、奇岩が出ている弁天岩周辺を選んだ。
[教材化の視点]学習指導要領図工3・4年の造形遊びの目標は「材料などから豊かな発想をし、手や体全
体を十分働かせ、表し方を工夫し、造形的な能力を伸ばすようにする。」である。私は「豊かな発想をする
力」「体全体を充分働かせる力」「発想から工夫する力」「楽しんで造形的な能力を伸ばす力」などを育て
る場として、予備調査などを経て、天竜川の弁天岩付近を選定した。教師がいくつか模範を示し、子供たち
の手に負えない大きな石の移動、漂着木材の切断など、教師が補助すれば、豊かで楽しい造形遊びになるの
ではないかと考えた。実際に、私がわずかの時間弁天岩付近を散策するだけで、バラの花、ハチマキをした
汗をかいている子供の顔、人間の胃袋の中などの発送が浮かんだ。3 年生の子供たちは保育園のころから砂
場ですなあそびをしてきたが、ここでも、上質な天然の砂場が広がっており、砂遊びを素地とした造形遊び
がすぐにできると思われた。
[学習展開] 対象は3年生4人である。まず、天竜川の弁天岩周辺の様子を写真で紹介し、造形遊びをする
ことを話した。次に、造形遊びの素材になると思われる、砂・小石・岩・漂着木材などを具体的に紹介した。
その他、すぐ横を天竜川の本流が流れているので、ロープを張った外側へは、でないこと、など注意するこ
とを話した。
第一回造形遊び(10 月 28 日)
:前日までに、参考作品として、バラの花、リニア新幹線のトンネルと車
体、老人と子供、走る人、ハチマキをして汗を流している子供、塔などを作っておいた。当日は松川町のワ
ゴン車で行った。まず、
「皆さんは、毎年、竹で、次年の干支を作ってきました。この写真は、辰を作った
時のものですね。竹で干支の動物を作ることは無理なことです。そのとき、自分で作ったものが、辰、と言
えば辰になるのです、と、お話しました。今回の造形遊びでも同じです。思い切ってダイナミックに作りま
しょう。象を作ったと言えば象!・・・」などと話し、参考作品を説明しながら見て回った。その後、子供
たちの制作が始まった。子供たちは、楽しそうに話をしながら小石を並べて花、岩に目や口を描いて恐竜の
顔、岩のとびでているところへ目や鼻の小石、髪の毛の草を置いて顔、石の上へ登って片手を上げ自由の女
神などを作っていった。最後に新しい教師作品も含めてみんなの作品を見て回り、良い点などを出し合った。
次回は、
もっとダイナミックな作品になるように漂着材木を使ったり、岩を使ったりして造形遊びをしよう、
というまとめをした。
第二回造形遊び(11 月 11 日)
:5 日に 2 時間とって構造図を描いた。これを元にするが、もっといい思い
つきがあったら、変更もよい旨伝えた。多くの子供たちが漂着木材を使うことを考えている様子だった。前
日までに、漂着木材をいろいろに使えるようにいろいろな太さ、長さ、面白い形の根などをチェーンそうで
切断して用意した。当日、子供たちに本日の目標を発表させたあと、制作にかからせた。子供たちは、試行
錯誤しながら、船、ケーキとう、塔など構造図に沿った作品を作り上げていった。完成したところで、みん
なで見合い、感想を述べあった。岩の活用が不十分だったので、私は子どもたちといっしょに岩を使った作
品を一緒に考えた。そして、岩のベッド、山登り、ワニに食べられる人、大蛸などの作品が生まれた。次の
ページに岩のベッド、山登り、大蛸の写真を掲載した。
山登り
目 玉の石 を置 いて大
蛸
岩のベッド
その後、子供たちは、学校周辺の豊富な自然物を使った造形遊びをしたい、と願った。そこで、1年生2
人も加わり、合わせて6人で、造形遊びをすることにした。校庭の砂場は、5m×2mの広さで、今までは
体育の幅跳びや高跳びに使うくらいだったが、そこをめいっぱい使って、砂と自然園から持ち込んだ木や葉
などを使って、協力しながらいろいろなものを作って、造形遊びを楽しんだ(写真)
。
また、図工で行った「トントンサクサク木の名人」は工作セットを購入して、板や角棒に釘を打っておも
しろい形を作った活動であったが、子供たちは、造形遊びの経験から、工作セット以外の角材や板、その他
の材料を所望したり他の身近な材料をも取り入れたりしながら、素材の持つ質感、色、形、いろいろな組み
合わせを生かした楽しい造形遊びにした。