生殖と発生(2)—発生のしくみ

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生殖と発生(2)—発生のしくみ
2008 後期生物学(2) 倉田薫子
Key words:発生,分化,原腸胚,原口陥入,原基分布図,形成体,誘導
1.発生とは何か(教科書 p.65)
発生:受精卵が分裂して細胞数を増やしながら,次第に形が変化して生物のからだを
形作っていく過程
配偶子形成→受精→卵割(細胞数増加)→細胞の分化→器官形成→個体完成
2.カエルの発生(教科書 p.66-69)
セキツイ動物の発生過程を比較すると,どれもよく似ている
重要な用語:動物極,植物極,卵割,桑実胚,胞胚,卵割腔,原腸胚,原口陥入,神経胚,
三胚葉,尾芽胚
カエルの発生(図参照)
3.発生のしくみ<When, How, What>(教科書 p.80-81)
フォークトによる「予定運命図」
シュペーマンによる「予定運命の決定時期」交換移植実験
「何が指令を出しているのか」原口陥入がカギ?
何が誘導に働くのか?:アクチビン濃度と誘導
VTR:NHK 教育「発生の過程」
質問回答集>生殖と発生(1)—細胞分裂と生殖
* ヒトとダニの関係は,相利共生,片利共生,寄生のどれになるのですか?アレルギーなど,ヒトの害になることしか思
いつかないのですが…
その通り,害になることしかなさそうなので基本的には寄生だと思います.植物とダニの場合は,葉っぱを食べるダニは寄
生ですが,ダニを食べるダニが葉っぱに住んでいることがあって,これは相利共生になります.
* 相利共生の関係は,どういったことを原因として始まるのでしょうか?
たまたま利益があるもの同士が同じ空間にいたんでしょうね.なんか利益があって居心地がいいからとかいうことなのでしょ
う.人間も似てますね.
* ジャガイモの芽にあるという毒は,捕食者から身を守るためのものですか?
ジャガイモの芽は結構な毒性で知られていますが,全ての芽にあるわけではないらしいです.たまたまいくつかの要因が重
なった時に合成されてしまう物質が毒を持っているということなので,捕食とは関係なさそうです.外からは毒が合成された
かどうかわからないので,芽を取って調理するように注意が必要です.
* エビは成長につれて性別が変わるそうですが,そういう生物も無性生殖というのでしょうか
性別があるという段階で,有性生殖ですね.成長段階に伴って性別を変える生物はたくさんいますが,これらはその成長段
階に応じて有利な方法で生殖をするのでそういうしくみをもっているのです.身体が小さいうちは大きな卵を作れないので
オスになり,成長するとメスになるパターンが多いです.
* 有性生殖をするウィルスっていないんですか?
ウィルスはそもそも分裂でもなく,他の生物に寄生しなくては増殖できません.つまり単独では増殖もできないし,性別を持
たないので有性生殖はあり得ないのです.
* 人間は死ぬまでにどのくらい細胞分裂するのか?
いろいろなところで同時にたくさん分裂は起きているので,よくわかりません.血液の中の赤血球一つだって,細胞分裂に
よってできているんですよ.何回分裂するかなんて数えられるでしょうか?
* 人間もいろいろいじれば分裂できるんですか.
クローンは言ってみれば栄養生殖なので,分裂と言えば分裂ですね.
* 2m の長さの DNA はどうやって核の中に入っているのか
もちろん折り畳まれてです.太さも相当に細いので可能なのでしょう.
* 人間を食べる生物が生まれる可能性はありますよね?
今もあなたの身体を食べている奴らがいるじゃないですか.ダニです.目に見えなくても被食—捕食の関係はあるのです.
* 遺伝子組み換えはどうやって行なわれているのですか?/DNA の二重らせんは,誰がどうやって発見したのでしょう
か?
生物学(1)で扱ってます.教科書 p.125 参照./これも生物学(1)で扱いました.教科書 p.110 参照.