第6章 分野別施策の基本計画 第6章 分野別施策の基本計画

第6章 分野別施策の基本計画
第1節 自然きらめくまちづくり 1−1 自然の保全・活用
1−1 自然の保全・活用
1 自然環境・景観の保全
2 自然環境の活用
1
自然環境・景観の保全
現況と課題
本市は市域の7割が豊かな森林に覆われ、
その一方で、河川や海の水質汚濁など、生
肱川やその周辺に連なる田畑、伊予灘の海岸
活様式の変化や都市化により田園景観や水辺
線など水と緑の豊かな自然は市民の誇りと
の環境が大きく変わってきており、市民の環
なっています。
境や景観に対する関心も高まっています。
市のシンボルの冨士山をはじめ出石山、壺
これらの豊かな自然環境や生物多様性 ※、
神山、神南山、雨乞山、御在所山などの山々
美しい自然景観を将来にわたって守り、育て、
の緑や肱川や河辺川の水辺では多様な生態系
潤いのある生活を送ることができるよう、市
が育まれており、伊予灘海岸の景観、大洲盆
民・事業者と行政が連携し、適正な土地利用
地の田園風景や中山間地域の農村風景など、
の促進と、森林や河川・海岸の自然環境や景
美しい風情のある景観は市民生活に潤いと安
観の保全と整備を図ることが課題です。
らぎをもたらし、観光客を和ませます。
基本目標
市民が豊かな美しい自然の中で潤いのある
近な肱川などの河川や伊予灘海岸、里山など
生活を営み、将来にわたってその生活を維持
の自然環境と自然景観の保全により、生物多
できるよう、森林の水源かん養機能や多様な
様性の確保を図ります。
生態系などの保全・向上を図るとともに、身
※様々な種類の生物が存在すること。また、生物それぞれの違いのこと。
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主要施策
緑、里山や棚田などの田園風景、自然堤防
⑴ 異常気象による災害の発生に備え、森林
や湖畔林、河川や鹿野川湖などの水辺、伊
の保水力を高めるなど、防災機能の維持・
予灘の景観など、市民と連携して地域の特
確保を図ります。
性に合わせた美しい自然・田園景観の保全
と創造を図ります。
⑵ 「国土利用計画」や「大洲市都市計画マ
スタープラン」「大洲市景観計画」などに
⑵ 「大洲市景観計画」などに基づき、市内
基づき、計画的な土地利用の促進や景観形
にある名木や古木、社叢など、地域のシン
成に努め、里山の保全を図ります。
ボルとなる樹木や森の保護を図ります。
「冨士山公園」をはじめとする公園・緑地
⑴ 肱川流域の市町と国、県が連携し、肱川
の整備、道路緑化の推進、事業者や住宅の
の清流保全を図るため啓発活動に努めると
敷地内緑化の促進など、花と緑のまちづく
ともに、「肱川清流保全条例」に基づき、
りを推進します。
⑷ 肱川流域や海岸の一斉清掃、各地区での
肱川清流保全推進協議会の取り組みを促進
清掃活動、道路・河川の里親制度による清
します。
掃活動などにより、ごみのない美しいまち
⑵ 市民と行政が協力し、洗剤の適量使用、
⑸ 道路や河川などの公共施設の整備にあ
排水の適正化、農薬・肥料の適正使用と家
畜糞尿の適正処理、ごみの不法投棄防止な
たっては、
「大洲市景観計画」などに基づき、
どにより、河川の浄化を促進します。
自然景観と調和した施設づくりを促進しま
す。
⑶ 「大洲市生活排水処理基本計画」に基づ
き、公共下水道や農業集落排水施設の整備、
合併処理浄化槽の設置などにより、河川や
海などの水質改善を図るとともに、河川環
境に配慮したダム機能の向上により、維持
流量の確保と清流の回復に努めます。
⑷ 河川や水路については、生物の良好な生
息・生育・繁殖環境の維持・保全及び多様
な河川景観に配慮した自然豊かな川づくり
に努めます。
⑸ 学校教育や生涯学習と連携し、環境教育・
環境学習の推進を図ります。
3.自然・田園景観の保全と創造
⑴ 市民生活に潤いと安らぎを与える山々の
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づくりを促進します。
台所用水切り袋や有用微生物の活用、生活
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章 分野別施策の基本計画 2.肱川の清流保全と水辺環境の保全
第
⑶ 市民と連携し、花いっぱい運動の推進、
第2編 基本計画
1.森林の保全・整備
市民のまちづくり活動の方向性
1.市民の取り組み
2.事業者の取り組み
⑴ 森や川などの豊かな自然を次世代に引き
⑴ 森林や農地の維持・管理を図るとともに、
継ぐため、美しい里山を守り、家庭排水の
農薬・肥料の適正使用、家畜糞尿や工場排
浄化など、環境保全に取り組みましょう。
水の適正処理に努めましょう。
⑵ 地域景観への関心を高め、自然景観と調
⑵ 自然景観と調和した施設整備や敷地内緑
和した家づくりや花と緑のまちづくり、地
化、花づくり、清掃活動への参加など、美
域での清掃活動など、美しいまちづくりを
しい景観のまちづくりを進めましょう。
進めましょう。
数値目標
項 目
単 位
基準値
前 期
目標値
現況値
後 期
目標値
肱川水系の水質改善
(生々橋地点のBOD濃度)
㎎ /ℓ
2.0
以下
2.0
1.5
1.5
肱川水系の水質改善
(十夜ヶ橋地点のBOD濃度)
㎎ /ℓ
2.0
以下
3.0
3.9
2.0
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2
自然環境の活用
現況と課題
かな自然を活かしたレクリエーション活動な
子どもたちが山や川・海で遊んだり、家庭で
ど、自然の中でリフレッシュしたり、自然に
花や木、昆虫や動物を育てる機会などが減る
関心を持つ市民も増えてきています。子ども
傾向にあります。その一方では、余暇の過ご
たちが自然を体験し、市民が自然とふれあう
し方が多様化する中で自然志向が高まり、豊
などの機会や場所づくりが求められます。
第2編 基本計画
本市は豊かな自然に恵まれているものの、
第
市民が自然に接し、心身のリフレッシュを
るよう、自然環境の適切な活用を図ります。
図りながら、郷土に対する愛着や誇りを育め
主要施策
章 分野別施策の基本計画 6
基本目標
1.自然とふれあう場や機会づくり
など、市民自らが自然に親しみ、憩い、楽
⑴ 学校教育や生涯学習、地域コミュニティ
しむイベントなどの機会の充実を図りま
す。
活動、都市と農村の交流などを通して、市
⑶ 自然に学び、遊び、健康づくりを行う場
民の自然学習や自然体験の機会の充実を図
として、里山や川・湖、海を活用した公園
ります。
やキャンプ場などの整備・充実を図ります。
⑵ 山菜とり・魚とり、ウォーキング、水遊
びやカヌー、キャンプ、うかいや川まつり
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市民のまちづくり活動の方向性
1.市民の取り組み
ン機会づくりを通して、都市と農山漁村の
⑴ 自然に対する経験豊富な市民が中心にな
市民の交流を図りましょう。
り、子どもたちの自然体験や自然遊びの機
2.事業者の取り組み
会づくりを充実しましょう。
⑵ 大洲らしい豊かな市民生活の実現に向け
市民や観光客に対し、自然体験の機会を
て、自然レクリエーション機会の充実を図
提供する体験型観光やグリーンツーリズム
りましょう。
の取り組みを促進しましょう。
⑶ 子どもの自然体験や自然レクリエーショ
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