大学ネットワーク静岡 科学交流フォーラム 実 施 事 業 の 概 要 大 学 名 浜

大学ネットワーク静岡
実
大
学
名
施
事
科学交流フォーラム
業
の
概
要
浜松大学
実施組織名等
科学交流フォーラム実行委員会
事業名:現代人の健康
日時、場所:H17.12.3(土) 10:30∼16:30 浜松大学講堂(トコハホール)
プログラム:
特別講演(和田高士 東京慈恵会医科大学健康医学センター長 テーマ「現代人の健康」)
学術発表(寺島健彦 浜松大学健康プロデュース学部健康栄養学科研究助手「食と健康について
∼脳機能と食事成分∼」
・七海 陽
未来」・藤井
均
同心身マネジメント学科講師「柔軟性の科学」)
パネルディスカッション(・座長
同学部長・教授 ・パネリスト
学科助教授
古谷
同こども健康学科講師 「テレビゲームとこどもたちの今、
学
竹内修二
杉山千歳
同心身マネジメント学科教授 ・講評
同学部健康栄養学科講師
海野展由
田中誠一
同こども健康
同心身マネジメント学科助教授)
事業の概要と成果:
「現代人の健康」というテーマで、健康を多角的に捉え一般の人にも啓蒙できる内容を考え、プロ
グラムを組んだ。
午前中は健康医学センターに所属している医師に、日常的に相談に来る患者さんの訴えなどを視野
に入れた、健康について一緒に勉強しましょうとの問いかけ的な特別講演を行って貰った。問いかけ
は、途中演壇から降り聴衆の中に入って質問を行い、引き出した答えから、また講演を続けると言っ
たユニークな特別講演となった。内容は、世間の耳目を集めている生活習慣病についての詳しい説明、
病気の前段階「未病」とは何か、未病の段階で自分の健康管理は自分で行うセルフメディケーション
によって健康状態を回復させる大切さ、最後に、健康維持に有効な生活習慣「一無・二少・三多」が
提唱された。この様な、健康な日常生活を送りましょうとの啓蒙的特別講演であった。
午後は、今年度開設の健康プロデュース学部3学科、健康栄養学科とこども健康学科と心身マネジ
メント学科、各学科の若手教員が、自らの研究内容成果を踏まえて、各専門分野より捉えた「健康」
を織り込んでの学術発表を行った。
健康栄養学科からは、「食と健康について」と題し、食事の成分が脳機能に対しどの様に影響を及
ぼしているのかを、茶葉に含まれるアミノ酸のひとつ、テアニンに関して、実験結果を踏まえて発表
を行った。健康な体のみならず、心=脳機能を維持するためにも、きちんとした食生活が重要であり、
何をどの様に食していけばよいかを、科学的根拠に基づき提案した。
こども健康学科からの発表は、社会的関心事となっている情報メディア利用が脳や心の発達、人格
形成におよぼす影響に関しての研究の現状を報告した。研究結果の実態を把握し、情報メディアとの
接触により時間・場面・空間・経験などが奪われるという心身発達への影響を見識として示した。そ
の上で、情報メディアと上手く付き合う現段階での対応として「接触時間と同等かそれ以上の直接体
験」および「その内容について大人が一緒に見、遊び、会話し、コメントする」の2点を示した。
心身マネジメント学科よりの発表は、スポーツの現場で重要と言われている「5つのS」、その中
でも比較的意識が低く扱われている「柔軟性」を捉え、柔軟性向上のためのストレッチングに関して、
その変遷と、競技前、競技後、外傷予防、障害治療のためにそれぞれに適したストレッチングを利用
して柔軟性を高める工夫が図られるようになってきた実情を報告した。その上で、健康な的な日常生
活を送るために、柔軟性と安定性の重要性と目的を意識したストレッチングの利用を提唱した。
3題の学術講演終了後パネルディスカッションの形態を取り、各講演に対し同じ学科の人に追加発
言を行って貰い、壇上間および聴衆者間とも質疑応答を行った。
聴衆から学術発表者への実験方法や、結果に対するつっこんだ質問もあり、また、今回の発表には
盛り込まれていなかったが、同じ分野に身を置くものとしての考察を聞きたいという質問まで出て来
た。単に学術発表を拝聴する講演会というだけではなく聴衆にも参加して貰うことが出来、「健康」
を寄り身近なものとして考えたいという意識を植え付けることが出来たと思われる。
白熱した質疑応答も、限られた時間故に中断を余儀なくされてしまった。議論の続きは場所を変え、
交流会へと移された。壇上の演者と客席の聴衆と言った物理的に距離の離れた議論も、膝を突き合わ
せ、和やかな意見交換となり、交流会の趣旨にあった時を過ごすことが出来た。
参加者は、当初予想した人数より少なかったが、平成17年度大学ネットワーク静岡科学交流フォ
ーラムが開催され、
「現代人の健康」をテーマとして行ったこと、およびその内容の一端、
「健康」の
ついて様々な方向性から考えられる事を広く知らしめることが出来たと考えられる。それは、この平
成17年度大学ネットワーク静岡科学交流フォーラムなる催しが行われると言うことを、広く報じた
際の反応により、感じられたことである。
広報活動は、おもにポスターおよびパンフレットによって行ったが、その中で特別講演と学術発表
の内容を類推させる、類推してもらえるものが出来たと思う。そのポスターとパンフレットは、浜松
市内中学、県中部西部の高等学校、市内にある看護や理学療法などの医療系専門学校、浜松医科大や
聖隷クリストファー大などの大学といった学校関係。浜松市立中央図書館とその分館。近隣の一般市
民の方へと浜松市内公民館30カ所に。また、市内の書店10店舗。それぞれに送付なり持参してポ
スターを貼付してもらい、パンフレットを配布して貰った。学校関係に持参し、開催の趣旨、内容に
ついて説明を行って廻った際に、参加したいあるいは学生に参加させたとの言葉を多数受け、テーマ
と内容についての反応を感じた。ただ、開催日が訪れた大学で行われる講演会日と重なったりと言っ
た不都合を多々聞かされ、この日程がネックとなって、当初予想した人数より少ない参加者となった
と考えられる。
確かに講演を聴衆したのは当日の参加者のみであるが、平成17年度大学ネットワーク静岡科学交
流フォーラムが「現代人の健康」をテーマとして開催されたと言うことその内容の一端は、上述した
広報活動によって、静岡県民に広く呼びかけられ、静岡県民に健康について考える機会を持ってもら
えたという効果があったと考えられる。