5 児童虐待防止・児童養護対策の充実 (1)児童虐待の発生予防 ●広報・啓発活動の推進 ◇ 啓発リーフレットの配布やオレンジリボンの活用により、児童虐待に関す る広報、啓発活動を展開します。 ◇ 社会貢献活動と協同したオレンジリボンキャンペーンを展開します。 (こども安全課) ≪平成24年度の取組実績≫ 民間企業とも協力し、次の広報、普及啓発キャンペーンを実施した。 ・トークショー開催(堀尾正明氏出演) ・駅貼りポスター(大宮など8駅、1週間) ・J・ADビジョン(浦和、大宮駅改札付近に設置の60インチビジョン、 計14面、4週間) ・電車中吊広告(宇都宮線、高崎線、武蔵野線、各3~4日間) ・映画館等での啓発CM放映 ユナイテッドシネマ浦和(8月、2週間) イオン越谷レイクタウン(11月、2週間) ワーナーマイカル熊谷(同上) シネプレックス新座(同上) 大宮アルシェビジョン(11月、1週間) ・埼玉スタジアム南側県PRブースでの啓発活動(11月17日) ・三国コカ・コーラボトリング㈱によるオレンジリボンをあしらった自動 販売機を設置及び売り上げの一部の関係 N`PO 法人への寄付。 ・ミニコミ誌「ぱど」でのオレンジリボンキャンペーン、里親入門講座、 子どもスマイルネット等の広報。 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 平成 24年度と同様の取組を実施。 (2)児童虐待の早期発見・早期対応の推進 ●休日夜間虐待通報窓口の運営 ◇ 24時間いつでも児童虐待通報に応じられるように、夜間や休日において 県内全域をカバーする電話受付窓口を運営し、緊急の対応が必要な場合には、 管轄の児童相談所が地域の児童福祉関係機関と連携し、速やかに対応します。 - 31 - (こども安全課) ≪平成24年度の取組実績≫ 休日や夜間における児童虐待通報窓口を設置して、相談体制の充実強化に努 めた。 【休日夜間児童虐待通報ダイヤルの相談実績】 21年度 22年度 23年度 24年度 児童虐待通報 466 件 717 件 766 件 714 件 一 般 相 談 310 件 370 件 458 件 385 件 合 776 件 1,087 件 1,224 件 1,099 件 計 ≪平成24年度の取組予定と今後の課題≫ 休日や夜間における児童虐待通報の受付・対応を行い、児童虐待の早期発見、 早期対応の更なる充実を図っていく。 相談件数の増加に伴い、緊急訪問や緊急一時保護、110番通報が必要な事 案も増えており、より一層適切な対応を図っていく必要がある。 ●要保護児童対策地域協議会の活性化 ◇ 市町村職員の児童福祉司任用資格取得を推進します。 (こども安全課) ≪平成24年度の取組実績≫ 児童福祉法施行規則第6条に基づく児童福祉司任用資格を取得するための 市町村職員向けの講習会を開催した。 【市町村職員向け児童福祉司任用資格取得講習会の受講状況】 22年度※ 参加者 うち資格取得者 23年度 24年度 23人 27人 16人 17人 17人 12人 ※ 事業初年度 ≪平成 25年度の取組予定と今後の課題≫ 平成24年度と同様、市町村職員向け講習会を開催し、市町村職員の資格取 得を促進していく。 各市町村に専門職員を多く配置して相談機能を強化するためには、より多く の市町村職員に受講していただくことが課題である。 ●重大事例の検証 ◇ 児童虐待による死亡事例等の重大事例が発生した際は、第三者による検証 - 32 - 委員会を設置して十分な検証を行い、再発防止策を講じます。 (こども安全課) ≪平成24年度の取組実績≫ 平成24年7月に朝霞市において発生した5歳男児の死亡事例について、検 証委員会による検証を行った。 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 平成24年度に実施した検証の報告書の取りまとめを行うとともに、報告書 の提言に基づき、今後も継続して再発防止に取り組む。 (3)虐待を受けた子供や親への支援 ●家族再統合の取組強化 ◇ 虐待(再発)防止のためには家族全体を含めた相談や支援を行うことが重 要なことから、児童相談所の心理・家族支援担当の機能を強化します。また、 家族支援プログラム※を用いて、虐待等により施設に入所した児童を安全に家 庭環境に戻す家族再統合を進めます。 ◇ 家族支援プログラムによる施設入所児童の個別プランを作成し、施設職員 と連携して家庭復帰を促進します。 ※ (こども安全課) 家庭支援プログラムとは、虐待などを理由に児童福祉施設等に入所した児童に対し、安全な家 庭環境に戻すためのプロセスや支援内容を個別に提示し、児童や家庭などの関係者の間で進行 状況を確認しながら家庭復帰を進めていくプログラム。 - 33 - ≪平成24年度の取組実績≫ 【家族支援プログラムに基づく家族再統合の状況】 21年度 22年度 23年度 24年度 220 件 311 件 343 件 346 件 102 人 110 人 131 人 98 人 家庭引取りに向けた 個別プランの実施 個別プランの実施によ り家庭に戻った児童数 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 各児童相談所家族支援担当に児童心理支援員(非常勤職員)を合計9名配置 し、家族支援プログラムの適用事例を増やし、引き続き家族再統合に取り組ん でいく。 ◇ 児童養護施設において児童の家庭復帰を促進する家庭支援専門相談員 (ファミリーソーシャルワーカー※)の配置を支援します。 (こども安全課) ※ 家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー)とは、児童養護施設等の入所児童の早 期家庭復帰、里親委託等を可能とするため、入所前から退所さらに退所後アフターケアに至る 総合的な家族調整を行う。 ≪平成24年度の取組実績≫ 【児童養護施設への家庭支援専門相談員の配置状況※1】 21年度※2 20施設 22年度※2 23年度※2 24年度※2 20施設 20施設 20施設 ※1 配置施設は、さいたま市所管施設を除く。 各年度4月1日付の施設数 ※2 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 国が施設の必置職種として配置を義務化した。 入所児童が家族と再統合できるよう、職員研修等により、家庭支援専門相談 員の資質向上を図る必要がある。 (4)家庭での養育が困難な子供や親への支援の充実 ●家庭的養護の拡充 里親委託等推進員※の配置や里親制度の普及啓発により、里親委託を推進し ます。 (こども安全課) ◇ ※ 里親委託等推進員とは、里親への児童の委託を推進するため、未委託里親への受託希望調査や 里親委託候補児童の選定、受託里親家庭への訪問支援などについて、企画、実施、関係機関と の連絡調整を担う職員。 - 34 - ≪平成24年度の取組実績≫ 平成24年度に実施した取組みは、次のとおり。 ①各児童相談所(全6所。さいたま市は除く)への里親委託等推進員の配置。 【児童相談所への里親委託等推進員の配置状況】 21年度 22年度 6名 6名 23年度 24年度 15名 15名 ②児童相談所ごとに、里親委託等推進委員会を開催。 ③各児童相談所において、一般県民を対象とした里親入門講座を開催した。 【里親入門講座の開催状況】 開催回数 延べ参加者数 21年度 22年度 23年度 24年度 13 回 13 回 13 回 14回 250 名 209 名 230 名 204 名 【里親等委託率】 21年度 9.2% 22年度 10.1% 23年度 11.0% 24年度 11.7% 26年度 (目標) 15.0% ④里親普及促進フォーラムを開催し、140 名が参加した。 ⑤県内のイオンに普及啓発チラシを置き、来店者に配布した。 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 平成25年度も平成24年度と同様の取組みを行っていく。 ●児童福祉施設入所児童のケアの充実 ◇ 児童養護施設における小規模グループケア※の実施を促進します。 (こども安全課) ※ 小規模グループケアとは、児童養護施設等において虐待により心に深い傷を持つ子供などに対 し、職員との個別的な関係を重視したきめ細やかなケアを提供するため、少人数(原則6~8 人)の家庭的な環境の中で養育を行うこと。 - 35 - ≪平成24年度の取組実績≫ 【小規模グループケアの実施状況】 21年度※ 22年度※ 23年度※ 24年度※ 施 設 数 16施設 16施設 16施設 15施設 か 所 数 22か所 24か所 40か所 46か所 ※ 各年度4月1日付の施設数及びか所数 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 平成25年度は、16施設(48か所)において小規模グループケアを実施。 小規模グループケアの認定要件が整えられるよう、1施設あたりケア単位の 小規模化・地域分散化を推進する必要がある。 ◇ 保護を要する重症心身障害児や病虚弱児に対して乳児院において十分な在 宅医療を行うことができるように看護師の24時間常置体制を整備し、乳児 の命を守り、安全を確保します。 (こども安全課) ≪平成24年度の取組実績≫ 重症心身障害児等乳児院受入体制整備事業費により、済生会川口乳児院に加 配看護師の人件費等の補助を行い、重症な障害のある乳児の受入枠4床を設置 して、24時間在宅医療を行う体制を整備した。 ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 事業運営の安定化を図るため、引き続き事業費補助を行っていく。 また、今後も重篤な疾患や障害のある要保護乳児の増加が予想されるため、 受入枠を拡大するための方策を検討する必要がある。 ◇ 児童養護施設、当該児童生徒の通学する小・中学校、当該小・中学校を管 轄する市町村教育委員会の三者の連携強化と支援の充実を図ります。 (こども安全課、教育局人権教育課) ≪平成24年度の取組実績≫ 県が所管するすべての児童養護施設(20施設)において、小学校と定期の 連絡会議を開催した。 また、中学校では、11施設が定期の連絡会議を開催し、残りの9施設につ いては必要に応じて不定期の連絡会議を開催した。 (こども安全課) - 36 - 児童養護施設、当該児童生徒の通学する小・中学校及び当該小・中学校を管 轄する市町村教育委員会担当者の連携を強化するため、児童虐待アフターケア 研修会を実施した。 (教育局人権教育課) ≪平成25年度の取組予定と今後の課題≫ 施設に対しては引き続き、学校をはじめ関係機関と十分な連携をとるよう指 導していく。 平成24年度と同様、児童虐待アフターケア研修会を実施していく。なお、 被虐待児童生徒へのアフターケアのあり方が課題である。 - 37 -
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