SWOT分析とは 1960年アメリカで企業評価戦略ツールとして開発された手法 スタンフォード大学 アルバート・ハンフリー氏の研究プロジェクト SWOTとは S strength = 自社の内部要因である「強み」 W weakness = 自社の内部要因である「弱み」 O opportunities = 外部環境で今後の可能性やチャンスを示す「機会」 T threat 外部環境で今後のリスクや厳しい状況を示す「脅威」 = 上記の外部環境に内部要因を掛け合わせた「クロス分析」を行い、企業固有戦略を立案。 外部環境であるマーケットへ自社の内部要因を用いた積極的戦略を導く、顧客都合(マ ーケットイン)の発想。 特に、「強み」と「機会」の分析に重点を置き時間をかける 一般には、SWOT分析は「バランススコアカード(BSC)」という経営戦略構築評 価システムのツールの一環として使われることが多い。 中小企業にはなかなか難しい手法。そのため、実際にはBSCはあまり使われておらず、 SWOT分析のエキスのみが使われている。 クロス分析 4つのカテゴリー 次のクロス分析をするこで、戦略が生まれる 機会(外)×強み(内) O×S = 積極的戦略 今後の可能性・チャンスに、自社の強みを活かした戦略 脅威(外)×弱み(内) T×W = 致命傷回避・撤退縮小戦略 今後の脅威やリスクがあるのに、自社の弱みが災いし、危機的な状況になっている。 それを打開するための戦略 機会(外)×弱み(内) O×W = 改善戦略 今後の可能性・チャンスがあるのに、弱みがネックになっているので、それを改善 してチャンスをつかむ戦略 脅威(外)×強み(内) T×S = 差別化戦略 今後の脅威があり、他社も手を引く可能性があるので、自社の強みを活かして徹底 した差別化を行うナンバーワン戦略 SWOT分析が必要な事業所とは ①じり貧・赤字続き・・現在の商品や顧客では今後も業績の回復が望めない ②売り上げ拡大ができない・・商材自体はニーズもあり一気に減少することはないが、 顧客戦略ややり方に問題があり、なかなか売り上げが望めない ③中期的に厳しい業績が予想される 1)今後の取扱商品の構成や特定商品サービスへの依存度を大幅に見直し、顧客ニー ズにあった新商材への取り組みが必要 2)今の顧客構成の比重を大幅に見直し、新たな顧客層や取引口座を増やす取り組み が必要 3)厳しくなる外部要因(市場環境・競合状況・価格競争etc.)があるのに、なかなか 新たな戦略に望めない ④業績の足を引っ張る商品がある・・貢献度の低い商品(低売上・低利益)を合理的な 理由もないのに維持している ⑤効率性・収益性の足を引っ張る顧客がいる・・売り上げも少なく、非効率な顧客を過 去のつきあいから合理的な理由もなく維持している ⑥思い切った投資や人材配置など積極戦略に踏み込めない ⑦中期計画やビジョンが、単なる数値目標で論理的な根拠がない ⑧将来に向けて、希望が持てる具体的な方針や積極戦略がない ⑨金融機関から返済猶予(リスケ)を受け、実現可能性の高い抜本対策の入った経営改 善報告書を提出しなければならない ⑩将来に夢や希望がなく後継者がいない ⑪後継者や幹部に外部環境や内部要因を落とし込んだ、将来対策の教育が必要 ⑫アイディアはあるが一貫性がなくまとまっていない ⑬儲かりそうな事業にすぐ飛びつくが、長続きせず、失敗が多く、結果を残せない ⑭経営者のモチベーション・行動力が落ちている ⑮業績不振を幹部や社員の行動力や精神論だけで向上させようとしている SWOT分析のメリット SWOT分析は企業のバランスの良い現状確認ツールであり、納得のいく経営改善策が 導かれるため、次のメリットがある ①「経営改善計画」の具体的な根拠となり、金融機関から評価される ②客観的に分析することで「思いつき」や「独善」の戦略でなく、合理性があるか確認 できる ③どの戦略項目に重点的に投資すべきか、逆に押さえる投資や費用がわかる ④SWOT分析の検討過程で自社の戦略を深く論議することで、後継者や幹部の教育が できる ⑤企業の新しい将来像、ビジョンが生まれ、将来に向けてのモチベーションが高まる ⑥経営者や部門責任者にとって「何に特化すべきか」、「どこから差別化するか」が明 確になる 「SWOT分析コーチングメゾット」 (株)アールイー経営 代表取締役 嶋田 利広氏 を参考にしました。 地方創生には、企業や自治体に「SWOT分析」の認識をもったリーダーが多数必要に なるのでは?と思います。 本来であれば、いろいろとマーケティングの手法を学習しなくてはならないとは思いま すが、本書は効率的な方法を提示しているようです。参考にしてみては。 2015. 2. 9 猪野屋行政書士事務所 猪野屋 一秀
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