当初予算の概要 [PDFファイル/325KB]

平成27年度当初予算の概要
現在の経済情勢につきましては、個人消費などに弱さがみられるものの、緩やかな景
気の回復基調が続くことが期待されているところであります。
本市の財政状況は、これまでの財政再建への取組により危機的な状況は脱しているも
のの、今後は歳入では生産年齢人口の減に伴う個人市民税収の減が、歳出では高齢者人
口の増に伴う社会保障関係経費の高止まり及び公債費の増が見込まれ、行財政運営への
影響が懸念されます。また、多額の長期債務残高などの要因により将来負担比率も高い
水準にあることから、引き続き「選択と集中」による事業の実施に努めていく必要があ
ります。
平成27年度の予算編成は、平成26年度が終期年度となる「中期財政計画」の趣旨
を踏まえて財政規律を維持しつつ、国の補正予算に対応して一部経済対策関連事業等を
前倒しするものと併せ、人口減少対策や定住促進をはじめ、中心市街地活性化基本計画
に基づく街なかのにぎわいづくり、子育て支援や高齢者施策、企業誘致や雇用対策、本
市の地域資源を活かした施策、災害に強いまちづくりに関する施策などの経費について
集中的に財源を配分することを基本姿勢として取り組んでまいりました。
とりわけ本市の最重要課題であります急激な人口減少への対策については、蔵王みは
らしの丘の宅地分譲事業を実施し、定住促進へ向けた取組を推進するとともに、都市再
生整備計画事業では、中部コミュニティセンター建設工事や上山城周辺の市道整備など
を行い、街なかの活性化に取り組んでまいります。
地域資源を活用した施策としましては、ふるさと納税による寄附を募るとともに、本
市の特産品等をお送りし、上山を愛してくださる方々の獲得につなげてまいります。ま
た、上山型温泉クアオルト事業を推進し、全国5市が加盟している日本クアオルト協議
会や、天童市、西川町との健康温泉地づくり推進協議会の活動を通して、市民と来訪者
の健康づくりができる「滞在型温泉健康保養地」の確立と交流人口の拡大を図ってまい
ります。
災害に強いまちづくりとしましては、北中学校の渡廊下棟及び昇降口棟の耐震補強工
事等を実施するほか、災害時の防災拠点となる消防庁舎への太陽光発電設備の整備工事
を進めてまいります。
その他、暮らしやすさの向上に努めながら、子育て支援や高齢者支援、企業誘致や雇
用対策などの施策を総合的に展開してまいります。
これらのことを踏まえて予算編成を行いました結果、新年度の一般会計当初予算額を
135億3,000万円といたしました。平成26年度当初予算額に対して8.5パー
セントの増となったところであります。なお、平成27年度に実施を予定しております
上山小学校建設事業などにつきましては、国の補正予算に対応し、平成26年度3月補
正予算として提案し、平成27年度に繰り越して事業を行うこととしております。
それでは次に、新規事業及び重要事業を中心にご説明申し上げます。
初めに総務費でありますが、情報通信推進事業費では、光ファイバー通信設備の未整
備地域である山元地区で、高速ブロードバンドによるインターネット等の利用を可能に
1
するため、新たに光ファイバー通信設備を整備してまいります。
企画調整管理費では、本市の今後についてのビジョンを描く第7次上山市振興計画策
定のための経費を措置し、各般にわたって活躍されている方々の参加を得ながら上山市
振興審議会を開催し、実効性の高い振興計画を策定いたします。
企画振興費では、ふるさと納税による寄附を広く募るとともに、寄附してくださる
方々に本市の特産品等をお送りし、新たな上山ファンの獲得に努めてまいります。
地域おこし協力隊推進事業費では、新たに地域おこし協力隊員を採用し、新しい発想
で市のプロモーション活動や、隊員の特性を生かした取組を実施し、本市を全国にPR
しながら地域活性化につなげてまいります。
庁舎管理費では、市役所本庁舎の耐震改修のための実施設計を行ってまいります。な
お、耐震改修工事の開始は平成28年度からとなる予定です。
次に民生費でありますが、高齢者支援に関する事業といたしまして、シニア世代活動
促進事業費では、話し相手ボランティアを養成・派遣し、交流の機会が減りがちな一人
暮らしの高齢者を訪問し、孤独感を和らげることを目的とするシルバーフレンド事業や、
交流と生きがいづくりの拠点「常設高齢者サロンまじゃれ」の運営などの支援を行って
まいります。
子育て支援に関する事業といたしまして、子育て支援医療給付費では、中学生までの
入院及び外来医療費の無料化を実施してまいります。
総合子どもセンター事業費では、子育て拠点施設「総合子どもセンターめんごりあ」
を運営し、子育てに関する相談や情報提供を行うほか、保護者同士の交流促進を図り、
親子が「遊び、学び、くつろげる場」の提供に努め、また、一時預かり事業についても
実施してまいります。
保育園管理運営費では、民間立保育所への保育委託を行うほか、幼稚園預かり保育支
援事業費では、幼稚園の預かり保育に対し補助を行ってまいります。
施設型給付費では、子ども・子育て支援新制度に参加する認定こども園等に対し、子
育て支援の量と質の拡充のため、施設型給付費による財政措置を行ってまいります。
保育園建設事業費では、新たに平成28年度から認定こども園へ移行する幼稚園の施
設整備に対する補助を実施してまいります。
次に衛生費でありますが、予防事業費では、成人の風しん抗体検査や予防接種、乳幼
児等の定期予防接種に対して全額助成するとともに、高齢者のインフルエンザや肺炎球
菌感染症の予防接種に対して一部助成し、市民の疾病予防と重症化防止を図ってまいり
ます。
環境衛生費では、これまで飲用水の安定的確保が難しかった地区が行う飲用水共同給
水施設整備に対する補助を新たに実施してまいります。
地域グリーンニューディール基金事業費では、災害時の拠点となる消防庁舎に太陽光
発電設備を整備し、災害に強いまちづくりを実現してまいります。
健康増進事業費では、市民の健康意識向上のため、検診や健康講座への参加などに対
し特典が付与される健康マイレージ事業を実施してまいります。また、特定年齢に達し
た方を対象に大腸がん、子宮がん、乳がんの無料検診を実施するなど、疾病予防や早期
2
発見に努め、市民の健康増進を図ってまいります。
次に労働費でありますが、雇用促進事業費では、無料職業紹介所を開設し、若年者を
中心とした雇用の促進と、地域経済の活性化につなげてまいります。
次に農林水産業費でありますが、果樹園芸産地形成事業費では、安定的かつ高品質生
産のため、ハウス更新資材の購入費への助成を行うほか、農業者団体等が実施するぶど
うや花卉用のハウス等整備費を戦略的園芸産地拡大支援事業費補助金により助成して
まいります。
ブランド化推進事業費では、農産物のコーディネーターを新たに設置し、農商工連携
の強化により、本市農産物の利用機会の創出を図ってまいります。また、新たに広島で
トップセールスを実施し、ラ・フランスを中心とした本市農産物のブランド力の向上に
取り組むとともに、本市産のラ・フランス、大粒ぶどう、紅干し柿等の販路拡大活動を
実施する生産者団体への支援や、西洋なしの新品種、リーガル・レッド・コミスの栽培
拡大を図るなど、本市農産物の消費拡大のための取組を進めてまいります。
地域農業振興事業費では、地域農業施策の指針として作成された「人・農地プラン」
に基づき、経営が不安定な就農後5年以内の方への青年就農給付金の給付を実施するほ
か、農地中間管理機構からの受託業務として、担い手への農地集積・集約化を促進し、
農業経営の効率化を図ることで、持続可能な農業の実現を目指してまいります。
次に商工費でありますが、企業誘致事業費では、誘致企業に対する企業立地奨励金等
による助成を行うほか、働く場の創出のため、今後も企業誘致を推進してまいります。
観光物産振興事業費及び大規模保養地域整備事業費では、市内の施設や蔵王坊平アス
リートヴィレッジを合宿等で利用する高校・大学の利用者への宿泊費補助を実施し、ア
スリートヴィレッジ等の各種施設と宿泊施設の利用拡大を図ってまいります。
上山型温泉クアオルト事業費では、本市の温泉や里山、蔵王坊平の自然環境などの地
域資源を活かした健康づくりができる「滞在型温泉健康保養地」の確立に向けて、医療
や広域観光圏との連携、旅行商品化の取組を推進してまいります。さらに全国・県内そ
れぞれの協議会活動を通じて、上山型温泉クアオルトの認知度向上と普及拡大に努めな
がら、市民の健康増進と交流人口の拡大による地域活性化を図ってまいります。
観光施設管理費では、上山温泉利用協同組合が実施する源泉掘削及び配湯施設整備事
業に対して、平成27年度から第二期工事分の追加助成を行うなど、観光施設の管理及
び整備を図りながら、観光の振興に努めてまいります。
次に土木費でありますが、道路事業費では、社会資本整備総合交付金を受けて、市道
久保手隔間場線の道路改良工事に伴う用地取得及び移転補償を行うほか、市道金生東町
線の道路改良工事を実施してまいります。また、協定を締結している東北大学大学院工
学研究科インフラマネジメント研究センターとの連携を図りながら、橋梁長寿命化修繕
計画に基づき橋梁補修を行うなど、生活道路の整備を進めてまいります。
都市再生整備計画事業費では、計画最終年度を迎え、中部コミュニティセンター建設
工事や、市道新湯通り線等の道路整備工事を行い、観光客と市民が共に歩きたくなるま
ちづくりを進めてまいります。
蔵王みはらしの丘土地分譲事業費では、上山市土地開発公社から取得する蔵王みはら
3
しの丘の宅地について、マスメディアを活用するなど様々な方法で分譲を促進し、定住
人口の確保に努めてまいります。
公園施設長寿命化事業では、劣化し破損が進んでいた市民球場のスタンド席の更新や
防水工事等を実施してまいります。
定住促進事業費では、市外から市内に転入する方などへの助成を行ってまいります。
住宅リフォーム支援事業費では、地域経済の活性化のため、市内の業者を利用して耐
震性能の向上や省エネ対策、バリアフリー化、県産木材利用などのリフォーム工事を行
う方への助成を行ってまいります。
危険空家解体事業費では、補助の上限額を60万円に引き上げることにより、危険空
家の除却を促進し、良好な生活環境の確保に努めてまいります。
次に消防費でありますが、消防団運営費では、消防団員の出動手当等を引き上げるほ
か、機能別消防団員を新たに任命し、消防団員の定員確保に努めるとともに災害対応力
の維持・向上を図ってまいります。
市単独消防施設整備事業費では、消防団用のポンプ庫、軽積載車、小型動力ポンプ等
の整備を行うほか、消防庁舎の防水改修工事を実施してまいります。
次に教育費でありますが、中学校耐震改修事業費では、北中学校の渡廊下棟及び昇降
口棟の耐震補強工事を実施して防災機能の充実を図り、安全・安心な学校づくりに努め
てまいります。
かみのやま寺子屋事業費では、放課後等の子どもの居場所づくりを目的として、新た
に武家屋敷を拠点とした「かみのやま寺子屋」を開設し、世代間交流や地域社会の活性
化を図ってまいります。
文化財等整備事業費では、武家屋敷「三輪家」の茅葺屋根を修繕するほか、県史跡「春
雨庵」の駐車場整備を実施するなど、文化財の活用と観光の振興を推進してまいります。
体育施設整備事業費では、蔵王坊平グリーングラウンドのトラック改修工事・芝張替
工事を行ってまいります。
次に災害復旧費でありますが、文化財災害復旧事業費として、平成26年7月の豪雨
で被災した、国史跡「羽州街道楢下宿金山越」の金山峠古道の災害復旧工事及び工事に
伴う発掘調査を実施いたします。
次に諸支出金でありますが、蔵王みはらしの丘の宅地を上山市土地開発公社から取得
するものであります。
次に主な特別会計について申し上げます。
国民健康保険特別会計は、43億3,000万円を計上いたしました。療養給付費等
の増加傾向は落ち着いていますが、被保険者数の減少や国保税軽減対象者の増による、
歳入不足を補うために給付基金繰入金を計上して収支のバランスを保っております。平
成27年度から保険財政共同安定化事業の拡大により予算規模が拡大したほか、健康づ
くり推進事業の健康増進重点モデル地区を3地区から7地区に増やすなど、保健事業費
を増額しておりますが、引き続き医療費適正化に努めてまいります。
公共下水道事業特別会計は、13億1,200万円を計上いたしました。汚水管きょ
4
の整備工事については、三上、金瓶、相生、弁天で実施してまいります。また、国の防
災・安全交付金を活用し、浄水センター施設改築工事及び老朽管の改築工事等を進めて
まいります。
簡易水道事業特別会計は、2,800万円を計上いたしました。平成28年度の上水
道事業との経営統合へ向けて、水道事業変更認可申請書作成業務委託料のほか、施設の
管理費等を措置し、安全で良質な水の供給を図ってまいります。
介護保険特別会計は、35億9,100万円を計上いたしました。平成27年度から
の第6期介護保険事業計画に基づき、介護給付費や地域支援事業等を予算計上いたしま
したが要介護認定者数の増加や介護保険料の基準額の引き上げに伴い、介護給付費では
増額を見込んでおります。また、一次予防事業費では、水中ストレッチ運動教室や温泉
を利用した湯中運動教室の試行事業を新たに実施してまいります。地域支援事業費の任
意事業では、温泉デイサービス事業、配食サービス事業、認知症高齢者等見守り事業に
より、一人暮らし等の高齢者の栄養改善や見守りを実施してまいります。
施設貸付事業特別会計は、2億5,200万円を計上いたしました。ニュートラック
松山の施設解体等を実施するものであります。
後期高齢者医療特別会計は、3億7,700万円を計上いたしました。歳入として保
険料収入を2億5,607万8,000円計上し、歳出では、山形県後期高齢者医療広
域連合への納付金を3億6,960万円計上いたしました。
水道事業会計は、収益的支出は7億8,500万円、資本的支出は4億400万円を
それぞれ計上し、安全で良質な水の供給に努めるとともに、配水管の更新等を計画的に
実施してまいります。
以上が、平成27年度当初予算の概要であります。
5