江戸川区スーパー堤防差止等請求事件 第一回口頭弁論期日取材

2015 年 2 月 20 日
報道機関のみなさま
江戸川区スーパー堤防差止等請求事件
第一回口頭弁論期日取材のお願い
~国を被告とする全国初のスーパー堤防裁判です~
いつも大変お世話になり、ありがとうございます。
昨年 11 月 12 日に提訴しました標記請求事件の第1回口頭弁論期日が下記のとおり行われます。
ご存じのとおり、全国で初めて、国に対し、スーパー堤防事業にかかる盛り土工事の差し止めを
求めた裁判です。ぜひ取材・報道していただきますよう、お願い申し上げます。
なお、裁判終了後に行います報告集会も合わせてご案内させていただきます。
添付しました事前資料もご覧いただき、なにとぞよろしくお願い申し上げます。
記
●第一回口頭弁論期日
日時
:
2 月 25 日(水)午後 4 時開廷
場所
:
東京地方裁判所
103 号
大法廷
●報告集会
日時
:
2 月 25 日(水)
裁判終了後
場所
:
参議院議員会館
B109 会議室
本件に関する問い合わせ先
江戸川区スーパー堤防事業取消訴訟弁護団
東京東部法律事務所
弁 護 士
大
江 京 子 03-3634-5311
江戸川区スーパー堤防取消訴訟を支援する会
事務局長
堀
達 雄 080-5388-0752
参考資料
第1
江戸川区スーパー堤防整備事業差止等請求事件提訴日
平成26年11月12日
第2
江戸川区スーパー堤防差止等請求事件の当事者
原 告 江戸川区北小岩 1 丁目東部地区に居住する地権者
高橋新一ほか 3 名(原告団長 髙橋新一 55 歳 会社員)
被 告 国
江戸川区
第3
1
2
第4
1
請求の趣旨
国に対して北小岩一丁目地区高規格堤防整備事業にかかる盛土工事の差止
被告国及び江戸川区に対して、原告らの精神的慰謝料を求める国賠法上の損害賠償
請求(各金100万円)
請求の概要
スーパー堤防(高規格堤防)とは何か
スーパー堤防は、一般には、堤防の高さの30倍程度の幅を持った堤防で、河川法6条2項に定
められている。スーパー堤防の特徴は、「破堤しない堤防」との名目のもと、下図にあるようにい
わば街全体を土盛りして堤防化するものである。
■差止請求
(1)2度の移転・長期間の仮住まいによる被害
本件事業の盛土工事のために、原告ら住民は、一旦地域外に仮住まいを強制され、
その数年後に再度、本件盛土上に移転をしなければならない。この2度の移転と長期
間の仮住まいが強制されることにより、居住移転の自由、居住の利益、平穏な生活権
など重要な人格権を侵害され、また、危険な盛土の上の土地に所有地が変更され、か
つそこに居住を強いられ、その結果、生命、身体という人格権の中核的な価値、平穏
な生活権など重要な人格権と所有権を侵害されている。
これらの身体的・肉体的な損害に加え、地域コミュニティーの破壊を余儀なくされ
ている。
(2)盛土による被害
本件事業は、スーパー堤防の築堤のための盛土工事をその内容としているところ、盛土によって
形成された人工地盤には、液状化・不同沈下・斜面崩壊などの危険性が存在しており、実際にこれ
らの危険性が現実化した事例も多数存在している。住宅地である本件地区において液状化・不同沈
下・斜面崩壊等が生じれば、原告らの家屋・家財の損傷のほか、生命や身体に対する損害が生じる
おそれもある。本件事業は、原告らに対し、このような危険性を有する盛土地盤上への自宅の再築
を強いるものであって、原告らの人格権・所有権を侵害するものである。
本件事業は、スーパー堤防のための盛土を内容としていることから、本件事業の施行後は、本件
地区の地表面は、現状よりも高くなる。本件地区はJR総武線の線路に面しており、その線路と同
じ高さに位置し、または線路と高さが近くなることにより、現在よりも騒音被害を受けることにな
る。
本件地区は、本件事業の施行後、勾配最大1/25(4%)の傾斜がある土地になる。車いすで
は勾配1/15でも自走は厳しく、1/80くらいでやっと片手で登れるといった体験談がある。
そのことからすると、勾配1/25というのは、車いす利用者や高齢者にとって、厳しい坂という
ことになり、原告ら住民は盛土によりそのような住環境を余儀なくされる。
(3)スーパー堤防事業は、必要性のない不合理な事業である
スーパー堤防事業は,実現可能性のない事業で多額の税金の無駄遣いという点で不合理であるの
みならず,そもそも治水対策効果の面で無意味であり場合によっては有害であるという致命的な欠
陥を持っている。緊急かつ必要な治水対策は他にあり、スーパー堤防事業は、必要性も公共性もな
い事業である。
(4)スーパー堤防事業の違法性
スーパー堤防整備盛土は、何ら法的権限なく原告らの所有権を侵害する盛土工事を行うことを内
容とする違法がある。
(5)差止請求
原告らの権利利益は、
本件事業が施行されてしまえば金銭によって回復困難なものであり、
また、
これらの権利利益は、国法上最高の価値序列にある生命・身体及びそれに準ずる精神的人格権並び
に所有権であり、他方で、侵害行為たる本件事業は違法であり、必要性、公共性を欠くものである。
したがって、本件事業にかかる盛土工事について、原告らの人格権・所有権に基づき差し止めが
認められるべきである。
■損害賠償
(1)権利侵害行為
前述のようにスーパー堤防事業は、何らの法的権限なく盛土工事を行うものである。そのため国
は、江戸川区による本件土地区画整理事業という仕組みを利用し、盛土工事を実施しようとしてい
る。江戸川区は、いわば国のスーパー堤防事業にかかる盛土をするために、土地区画整理事業を計
画着手したものであり、国と江戸川区は,このような共同事業実施行為を通じて、共同して原告ら
の権利利益を侵害し、原告らの前述した損害を発生させたものであって、被告らによる本件共同事
業実施は共同不法行為を構成する。
よって,原告らは,被告らに対して,国家賠償法1条1項および民法719条1項前段に基づ
き、請求の趣旨第2項記載の通りの請求をする。
◇本件に関連する他の訴訟
1
江戸川区スーパー堤防事業取消訴訟
提訴:平成 23 年 11 月 11 日(東京地方裁判所民事第 38 部 谷口豊裁判長)
原審判決:平成 25 年 12 月 12 日(原告敗訴)
控訴:平成 25 年 12 月 24 日
控訴審判決:平成 26 年 10 月 2 日(東京高等裁判所第 16 民事部 奥田隆文裁判長)
現在上告中
2
江戸川区スーパー堤防事業仮換地処分取消請求事件
提訴:平成 25 年 11 月 27 日(東京地方裁判所民事第 38 部
現在一審審理中
谷口豊裁判長)
【江戸川区スーパー堤防事業の流れ】
スーパー堤防
H18.12
土地区画整理
江戸川区整備方針
H19
江戸川区、先行買収開始
H21.11.24
都市計画決定(共同実施)
H22.10.28
裁判
事業仕分け「廃止」判定
H23.5.17
事業計画決定(単独実施)
H23.11.11
事業計画決定取消訴訟(第 1 次訴訟)
提起
H24.12
政権交代
H25.5.30
国交省・江戸川区基本協定書締結(再び共同実施に)
H25.6
事業計画策定
H25.7.16
仮換地指定処分
H25.7.30
建築物除却通知
H25.7.31
事業計画執行停止申立て
H25.11.26
仮換地指定処分取消訴訟提起(第 2 次
訴訟)
・同執行停止申立て
H25.12.12
第 1 次訴訟判決
H25.12.16
使用収益が禁止される期限
H26.1.24
事業計画変更案の公衆縦覧
H26.9.3
東京都都市計画審議会開催
H26.10.2
第 1 次訴訟控訴審判決
H2611.12
第 3 次訴訟提訴
H27.2.6
東京都都市計画審議会開催
意見書不採択に
以上