資料2-3 ニューロインフォマティクス国際統合機構(INCF) 日本ノード 最近の活動とINCF第3期2016-2020に向けた計画 脳科学委員会報告 2015.4.28 理化学研究所脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター Neuroinformatics Japan Center (NIJC) 山口陽子 1 1996 OECD Mega Science Forum Neuroinformatics Working Group 発足 1998 OECD Mega Science Forum “Bioinformatics”提言 2000 OECD Global Science Forumに継承 2004 OECD CSTPにて提言の承認 2005 INCF発足 「近年脳科学が急速に発達してきたことにより その成果を社会に役立てることで大きな 経済的効果が見込まれる。 研究をより発展させるためには脳科学と情報科学を融合させて、複雑な脳を総合的に 分析するニューロインフォマティクス(NI)の進展と国際協力が不可欠である」 提言’98 ニューロインフォマティクスとは 科学と情報科学・技術の接点であり、脳神経科学を 発展させるために、多様で膨大なデータを総合的に 整理、分析する新しい研究分野 ここで 1)データベース・データ共有 2)解析のためのツール開発 3)計算論モデルの作成と検証 データ モデル ツール 2 2005年8月1日設立 本部:スウェーデン カロリンスカ研究所 初代 理事長 Sten Grillner(カロリンスカ研究所) 副理事長 甘利俊一(理研) 現 理事長 J.G. Bjaalie(オスロ大) 副理事長 田中啓治(理研) 5年毎の外部レビューを経て2016 年より第3期へ 2015.4現在18カ国目としてマレーシアが加盟 (カナダ予定、中国他検討など) 参加国の拠出金にて運営。プロジェクト参加による外部資金の導入も開始。 3 理事会を毎年2回開催 ノードワークショップを同時期に開催して情報交換 INCFのNI推進のためのコアプログラム 各国ノードが参加して本部が運営 コングレスを毎年開催 次回はケアンズ チュートリアルの開催 Traumatic Brain Injury (TBI), Brain Initiative など関連プロジェクトとの共同研究・連携 関連学会との連携(北米神経回路学会、FENS などのデモ) Amazon とのデータ共有システム Data Space、 Google Summer Codeへの参加 4 INCF 日本ノード 設立 2005 通称 J−Node 依頼 本部:カロリンスカ研究所 報告 依頼 報告 神経情報基盤センター長 2005 甘利俊一 2007 臼井支朗 2012 山口陽子 5 全国大学・研究機関と共同研究として推進 現在56機関との共同研究 分野毎にコミュニティ形成とweb データベースの構築を目的としてプラットフォーム(PF)委員会を構成 中期計画における主要施策: J-Node Portal の改良、PFの充実、 NIソフト・ツールの開発・広報啓発、 国際協力、人材育成 日本ノード委員会 委員名簿 金子 章道 幾央大学 健康科学部健康科学研究科 顧問 神谷 之康 株式会社 国際電気通信基礎技術研究所 脳情報研究所神経情報学研究室 室長 田中 健一 三菱電機株式会社先端技術総合研究所 所長 立花 政夫 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部心理学研究室 教授 鈴木 良次 金沢工業大学 研究支援機構顧問・特任教授 石井 信 京都大学 大学院情報学研究科 教授 伊佐 正 自然科学研究機構生理学研究所 発達生理学研究系認知行動発達機構研究部門 教授 笠井 清登 東京大学医学部精神神経科 教授 曽根原 登 情報・システム研究機構国立情報学研究所 教授 田中 啓治 理化学研究所 脳科学総合研究センター 副センター長 特別顧問 甘利 俊一 理化学研究所 脳科学総合研究センター 特別顧問 臼井 支朗 理化学研究所 脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター 客員主管研究員 NIJC運営会議 委員名簿 相澤 彰子 情報・システム研究機構 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系 教授 上田 修功 NTTコミュニケーション科学基礎研究所 所長 臼井 支朗 理化学研究所脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター 客員主管研究員 神崎 亮平 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 小池 康晴 東京工業大学ソリューション研究機構精密工学研究所・総合理工学研究科物理情報システム専攻 教授 定藤 規弘 自然科学研究機構生理学研究所 大脳皮質機能研究系心理生理学研究部門 教授 豊田 哲郎 理化学研究所情報基盤センター ユニットリーダー 野村 泰伸 大阪大学大学院 基礎工学研究科機能創成専攻生体工学領域生物工学講座バイオダイナミクス研究室 教授 古市 貞一 東京理科大学 理工学部 応用生物科学科 教授 宮川 剛 藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 教授 山口 陽子 理化学研究所脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター長 顧問 田中 啓治 理化学研究所脳科学総合研究センター 副センター長 PF運用会議 委員名簿 山口 陽子 理化学研究所脳科学総合研究センター 神経情報基盤センター長 <議長> 佐藤 俊治 電気通信大学 大学院 情報システム学研究科 准教授 飯島 敏夫 東北大学 大学院生命科学研究科 教授 神崎 亮平 東京大学 先端科学技術研究センター 教授 古市 貞一 東京理科大学 理工学部 応用生物科学科 教授 筧 慎治 (公財)東京都医学総合研究所 研究員 程 康 理化学研究所 脳科学総合研究センター 支援ユニットリーダー 我妻 広明 九州工業大学 大学院生命体工学研究科 准教授 宮川 剛 藤田保健衛生大学 総合医科学研究所 教授 池野 英利 兵庫県立大学 環境人間学部 教授 田中 啓治 理化学研究所 脳科学総合研究センター 副センター長 6 Visiome Platform Stimulus data, analysis tool and model in Vision Science 振興調整費での開始 Brain Machine Interface Platform 研究者 Map,解説記事.データ Comprehensive Brain Science Network Platform 統合脳・包括脳の成果と コミュニティ活動 脳科学辞典 本年度より日本神経科学会運営 Simulation Platform 日本比較生理生化学会と連携 日本ノード内PF、エール大モデ ルDBなどのコンテンツをオンラ インで利用できる環境を提供 Neuro-Imaging Platform imaging 手法のtutorial, サル・ヒト脳画像 Cerebellar Development Transcriptome database 小脳・海馬などの遺伝子発現と 機能・構造 BeainTXに改称 Cerebellar Platform 小脳の機能に関する データ、モデル [伊藤正男先生協力] 包括脳DB委員会の活動でえられ たデータと解析ツール 査読つき記事による用語解説 Invertebrate Brain Platform From insect standard brain to Robotics Mouth Phenotype Database Dynamic Brain Platform 新学術領域ヘテロ複雑系 のDB、ニューロン・グリア のデータ・モデル ViBrism Database マウスの36,558個の遺伝 子の脳発現3Dマップ 2014.6 公開 BSI Neuroinformatics 理研BSIの研究成果のデータ・ ツールをBSIセンター長のファ ンドで公開 OpenNeuro 分野を問わずに研究者一 般のデータ公開を受付(準 備中) 7 INCF Japan Node Portal http://www.neuroinf.jp/ ■ 日本のNI 拠点として ■ プラットフォーム横断連携 □ 統合アカウントの発行 □ Latest news and topics on INCF □ プラットフォーム横断検索 □ Announcement of meeting/event □ 外部DBとの連携 □ ニュースレター □ オンラインでの利用環境の提供 □ 研究機関サイトのリンク ■ 日本ノードPFの紹介 □ 概要・コンテンツ・話題の紹介 ■ すべてのユーザーへの窓口 INCF Japan Node Platforms Visiome PF ■ 研究リソースの登録・公開・共有 BMI-PF IVB-PF CDT-DB MP-DB CBSN-PF ■ 公開レベル、データの質、共有範囲の管理 ■ 広報・啓発、コミュニティー活動 ViBrism DB により一括管理 Cerebellar NIMG-PF PF DB-PF BSD BSI-NI Sim-PF オープンアクセス 8 左:neuroinf.jp ドメインで全国ユーザへの サービスを提供 右上:NIJC独自管理のネットワークとして NIJC, BSI-NIに利用 右下: 個々のPFのサーバに貯蔵された データを、ユーザーがダウンロードしなくて もオンラインで即座に利用する環境を提供 するシステム (Simulation PFとして公開) 9 Web database への訪問者数の推移 500000 3000000 450000 2500000 主なPFのダウンロード数推移(累計) 400000 350000 2000000 300000 250000 1500000 200000 150000 1000000 100000 500000 50000 0 4/1/07 4/1/08 4/1/09 4/1/10 4/1/11 4/1/12 4/1/13 4/1/14 4/1/15 0 Visiome 小脳 包括脳(統合脳より継承) DynamicBrain 国内外のダウンロード割合の変化 各PFのコンテンツ数 2012 100000000 2014 100% 90% 10000000 80% 1000000 70% 100000 60% 10000 50% 1000 海外 40% 100 30% 10 20% 国内 ViBrism 脳科学辞典 MPDB CDTDB Simulation 包括脳 10% DBPF NIMG 小脳 無脊椎 BMI Visiome 1 0% 10 INCF 理事長 Jan Bjaalieと日本ノードPF Brain and Health Informatics special session 2013. 10, 前橋 理研一般公開NIJCデモ 2014. 4, 和光 INCF executive director, Sean Hill J-node国際 シン ポジウム 2012.10, 和光 J-Node主催公開WS AINI 2014 2014.9 和光 若手の積極的参加 エール大モデルDBとの情報交換 北米神経科学会 2013.11, San Diego 日中韓合同ワークショップ 2014. 12, 岡崎 日韓ノード共同開催 11 日本ノードの中期目標(2011-2015)に関する達成状況 ノードのミッションは、INCFとしての規定はなく、日本ノードとして独自の目標を設定して活 動してきた。2011年から日本の中期目標としてプラットフォームの開発、ニューロインフォ マティクス基盤の整備について良好な結果を得た。特に分野毎のweb databaseの利用 が国際的にも定着している。加盟国との交流、日本の活動のメッセージ発信も着実に進 んだ。 次期に向けて INCFは第3期(2016-2020)に向けて戦略目標を検討中である。基盤構築だけでなくデータ サイエンスとしての実践を活動の中心におき、各国ノード相互の連携による活動をその 基盤とすること、分野的には基礎神経科学だけでなく、臨床や工学も含めることとし、ま た、対象組織も学会、企業、財団などボーダーレスに広げ、世界標準としての活動を展 開することを目指す。新戦略の発表は5月の理事会以降予定。 日本ノードは新たなINCFの新展開に準じた中期目標設定を本年度中に作成する。 特に国際連携の展開のために、国内的に整備されたPFを生かしてPFを超えたプロジェク トを新規に立ち上げ、さらなる国際連携推進のコアとしたい。 12 日本ノードPFで開発が進んだ分野からPF連携プロジェクトとして2つのWGを立ち上げる。 さらにINCF各国ノードとも連携として国際連携活動とする。 1. 遺伝子発現から神経回路に至る分野の用語標準化とオントロジー技術を並行して開発。 INCFが既に開発している解剖学分野と相補的利用を目指す。 2. 3D脳アトラスの共有ツールをPF共同開発。海外3D脳アトラスとの連携拠点に。 オントロジー技術の開発を目指すWG 昆虫〜ヒトの脳アトラス共有ツール開発WG13
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