ニュース・フラッシュ

ニュース・フラッシュ No.15-32
金属資源情報
平成 27 年 8 月 26 日
No.15-32
ニュース・フラッシュ
独立行政法人
石油天然ガス・金属鉱物資源機構
調査部
ニュース・フラッシュは、インターネットでも御覧になれます。記事検索も行えます。
http://mric.jogmec.go.jp/
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[中南米]
の収益に明暗
メキシコ:メキシコ金生産量上位 10 社の 2015 年にお
チリ:CODELCO、Ministro Hales 銅鉱山のヒ素除去焙焼
ける成長見通し
工程の増強を計画
メキシコ:貴金属鉱業企業、国際貴金属市況の低迷に
チリ:Collahuasi 銅鉱山、リーチングパッド拡張事業
よる売上高ダウンを生産量で補う
の環境認可を取得見込み
メキシコ:ArcelorMittal México 社、労働社会保障省
チリ:White Mountain Titanium 社、Cerro Blanco チ
の調停により労使間交渉合意
タンプロジェクトの海水淡水化プラントに関する LOI
ドミニカ共和国:Glencore、Falcondo ニッケル鉱山を
を締結
売却
チリ:Sierra Gorda 銅―モリブデン鉱山、拡張プロジ
ェクトの環境認可手続きを開始
[北米]
チリ:CODELCO と Li3 Energy 社、Maricunga 塩湖リチ
米:Metso 社、York 工場を 2016 年 3 月まで閉鎖
ウムの共同開発を協議中
米:Nevada Copper 社、NV 州 Pumpkin Hollow 銅プロジ
チリ:Anglo American、Mantos Blancos および
ェクトの開発許認可を取得
Mantoverde 銅鉱山の売却で投資コンソーシアムと合意
米:Stillwater Mining 社、119 名の人員削減を発表
ペルー:中国アルミ、ペルー・Toromocho 銅鉱山の拡張
加:中国人民元切り下げ、カナダ経済に悪影響
計画を延期へ
ペルー:Doe Run Peru 社問題解決に向けた協議が開始
ペルー:2015 年 6 月鉱産物生産量
[欧州・CIS]
ペルー:Doe Run Peru 社債権者集会、清算協定書を修
ロシア:ロシア系企業、レアアース開発プロジェクト
正
に中国側投資者と連携
ペルー:政府、地域コミュニティによる鉱業プロジェ
ロシア:Rosgeologia 社、ヤマロ・ネネツ自治管区のク
クトへの権益参加を検討
ロム有望エリア調査へ
ボリビア:2015 年上半期の鉱産物輸出額
ロシア:Rosgeologia 社、ハバロフスク地方南部でタン
ボリビア:2019 年までにリチウム産業に 925 百万 US$を
グステン探査開始へ
投資
ロシア:UMMC、鉛生産をウラルに移転
ニカラグア:2015 年は探鉱と生産性向上のため鉱業投
ロシア:チェリャビンスク亜鉛精錬所(CZP)、2015 年上
資を積極的に展開中
期は国内向け亜鉛供給が拡大
メキシコ:国家情報公開庁、Buenavista 銅鉱山の銅浸
ロシア:Tominsky 採鉱選鉱コンビナート、2017 年操業
出液流出事故に係る汚染状況モニタリング結果の提供
開始予定
を要請
カザフスタン:Kazzinc 社、2015 年上期は亜鉛・鉛生
メキシコ:国際金属市況の低迷により貴金属鉱業企業
1
ニュース・フラッシュ No.15-32
産が減少
術における高度化改善プロジェクトに関する契約を締
キルギス:Kumtor 金鉱山の 2015 年の金生産量は 47~
結
中国:広西賀州、レアアース等 3 大産業を重点的に拡
52 万 oz の見込み
ウズベキスタン:AGMK、Khandiza 多金属鉱山の能力
大
中国:内モンゴル、上半期のレアアース輸出は数量増
30 %拡大へ
加、価格下落
中国:タングステン・錫業界への許可条件を引き上げ
[アフリカ]
中国:中国レアアース産業協会投資・融資部会の発起
南ア:Glencore、Eland 白金鉱山の閉鎖の可能性を政府
人会議、北京で開催
及び労働組合に通知
ジンバブエ:白金精鉱輸出税 15 %賦課を 2 年間見送り
中国:包頭昭和希土が解散
ジンバブエ:Amplats、輸出税免税のため Unki 白金鉱
中国:2015 年上半期、中国銅製品の輸出入額はともに
減少
山の製錬所建設又は拡張を示唆
中国:2015 年上半期、従価課税方式によりレアアース
資源税の収入額は大幅に増加
[オセアニア]
中国:中国北方希土の設立作業を 2017 年に完了
豪:Sirius 社、ニッケル及び銅の精鉱のオフテイク契
中国:中国政府、レアアース産業の構造転換と高度化
約を Glencore と締結
促進に対しいくつかの措置を実施
豪:Fortescue Metals Group 社の権益に中国企業が関
中国:2015 年上半期のレアアース永久磁石材料輸出は
心持つものの売却価格が障害
対前年同期比 10.6 %増
豪:Alumina 社の中間決算は好調で、今後、ボーキサイ
中国:2015 年上半期のレアアース永久磁石材料輸入は
トを輸出する意向
対前年同期比 2.8 %減
豪:鉄鉱石鉱山会社の Arrium 社は経営難により鉱山用
中国:2015 年上半期のレアアース酸化物輸出は対前年
消耗材販売部門の売却を検討
同期比 8.5 %増
豪:Glencore が Rio Tinto との合併を否定
中国:2015 年上半期のレアアース酸化物輸入は対前年
豪:Evolution Mining 社、中国企業による Phoenix Gold
同期比 51 %増
社の買収の動きに対抗
中国:2015 年上半期のレアアース金属及び合金輸出は
豪:Newcrest 社、2014/15 年度は黒字に、WA 州 Telfer
対前年同期比 25.3 %増
鉱山は売却しない方針に
中国:2015 年上半期のレアアース金属及び合金輸入は
豪:Iluka Resources 社、ミネラルサンドによる 2015
対前年同期比 0.7 %増
年上期の利益は前年比 74 %増
中国:2015 年上半期のレアアース塩類の輸出量が対前
年同期比 34 %減
[アジア]
中国:2015 年上半期のレアアース塩類の輸入量は 4,422t
インドネシア:エネルギー鉱物資源省、11 件の鉱業許
中国:包頭レアアース製品取引所の成約額は、大幅に
可申請を投資調整庁に引き渡す
増加
インドネシア:Antam が検察局と覚書を締結
中国:2015 年上半期、中国非鉄金属工業生産は安定的
インドネシア:Freeport の L/C 保留権限は商業省に
に運営
中国:盛和資源、峨辺県人民政府とレアアース金属技
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チリ:CODELCO、Ministro Hales 銅鉱山のヒ素除去焙焼工程の増強を計画
メディア報道によると、CODELCO は、Ministro Hales 銅鉱山のヒ素除去焙焼工程に第 2 ラインを
追加することを計画している。これは、Chuquicamata 銅鉱山の坑内採掘開始に伴うヒ素含有鉱石の
増加への対応が主な目的とされるが、第三者を含めた他のプロジェクトへのサービス提供も視野に
置かれている模様。
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(2015.8.21 サンティアゴ 山本邦仁)
チリ:Collahuasi 銅鉱山、リーチングパッド拡張事業の環境認可を取得見込み
メディア報道によると、SEA(環境評価局)が肯定的所見を提出したことから、Collahuasi 銅鉱山
のリーチングパッド拡張事業の環境認可が間もなく取得される見込み。
投資額 50 百万 US$のこの拡張事業は、Rosario SurⅠピットおよびⅡピットから採掘される鉱石
を対象とするもの。2011 年に採掘を開始する計画であったが、操業上の理由から延期され、2015
年 1 月になって環境影響評価書が提出された。
(2015.8.21 サンティアゴ 山本邦仁)
チリ:White Mountain Titanium 社、Cerro Blanco チタンプロジェクトの海水淡水化プラントに関
する LOI を締結
2015 年 8 月 19 日付け White Mountain Titanium 社(White Mountain)のニュースリリースによる
と、同社は、同社の Cerro Blanco チタンプロジェクト(第Ⅲ州)における海水淡水化プラント建設
及び管理に関して、Nexo Capital Partners LLC 社(米国、NEXO)と LOI を締結した。
拘束力のないこの LOI では、White Mountain 側が土地やアクセス、環境認可に関して便宜を図る
こと、NEXO 側が資金を負担することが規定される。プラントで生産される淡水は、チタンプロジェ
クトの建設が開始されるまで周辺地域第三者へ販売される。鉱山操業時に余剰分が発生する場合も
同様。NEXO は、米国ボストン近郊に本社を構える水処理企業の先端技術を導入する構想を有する。
Cerro Blanco チタンプロジェクトの鉱物資源量(精測および概測)は 111.5 百万 t、TiO2 品位:
1.75 %(TiO2 カットオフ:1.0 %)とされ、予測カテゴリーを含めた鉱物資源量は 180 百万 t、TiO2
品位:2.1 %(TiO2 カットオフ:1.0 %)。2015 年 5 月に環境認可を取得済み。現在、2016 年中の
完成を目標に FS 調査が進行中。
(2015.8.21 サンティアゴ 山本邦仁)
チリ:Sierra Gorda 銅―モリブデン鉱山、拡張プロジェクトの環境認可手続きを開始
メディア報道によると、Sierra Gorda 銅―モリブデン鉱山は、拡張プロジェクト(第二期開発プ
ロジェクト)に係る環境認可手続きを開始した。初期投資額約 15 億 US$とされる同プロジェクトの
実施により、現状の粗鉱処理能力 11 万 t/日(年産銅金属量 12 万 t)が、19 万 t/日に拡張される。
一方、酸化鉱開発プロジェクトは、FS 調査の最終段階に入っており、同鉱山の 55 %権益を保有し、
オペレーターである KGHM 社の 2015 年上半期投資額は 14 百万 US$であった。
Sierra Gorda 鉱山は、2014 年 7 月末に操業を開始して以降、粗鉱処理能力の 65 %以上 60 日間
以上の操業を達成したことなどから、2015 年 6 月末に商業生産に移行したほか、モリブデン精鉱の
出荷も同時期に開始している。2015 年上半期の銅生産量は 39,900 t であった。
(2015.8.24 サンティアゴ 山本邦仁)
チリ:CODELCO と Li3 Energy 社、Maricunga 塩湖リチウムの共同開発を協議中
メディア報道によると、CODELCO と Li3 Energy 社は、Maricunga 塩湖でのリチウム開発のために
両社間で考えられる提携について、数カ月前から協議を実施しているとされる。両社は、Maricunga
塩湖において採掘権を保有している。
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2013 年、CODELCO は、Maricunga 塩湖リチウム開発のための国際入札を発表したが、リチウム市場規模
は銅市場規模に比べはるかに小さいといったことを主な理由に入札を中止している。その後、Li3 Energy
社は、CODELCO に対して、Maricunga 塩湖において両社が保有する採掘権を統合するといったアイデアを
含むいくつかの提案を行なったとされ、その提案に CODELCO が関心を示しているとみられている。
(2015.8.24 サンティアゴ 山本邦仁)
チリ:Anglo American、Mantos Blancos および Mantoverde 銅鉱山の売却で投資コンソーシアムと
合意
2015 年 8 月 24 日、Anglo American は、Audley Capital Advisors LLP(英国)が率いる投資コ
ンソーシアムとの間で、Mantos Blancos 銅鉱山と Mantoverde 銅鉱山の売却に関する合意に達した
と発表した。
Anglo American は、本取引により前払い金として現金 3 億 US$を受領することになるが、LME 銅
価格や Montoverde 鉱山拡張プロジェクト(硫化鉱開発)についての将来の意思決定といった要素が
考慮されることにより、最大 2 億 US$を追加して受領する可能性があるとしている。メディア報道
によると、
追加受領において考慮される要素と額は、①今後 3 カ月間の平均 LME 銅価格:5 千万 US$、
②取引成立後最初の 4 年間の生産における純売上高の割合:最大 1 億 US$、③Mantoverde 鉱山拡張
プロジェクト開発判断時:5 千万 US$、とされる。
(2015.8.25 サンティアゴ
山本邦仁)
ペルー:中国アルミ、ペルー・Toromocho 銅鉱山の拡張計画を延期へ
安泰科によれば、現在、既存鉱山の生産能力引き上げ先送りのため、中国アルミ業は、ペルー・
Toromocho 銅鉱山拡張生産プロジェクトを無期限延期とした。
2015 年 6 月の同鉱山フル操業開始前の 11 カ月で合計 29.7 万 t の銅精鉱を産出、銅金属量 7 万 t
に換算することができる。
同プロジェクトの年間鉱石処理量は 11.7 万 t で、
1 日あたりの生産量は、
銅精鉱 1,838 グロス t(品位 26.5 %)、モリブデン 25.1 グロス t である。
(2015.8.6 北京 森永正裕)
ペルー:Doe Run Peru 社問題解決に向けた協議が開始
2015 年 8 月 14 日付け地元紙各紙によると、8 月 13 日、エネルギー鉱山省で Doe Run Peru 社問題
の解決に向けた専門委員会が開催された。委員会には Perez-Reyes エネルギー副大臣、Castro 環境
副大臣、Junin 州の Villa 州知事、労働省代表、Doe Run Peru 社労働者代表などが出席した。委員会
では構成員や作業日程の確認などを行い、週明けから具体的な協議が開始されることになった。
本件に関して、Humala 大統領は、Doe Run Peru 社の債権者企業は、現在 Doe Run Peru 社の資産
と入札プロセスを管理する Profit 社を据え置くか、交代するのかを決定するべきだとの考えを示
した。その上で、労働者が納得できる形での提案を行うよう促した。一方、Vidal 環境大臣は、La
Oroya 製錬所のうち、鉛と亜鉛の製錬部門はすでに二酸化硫黄の浄化設備があるため、この 2 カ所
のプラントに関しては操業再開できるとの見方を示した。ただし銅の製錬部門はその処理設備がな
いことから、現在の状態では操業は許可されないと意見した。
(2015.8.21 リマ
迫田昌敏)
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ペルー:2015 年 6 月鉱産物生産量
エネルギー鉱山省によると、ペルーの 2015 年 6 月の鉱産物生産量は、前年同月比で銅 15.4 %、
モリブデン 43.7 %、金は 7.0 %、亜鉛 14.1 %、鉛 11.9 %増加した。一方、錫は 17.9 %、鉄鉱
石は 6.4 %減少した。2015 年上半期では、錫が前年同期比 14.5 %減だったものの、鉛 17.6 %増、
亜鉛 13.3 %増、銅 8.0 %増、金 7.8 %増など、主要金属は軒並み増産傾向にある。
鉱種
単位
6月
2014 年
1 月~6 月
2015 年
増減
2014 年
2015 年
増減
銅
t
126,275
145,735
15.41 %
686,202
740,854
7.96 %
金
g
10,727,691
11,475,289
6.97 %
65,187,663
70,246,627
7.76 %
亜鉛
t
102,355
116,732
14.05 %
604,039
684,580
13.33 %
銀
kg
324,983
347,711
6.99 %
1,809,947
1,874,815
3.58 %
鉛
t
22,457
25,130
11.90 %
129,053
151,820
17.64 %
鉄鉱石
t
781,588
731,410
-6.42 %
4,179,631
4,206,706
0.65 %
錫
t
2,044
1,679 -17.86 %
11,148
モリブデン
t
1,174
1,686
43.61 %
7,929
タングステン
t
5
10
100 %
26
(2015.8.21 リマ
9,530 -14.51 %
10,104
27.43 %
71 173.08 %
迫田昌敏)
ペルー:Doe Run Peru 社債権者集会、清算協定書を修正
2015 年 8 月 20 日付け地元紙によると、8 月 19 日、Doe Run Peru(DRP)社の債権者集会が開かれ、
La Oroya 製錬所と Cobriza 鉱山の再開を目的とした、DRP 社清算協定書の修正が賛成多数で決定さ
れた。エネルギー鉱山省によると、修正内容は、DRP 社の資産や清算手続きを管理する Profit 社と
の契約(8 月 27 日に満了)を更新し、入札に関する新たな合意が形成されるまで、Profit 社が DRP
社の管理を継続すること、次回の債権者会議(日程は未定)まで、Profit 社は労働関連事項の決定は
行えない(労働者を解雇できない)こと等となっている。
一方、債権者グループから国際入札の実施を委託された UBS 投資銀行(スイス)は、債権者グルー
プの求めに応じて、La Oroya 製錬所と Cobriza 鉱山の売却プロセスに関する報告書を公開した。報
告書によると、国際入札への応札を検討している企業は、環境面・労働面の諸条件を問題視してい
るほか、国営 Activos Mineros 社が製錬所の土壌や過去の鉱害の責任を負うことや、柔軟な労働者
の再雇用条件を求めている。これに関してエネルギー鉱山省の Patiño 代表は、Profit 社に対し、
入札プロセスを進めるため、報告書に基づいた提案書を作成し、債権者グループへ提示するよう要
請した。
(2015.8.21 リマ
迫田昌敏)
ペルー:政府、地域コミュニティによる鉱業プロジェクトへの権益参加を検討
2015 年 8 月 14 日付け地元紙によると、ペルー政府は、9 月初頭をめどに、鉱業プロジェクト周
辺地域コミュニティによるプロジェクト権益への参加に関する提案を行う見通しである。Ortiz エ
ネルギー鉱山大臣は、ペルー国内で操業する国際的な鉱山企業 15 社の本社 CEO に対し、本提案を
発表するための招待状を送付した模様。発表は、9 月に開催が予定される鉱業会議(PERUMIN)の会場
5
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近くで行われる見通し。本件に関し、Ortiz 大臣はテレビ番組のインタビューにおいて、住民によ
る権益参加は他国に成功例があるとしつつ、まずは主要企業の意見を聴取したいとの考えを示した。
一方、ペルー大手鉱山会社 Buenaventura 社の Benavides 社長は、地域コミュニティが必要とし
ているのは生活の質を向上させるためのインフラの整備であるとし、住民による権益への参加は一
昔前の軍事政権時の手法であり、時代錯誤であるとの意見を示した。なお、ペルーでは、Minera IRL
社の Ollachea プロジェクト(Puno 州)において、地域コミュニティによる 5 %の権益所有が合意さ
れている例がある。
(2015.8.21 リマ
迫田昌敏)
ボリビア:2015 年上半期の鉱産物輸出額
国立統計院(INE)によると、ボリビアの 2015 年上半期の鉱物・精鉱輸出額(下表)は、前年同期比
で 3.9 %減少した。亜鉛精鉱が 1.8 %増加した一方、銀鉱石は 13.0 %、鉛精鉱は 11.4 %減少し
た。地金・金属加工品は、金地金が 737.7 百万 US$から 377.8 百万 US$へ 48.8 %減、錫地金が 173.9
百万 US$から 135.0 百万 US$へ 22.4 %減と、より大きく減少した。
2014 年上半期の輸出総額 6,657.3
百万 US$のうち、同期の鉱物・精鉱・地金・金属加工品輸出額は 1,948.1 百万 US$で、占める割合
は 29.3 %であったのに対し、2015 年上半期は、4,687.3 百万 US$のうち 1,495.2 百万 US$で、占め
る割合が 31.9 %と上昇した。
ボリビアの輸出の主体である天然ガス等の炭化水素資源は、
2014 年上期の 3,475.3 百万 US$から、
2015 年同期 2,214.3 百万 US$へ 36.3 %減少し、輸出額全体に占める割合も 52.2 %から 47.2 %に
縮小した。
政府は、2015 年通期での鉱物・精鉱・地金・金属加工品輸出額について、前年比 800 百万 US$減
少するとの見通しを示している。
(単位:百万 US$)
鉱種
1~6 月
2014 年
錫精鉱
8.1
-15.6 %
438.4
446.2
1.8 %
15.8
14.0
-11.3 %
2.8
3.0
7.2 %
鉛精鉱
78.5
69.6
-11.4 %
金鉱石
8.1
12.9
59.2 %
銀鉱石
355.3
309.2
-13.0 %
ホウ酸塩鉱
15.0
14.0
-6.7 %
銅精鉱
25.9
28.2
8.9 %
天然貴石類
0.6
0.6
0 %
天然硫酸バリウム
2.6
8.0
207.7 %
その他
1.5
2.7
80 %
954.1
916.5
-3.9 %
タングステン鉱石
アンチモン鉱石
合計
リマ
増減
9.6
亜鉛精鉱
(2015.8.21
2015 年
迫田昌敏)
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ボリビア:2019 年までにリチウム産業に 925 百万 US$を投資
2015 年 8 月 17 日付け地元紙各紙によると、2019 年までに、ボリビア政府はリチウム産業に対して
925 百万 US$を投資する計画である。本プロセスの一環として、政府は 8 月 16 日、K-UTEC AG Salt
Technologies 社(ドイツ)との間で、炭酸リチウムプラント建設プロジェクトの詳細設計作成契約(4.8
百万 US$)を締結した。契約式は、ウユニ塩湖近傍で行われ、Echazu 蒸発資源局長と、K-UTEC 社の Marx
代表が署名した。Echazu 局長によると、詳細設計は 10 か月後に提出される見通しとなっている。
一方、K-UTEC 社の Marx 代表は、建設予定のプラントでは、まず炭酸リチウムの生産を開始し、
その後硫酸カリウムや硫酸マグネシウム等の生産を行う計画を示した。同氏によれば、ウユニ塩湖
の化学成分は、これらの生産に適しているという。
一方、Morales 大統領は、本契約について、リチウムの産業化に向けた重要な一歩を踏み出した
と評価し、100 %自国資金を投資するリチウム産業は、国営産業であることを強調した。また、詳
細設計が終わり次第プラント建設を開始する計画であるとし、本格化するリチウム産業への投資を
保証した。
さらに、
2018 年には 1,500 t の炭酸リチウムを生産し、
トンあたりの輸出額は 7,000 US$と
なる見通しを示した。
同社の Marx 代表は、国際品質レベルの炭酸リチウムの生産は、他の金属鉱物採掘よりもはるか
に複雑だとし、現状では炭酸リチウムその他物質の生産に必要な専門家の数が不足しており、ボリ
ビアのリチウム産業強化には技術者や労働者の養成が必要だとの考えを示し、先週、在ボリビアの
ドイツ大使と会談して人員養成計画への支援について話し合った旨明らかにした。同社は、ドイツ
政府に対し、ボリビアのリチウム産業開発推進プログラムに対する融資を申請している。
この他、リチウム産業化に関連して、ボリビア政府は、7 月 13 日に、CAMC Engineering 社(中国)
との間に、塩化カリウム工場の建設、立ち上げ、操業に関する契約を締結した。本プラントには 178
百万 US$が投資される計画。さらに、周辺地域には送電線の設置や飲料水、液化天然ガス、電力供
給プロジェクトなどが実施される計画である。
(2015.8.21 リマ
迫田昌敏)
ニカラグア:2015 年は探鉱と生産性向上のため鉱業投資を積極的に展開中
2015 年 8 月 14 日付け業界紙等によると、ニカラグア鉱業会議所(CAMINIC)の Pablo Venturo 副会
頭は、2014 年の鉱業投資は前年に比べ減少したが、本年は探鉱と既存鉱山における生産性向上を重
点として積極的に鉱業投資を行っている旨を明らかにした。
同副会頭によると、先ず初めに生産性向上として生産過程における効率化に焦点を当て投資を進
め、次に探査に対し投資を行っており、現在 2016~2017 年に新しいコンセッションを獲得するた
めに経済性評価及び環境影響評価を実施している。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
メキシコ:国家情報公開庁、Buenavista 銅鉱山の銅浸出液流出事故に係る汚染状況モニタリング
結果の提供を要請
2015 年 8 月 17 日付け業界紙等によると、国家情報公開庁(INAI)は、Grupo México 社の子会社
Southern Copper 社が Sonora 州で操業している Buenavista 銅鉱山において、昨年 8 月に発生した
銅浸出液流出事故に関して、環境保護連邦検察庁(PROFEPA)に対し、同鉱山及び周辺地域で実施さ
れた汚染状況に係るモニタリング結果の提供を要請した。
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ニュース・フラッシュ No.15-32
この背景としては、一般市民が、当該事故後における同鉱山の銅浸出液貯留地、廃滓ダム及び周辺
地域の井戸の重金属レベルや、大気中のガスや粒子の飛散状況を確認するために、PROFEPA に当該モ
ニタリング結果の提供を要請した。これに対し、PROFEPA は、当該関連情報に関しては環境天然資源
省(SEMARNAT)のウェブサイト上で既に公開済みである旨を回答するとともに追加情報の提供にも応
じているとしたため、当該一般市民がこれに不服を申し立て、これを受けた INAI が状況を精査した。
その結果、INAI は、PROFEPA が透明性及び公共情報アクセス法に規定される行政手続きを怠ったとし
て、PROFEPA に対しあらためて当該モニタリング結果の提供を要請した経緯を有する。
(2015.8.24
メキシコ 縄田俊之)
メキシコ:国際金属市況の低迷により貴金属鉱業企業の収益に明暗
2015 年 8 月 18 日付け業界紙等によると、本年 Q2 における国際金属市況の低迷が、メキシコで活
動する貴金属鉱業企業の収益に明暗をもたらした。
本年 Q2 における平均国際金市況は前年同期の 1,287.52 US$/oz から 1,192.82 US$/oz へと下落
したため、メキシコで活動する貴金属鉱業企業は、米ドルに対するペソ安による為替の恩恵に加え、
積極的なコスト削減を行ったにもかかわらず企業収益に影響が現れた。
加 Agnico Eagle Mines 社は、生産性が高いにもかかわらず本年 Q2 における純利益は前年同期の
22.1 百万 US$から 10.1 百万 US$へと半減した。Fresnillo 社は、金及び銀を増産したにもかかわら
ず前年同期の 137 百万 US$から 76.4 百万 US$へと大幅に純利益が減少した。加 Timmins Gold 社も
同じく増産したにもかかわらず前年同期の 3.22 百万 US$から 629 千 US$へと純利益が減少した。
Minera Frisco 社は、集中豪雨による影響も相俟って、前年同期の 199 百万ペソの純利益から 408
百万ペソの損失へと転落した。加 Alamos Gold 社は、前年同期の 733 千 US$の純利益から 14.2 百万
US$の損失へと転落したが、当該損失には加 AuRico Gold 社との合併経費 8.2 百万 US$を含むため、
実質は 1.4 百万 US$の損失である。加 Primero Mining 社及び加 Argonaut Gold 社は、ともに前年同
期の純利益から数百万 US$に上る損失へと転落した。
こうした中、加 Goldcorp 社は、金、銀、鉛及び亜鉛の増産により 392 百万 US$の純利益を確保し
た。特に同社が保有する Peñasquito 鉱山に関しては、粗鉱品位を向上させることにより、本年 Q2
における鉱山操業コストとしての全維持コスト(AISC)に関し全鉱山の平均である 846 US$/oz に対
し、416 US$/oz と極めて低コストを実現した。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
メキシコ:メキシコ金生産量上位 10 社の 2015 年における成長見通し
2015 年 8 月 19 日付け業界紙等によると、メキシコ金生産量上位 10 社に関しては、2015 年にお
いて力強い成長を遂げるとの見方がされている。
メキシコ国内で金を生産する企業 18 社の本年上半期終了時点における見通しとして、本年 1 年
間における 18 社合計の金生産量が昨年と比べ 12.2 %増加し 117 t に達すると予想された。
上位 5 社の状況は、以下のとおり。
◯加 Goldcorp 社(本社:バンクーバー)
本年 Q2 におけるメキシコ国内での金生産量は 11.3 t、その内、Peñasquito 多金属鉱山が 9.3 t
を占め、本年上半期では 18.1 t であった。同社によると、本年 1 年間では 32.3 t を見込む。
◯Fresnillo 社
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ニュース・フラッシュ No.15-32
本年 Q2 におけるメキシコ国内での金生産量は 5.7 t、本年上半期では 11.3 t であった。同社に
よると、Herradura 鉱山の力強い操業により、本年 1 年間では当初計画から 1.4 t 上積みして、
22.2~22.7 t(前年 19.7 t)を見込む。
◯Minera Frisco 社
本年 Q2 におけるメキシコ国内での金生産量は 3.2 t、本年上半期では 6.9 t であった。金融サー
ビス会社の Grupo Financiero Monex 社によると、17.1 t(13.2 t)と推測される。
◯加 Agnico Eagle Mine 社(本社:トロント)
本年 Q2 におけるメキシコ国内での金生産量は 2.9 t、本年上半期では 5.6 t であった。同社によ
ると、メキシコ国内に保有する 3 鉱山により、本年 1 年間では 9.8 t(9.1 t)を見込む。
◯加 Alamos Gold 社(本社:トロント)
本年 Q2 におけるメキシコ国内での金生産量は 1.7 t、本年上半期では 3.4 t であった。なお、同
社によると、加 AuRico Gold México 社(本社:トロント)との合併により、本年 1 年間では 11.7
~13.2 t を見込む。
なお、上位 5 社以外に関しては、米 Argonaut Gold 社(本社:レノ)は本年上半期が 2.5 t で本年
1 年間では 4.2~4.5 t を見込み、加 Primero Mining 社(本社:トロント)は本年上半期が 2.4 t で
本年 1 年間では 4.5~4.8 t を見込む。
一方、加 Timmins Gold 社(本社:バンクーバー)は、San Francisco 鉱山の操業スケジュール変更
により、本年 1 年間では当初目標から 0.5 t 減らし 3.1~3.4 t を見込む。また、加 Yamana Gold
社(本社:トロント)は、Mercedes 鉱山の本年上半期の生産量が目標を下回ったが、下半期にはやや
上向きとなるため、本年 1 年間では当初目標と変わらず 3.3 t を見込む。最後に、加 Pan American
Silver 社(本社:バンクーバー)は、本年 1 年間では当初目標どおり 3 t を見込む。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
メキシコ:貴金属鉱業企業、国際貴金属市況の低迷による売上高ダウンを生産量で補う
2015 年 8 月 19 日付け業界紙等によると、メキシコで活動する貴金属鉱業企業は、国際貴金属市
況の低迷による売上高ダウンを記録的な金生産量で補っている。
メキシコ国立統計地理情報院(INEGI)の報告によると、本年 1~5 月におけるメキシコ国内金生産
量は、前年同期比 11.3 %増の 43,475 ㎏であった。また、金融サービス会社の Monex Casa de Bolsa
社のアナリスト Laura Villanueva 氏は INEGI の本報告を踏まえ、貴金属鉱業企業は国際金属市況
の下落・低迷への対策として貴金属の生産量を増加させていると分析している。
具体的には、加 Goldcorp 社の場合、年初において本年の金生産量を前年比 20 %増の 103 t、そ
の内メキシコのみに特化すると前年比 52 %増の 30 t とする計画を発表しており、確かに同社のメ
キシコにおける本年上半期の金生産量及び売上高は、ともに前年同期と比べ 20.7 %増であった。
また、Minera Frisco 社の場合、本年の金生産量を同社としては記録的な 15.6 t とする計画を発表
したところ、本年上半期の金生産量及び売上高は、ともに前年同期と比べ 26 %増、金生産量は 6.9
t であった。Peñoles 社の貴金属部門の子会社である Fresnillo 社の場合、本年 7 月中旬に本年の
金生産量を当初計画から 6.6 %増の 22.2~22.7 t へと上方修正を行った。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
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メキシコ:ArcelorMittal México 社、労働社会保障省の調停により労使間交渉合意
2015 年 8 月 20 日付け業界紙等によると、ArcelorMittal México 社は、全国鉱業労働者組合との
賃上げ交渉に関し、労働社会保障省の調停により、基本給 5.5 %の引き上げとともに一時金として
労働組合員 1 人当たり 13,500 ペソの社会支援金を支給することで合意した。
同社及び同組合によると、世界的に直面する鉄鋼業の冷え込み、米ドル高に加え、メキシコへ輸入さ
れる中国及びロシア製の鉄鋼製品のダンピングにもかかわらず、本調停により賃上げの合意に至った。
同省の調停担当官によると、今回の合意に先立ち本年 5 月 1 日時点で、本労使間交渉は同社と労
働組合との間において、企業の生産性、労働者への利益分配、及び、メキシコにおける新規投資に
よる競争力、以上 3 点が尊重されることが求められていた。
なお、今回の合意により、一時金として労働組合員 1 人当たり 13,500 ペソの社会支援金が支給
されることとなったが、支給される社会支援金は労働組合員による消費活動を通じ、同社が所在す
る Michoacán 州 Lázaro Cárdenas に対しても間接的に還元されることが期待される。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
ドミニカ共和国:Glencore、Falcondo ニッケル鉱山を売却
2015 年 8 月 14 日付け業界紙等によると、Glencore は、同社の現地法人である Falconbridge
Dominicana 社が管理する Falcondo ニッケル鉱山を Americano Nickel Limited (ANL)に売却した旨
を発表した。
Grencore によると、Falcondo ニッケル鉱山の売却費用は、フィリピンに保有する Tampakan 銅プロ
ジェクト及びコートジボワールに保有する Sipilou プロジェクトの売却費用と合わせて総額 290 百万
US$にのぼる。Falcondo ニッケル鉱山に関しては、2013 年に Xstrata 社を買収し傘下に収めたが、ニ
ッケル市況の下落・低迷を理由に一時閉鎖に踏み切り、現在まで操業停止の状態が続いていた。
同鉱山の新たな保有者となった ANL によると、今後数か月の間には操業を再開する見通しである。
また、エネルギー鉱山省は、ANL が同鉱山の改善計画とともに操業に必要となる一連の要求事項
を満たすことを期待している旨を明らかにした。
一方、Antonio Isa Conde エネルギー鉱山大臣は、同省が要求する事項には経済的及び財政的支
払い能力も含まれている旨を指摘するとともに、同鉱山の操業再開が国及び地域に対し有益ではあ
るが、関係法令に基づく手続きに厳格に従わなければならない旨言及した。
(2015.8.24 メキシコ 縄田俊之)
米:Metso 社、York 工場を 2016 年 3 月まで閉鎖
2015 年 8 月 20 日付地元報道によれば、鉱山機器大手の Metso Corporation(本社フィンランド、
以下、Metso 社)は、市場が不安定なため、ペンシルバニア州にある同社の York 工場を 2016 年 3
月まで閉鎖すると発表した。York 工場以外の工場閉鎖の予定はなく、閉鎖により 80 名の従業員に
影響が出るとされている。同社は今年早々にもカナダ・ケベック州の Lachine 工場が閉鎖されてお
り、191 名の従業員に影響を与えていた。
Metso 社は、50 ヶ国に 16 千人の従業員を雇用しており、昨年 5 月以降、機器製造から収益の 85 %
を占める販売・サービス提供へ方針を転換していた。
(2015.8.20 バンクーバー 昆野充登)
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米:Nevada Copper 社、NV 州 Pumpkin Hollow 銅プロジェクトの開発許認可を取得
2015 年 8 月 17 日、Nevada Copper 社は、NV 州の Pumpkin Hollow 銅プロジェクトの開発・操業を
行うため必要となる全ての許認可を取得したと発表した。最後に残されていた跡地修復に関する修
正認可について、パブリックコメント期間の 8 月 14 日までにコメントが寄せられなかったことで
当該認可が確定した。
また、8 月 21 日には開発予定地に含まれる連邦所有地(10,058 ac:約 40.7 平方キロメートル)
の Yerington 市への委譲が前日の 8 月 20 日に完了したことも発表した。これにより、当該用地は
Yerington 市の管轄下に入り、同市は Nevada Copper 社との間で締結している合意書に基づき、当
該用地の内の 9,130 ac(約 36.9 平方キロメートル)を同社に譲渡する手続きに入るが、同社に対し
ては開発に必要な作業の開始にゴーサインを出した。
2015 年 7 月に公表された FS によれば、同プロジェクトは確定及び推定埋蔵量が 572 百万 st(約
519 百万 t、平均品位が銅 0.47 %)、露天採掘と坑内採掘により 15 年の操業を計画しており、年間
平均銅生産量は最初の 5 年間が 274,700 lb(約 124,602 t)、その後 10 年間が 246,300 lb(約 111,720
t)となっている。
(2015.8.21 バンクーバー 山路法宏)
米:Stillwater Mining 社、119 名の人員削減を発表
2015 年 8 月 17 日、Stillwater Mining 社は再建計画の最新情報として、悪化する白金族市況を
背景に、主に Stillwater 白金族鉱山及び Columbus 製錬所で 119 名の人員を削減すると発表した。
同時に、最大限の利益が得られる場所に集中するよう Stillwater 鉱山の採掘計画を修正したこと
を明らかにすると共に、引き続き East Boulder 鉱山の生産量の最大化に取り組む姿勢を示した。
(2015.8.12 バンクーバー 山路法宏)
加:中国人民元切り下げ、カナダ経済に悪影響
2015 年 8 月 11 日付地元報道によれば、中国人民元の通貨切り下げ(約 2 %)により、カナダ及び
米国の株式市場では株価が急落し、カナダドルは米ドルに対し 76.08 セント安となった。通貨切り
下げにより、カナダから中国に向けた輸出が減少すると見られるほか、これにより石油価格と物価
の下落も懸念されている。
BC 州では、すでに金属部門と原料炭部門で中国の需要後退による影響が出ている。Gold Corp 社
は金価格の下落により生産コストをカバーできず、資産売却・減配措置を余儀なくされており、ま
た、バンクーバー港からの積荷が減少したため、地域経済にも悪影響を与えている。
カナダ最大の輸出市場である米国の経済は上向いているが、オンタリオの自動車製造業を中心と
した製造業全般は、カナダドル高が続いていたこと及び人件費の低い海外に工場を所有しているこ
とから、カナダドル安となっても直ちに回復しにくい状況にあると指摘されている。
(2015.8.11 バンクーバー 昆野充登)
ロシア:ロシア系企業、レアアース開発プロジェクトに中国側投資者と連携
現地報道によれば、ロシア系企業 Roster の子会社である“RT 環球資源”は、中国の協力パート
ナーと協議を行い、ロシア国内のレアアース鉱床を共同開発する。
中国は、全世界の 90 %以上のレアアースを生産している。レアアース採掘技術も世界をリード
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ニュース・フラッシュ No.15-32
する地位にある。ロシアは、唯一レアアース鉱床を保有しているが、それはウラル地域である。中
国企業は技術を保有しているが、それを外国企業に移転するには制限があるため、現在、中国側投
資者は、中国政府ととともに同問題について解決案を考えている。
中国側協力企業は、ロシア側とともにロシアのレアアース鉱床を開発する意欲があるが、そのた
めには、ロシアへのレアアース抽出技術の移転許可を中国国務院から取得する必要がある。
(2015.7.24 北京
森永正裕)
ロシア:Rosgeologia 社、ヤマロ・ネネツ自治管区のクロム有望エリア調査へ
2015 年 8 月 17 日付け地元報道等によると、Rosgeologia 社は、Voikar-Synya 山塊(ヤマロ・ネネ
ツ自治管区シュルィシカルィ地区)のクロム含有有望性評価を目的とする探査を開始した。
探査は、2015 年夏にウラル連邦管区地下資源利用局と締結した契約に基づき行われ、2017 年終
了を予定している。
クロム鉱床の地質予測モデルを Voikar-Synya 山塊向けに改良し、これに基づきクロム鉱床の有
望エリアの選定と予測資源量(カテゴリ P2)評価を行う。
山塊の構造・形成地図(縮尺 5 万分 1)作成、山塊の形成・構造の特性評価、鉱床分布の法則性特
定、鉱床の物質組成研究が予定されている。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
ロシア:Rosgeologia 社、ハバロフスク地方南部でタングステン探査開始へ
2015 年 8 月 19 日付け地元報道等によると、Rosgeologia 社は、ハバロフスク地方南部における
タングステン探査を開始する。探査は極東連邦管区地下資源利用局(Dalnedra)との契約に基づき、
連邦予算資金により、子会社の Dalgeofizika 社(ハバロフスク)が実施する。
探査対象は Khorskaya エリアの 3 鉱区(Arsa、Kafen、Svetly)で、かつて多数のタングステン鉱
化帯が発見されたものの地質調査が不足している地域である。
2015~2017 年に、Khorskaya エリア内で商業的なタングステン鉱化帯の発見・範囲確定・内部構造
調査を行う。また、地下資源鉱区をライセンス供与計画に加えるための提案書作成も予定している。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
ロシア:UMMC、鉛生産をウラルに移転
2015 年 8 月 13 日付け地元報道等によると、ウラル採鉱冶金会社(UMMC)は、傘下の Uralelectromed 社
の製錬プラント(スヴェルドロフスク州ヴェルフ・ネイヴィンスキー)における新規生産により、二次原
料による精製鉛の年産能力を 1.5 倍の 2 万 t(ロシアの生産量の約 4 分の 1)に拡大することを決定した。
2010 年に操業を休止した鉛生産施設の再装備計画に 8 億 4,850 万ルーブルを投入する。建設はすでに
開始され、主要設備(2 基のドラム炉)の設置が進められており、2015 年秋の操業開始が予定されている。
原料の約 75 %は鉛ケーク(鉛含有率 40 %)で、亜鉛プラントが主要供給元となる。残りの原料
は、UMMC の事業所及び外部企業が供給する廃バッテリーのスクラップである。
これまで UMMC では、Electrozinc 社(ウラジカフカス)が鉛ケークによる精製鉛生産を行ってきた
が(2014 年の生産量 1 万 3,900 t)、Uralelectromed 社の鉛生産開始に伴い、同社の鉛生産原料はバ
ッテリー・スクラップのみとなる。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
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ロシア:チェリャビンスク亜鉛精錬所(CZP)、2015 年上期は国内向け亜鉛供給が拡大
2015 年 8 月 14 日付け地元報道等によると、チェリャビンスク亜鉛精錬所(CZP)の 2015 年上期実
績は下記の通り。
CZP の SHG 亜鉛及び同ベース合金の生産量は 8 万 7,772 t(前年同期 8 万 7,649 t)で、うち 57.4 %
が国内市場で販売された(前年同期 52.7 %)。
系列企業 Nova Zinc 社(カザフスタンの Akzhal 鉛・亜鉛鉱床オペレーター)の亜鉛精鉱生産量(純分)
は 1 万 8,074 t(前年同期 1 万 7,936 t)、鉛精鉱生産量(純分)は 3,054 t(前年同期 3,026 t)であった。
ダイカスト用亜鉛合金メーカーの子会社、英・Brock Metal 社の亜鉛合金販売量は 1 万 9,513 t
で、前年同期比 23 %増となった。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
ロシア:Tominsky 採鉱選鉱コンビナート、2017 年操業開始予定
2015 年 8 月 17 日付け地元報道等によると、チェリャビンスクの RCC 社(Russian Copper Company)にお
いて、Tominsky 採鉱選鉱コンビナート・プロジェクトの技術面と社会的経済的意義に関する円卓会議が
開催され、同コンビナート、科学技術センター「Geotechnology」、社会団体の関係者が参加した。
円卓会議では、採鉱方法の妥当性、発破作業時の安全確保に対するコンビナートの責任、銅精鉱処
理技術の環境的側面、選鉱技術の妥当性が議論され、尾鉱集積場の建設及び稼働の安全性について多
数の質問が出された。また、鉱石選鉱に使用される試薬の毒性に関する問題提起もあった。特に重視
された議題は、土壌再生及び事業活動においてコンビナートが計画している土地再生策であった。
Tominsky 採鉱選鉱コンビナート・プロジェクトは二期に分けて実施され、採鉱選鉱コンビナート
の建設期間は最大 20 ヵ月、第一期の操業開始は 2017 年 11 月を予定し、2019 年には鉱石年産能力
が 2,800 万 t に達する予定である。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
カザフスタン:Kazzinc 社、2015 年上期は亜鉛・鉛生産が減少
2015 年 8 月 14 日付け地元報道等によると、Kazzinc 社の 2015 年上期の亜鉛生産量は前年同期比
10 %減の 8 万 9,200 t となった。減産は Maleevsky 鉱山で生産される精鉱の品位低下による。
鉛生産量は 30 %減の 8,000 t、銅生産量は稼働率向上により 26 %増の 2 万 4,000 t、金生産量
はほぼ横ばいの 24 万 7,000 oz となった。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
キルギス:Kumtor 金鉱山の 2015 年の金生産量は 47~52 万 oz の見込み
2015 年 8 月 17 日付け地元報道等によると、Kumtor 金鉱山の 2015 年の金生産量は 47~52 万 oz
となる予定である。2015 年も同鉱山第 17 採鉱場における作業が継続される。同採鉱場は、現在選
鉱処理中の貯鉱分より高品位の鉱石を 2015 年第 3 四半期末には供給できる。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
ウズベキスタン:AGMK、Khandiza 多金属鉱山の能力 30 %拡大へ
2015 年 8 月 19 日付け地元報道等によると、AGMK(Almalyk Mining-Metallurgical Complex)は、掘
削作業の強化と鉱石運搬設備の更新により、Khandiza 多金属鉱床(ウズベキスタン南部カシカダリヤ
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ニュース・フラッシュ No.15-32
州)の採鉱選鉱コンビナートを 2015 年内にフル操業化(年間採鉱・処理能力 65 万 t)する予定である。
同コンビナート(投資額 1 億 4,700 万 US$)は 2011 年 1 月に操業を開始した。選鉱プラントの計画
年産能力は、銅精鉱 5,000 t、鉛精鉱 2 万 t、亜鉛精鉱 6 万 t である。2014 年の同コンビナートの
鉱石年間処理能力約 50 万 t から 30 %拡大された。
(2015.8.24 モスクワ 木原栄治)
南ア:Glencore、Eland 白金鉱山の閉鎖の可能性を政府及び労働組合に通知
2015 年 8 月 18 日付メディア報道によれば、Glencore は Eland 白金鉱山の評価を行い、南ア政府と労
働組合に対して、金属価格の下落を理由に閉山の可能性があることを通知した。コモディティ価格が下
落する中で人件費及び電力料金は上昇しており、Amplats を始めとする南アの白金生産大手は雇用削減を
検討している。同鉱山の閉鎖によりおよそ 1,000 名の鉱山労働者が影響を受けると見られている。
(2015.8.21 ロンドン 竹下聡美)
ジンバブエ:白金精鉱輸出税 15 %賦課を 2 年間見送り
2015 年 8 月 11 日付メディア報道によれば、ジンバブエ政府は白金精鉱の輸出税 15 %の賦課を 2
年間見送る。政府は 2015 年 1 月に未加工鉱石について国内での製錬を奨励するため、未加工鉱石に
ついて輸出税を導入していたが、白金価格が低迷する中、白金生産大手からの要望を受けて、内閣が
製錬所建設までの猶予を与えるとして、年間の輸出税賦課を見送ることに同意したと見られている。
(2015.8.21 ロンドン 竹下聡美)
ジンバブエ:Amplats、輸出税免税のため Unki 白金鉱山の製錬所建設又は拡張を示唆
2015 年 8 月 19 日付メディア報道によれば、白金生産大手 Anglo American Platinum の Unki 白金
鉱山は、Zimplats に対抗してジンバブエにおいて新規製錬所の建設又は設備の拡張を行う考えを示
した。これはジンバブエ政府が製錬所建設を約束する鉱山会社に対しては、15 %の輸出税を免税
するとしたことを受けたと見られている。
(2015.8.21 ロンドン 竹下聡美)
豪:Sirius 社、ニッケル及び銅の精鉱のオフテイク契約を Glencore と締結
2015 年 8 月 18 日、Sirius Resources 社は Glencore との間で、WA 州の Nova 鉱山で生産されるニ
ッケル及び銅の精鉱のオフテイク契約を締結した。これらは 2016 年末からの生産が予定され、こ
のうちの 50 %分を 3 年間にわたって Glencore に供給されるもの。Sirius Resources 社は既に BHP
Billiton Nickel West 及び Trafigura 社との間でオフテイク契約を締結済みであり、今回の締結に
より、当初 3 年間のニッケル及び銅精鉱の生産の全てのオフテイクが確保されることになった。地
元紙によれば Nova 鉱山は 2017 年 12 月期までに最大生産能力の 150 万 t/年に達する由。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
豪:Fortescue Metals Group 社の権益に中国企業が関心持つものの売却価格が障害
2015 年 8 月 18 日付けの地元紙は、Fortescue Metals Group 社(FMG 社)が、中国の Hebei Iron &
Steel 社と Tewoo Group 社との間で、FMG 社が保有する WA 州のピルバラ地区の鉄鉱石鉱山の権益の
売却に向けて協議中であるものの、売却価格が障害であると報じている。同紙によれば、先頃、FMG
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社の Nev Power CEO をはじめとする経営陣が中国を訪問した由。FMG 社の株価は約 6 年間にわたっ
て低水準であるが、同社は、実際の資産価値は現在の株価には反映されていないと主張している。
売却価格に対する考え方の差は鉄鉱石の価格予測の相違によるもの。
業界関係者は、現下の状況で中国企業が FMG 社の権益を取得することに疑問を呈していると報じ
る一方、FMG 社のような一定水準以上の資産が売却される機会は頻繁にはないので、今後の足掛か
りのために少し高い金額を払っても良いのではないか、という中国の関係者の見方も報じている。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
豪:Alumina 社の中間決算は好調で、今後、ボーキサイトを輸出する意向
2015 年 8 月 19 日、Alumina 社が上半期(2015 年 1~6 月)の中間決算を発表。税引後の純利益は
122 mUS$となり、
前年同期の 47 mUS$の純損失からプラスに転じた。中間配当は 1 株当たり 4.5 US¢。
これらはアルミニウム価格が下落している中での達成となった(同社は Alcoa 社との合弁企業であ
る AWAC 社(Alumina 社 40 %、Alcoa 社 60 %)を通じてボーキサイト生産、アルミナ製造及びアル
ミニウム製錬を実施)。
同 20 日付けの地元紙は、今回の決算に係る Peter Wasow CEO の発言を伝えている。同 CEO によ
れば、最近のボーキサイトの価格の下落はマレーシアからの輸出の増加によるものだが、同国のボ
ーキサイトは豪州産よりも低品質で埋蔵量も少ないことから、その輸出は持続可能ではなく、2017
年までに市場から消滅し、中国の長期的な需要を満たすことは出来ないと述べ、今後、ボーキサイ
トを輸出する意向を示した。同社は現在 WA 州で生産しているボーキサイトの輸出の認可の取得に
向けて、州政府と交渉中である。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
豪:鉄鉱石鉱山会社の Arrium 社は経営難により鉱山用消耗材販売部門の売却を検討
2015 年 8 月 19 日、鉄鉱石鉱山会社の Arrium 社は 2015 年度の決算を発表。多額の評価損の計上
により税引後の純損失は 1.9 bA$、純債務は 1.75 bA$となった。経営難に陥っている同社の中で、
粉砕機用の鉄製ボール等を扱う鉱山用の消耗材販売部門は好調であり、鉱山部門の利益(EBITDA)が
前年比で 87 %減であるのに対して同部門の利益(同)は前年比で 13 %増であった。
同 20 日付けの地元紙は今回の決算に係る Andrew Roberts 社長の発言を伝えている。同社長は、
鉱山用の消耗材販売部門には多くのビジネス関係筋から様々な関心が寄せられており、これらにつ
いて調査を開始すると述べたが、現段階で同部門の売却を発表することはしないとも述べた。更に、
2016 年度は、ブレークイーブンとなる鉄鉱石の価格を、現下のスポット価格 57 US$/t を下回る 47
US$/t にまで低減させ、今後もコストの削減を続けるとも述べている。同社は本年 1 月に 500 名の
人員削減を行うと共に、高コストの SA 州の鉄鉱石鉱山の操業を中止している。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
豪:Glencore が Rio Tinto との合併を否定
2015 年 8 月 20 日付けの地元紙は、Glencore の Ivan Glasenberg CEO が、Rio Tinto との合併話
を否定したと報じている。Glencore は 19 日に発表した上半期の中間決算において 676 mUS$の純損
失を計上。また、同社のロンドン証券取引所における株価は今年に入って 40 %下落し、今回の決
算を受けて更に 10 %下落した。このような状況の下、Ivan Glasenberg CEO は、Rio Tinto に合併
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ニュース・フラッシュ No.15-32
の提案はしていないと述べ、今後 6 ヵ月間は Rio Tinto を追求することはないとも述べた。昨年 7
月に同 CEO は Rio Tinto に対等合併を持ちかけたとされており、同年 10 月に Rio Tinto が Glencore
から合併の提案があったことを明らかにしていた。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
豪:Evolution Mining 社、中国企業による Phoenix Gold 社の買収の動きに対抗
2015 年 8 月 20 日付けの地元紙は、Evolution Mining 社が、中国の Zijin Mining 社による Phoenix
Gold 社の買収の動きに対抗するため株式公開買付を開始したと報じている。Evolution Mining 社
は金鉱山会社である Phoenix Gold 社の 19.8 %の株式を保有。これに対して Zijin Mining 社は約
8.9 %分を保有し、さらに Phoenix Gold 社の株主である Geologic Resource Partners 社との合意
に基づき、その持分は 17.9 %になっていると報じられている。Zijin Mining 社は Phoenix Gold
社の株式の買付けの価格を 1 株あたり 0.10 A$としている。一方、Evolution Mining 社は、1 株に
つき Evolution Mining 社の 0.06 分の株式プラス 0.06 A$としており、現状では 1 株あたり約 0.12
A$に相当する。なお、Phoenix Gold 社は同社のウェブサイトにおいて、双方の提案には応じないよ
う株主に呼びかけている。
(2015.8.24 シドニー 山下宜範)
豪:Newcrest 社、2014/15 年度は黒字に、WA 州 Telfer 鉱山は売却しない方針に
2015 年 8 月 17 日、豪州の産金最大手 Newcrest Mining 社(Newcrest 社)は 2014/15 年度(2014 年
7 月 1 日~2015 年 6 月 30 日)の財務決算が 5 億 4,600 万 A$の黒字になったことを発表した。前年度
は 22 億 2,100 万 A$の赤字だった。本年度初めに鉱量減少のため、売却を検討していた WA 州 Telfer
金・銅鉱山は、操業の効率化により 2014/15 年度は経済性が改善され、生産規模を縮小することで
マインライフも 2017 年 12 月まで延長できることが判明したため売却しない方針とした。同社の
Sandeep Biswas CEO は「昨年度から鉱山の操業を効率化する“Edge”プログラムを実施した結果、
利益率が向上し、フリーキャッシュフローが増加するなどの成果が得られた」とコメントしている。
(2015.8.24 シドニー 矢島太郎)
豪:Iluka Resources 社、ミネラルサンドによる 2015 年上期の利益は前年比 74 %増
2015 年 8 月 18 日、豪州ミネラルサンド大手の Iluka Resources 社(Iluka 社)は 2015 年 1~6 月
の実績を公表した。同社の 2015 年上期の税引後純利益は 20.4 百万 A$であり、前年同期の 11.7 百
万 A$に比べて 74 %増となった。同社はジルコン、ルチル、人工ルチルの 2015 年の年間生産量が
68 万 t と前年よりも 27 %増加すると推定している。同社の上期の生産量は 276,900 t であったが、
WA 州の人工ルチル製造キルンが再稼動するため生産量は増加する予定である。地元各紙は Iluka
社は 2015 年 4 月にモザンビークで Moma ミネラルサンド鉱山を所有するアイルランドの Kenmare
Resources 社を買収する方針を明らかにしているが、Iluka 社は買収の時期を明言せず、買収の機
会を伺っていると報じている。
(2015.8.24 シドニー 矢島太郎)
インドネシア:エネルギー鉱物資源省、11 件の鉱業許可申請を投資調整庁に引き渡す
2015 年 8 月 14 日付地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省(MEMR)Said Sudirman 大臣は、
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ニュース・フラッシュ No.15-32
石炭及び鉱物セクターに属する 11 件の鉱業許可申請を投資調整庁(BKPM)内のワンストップサービ
スに引き渡したと、正式に公表した。
本件は、インドネシア国内における重要な産業分野への投資を加速するための、現政権が行って
いる合理化の一部である。MEMR は以前、石油・ガス分野における 42 件の事業許可のうち 10 件を
BKPM に引き渡している。
(2015.8.24 ジャカルタ 山本耕次)
インドネシア:Antam が検察局と覚書を締結
2015 年 8 月 17 日付地元メディアによると、国営鉱山公社 PT Aneka Tambang(Antam)は、2015 年
8 月 14 日にインドネシア検察局と、同社が事業を行っている管区における法的弁護の規程に関する
覚書を締結した。
Antam の Tedy Badrujaman 取締役社長は、「覚書の締結は、Antam の事業ユニット及びその子会
社が、既に公布されている規則を遵守するという姿勢を示すものである。この協力を通して、Antam
は国営企業として、民法及び連邦が制定した法に関する検察局の弁護サポートと助言を受けていく」
と述べた。
(2015.8.24 ジャカルタ 山本耕次)
インドネシア:Freeport の L/C 保留権限は商業省に
2015 年 8 月 19 日付地元メディアによると、エネルギー鉱物資源省(MEMR)鉱物石炭総局の Bambang
Gatot 総局長は、PT Freeport Indonesia(PTFI)による信用状(L/C)決裁の保留に関する勧告を発出した。
Bambang 総局長によると、L/C 保留の権限は商業省側にあるという。同局長は「MEMR の勧告は完
了した。しかし、L/C に関しては商業省に権限がある」と述べた。
商業省が出した規則(2015 年 No.25)により、特定物品に関する L/C 決裁による取引が決められてい
る。L/C が必要とされる物品は、鉱物、石炭、石油、天然ガス及びパーム油とそれらの派生商品である。
(2015.8.24 ジャカルタ 山本耕次)
中国:盛和資源、峨辺県人民政府とレアアース金属技術における高度化改善プロジェクトに関する
契約を締結
現地報道によれば、盛和資源持株株式有限公司の 7 月 18 日の公表によると、盛和資源持株株式
有限公司、四川省楽山市科百瑞新材料有限公司、四川省峨辺イ族自治県人民政府は、四川省峨辺県
核桃坪工業団地内で 6,000 t のレアアース金属技術の高度化改善プロジェクトへ投資建設すること
を定め、2015 年 7 月 17 日に、投資枠契約書を締結した。
同プロジェクトへの投資総額は約 18,000 万元で、酸化物―フッ化物溶解塩電解新技術新設備プ
ロセスを利用し、6,000 t のレアアース金属技術による高度化改善を行う。契約締結後、3 者は戦
略的協力関係を築く。同プロジェクトへの投資建設によって、四川省楽山市科百瑞新材料有限公司
のレアアース金属の生産能力及び市場シェアを拡張し、国内のレアアース金属の最終ユーザーとも
長期的且つ安定な戦略的協力関係を築くことになる。
(2015.7.20 北京
森永正裕)
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ニュース・フラッシュ No.15-32
中国:広西賀州、レアアース等 3 大産業を重点的に拡大
現地報道によれば、広西省賀州市政府は、石材炭酸カルシウム、レアアース、タングステン・チ
タン・錫の 3 大産業を重点的に拡大する。
現在、賀州炭酸カルシウム業界には、合計 503 社が存在し、内訳は鉱山採掘企業 56 社、板材・
加工企業 291 社、炭酸カルシウム粉末体 93 社、末端及び関連設備企業 54 社であり、多くの企業は
炭酸カルシウム産業モデル基地に位置している。
同基地内に建設中である“希土機能材料産業団地”は、中国アルミ業株式有限公司からの投資を
主に建設され、今後同団地に設立される予定のプロジェクトは 10 件、投資総額は 10 億元近くにな
る。建設完了後、生産額は 95 億元、税込み利益額は 6 億元である。現在、稼動しているレアアー
ス企業は 3 社で、主に希土類酸化物、希土類合金、希土類機能材料等を生産している。
(2015.7.23 北京
森永正裕)
中国:内モンゴル、上半期のレアアース輸出は数量増加、価格下落
現地報道によれば、フフホト税関によると、中国国内レアアース輸出割当管理制度の廃止等要素
の影響を受け、2015 年上半期(1~6 月)は内モンゴルレアアース輸出量が急速に伸びていたが、輸
出の平均価格は前年同期比で大幅に下がり、明らかに数量増加・価格下落という態勢を見せている。
税関統計データによると、2015 年上半期(1~6 月)の内モンゴルのレアアース輸出量は前年同期
比 36.5 %増の 2,663.88 t。紹介によると、今年上半期に内モンゴルのレアアース製品は主に米国
及び日本に輸出されている。そのうち米国に輸出したレアアースは前年同期比 40 %増の 1,365 t、
日本に輸出したレアアースは前年同期比 130 %増の 770.4 t であった。
2015 年上半期に内モンゴルから輸出したレアアースの平均価格は 1t 当たり 3.2 万元で、前年同
期比 34.7 %減となった。
(2015.7.27 北京
森永正裕)
中国:タングステン・錫業界への許可条件を引き上げ
安泰科によれば、重要な戦略的資源を保護するため、中国工業情報化部は「タングステン産業の
規範条件」及び「錫産業の規範条件」を設定し、現在、意見を募集している。
タングステン、錫は中国の重要な戦略的資源で、国内市場で供給と需要が賄われることで市場の
安定成長が保たれるため、高い輸出関税により輸出が制限されている状態であった。
WTO の関連規定に基づき、2015 年 5 月 1 日より、中国政府は、鉄鋼粒子粉末、レアアース、タン
グステン等製品の輸出関税を撤廃した。
無秩序的な開発、資源の破壊や環境汚染を避けるため、中国工業情報化部は、「タングステン産業の
規範条件」及び「錫産業の規範条件」において、採掘企業の規模と実力に対し厳しい要求を設定した。
そのうち、「タングステン産業の規範条件」では、タングステン資源を開発する場合、法律に基
づき採掘許可証と安全生産許可証を取得しなければならない。鉱物資源や安全生産の法律法規、鉱
物資源計画及び関連政策を守らなければならない。採掘権者は、承認された鉱物資源開発利用計画
案とグリーン鉱山の建設基準や採掘の一次設計と安全施設の設計に従い、鉱山の建設と開発を行わ
なければならず、指標以上の採掘、無許可採掘と乱採掘行為を禁止される。鉱山の建設規模は 6 万
t/年以上と設定し、サービス期間は 5 年以上と設定する。
製錬及び加工企業は、原料の供給を実施し、違法採掘や無計画採掘と計画以上の採掘により獲得
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ニュース・フラッシュ No.15-32
した鉱産品、パラタングステン酸アンモニウム等原料を購入してはならない。
「錫産業の規範条件」では、錫資源を開発する場合、法律に基づき採掘許可証と安全生産許可証
を取得しなければならない。鉱物資源や安全生産の法律法規、鉱物資源計画及び関連政策を守らな
ければならない。採掘権者は、承認された鉱物資源開発利用計画案とグリーン鉱山の建設基準や採
掘の一次設計と安全施設の設計に従い、鉱山の建設と開発を行わなければならず、無許可採掘や乱
採掘行為、資源の破壊・浪費行為を厳しく取り締まる。鉱山の建設規模は 6 万 t/年(鉱石量)以上と
設定し、サービス期間は 10 年以上と設定する。
本条件により、中国工業情報化部は、同規範条件に適合するタングステン鉱山、製錬、加工及び
リサイクル企業に対し公告管理制度を実施する。
中国工業情報化部は、規範基準に基づき、申請する企業に対し検証を行い、必要な際に環境保護
等部門の意見を求めた後、公表する。中国工業情報化部は、公表した企業リストに対し動的管理を
行い、社会に向けて公表した企業の規範状況に対し監督を行う。公表した企業は違法行為がある場
合、事業資格を取り消される。
(2015.7.28 北京
森永正裕)
中国:中国レアアース産業協会投資・融資部会の発起人会議、北京で開催
現地報道によれば、中国レアアース産業協会投資・融資部会の発起人会議が、2015 年 7 月 28 日
に北京で開かれた。会議には合計 12 社の発起企業が参加した。発起企業は、レアアース企業、投
資機構、商業銀行及び会計士事務所からなり、個別企業名は以下のとおり。
・贛州レアアース鉱業有限公司
・広東省広晟資産経営有限公司
・鋼研大彗投資有限公司
・北京盛世景投資管理有限公司
・深圳市中合招銀投資企業
・(有限パートナー)昆吾九鼎投資管理有限公司
・承錦基金管理(北京)有限公司
・中国民生銀行冶金事業部
・興業銀行株式有限公司冶金産業金融センター
・上海能譜実業有限公司
・盛和資源持株株式有限公司
・大信会計士事務所
会議は、投資・融資部会を設置する重要性及び意味について議論され、当該部会の創設を認可し、
且つ当該部会の登録地及び事務所を中国レアアース産業協会に設けること決定された。同時に「中
国レアアース産業協会の投資・融資部会の採決方法」及び「中国レアアース産業協会投資・融資部
会の作業ルール」(草案)が採択された。
(2015.7.31 北京
森永正裕)
中国:包頭昭和希土が解散
中国北方希土集団ハイテク株式有限公司の 7 月 31 日の公表よると、同社は資本参加している包
頭昭和希土ハイテク新材料有限公司に対し、株主 3 社の承認に基づき、昭和希土取締会議における
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ニュース・フラッシュ No.15-32
決定により、包頭昭和希土に対し解散且つ清算を行うことに定めた。
この決定を出した理由としては、2012 年以降、同社の生産が停止しており、2013 年または 2014
年度には大幅に欠損を出したことが挙げられる。
同社は、希土類永久磁石合金の製造、販売事業を展開しており、2002 年 10 月に創設され、登録資本
金は 10 億円、日本・昭和電工株式会社、北方希土、日本・東海貿易株式会社がそれぞれ 60 %、30 %、
10 %の株式権益を保有している。2014 年末時点における、純資産額は 3,724.71 万元である。
北方希土が保有する昭和希土の株式権益が、北方希土の資産に占めている割合は少ないため、こ
の決定は北方希土に大きな影響を与えない。
(2015.8.5 北京 森永正裕)
中国:2015 年上半期、中国銅製品の輸出入額はともに減少
安泰科によれば、中国税関総署の統計データによると、2015 年上半期、中国非鉄金属製品(鉄合金、
金属化学工業製品を含まず)の輸入額は前年同期比 13.96 %減の 454.96 億 US$、輸出額は前年同期比
31.82 %減の 237.33 億 US$である。輸入超過額は前年同期比 20.45 %増の 217.63 億 US$である。
2015 年上半期の 87 種の銅製品の輸入額は前年同期比前年同期比 17.01 %減の 286.09 億 US$で、
輸出額は前年同期比 14.63 %減の 30.75 億 US$、
輸入超過額は 255.34 億 US$、前年同期と比べ 53.38
億 US$の減少となった。輸入額と輸出額は非鉄金属製品の対外貿易総額の 62.88 %、12.96 %を占
め、銅製品の輸入超過額は非鉄金属製品総額の 117.33 %を占めた。
(2015.8.5 北京 森永正裕)
中国:2015 年上半期、従価課税方式によりレアアース資源税の収入額は大幅に増加
現地報道によれば、2015 年 5 月 1 日より実施されたレアアース、タングステン、モリブデン資源
税に対する従価課税方式に対する改革を受け、6 月の最初の税金徴収状況は、中国レアアース資源
税の入庫額は 5.31 億元、従量課税方式と比べ 3.42 億元の増加となり、1.8 倍に増加した。タング
ステン精鉱の資源税入庫額は 4,474 万元で、従量課税方式と比べ 964 万元の増加となり、27 %増
加した。モリブデン精鉱の資源税入庫額は 9,014 万元で、モリブデン精鉱の市場価格が大幅に減少
したことから従量課税方式と比べ 1,330 万元の減少となり、13 %減少した。
(2015.8.6 北京 森永正裕)
中国:中国北方希土の設立作業を 2017 年に完了
現地報道によれば、2015 年 8 月 8 日に開かれた“第 7 回中国包頭レアアース産業フォーラム”で
の張世明包頭市副市長の発表によると、中国北方希土(集団)は、2017 年に実質的な設立作業を完了
する見込み。
2014 年 12 月、国務院の承認、国家工商総局の審査認可によって、中国北方希土(集団)ハイテク
株式有限公司が設立許可された。3 年をかけ、上流企業に対する再編統合作業を終え、レアアース
資源に対する効果的な管理規制を取得した。現在、包頭市にはレアア―ス企業合計 95 社、そのう
ちレアア―ス新材料及び実用企業 35 社があり、主にレアア―ス永久磁石、水素吸蔵と研磨材料等
分野に集中している。
2015 年から今後 3 年間、“レアア―ス産業の構造転換と高度化モデル”作業の実施を通じ、2017 年
までに、中国北方希土(集団)に対する実質的な作業を終え、レアアース選鉱、製錬、機能材料、実用
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ニュース・フラッシュ No.15-32
製品、科学研究及び貿易事業を一体化する国内最強、世界トップの大規模レアアース企業集団を築く。
(2015.8.10 北京
森永正裕)
中国:中国政府、レアアース産業の構造転換と高度化促進に対しいくつかの措置を実施
現地報道によれば、2015 年 8 月 8 日に開かれた“第 7 回中国包頭レアアース産業フォーラム”か
らの情報によると、今後、中国は以下一連の措置を取り、レアアース産業の構造転換と高度化や健
全な発展を促進する。
1. レアアース違法・規則違反行為を徹底的に取り締まる
中国工業情報化部は、関連部署や地方政府とともに検査・監督・処分を強化し、レアアース専用
領収書情報や一般人による通報筋等を利用し、調査する。処分しない、先延ばしするまたは責任
を転嫁する地方政府部署に対し期限付きで監督処分し、関係者の責任を追及する。レアアース産
業協会の役割を発揮し、特別チームを発足し、レアアースの違法。規則違反情報に対し直ちに検
証し、且つ通常業務メカニズムに組み入れる。代表的な案件の公開に力を入れ、犯罪者を怯えさ
せ、厳しく取り締まる。「希少金属管理条例」を速やかに公表し、レアアース違法・規則違反行
為への取り締まりに対し法律的な保障を提供する。
2. 大規模レアアース集団に対する実質的な統合作業を加速する
大規模レアアース集団 6 社は、設立計画案の要求に従い、国内全てのレアアース鉱山と製錬分離
企業に対する再編を加速し、実質的な統合を実現させ、年末までに全ての統合作業を完了させる。
3. ハイレベル実用産業を大いに成長させる
中国工業情報化部は、関連部署ととともにレアアース産業の発展に対し大いに支援し、工業的
構造転換と高度化特別項目に対し資金を提供し続け、ハイレベルレアアース機能材料と部品の産
業化など事業を支援する。
4. レアアース第 13 次 5 ヵ年計画作業を実施する。
(2015.8.10 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース永久磁石材料輸出は対前年同期比 10.6 %増
中国税関統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース永久磁石材料輸出量は 1,863 t、
対前月比 10.9 %減、同月の輸出額は 1.1 億 US$、対前月比 9.5 %減であった。2015 年 1~6 月の
中国レアアース永久磁石材料輸出量は合計 1.15 万 t、対前年同期比 10.6 %増、輸出額は合計 6.81
億 US$、対前年同期比 0.15 %減であった。
2015 年 1~6 月の米国への輸出量は 1,346 t、輸出総量の 11.7 %を占め、韓国への輸出量は 1,183
t、輸出総量の 10.3 %を占め、香港への輸出量は 975 t、輸出総量の 8.5 %を占め、ドイツへの輸
出量は 1,149 t、輸出総量の 10 %を占めている。
(2015.8.11 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース永久磁石材料輸入は対前年同期比 2.8 %減
中国税関統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース永久磁石材料輸入量は 186 t、対
前月比 0.27 %増、同月の輸入額は 1,992 万 US$、対前月比 4.5 %減であった。2015 年 1~6 月の
中国レアアース永久磁石材料輸入量は合計 1,143.6 t、対前年同期比 2.8 %減、輸入額は合計 1.25
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ニュース・フラッシュ No.15-32
億 US$、対前年同期比 11.3 %減であった。
2015 年 1~6 月日本からの輸入量は 227 t、輸入総量の 19.8 %を占め、マレーシアからの輸入量
は 204 t、輸入総量の 17.9 %を占め、フィリピンからの輸入量は 162.5 t、輸入総量の 14.2 %を
占めている。
(2015.8.11 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース酸化物輸出は対前年同期比 8.5 %増
中国税関の統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース酸化物輸出量は 2,041.5 t、対
前月比 23.3 %増、同月の輸出額は 3,003.7 万 US$、対前月比 57.5 %減であった。2015 年 1~6 月
の中国のレアアース酸化物輸出量は合計 9,175.8 t、対前年同期比の 8.5 %増、輸出額は合計 1.14
億 US$で、対前年同期比 11.6 %減であった。
2015 年 1~6 月米国への輸出量は 3,874 t、輸出総量の 42.2 %を占めている。日本への輸出量は
2,086 t、輸出総量の 22.7 %を占めている。イタリアへの輸出量は 933 t、輸出総量の 10.2 %を
占めている。オランダへの輸出量は 773 t、輸出総量の 8.4 %を占めている。韓国への輸出量は 505
t、輸出総量の 5.5 %を占め、ベトナムへの輸出量は 303.6 t、輸出総量の 3.3 %を占めている。
(2015.8.12 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース酸化物輸入は対前年同期比 51 %増
中国税関の統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース酸化物輸入量は 24 t、対前月比
77.3 %減、同月の輸入額は 73.4 万 US$、対前月比 73.7 %減であった。2015 年 1~6 月の中国のレ
アアース酸化物輸入量は合計 626 t、対前年同期比の 51 %増(対前年同期では 414.8 t)、輸入額は
合計 1,329.8 万 US$で、対前年同期比 53.1 %減であった。2015 年のレアアース酸化物輸入は輸入量
増加、価格落下する態勢。そのうち、1~6 月、マレーシアからの輸入量は 351.6 t、輸入総量の 56.2 %
を占め、ミャンマーからの輸入量は 98 t、36 t で、輸入総量の 14.8 %、5.8 %を占めている。
(2015.8.12 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース金属及び合金輸出は対前年同期比 25.3 %増
安泰科によれば、中国税関の統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース金属及び合
金輸出量は 501.5 t、対前月比は 8.1 %減少し、輸出額は 1,124.8 万 US$、対前月比 11 %増であ
った。2015 年 1~6 月の中国のレアアース金属及び合金輸出量は合計 2,106.3 t、対前年同期の 1,681
t と比べ 25.3 %増加した。合計輸出額は 4,469.3 万 US$、対前年同期比 10.3 %減少した。
2015 年 1~6 月、日本への輸出量は合計 1,636.8 t で 77.7 %を占めている。米国への輸出量は
76.9 t、3.65 %を占めている。オランダへの輸出量は 255 t で、総量の 12 %を占めている。
(2015.8.12 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース金属及び合金輸入は対前年同期比 0.7 %増
安泰科によれば、中国税関の統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース金属及び合
金輸入量は 72.4 t、対前月比は 7.7 %減少し、輸入額は 46.13 万 US$であった。2015 年 1~6 月の
中国のレアアース金属及び合金輸出量は合計 493.5 t、対前年同期の 490 t と比べ 0.7 %増加した。
合計輸入額は 296.8 万 US$、対前年同期比 24.4 %減少した。
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ニュース・フラッシュ No.15-32
2015 年 1~6 月、米国から輸入量は 352.8 t で、輸入総量 71.5 %を占め、フランスからの輸入
量は 98.9 t、輸入総量 20 %を占め、日本からの輸入量は 23.8 t、輸入総量 4.8 %を占め、ミャ
ンマーからの輸入量は 17.5 t、輸入総量の 3.5 %を占めている。
(2015.8.13 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース塩類の輸出量が対前年同期比 34 %減
安泰科によれば、中国税関の統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース塩類の輸出
量は 668.5 t、対前月比 61.5 %増、同月の輸出額は 244.2 万 US$、前月比 0.5 %増。2015 年 1~6
月の中国レアアース塩類輸出量は合計 2,535.8 t、対前年同期比 34 %減。輸出額は合計 1,223 万
US$、対前年同期比 45.7 %減であった。
2015 年 1~6 月日本への輸出量は 1,594 t、輸出総量の 62.8 %を占め、米国への輸出量は 330 t、
輸出総量の 13 %を占めている。ドイツとイタリアへの輸出量はそれぞれ 121 t、162 t で、輸出総
量の 4.8 %、6.4 %を占めている。
中国のレアアース塩類の輸出は主に炭酸セリウムで、2015 年 1~6 月炭酸セリウム輸出量は合計
1,982 t、レアアース塩類輸出総量の 78.2 %を占め、そのほか、他のセリウム化合物による輸出量は
184 t、輸出総量の 7.3 %を占め、フッ化希土類の輸出量は 235.5 t、輸出総量の 9.3 %を占めている。
(2015.8.14 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期のレアアース塩類の輸入量は 4,422 t
安泰科によれば、中国税関の統計データによると、中国の 2015 年 6 月のレアアース塩類の輸入
量は 825 t、対前月比 41.7 %増、同月の輸入額は 166.4 万 US$、前月比 1.8 %増加した。2015 年
1~6 月の中国レアアース塩類輸入量は合計 4,422 t、対前年同期の 193.8 t と比べ遥かに上回る。
輸入額は合計 1,013.2 万 US$、対前年同期の 240 万 US$と比べ遥かに上回る。
2015 年 1~6 月のマレーシアからの輸入量は 2,252 t、輸入総量の 50.9 %を占めている。米国か
らの輸入量は 1,201 t、輸入総量の 27.2 %を占めている。ベトナムからの輸入量は 574 t、輸入総
量の 13 %を占めている。
2015 年前半 6 ヵ月主に輸出したレアアース塩類の輸入量は、炭酸セリウム 654 t、輸出総量の
14.8 %を占め、混合炭酸希土類の輸入量は 1,715 t、輸入総量の 38.8 %を占め、未混合炭酸希土
の輸入量は 1,197 t、輸入総量の 27.1 %を占め、混合塩化希土類の輸入量は 844 t、輸入総量の
19.1 %を占めている。
(2015.8.14 北京
森永正裕)
中国:包頭レアアース製品取引所の成約額は、大幅に増加
現地報道によれば、包頭レアアース製品取引所 2015 年 1~7 月の成約額は大幅に増加した。
包頭レアアース製品取引所が 2015 年 1~7 月に取引した酸化物、金属、合金等各種レアアース製
品は 11.64 万 t、取引総額は 157.55 億元で、2014 年の取引総額と比べ 277 %増加した。
取引に参加する国内外の会員企業も増え続けている。2015 年 7 月末まで、国内レアアース上流企
業や末端企業、中間取引業者など包頭レアアース製品取引所に口座を開設し、市場参入した企業は
120 社近くに上る。
規定に基づき、包頭レアアース製品取引所は“e 現物取引 (オンライン取引) ”、現物オークシ
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ニュース・フラッシュ No.15-32
ョン取引及び現物上場取引の 3 種の取引方法を導入している。大口商品の中・長期取引、大口商品
の中・長期取引市場管理、倉荷証券事業は行っていない。今後、クロスボーダー電子商取引事業へ
の参入を促進し、将来的に先物取引方法も導入する予定。
包頭レアアース製品取引所は、中国国内初の専門レアアース製品取引所として、2014 年 3 月 28
日に発足した。
(2015.8.14 北京
森永正裕)
中国:2015 年上半期、中国非鉄金属工業生産は安定的に運営
安泰科によれば、2015 年上半期は複雑な国際経済環境及び国内経済の低迷による影響が大きいと
いう状況の中にもかかわらず、中国非鉄金属工業の全体生産は安定的に運営されている。
1. 生産は安定的に増加
2015 年 1~6 月、中国の 10 種の非鉄金属生産量は 2,526.58 万 t(対前年同期比 9.32 %増)、成
長率は対前年同期より 3.92 ポイント増加。そのうち銅・アルミニウム・鉛・亜鉛の生産量はそれ
ぞれ 377.83 万 t(対前年同期比 9.39 %増)、1,560.82 万 t(対前年同期比 11.69 %増)、204.83 万
t(対前年同期比 3.49 %減)、307.02 万 t(対前年同期比 13.4 %増)となっている。
2. 固定資産への投資の増加率が反落
2015 年 1~6 月、中国有色金属工業(独立した黄金企業を含まず、以下同様)の固定資産への投
資額は 3,100.48 億元(対前年同期比 2.19 %増)であったが、増加率は対前年同期より 4.39 ポイ
ント反落した。
そのうち非鉄金属鉱山への固定資産投資は 457.59 億元、
対前年同期比 7.31 %減、
製錬プロジェクトへの投資が 810.22 億元、対前年同期比で 3.50 %減、加工プロジェクトへの投
資が 1,832.68 億元、対前年同期比 7.76 %増加した。
3. 非鉄金属輸出入貿易額が下落
2015 年 1~6 月、
中国主要非鉄金属の輸出入貿易額(独立した金企業を含まず、以下同様)は 561.0
億 US$(対前年同期比 10.7 %減)、そのうち輸入額は 414.6 億 US$(対前年同期比 15.7 %減)で、
輸出額は 146.5 億 US$(対前年同期比 7.0 %増)であった。輸入超過額は 268.1 億 US$(対前年同期
比 24.4 %増)であった。
4. 非鉄金属の価格は低下
2015 年 1~6 月、中国国内市場の銅、アルミニウム、鉛の平均価格はそれぞれ 4.33 万元/t(対前年
同期比 12.4 %減)、1.30 万元/t(対前年同期比 1.7 %減)、1.29 万元/t(対前年同期比 7.0 %減)。国
内市場の亜鉛平均価格は 1.65 万元/t(対前年同期比 7.8 %増)、2014 年下半期より 2.3 %低下した。
(2015.8.14 北京
森永正裕)
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