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フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴質量分析計
600MHz 核磁気共鳴分光計(液体用)
FT-ICRMS, BURUKER / solariX
NMR, BRUKER / AVANCE TMⅢ
【仕様】 マグネット:7.0T / イオン源:ESI, APCI, MALDI
適応質量範囲:100-10,000 m/z / MS/MS方式:CID, ECD, ETD
【仕様】 1H周波数600MHz + 超高感度TCI CryoProbe
質量分析計の中で最も分解能が高い装置です。微量の未知資
料、脂質や油脂のような低極性化合物、イオン化しにくい生体
由来の高分子化合物まで対応しています。
多種類のMS/MS
高分解能・高輝度
質量分析計
超電磁石
×
フーリエ変換
CID
ETD
ECD
LC/MS
LC/MS/MS
【 CryoProbeとは? 】
コイル部およびプリアンプ部を低温
Heガスで冷却し、熱雑音を除去する
ことで高感度化したプローブ。微量
成分検出・短時間測定が可能。
相対感度(au)
選べるイオン化法
ESI
MALDI
APCI
原子核のスピンを利用して、非破壊的に物質の構造・状態を知ることが
できる装置です。有機化合物の構造決定、さらにはタンパク分子の水溶
液中での立体構造解析も可能です。強磁場コイルを採用し、さらに超高
感度TCI CryoProbeを組み合わせた高感度システムです。
6
4
×3倍以上の
高感度化
2
磁場強度 600MHz
HPLCと連動
活用事例紹介
FT-ICR MS と NMR を組み合わせた
微量未知ピークのMSスペクトル(一部拡大)
HPLCで全葉に含まれる色素を分離し、LC-MSでそれぞれの
ピークの化学式を決定して、物質の特定を行いました。
C40H55O4
599.4095-0.3ppm
測定試料が非常に微量(0.21mg)で不純物もある程度含まれていましたが、高感度測定により赤矢印で
示した距離情報が特定され、幾何異性体構造である事が決定できました。光合成集光タンパク質にこの
特定のシス体が結合している事が初めて明らかになりました。
未知微量ピークの二次元プロトン-NMR
特定質量検出
植物サンプルから色素を抽出
HPLCとLC-MSで分析
UV-VIS吸光度検出
色素
分離
C40H54O4 (分子量=598)
①全トランス体
紫外−可視吸収スペクトルとHPLCの溶出順序より、4-ケトア
ントラザンチンのどこかが折れ曲がったシス体であることが予
想されました。未知の微量ピーク②を分取しNMRで詳細な構
造解析を行いました。
色素
抽出
活用事例紹介
微量成分の構造決定
4-keto-antheraxanthin
未知成分(赤矢印)の質量(m/z=599.40975±0.001)を縦軸に
した図(TIC)より、既知成分(緑矢印)と化学式が一致しました
が、溶出時間が異なることに疑問が残りました。
600MHz
+CryoProbe
質量(m/z=599.40975±0.001)検出※
(EIC)
4-keto-antheraxanthin
①
②
MSのデータで同一分子
量であることが判明
②シス体
9’-cis 4-keto-antheraxanthin
450nm検出
NMR測定によって
距離情報が特定
同一構造式なのに別々
に分離される
溶出時間
※プロトン付加イオン(MH+)として検出しているため分子量は+1になっています
適応
分野
 微量の未知物質の分析・同定(由来の推定・混入経路や不良原因の推定など)
 タンパク質の同定(アミノ酸配列の決定とデータベース検索によるタンパク質の決定)
 複雑な化合物、生体試料、合成高分子などの構造式決定(精密質量分析による元素組成分析)
(資料提供 大阪市立大学複合先端研究機構 藤井律子准教授)
適応
分野




化学式、元素組成の分かっている物質の構造決定
未知化合物の構造決定
不純物の確認
貴重な試料の非破壊分析