H27年7月夏風号 - 志摩市議会議員 会派 フォーラム未来

西
平成 27 年 7 月夏風号(No.54)
甚吾
発行 / 西 甚吾後援会事務所
志摩市阿児町神明 878-112
TEL / FAX 0599-43-2101
メール [email protected]
平成 27 年 第 2 回 志摩市議会定例会が開催されました。(会期 6 月 5 日∼ 6 月 22 日)
提出議案(・報告 3 件・承認 3 件・条例の一部改正 1 件・補正予算 2 件・指定管理者の指定 2 件・工事請
負契約締結 2 件・農業共済事務組合議員選挙 1 件)は常任委員会及び、特別委員会の審査と本会議での審議
が行われ、すべて採択され可決し成立しましたが、「国際平和支援法案」「平和安全法制整備法案」
の慎重審議を求める請願書については、本会議審議で否決となりました。
一般質問は 6 月 11 日、12 日に、10 名の議員が質問を行い、
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◎◎
「報告・連絡・相談」の「 ホウレンソウ」議員★☆西 甚吾は、
下記の「二つの問題」について一般質問を行いました。質問項目と質疑内容の要点をまとめて、6月定例会の
議会報告といたします。なお8月の次号「議会だより」にも掲載されますので、ご覧いただきますようにお願い申し上げます。
西﨑甚吾
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ごらん下さい。
病院事業における改善策が示されていない!進捗状況について聞く。
一、経営改善を求める議会決議に対する市長の見解とこれまでの対処は。
一、総合診療医1名確保で、経営実績は前年と比べて向上したのか。市直営で2年間の運営を決めているが、29年度以降はどう運営するのか。
一、病院予算で凍結された事業に関して、27年度で実施していくのか。また、経営収支は予算実施計画の範囲内に収まるのか、
執行部は責任を持って市民に答えるべきだ。
平成27年度の病院事業へは、
約8億円の負担金が必要となる!
現在の病院事業の状況は、市民病院と浜島診療所の両方で、
外来患者は1日約 170 人、年間約4万人程度で、入院患者は
療養病棟のみで1日約 40 人、年間約 1.4 万人であります。
浜島診療所の医師1名が5月で退職されたため、
常勤医師は4人、看護師等の正職員は 70 人弱で、
他に代務医師と臨時看護師等がくわわる職員体制で市民病院、
診療所が運営されています。
その給与費(人件費)合計が 27 年度予算で約 8.5 億円となり、
人件費も含めた病院事業すべての費用合計は約 13.5 億円に
なります。一方の事業収益は、すべての合計が約9億円で、
差し引きすると純損失が 4.5 億円の赤字になります。
当初予算で、既に一般会計から負担金3.3億円が
繰出されており、27 年度中には追加で5億円近い赤字補填が
見込まれるので、病院事業へ繰出す負担金は約8億円が
必要になると推測されているのです。
条例に違反している病院の
運営は、このままでいいのか!
予算編成方針には企業会計について、地方公営企業の趣旨に
沿って、地域の経済性の発揮を基本とし、職員一丸となって
一層の努力を行い可能な限り収支の均衡を図ることを
基本とする。また、留意事項として議会及び監査委員の意見や
指摘事項等について趣旨を十分検討し、速やかな改善を
図ることが掲げられているのです。
しかしながら、病院事業の 27 年度予算は、編成方針等を
順守した企業会計ではないと考えて、私は当初予算に反対を
したのでありました。最も重大なことは
「志摩市病院事業の設置等に関する条例」で(経営の基本)第 2 条に
「病院事業は常に企業の経済性を発揮するとともに、
公共の福祉を増進するように運営されなければならない」と
定められていますが、この条例に違反している運営が
長らく継続し、放置されているという問題があります。
市民病院
市民病院受付
改善を図る経営方針と収支計画が、
いまだに示されていない。
市長は昨年 12 月の全員協議会で、27 年度の病院事業は
致し方なく直営にしますが、28 年度以降の運営については、
直ちに結論を出すのは困難と考えており、1年間の状況を見た上で
方向性を出したいと答弁しながら、2月の施政方針では、
前言に反して2年間の直営を独断で急遽、決定したのであります。
病院事業は、平成 20 年に市民病院として開設以来、
毎年一般会計から約5億円、これまでに、約 30 億円以上が
負担金として繰出されていて、病院事業を継続することで
一般会計の負担が非常に厳しくなり、市の財政を圧迫している
最大の要因となっているのであります。
「財政健全化アクションプログラム」と「財政計画」には、
特別会計と企業会計への繰出金の抑制が示されており、
これまでのような負担金の繰出しは改めるべきであります。
そして、早急に積極的な経営改革を実施すべきであり、行政当局、
医師、看護師との綿密な協議を行い経営の改善を図ることを強く要望
するという、「市民病院の経営改善を求める決議書」が
昨年 12 月 19 日に議会から市長へ提出されているのです。
要望した項目は、
1、病院事業の平成 27 年度以降の経営方針を早急に示すこと。
1、病院事業の上記経営方針に基づく収支計画を早急に示すこと。
1、経営改善のための明確な組織目標を掲げること。
1、品質管理システムを構築すること。
1、医療と経営の一体感を構築すること。
以上でありますが、いまだに、決議書に対する回答もなく、経営改革
に真剣に取り組む執行部の対応が見られないのであります。
市長は22年度と同等の病院を
目指し、機能縮小は考えない。
今回の質問内容に対して、病院事業の現在の状況は合併以来、
最悪の状況と認識しているが、2年間は市直営を行う中で
医師・看護師確保に努め、一般病棟・療養病棟とも運営していた
平成 22 年度と同等の運営を目指し、病院機能を縮小することは
考えられないと、市長は答弁されました。
今後の方針については、県が策定する地域医療ビジョンを参考とし、
方向性として浜島診療所は、28 年4月を目標に公設民営化と
勤務医の募集を行い、前島診療所は、30 年3月に終了する
指定管理について見直しを実施し、市民病院は直営していく中で
経営の健全化を図り、28 年度中に経営改善の
見込みが立たない場合は、31 年4月を目標に
指定管理者制度の導入を検討しますという答弁もされています。
西
平成 27 年 7 月夏風号(No.54)
甚吾
生活排水処理計画と鵜方小向井地区の処理施設について尋ねる。
一、現在の市の生活排水処理について形態別での状況と、生活排水処理率や処理施設整備率は何%に向上し、県下の市町と比較してどの程度なのか。
一、小向井土地区画整理組合が旧阿児町で土地区画整理法に基づき、県の認可を受け整備した生活排水集合処理施設について、現状に則した
生活排水集合処理計画を27年度中に策定するという志摩市が、小向井地区下水道の引継ぎや移管を受諾できないという見解を尋ねる。
施設の引継ぎ移管に関して、
現在、裁判所で調停中である!
質問内容に対して、市の全人口に対する施設整備率
(水洗化され生活雑排水も処理する割合)は 51.4%となり、
県下の整備率は 80.8%で、県内 29 市町の中で
22 番目であり、整備が遅れているという答弁がありました。
そして、小向井地区の集合処理施設については、現在、小向井
ニュータウン共用施設管理組合と裁判所で調停中であり、
答弁は控えさせていただきたい。
また、鵜方の小向井地区にあるコミュニティプラント
(生活排水の集合処理施設)は浄化槽の扱いとなり、
現在は浄化槽の設定区域であると答弁されましたが、
県の生活排水処理アクションプログラムには、
コミュニティプラントは、下水道と同じ集合処理施設であって、
各戸で浄化槽を設置する個別処理施設とは
根本的に違った整備手法であると定められているのです。
しかしながら、小向井地区の各戸には浄化槽が
設置されておらず、生活排水はコミュニティプラント
(下水道)によって集合処理されている実態があるのですが、
県のアクションプログラムの中には、志摩市は
コミュニティプラントが、現在も整備されていない「ゼロ」と
いう不思議な調査結果になっているのであります。
小向井地区にある生活排水の
集合処理施設の状況は。
現在、処理施設を使用する戸数は一般住宅 70 件、店舗等 72 件、
計 142 件です。
地区の建物はすべてが下水道へ接続することが条件のため、
接続率は 100%で、生活排水は下水道で集合され、共用施設で
処理されています。施設は処理能力の3分の1程度が
稼動しているだけで、将来の排水処理に十分余裕があります。
現在、地区全体での下水処理料収入は、年間約 2,300 万円で、
維持管理費は約 1,900 万円となり、収支の差額分は
これまで毎年、将来の管理費用に積み立てていて、
現在、約 1 億 1,000 万円の積立金になるということです。
「環境基本計画」と
「生活排水処理基本計画」を
策定中である。
「里海のまち志摩市」の重点施策である里海創生のために、
生活環境の保全と再生には、これまで以上に取り組んでいかねば
なりません。
その市の中心地に位置する志摩市商工会周辺小向井地区で
阿児町が土地区画整理事業によって、生活の基盤として整備した
下水道施設に関して、維持管理すべてを地域の組合に任せたままで
いいのか、志摩市はこの問題を、このまま放置せずに合併した
行政として、旧阿児町からの継続性を良く考えていただき、
一日も早い解決をしていただきたいと思います。
小向井排水集合処理施設
小向井地区にある下水道マンホール蓋
小向井の市有地にある管理組合事務所
平成 27 年度からの「志摩市版」地方創生について。
少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、
将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、地方創生に関する法律「まち・ひと・しごと創生法」が平成26年11月に制定さました。
地方創生で定められた「私たちの責務」とは
市が実施する27年度の地方創生事業は
○志摩市は「まち・ひと・しごと創生」に関し、国、県との適切な
役割分担の下、市の実情に応じた自主的な施策を策定し、
および実施する責務を有する。
○事業者は、国、県、市が実施する「まち・ひと・しごと創生」に
関する施策に努力するよう努めなければならない。
○市民は「まち・ひと・しごと創生」について関心と理解を深めると
ともに、市が実施する「まち・ひと・しごと創生」に
関する施策に協力するよう努めるものとする。
○地方創生に一刻も早く取り組むための地域活性化・
地域住民生活等緊急支援交付事業に取り組みます。
○「地域消費喚起・生活支援型」と「地方創生先行型」の2種類の
交付事業を実施します。
「地域消費喚起・生活支援型」事業とは
○プレミアム付商品券発行の1事業を実施、千円の商品券 12 枚を
1万円で販売し、7月∼ 12 月の半年間に市内の商店等で使用できる。
○この1事業で1億 273 万3千円の事業費であります。
「地方創生先行型」事業とは
「志摩市版」地方創生について検討するもの
○地域創生のために 12 事業で1億 710 万円の事業を実施します。
○例えば、地域産業振興事業として、魅力ある志摩市の特産品を
返礼品とした『ふるさと納税』の仕組みを導入し、販路拡大や
振興を図るために、1,819 万9千円の事業費。
○また、中学生医療費助成事業として、入院・通院医療費の自己負担を
全額助成し、安心して子どもを育てる環境の整備を図るために
1,109 万3千円の事業費。などが実施されます。
○「人口ビジョン」と「総合戦略」の2つを策定する。
○「人口ビジョン」は、現状分析と将来展望の2部構成で 45 年先、
2060 年までを描く。
○「総合戦略」は、人口ビジョンを実現させるための戦略で、
平成27年度∼平成31年度までの5ヵ年計画である。
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