事業計画書 - 岐阜県自動車会議所

平成 28 年度事業計画
第1
概況
昨年の県内自動車市場は、26 年4月の消費税増税による反動減の長
期化、エコカー減税見直しによる実質的な増税、軽自動車税の増税等の
影響を受け、登録車、軽自動車ともに前年割れの状況であり、自動車業
界にとっては厳しい1年であった。
運輸業界においては、原油価格の下落に伴う燃料価格の低下と緩やか
な景気の回復傾向、訪日外国人旅行者の増加等により、厳しい中にも比
較的落ち着きを見せた1年であった。
当会議所の主要事業である自動車標板交付事業の 27 年度実績は、登
録車の希望番号を除き、全て減収となり、中でも軽自動車標板の頒布収
益が大幅な減収となった。
標板以外の事業については、車検予約、自賠責、照明器具及び印紙証
紙が若干の増益を確保できるものの、その他の事業についてはほぼ前年
度並若しくは微減となり、標板を含めた全事業の経常収益の合計は、自
動車市場の低迷を受け、26 年度を若干下回る実績(26 対比 99)が見込
まれる。
このような中、27 年度の重点事業として計画したオリンピック特別
ナンバーの交付は見送りとなったが、岐阜県自動車会館の耐震補強工事
は、27 年6月に着工・28 年2月に無事竣工した。また、事故防止、環
境対策等の公益事業についても、ほぼ計画どおり実施した。
28 年度の自動車市場は、29 年4月予定の消費増税による駆け込み需
要が年度後半から予想され、登録車、軽自動車とも増勢に転ずるものと
見込まれることから、27 年度を上回り 26 年度並の実績が確保できると
予想される。
運輸業界については、製造業や観光事業等をはじめとして経済全般が
回復し、輸送需要は堅調に推移すると見込まれるが、各業界は、安全運
行を確保していく中で、乗務員不足の顕在化をはじめ、それぞれの課題
を抱えている。
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整備業界については、整備技術の高度化、人材の確保・育成、事業の
継承・存続問題等を抱えながらも、27 年度並の検査台数は確保できる
ものと見込まれる。
当会議所の 28 年度の収益事業は、県内自動車市場の回復傾向と好調
に推移している希望ナンバーに支えられ、標板交付事業については、27
年度予測を若干上回り(27 対比 102)、26 年度並の収益(26 対比 101)
が確保できる見通しである。
その他の事業についても、OCR シート等検査登録関係用紙の汎用化
が 29 年1月から実施されることにより販売手数料の減収が見込まれる
ほかは、ほぼ 27 年度並の実績(27 対比 101)が期待できる。
こうした状況を踏まえ、交通安全・環境対策等の公益事業についても、
関係機関・団体と連携しつつ、堅実な事業運営を実施していく。
第2
1
重点事業
オリンピック特別ナンバーの導入
国土交通省は、2020年オリンピック・パラリンピック東京大会
特別仕様ナンバープレートを 27 年度のできるだけ早い時期に交付予
定であったが、公式エンブレム問題により大幅に交付時期が遅れてい
るため、28 年度早期の交付開始に向け、品質基準の改正、デザイン
の公募等の準備を順次進めている。また、交付方法についてのシステ
ム変更、寄付金の取り扱い等詳細についても関係機関の協議が鋭意進
められている。
当会議所では、関係行政機関や全国自動車標板協議会の指導を得な
がら、標板メーカーと連携しつつ、円滑な交付代行業務が行えるよう、
希望番号予約システム活用による窓口業務処理体制の確立、ユーザー
への周知等に努めるほか、同ナンバーの普及拡大に向け、各種媒体を
活用して県民への広報活動を積極的に推進する。
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消費税増税対策
29 年4月からの消費増税に伴い、当会議所の各種取扱品目につい
て2%増税分の価格転化等の措置を検討する。
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特に、前回増税時に諸般の事情により登録番号標板の価格転嫁を見
合わせたことを踏まえ、確実に価格転嫁ができるよう、国土交通省、
全国自動車標板協議会との意見交換を行うとともに、値上げに対する
来所者・利用者の理解を得るため、事前広報・周知に努める。
また、消費増税に伴う駆け込み需要は、前回(26 年4月)に比べ
て、弱めながらも年度後半から顕在化するものと思われ、これに伴い
当会議所の窓口の混雑も予想されるため、必要により案内係、臨時職
員の配置等により、来所者に対する窓口サービスの向上に努める。
第3
1
一般事業
行政・関係団体との連携
県内の自動車関係分野の総合団体として、関連業界の発展に資する
ため、関係行政機関・団体との連携を一層強化し、自動車交通事故防
止大会、道路交通環境等改善懇談会等の開催をはじめ、関係団体が行
う各種イベントへの参加、その他行事への協力等の取り組みを強化す
る。
2 検査登録業務のワンストップサービス(OSS)導入に向けた対応
29 年から全国の都道府県で、全ての登録手続き及び継続検査
の OSS がスタートすることとなり、岐阜県では、29 年 10 月か
ら導入予定で準備が進められている。
当会議所では、OSS の円滑な導入に向け、岐阜運輸支局、岐阜
県等関係機関・団体で組織する連絡会に引き続き参加し、協議
を進めていくほか、所内においても OSS 導入に伴う影響とその
善後策について、プロジェクトチームを中心に検討を進めてい
く。
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図柄入りナンバーの交付
国土交通省では、オリンピック特別ナンバーの交付に引き続き、一
般のナンバーについても地方自治体の要請に基づき、図柄入りナンバ
ーを交付できるよう審査基準の制定等の諸準備が進められている。
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同制度施行後は、ご当地ナンバーをはじめとして各都道府県ナンバ
ーについて順次審査申請がなされるものと予測される。
この図柄入りナンバーは、29 年秋頃の交付開始を目指しているが、
地域の関心も高く、多数の審査申請が予想され、より多くの交付需要
が期待されることから、オリンピックナンバー対策に併せ、システム
の更改、窓口体制の整備等について、早期段階から検討を進めていく。
第4
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収益事業
希望ナンバー比率の向上
27 年 12 月末現在の希望ナンバー予約率は、登録車の全国平均が
39.3%であるのに対し、岐阜ナンバーが 37.3%、飛騨ナンバーが
29.7%、軽自動車の全国平均が 20.0%であるのに対し、岐阜ナンバー
が 19.2%、飛騨ナンバーが 17.8%と何れも低く、特に飛騨ナンバーの
予約率が低い。
このため、現状の普及促進対策に加え、予約率の高い関東・関西の
交付代行者からの情報入手、関係団体・業者への積極的な働きかけ等
を実施し、希望ナンバーの普及促進を図る。
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自動車取得税廃止と環境性能課税導入に向けた検討
消費税 10%導入時に自動車取得税が廃止されることに伴い、現在
岐阜県から受託している自動車取得税の審査・収納業務が終了するこ
ととなり、当会議所の公益(実施)事業の財政基盤が多大な影響を受
けることとなる。導入が検討されている新たな環境性能課税(地方税)
についての国・県の動向、法制定後の具体的な徴税システム等につい
て注視していく。
徴税システムが自動車取得税と同様の委託契約方式で実施される
場合には、引き続き当会議所が受託契約できるよう、現在の受託事務
の円滑・適正な執行、職員の規律保持とコンプライアンスを徹底しつ
つ、各種事業の公共性確保、積極的な社会貢献活動等により、信頼性
と公共性の維持・確保に努める。
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3
用紙類の汎用化に対する対応
現在、窓口において販売している自動車検査登録関係の OCR シー
トは、読込み機器に対応するために紙質、仕様等が国土交通省で定め
られており、この基準に沿った用紙類を当会議所で販売している。29
年1月からは、この基準のうち紙質に係る制限がなくなり、インター
ネットからダウンロード印刷した用紙でも申請手続きができる(汎用
化)ようになる。
しかし、ユーザー車検等の個人申請者、小規模販売整備業者の中に
は、こうしたダウンロードによる用紙類の入手方法を負担と感じる業
者も少なくないことから、会議所独自に安価な用紙類の販売又はコピ
ー機の提供等の対策をプロジェクトチームを中心に検討していく。
また、汎用化に伴う販売手数料の減収補完対策として、事務の見直
し、職員配置基準の精査、新規事業の開発等についても検討を進める。
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その他
自動車登録番号標及び車両番号標の交付(頒布)、自動車検査登録
関係諸印紙等の売捌き、車検予約、自賠責保険、信販会社に係る諸用
紙の代理交付等の各種事業を継続実施するほか、自動車会館内に行政
書士事務所を設置し、来所者の利便を図る。
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