A棟 農場通信2月号はこちらからご覧いただけます。

平成27年2月発行 第93号
〔発行元〕
イシグロ農材
営農支援課農場チーム
℡0531-23-3391
http://ishiguro.co.jp
A棟
高糖度トマト栽培技術の確立
~根域抑制栽培(弊社特許)による高糖度トマト周年栽培技術と栽培プラントの確立を目指して~
【栽培概要】
作物
大玉トマト
品種
CF桃太郎ファイト x
がんばる根トリパー
栽培方法
根域抑制栽培
摘心栽培の応用
定植日
平成26年9月22日
マルチの下の根の
様子です。
先月には見られ
なかった、毛細根
が多く見られるよう
になってきています。
現在、2段目を収穫中です。潅水量は800㏄/株で実施をしています。
温度上昇、潅水量増加に伴い、果実品質の低下が懸念されますが、果実の
品質は以下のグラフの通りで、今のところ維持ができている状況です。
昨年度、3月頃に軟果玉を発生させてしまった為、潅水調整やハウス内の温度上昇
に特に気を付けて管理を実施しています。
換気温度は日中24℃を最高にし、夕方13℃で設定をしています。
左:ゾンネ(5・10号)
右:ファイトマジック
【軟果玉の発生要因】
・潅水多過、極端な潅水ムラ
・高温
・草勢の低下
・窒素多過
追肥に各要素をまんべんなく補う為に「ゾンネ5、10号」を、
交互に使用しています。また、不安定な天気が続いても
光合成が促進されるように、葉面散布で「ファイトマジック」を
使用し、マグネシウム、微量要素を補っています。
2月の平均糖度と1果平均重量の推移です。高糖度トマトの理想とされ
る規格に基づき、糖度8.0以上、重量55~110gを目指しています。
糖度は目標達成できていますが、1~2段目ということもあり、1果重量
が大きい傾向です。日射量の増加に合わせて品質の維持が難しくなり
ますが、温度、潅水調整を実施していきます。
平均糖度と重量の推移
平均糖度(%)
平均糖度(%)
150.0
9.0
130.0
8.8
8.6
110.0
8.4
8.2
90.0
理想値
8.0 8.0
以上 7.8
70.0
7.6
50.0
1果平均重量(g)
9.2
1果平均重量(g)
理想値
55~
110g
農場では、作物の生育状態が適正かどうかの判断
の一つとして、葉緑素計(右写真)を使用しています。
葉に含まれる葉緑素の値(SPAD値)を計測しています。
肥料不足の判断目安となるか測定をしていますが、
作物の状況、樹液の硝酸態窒素濃度を見比べてみて、
概ね40SPADを切ってくると肥料不足という傾向が
掴めており、追肥のタイミングや肥料選定に活用して
います。
日付
葉緑素の値
(SPAD値)
硝酸態
窒素濃度(ppm)
1月23日
42.5
1300
1月30日
41.6
780
2月6日
42.9
860
2月17日
47.2
950
2月24日
49.1
1900
↑計測時の様子
7.4
7.2
30.0
2/2 2/4 2/6 2/8 2/10 2/12 2/14 2/16 2/18 2/20 2/22 2/24
※調査株の12株分の平均値
↑ 葉緑素の値(SPAD値)と樹液の硝酸態窒素の値を比較。
SPAD値が低いと硝酸態窒素濃度も低い傾向が見られる。