全労連・非正規センターニュース - 非正規雇用労働者全国センター

10 号 (2015.4.3)
パート・臨時・派遣・ヘルパーの仲間は手をつなごう!
全労連・非正規センターニュース
発行: 全労連
℡ 03-5842-5611
東京都文京区湯島 2-4-4
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静岡 「2015 働くみんなの春のつどい」開催
投機家優先の政治に歯止め、労働者の賃上げできる社会にしていこう
3 月 29 日(日)、静岡県評・静岡県評パート臨時労組
連絡会の主催で「2015 働くみんなの春のつどい」が静岡
市内で開催されました。
開会にあたって、静岡自治労連の林克委員長(静岡県
評議長)があいさつしました。林委員長は15春闘につ
いて「大企業のプラス回答が大々的に報道されているが、
消費税や物価の上昇に追いつくものではなく、景気回復
には不十分だ。ましてや中小零細企業・非正規雇用では
たらく労働者にまで賃上げが及んでいない。すべての労
働者の賃上げのためには社会的規範となる賃金(最低賃
金・公契約・公務員賃金)の引き上げが重要。わたしたちの運動の結果、昨年静岡県も公契約条例の制定
に向け『調査・研究』の意向を示した。公契約ではたらく労働者の賃金が上がれば、地域の他の労働者の
賃金も上がる。すべての労働者の大幅賃上げで安心して暮らせる静岡県をつくり、静岡県の景気をよくし
ていこう」と話しました。
大企業の内部留保を活用して大幅賃上げを実現
つづいて、静岡大学の鳥畑与一教授を講師に「賃上げは
なぜ景気回復につながるのか」と題した記念講演がおこな
われました。
鳥畑教授は今日の不況について「GDP(国内総生産)の
6割を占める家計支出はいわば成長エンジン。このエン
ジンがエンスト状態(家計の冷え込みによる需要不足)に
なっていることが不況の最大の原因。家計の冷え込みは
労働者の賃金が下がりつづけているからだ。ところが政
府は『家計を中心に据えた内需拡大の道を探ることが課題』と言いながら『企業が居心地のよい国は、家
計にとっても居心地がよいはずである』と議論をすり替え、内需犠牲の外需依存型成長戦略をつづけてき
た」と語り、政府の経済政策を批判しました。
鳥畑教授は、90 年代半ば以降、政府の「構造改革」導入によるファンド支配の強まりや経済のグローバ
ル化のなか、大企業はどんなに利益を上げてもそれを下請け中小企業や労働者に還元しなくなったこと。
結果、地域経済の疲弊や労働力の再生産能力が衰退していっても、市場や労働力を海外に求めるグローバ
ル企業はおかまいなしに利益最優先を追求していく仕組みが生まれた経緯をわかりやすく説明しました。
鳥畑教授は「日本は国民主権ではなく、投機家主権の社会になってしまった。株価を上げるために血眼
になる企業と、国民生活よりも海外の投機家の利益を優先する政治をおこなう政府によって格差拡大と貧
困化が深刻化していった。これを打破し、労働者の賃上げで景気回復するためには、経済における民主主
義の支配力を取り戻さなければならない。労働者が組合に結集して正当な要求を上げていくとともに、米
国の投機家べったりの政治に歯止めをかける必要がある」とうったえました。
また、鳥畑教授はフランスの経済学者トマ・ピケティ氏が著作「21 世紀の資本」のなかで、資本主義の
もと資本収益率は経済成長率よりも大きいため、富が公平に分配されず貧困格差が拡大するいっぽうであ
り、社会や経済が不安定をもたらすこと。貧困格差を解消するためには、グローバルな累進課税の富裕税
の導入によって富の再配分が必要であると主張していることを紹介。「日本においても大企業の内部留保
がこの1年間で 42.8 兆円も増大し、総額 509.2 兆円も溜め込まれている。これら大企業の利益の溜め込み
を制限するだけで、下請け中小企業を含めた労働者の賃上げが可能だ」と話し、大企業がその社会的責任
として、内部留保を活用した労働者の大幅賃上げをおこなう必要性をうったえました。
静岡自治労連「15春闘ニュース」第8号(2015/4/1)より転載
東京公務公共一般「江戸川自然動物園不当配転事件」で勝訴判決!
東京都江戸川区にある「自然動物園」で飼育員をし
ていた女性2人(東京公務公共一般組合員)が、自ら
が受けた「配置転換命令」は違法・無効だと訴えてい
た裁判の控訴審で、東京高裁は3月25日、控訴棄却の
判決を下しました。一審に引き続き、動物園を運営す
る公益財団法人「えどがわ環境財団」が出した配置転
換命令は、違法で無効だと判断されました。
東京公務公共一般労働組合に加入した動物飼育員の組合員が、公益財団法人「えどがわ環境財団」が運営す
る江戸川区立自然動物園においてパワハラ等の問題を起こしていた動物飼育員を財団に告発しました。しかし、
財団は2012年4月1日付配転命令により、組合の分会長である1名を事務職(みどりの推進係)に、組合の副
分会長である1名を別の動物施設(篠崎ポニーランド)にそれぞれ配転しました。
組合は組合員の配転問題やパワハラその他の問題について財団と団体交渉を行いましたが、財団は本件配転
命令を撤回しないばかりか、本件配転の業務上の必要性すら何ら具体的に説明しませんでした。
これまで、東京都労働委員会、地裁と原職復帰の救済命令や配転無効の判決が出ていました。さらに高裁判
決では、①組合の組織力を損ない、その活動を妨げることをも動機・目的としたもので、不当な動機・目的を
もった配転命令、②配転命令があったのは3月10日であり、2月20日の組合結成以後に命令があったと確定
したことから、組合結成を敵視した不当労働行為、③配転理由についても、財団は「人間関係の悪化」を理由
にしているが、悪化は認められないことーを認定しました。
記者会見した原告の女性は動物園の職場環境をよくしようと思って動いていたのに、配置転換させられて、
全く関係ない事務の仕事を3年続けてきている。また動物園に戻って、本来の仕事を全うできるようにがんば
りたい」と、今後の希望を述べました。
船橋市職労
時給単価で180円(月額2万円相当)の賃上げを実現!
船橋市職労はこの間、放課後ルームの賃金・労働条件、及び配置基準について、児童育成課と職員課交渉を
すすめてきました。そして、本年4月より実施される様々な改善を実現することができました。
☆放課後ルーム支援員時間単価1,510円(現行1,330 円)
☆新指導員配置基準
☆非常勤職員の病気休暇について、任用期間が3月を超え、かつ6月以下の非常勤職員に対する付与日数
→1日(現行は発令された任用期間が6月を超えた連続する3日間)
☆臨時職員の非常勤化で休暇制度の改善(下囲み)
これらは組合が長い間、訴え続けてきた成果です。配置基準についてのアンケート活動や、労働安全衛生委員
会、船橋市学童保育連絡協議会(父母会の連合団体)で指導員問題がとりあげられ、あと押しがあったことも
大きな支えとなりました。
①有給休暇の繰越が可能(前年度の付与日数限度)
②有給休暇を労働基準法に準拠して付与勤務
日数/週
5日
4日
1年目
10日
7日
2年目
11日
8日
3年目
12日
9日
4年目
14日
10日
5年目
16日
12日
6年目
18日
13日
7年目以降
20日
15日
※1~3日勤務/週の場合は略
※臨時職から継続して任用される場合は「2年目」となる。
③病気休暇(連続する3日間/年)の付与
④夏休み休暇(7~9月に在職の場合)
※勤務日数5日/週の場合6日
※勤務日数4日/週の場合4日
※週4日以下の場合は次の算定式で算出日数=6日×週の勤務日数÷5日(小数点以下は切り下げ)
⑤育児休業の付与
養育する子が原則として1歳に達する日まで(配偶者が子の1歳到達日以前に育児休業をしている場合
は子が1歳2ヵ月に達する日まで)
※雇用保険より休業給付を受けられる場合あり。
※臨時職期間(中断期間後)を含む任用期間が1年以上になった者
⑥介護休暇(最高93日)の付与
※雇用保険より休業給付を受けられる場合あり。
※臨時職期間(中断※臨時職期間(中断期間後)を含む任用期間が1年以上になった者
自治労連「非正規公共評」第13号(2015/3/28)より転載
東京医労連
結核予防会労組
企業内最賃 時給150円引き上げで1100円に
3月17日、東京医労連結核予防会労組に対して、最低賃金時給1,000円以上の組合要求に対し、時給1,100
円を回答がありました。看護助手に対するもので、要求額を超えるものとなりました。現状、新山手、
複十字両病院の賃金実態が時給にして近隣他病院と比較して劣ること。そしてそれが、地域間競争にな
り、離職と人手不足を助長していること。組合が強く要求してきた「いまどき最低でも時給は1,00円以
上だろう」との要求に応えた結果になりました。看護助手の賃金は時給950円から150円引き上げ、率に
して15.8%の改善となります。
結核予防会労組
「あけぼの」No.1435(2015/3/17)などから
岐阜県、岩手県、千葉県我孫子市、兵庫県加西市で公契約条例成立
3月19日に閉会した岐阜県議会。全会一致で「岐阜県公契約条例」を可決しました。賃金の下限設定がな
い「理念条例」ですが、これから条例を生きた条例に育て、実効性を担保するために、県労連も対策を考え始
めています。
3月25日に閉会となった岩手県議会。「県発注の契約に関する条例」(公契約条例)を賛成多数で可決しま
した。岐阜県と同様に賃金下限設定のない「理念条例」です。県の言い分は「市町村が公契約条例を独自に定
めたと時に、2重の単価設定となると混乱のもと」という理由から、下限設定はしないことを公言しています。
県ならば、あるべき方向に市町村を善導する必要があると考えますが、そのための取り組みが必要になります。
3月19日に閉会した千葉県我孫子市議会。全会一致で「公契約条例」を可決しました。しかし、当初の条例
案に掲げていた対象とする予定価格について、公共工事を5千万から1億円に引き下げ、委託を1千万円を2
千万円に引き下げて、対象契約数を少なくしてスタートすることになりました。これは、業界団体からの反対
の声に配慮した結果ということです。しかし、多摩市や相模原市のように、受注した企業から「対象額を引き
上げてほしい」「すべての公契約を対象にすべきだ」などの声が出ていることを考えると、適切に運用させる
ことで、対象の金額設定を変えることは十分に可能です。次の運動が求められます。
3月25日に閉会した兵庫県加西市議会。13対1の賛成多数で公契約条例を可決しました。もともと、数年前
から連合系の組合、全建総連傘下の組合が公契約条例制定に向けた要望に取り組んでいたこと、隣の三木市で
公契約条例が施行され成果を上げ始めていることが後押しとなり、トップダウンで議会に提案され、可決した
ものです。兵庫労連は「運動の組み立てから着手する」と語っています。
3月議会を経て、公契約条例が16区市、基本条例が5県4区市、要綱による指針は7区市まで広がりました。
他の自治体でも動きは急速に広がっています。情報をしっかりと把握して、市民運動を組み合わせて、公契約
適正化を一気に進めていきましょう。
いっせい地方選挙は、絶好のチャンスです。首長候補の「公約」に盛り込ませる取り組みをすすめましょう。
保守系であっても否定できない内容です。勝っても負けても、「実」が取れるたたかいをすすめましょう。