学校通信 ~野はひろく~ 青梅市立霞台中学校 H26年度 12. 12 (金) 発行 勇気と思いやり 校長 青山 隆志 先月はふれあい月間でした。今月10日は世界人権デーであり、その直前の1週間、12月4 日から12月10日までは、日本における人権週間でした。朝礼でも話をしましたが、生徒の皆 さんにとって人権が守られるとは、例えば、いじめや暴力などを受けることなく、安心して学校 生活を送れることなどです。そのような学校生活は、ふれあい月間や人権週間のみなならず、日々 保障されなければならないことは言うまでもありません。そのためには、学校を支えている生徒 の皆さん一人一人の勇気と思いやりが大切です。いじめや暴力などを許さない学校づくりのため に、これからも「自分のやってもらいたいことを人にやってあげて下さい。 (国連本部の壁画の言 葉) 」「己の欲せざるところ、人にほどこすことなかれ。(孔子の言葉)」の精神で、一人一人が正 しいことを実行する勇気と相手を思いやるやさしい気持ちをもって学校生活を送ってほしいと思 います。 ところで、今年の全国中学生人権作文コンテストの内閣総理大臣賞に選ばれた沖縄県の中学1 年生の作文「一人じゃないよ」はいじめをテーマにしたもので、内容は次のようなものでした。 『幼稚園からずっと変わらないクラスに小学校4年生のときにいじめがあると知った。自分が いじめられるのが怖かったので、いじめる側と仲良くなった。いじめをするのは遊び半分の気持 ちで簡単だった。5年生の2学期に自分がいじめられる側になった。クラスのみんなから無視さ れ、ノートには落書き、靴も隠されたり、汚されたりした。自分もいじめをしてきたため、大人 につらい気持ちを伝えることができなかった。1ヵ月後、いじめの標的が転校生の A さんになっ た。なぜ、罪もないやさしい A さんがこんなにおびえて学校に来なくてはならないのか。自分に できることはないだろうか。自分がいじめられているときに一番してほしかったことをした。 「あ んたは一人じゃないよ。 」たった一言だったが、翌日 A さんの笑顔を見て、A さんを助けること ができたこと、自分も一人ではないということを感じた。いじめのことを A さんと一緒に親や先 生に話し、学級でいじめについて話し合った。自分がしたいじめ、受けたいじめについて正直に 話すとクラスのみんなも正直に話してくれた。先生は、なぜいじめはあってはならないのかをわ かりやすく話してくれた。クラスからいじめをなくすことをみんなで誓った。あれから2年たち、 中学1年生となった今も同じ顔ぶれのクラスである。あの話し合い以来、みんな、言いたいこと が言える仲のよいクラスとなり、いじめは一度も起こっていない。』 この作文を読むと、いじめは本当に人の心をボロボロにする恐ろしいものであることがわかり ます。同時に、自分がしてほしかったことを実行する少しの勇気と思いやり、そしてそこから広 がる友情の輪によって、いじめを克服することができるということもよくわかります。霞台中学 校では「いじめをしない、させない、見逃さない」を合言葉に生徒会を中心としてグリーンリボ ン運動に取り組んでいますが、グリーンリボン運動は、そんな勇気と思いやりを生徒の皆さんに 与えてくれるものだと思います。 上記の作文の全文は、図書室にもある『種をまこう「人権って何だろう」いっしょに読んで考 えよう』に出ています。そこに収録されている他の中学生の作文も心に響くものがあります。興 味のある人は、ぜひ読んでみてください。 さて、月日のたつのは本当に早いもので、あと数週間ほどで2学期も終わり、平成27年を迎 えようとしています。2学期を振り返ってみると、生徒の皆さん一人一人の成長を様々なところ で感じることのできた日々であったと思います。特に3年生は進路を控え、大変な時期になって きましたが、面接練習における皆さんの真剣で一生懸命な姿からは、希望の進路を達成するのに ふさわしい成長を感じることができました。 2学期や今年を振り返ってみて、自分が努力したこと、頑張れたことなどは、素直に自分を認 め、自信をもってください。残念だったこと、できなかったこと、努力が足りなかったと思える ことは、素直に反省して、新しい年、新しい学期を迎えましょう。 それでは、2学期もあとわずかですが、最後まで、何事にも気を抜かず、手を抜かず、頑張っ ていきましょう。
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