事業報告書 平成 27 年度名古屋大学協力会総会・講演会「産学官連携による青色 LED の研究開発」 <ノーベル物理学賞受賞への道のり> 【日時】平静 27 年 7 月 18 日(土)13:00~18:10 【場所】名古屋大学 ES 館 ES ホール 【主催】名古屋大学協力会 【共催】名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 【後援】中部経済産業局、公益財団法人 科学技術交流財団、一般社団法人 中部産業連盟、 一般社団法人 中部経済連合会、名古屋商工会議所、独立行政法人 中小企業基盤整備機構中部本部、 公益財団法人 名古屋産業科学研究所 1.総会 名古屋大学協力会会長の松尾清一総長による開会挨拶のあと、財満鎭明副総長が新会長に承認され、 平成 26 年度事業報告・決算報告および平成 27 年度事業計画(案) ・予算(案)が承認された。 2.講演会 開会挨拶: 名古屋大学 副総長 学術研究・産学官連携推進本部長 財満鎭明 講演 1: 名古屋大学における青色 LED 研究の歴史 講師:名古屋大学大学院工学研究科教授 天野 浩 1981 年、赤﨑勇先生が松下技研㈱から名古屋大学に移られてから、名大での窒化物半導体の研 究がスタートした。学生の手により有機金属化合物気相成長装置を組み立て、準備期間を経て、 1983 年から本格的に実験をスタートさせた。当時高品質の薄膜成長および p 型 GaN は極めて困 難とされていたが、低温バッファ層、および Mg ドープした GaN の低加速電子線照射処理により p 型および pn 接合紫外/青色ダイオードを世界に先駆けて実現させた。講演では当時の状況を詳 細に紹介された。 講演 2:“青色発光ダイオード”産学連携プロジェクト発足の経緯 講師:科学技術振興機構研究プロジェクト推進部 石田秋生 科学技術振興機構(JST)は青色発光ダイオードの実用化をめざし、1987 年に名古屋大学赤崎 勇教授と豊田合成株式会社との産学連携プロジェクトを開始した。このプロジェクトは大成功し、 青色発光ダイオードが実用化され、広く普及するとともに、国に約 56 億円もの実施料収入がもた らされた。本講演では、上記青色発光ダイオード開発プロジェクトの発足などの経緯を当時の諸状 況を交え述べられた。 講演 3:豊田合成における青色LED開発の歴史 講師:豊田合成株式会社 顧問 太田光一 豊田合成は 1986 年より赤崎先生、天野先生のご指導のもと、青色LEDの共同開発をスタート し、翌年、JSTを含めた、産学官共同開発を実施した。ゴム、樹脂の自動車部品事業が中心の素 人企業が、なぜ、青色LEDの開発を行ったか、どのようにして照明に利用できるような効率化改 善を行ってきたか等を解説すると共に事業の推進に当たって直面した特許訴訟等の概要の講演が あった。また、青色LEDの用途展開状況や今後の展望についての提案があった。 3.見学会:ナショナル・イノベーション・コンプレックス(NIC)棟 名古屋大学太幡英亮助教から、NIC 棟の設計コンセプトを説明があり、そのあと、NIC 棟へ移動 し、センター・オブ・イノベーション(COI)プログラムおよび学術研究・産学官連携推進本部関 連のポスター展示を見ていただいた。 4.まとめ:ノーベル物理学賞受賞と産学官連携という時宜を得たテーマの関心の高さから、参加者 は 148 名と盛況であった。
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