平成27年6月定例県議会 代表質問(永井雅彦議員)答弁要旨

平成27年6月定例県議会 代表質問(永井雅彦議員)答弁要旨
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地方から日本の社会を変えていく動きについて
(1)大阪都構想住民投票から考える「あいちの成長戦略」について
「日本一元気な愛知づくり」に向けた成長戦略がどのような社会を目指して
いくのか。また、成長戦略に対して、県民の関心を高めていく施策について、
知事のお考えをお尋ねします。
(知事答弁要旨)
初めに、本県の成長戦略についてお答えします。
わが国の持続的な発展のためには、東京一極集中に歯止めをかけていくことが不
可欠であり、日本一の産業県である愛知こそが先頭に立って、その役割を果たして
いかなければなりません。
この愛知では、リニア中央新幹線をはじめ、国産初のジェット旅客機 MRJ、世界
初の燃料電池自動車 FCV といった日本の未来をつくるプロジェクトが動き出してお
ります。これらを成功させ、産業・経済をさらに強くすることで、若者や女性など
多くの人の働く場をつくり、
「人が輝く社会」をつくっていく、そのことでさらに地
域を元気にするという好循環を実現してまいりたいと考えております。
私自身、知事就任以来、産業振興に全力で取り組み、特に「産業空洞化対策減税
基金」による補助制度では、2,482 億円の投資、2 万 5 千人を超える雇用が維持・創
出されました。また、「アジア No.1 航空宇宙産業クラスター形成特区」の活用によ
り、航空宇宙産業の集積が飛躍的に高まるなど、大きな成果を挙げております。こ
うした実績を一つ一つ積み上げていくことが、県民の皆様の関心を高めることにつ
ながるものと認識しております。
今後は、次世代自動車や航空宇宙、ロボットといった、高付加価値のモノづくり
を推進していくことに加え、観光を新たな戦略産業と位置づけ、
「ハート・オブ・ジャ
パン~テクノロジー&トラディション」をキャッチワードに、愛知が誇る技術や伝
統を生かし、国内外から多くの人を呼び込んでいきたいと考えております。
このように、成長戦略の柱となる産業プロジェクトを分かりやすい形で打ち出し、
着実に実行に移していくことによって、県民の皆様の幅広いご理解を得ながら、日
本一元気な愛知づくりに邁進してまいりたいと考えております。
(2)投票率向上に向けた対策について
知事は、最近の低投票率の原因をどのように分析しておられるのか、お尋ねし
ます。また、投票率の向上を図るため、選挙権が 18 歳以上に付与されることも
考慮し、あらゆる対策を講じるべきと考えますが、これまでの対策をどのよう
に評価し、今後、どのように取り組んでいかれるのか、お尋ねします。
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(知事答弁要旨)
次に、投票率向上に向けた対策についてであります。
議員ご指摘のとおり、最近の国政選挙や地方選挙では、投票率の低落傾向が続い
ております。
投票率は、有権者の意識、選挙の争点、候補者の顔ぶれ、投票日当日の天候など、
様々な要因が影響すると考えられ、個々の選挙、選挙区によって事情は異なります。
しかしながら総じて、近年有権者、特に若年層において政治や選挙に対する関心が
低くなっており、それが投票率の低下につながっていると考えられます。
選挙管理委員会では、選挙時における多様な広報媒体やイベントなどを活用した
啓発はもちろんのこと、職員が中学校や高校に出向いて模擬投票を実施したり、大
学の授業で選挙をテーマに学生と議論をするなど、日常の啓発活動にも積極的に取
り組んでおり、こうした地道な努力の積み重ねが将来実を結ぶものと考えておりま
す。
来年の参議院議員選挙からは 18 歳選挙権が導入されることとなりますので、若い
世代への主権者教育がより重要になります。
選挙管理委員会は、高校生や大学生への啓発をさらに強化していくこととしてお
り、また、教育委員会においては、高校生が社会的な問題について主体的に判断す
る能力を高めるため、ディベートや討論などを取り入れた授業をこれまで以上に積
極的に行っていくと聞いておりますので、その効果に期待したいと思います。
こうした有権者の意識を高める取組とともに、政治家や政党が魅力あるビジョン、
政策をしっかり示して、若い有権者にも分かり易く伝えていくことが求められてい
るのは申すまでもありません。
選挙は民主主義の原点であります。投票率の向上に向け、県としてより一層の周
知、啓発に努め、一人でも多くの方に投票所に足を運んでいただくようにしてまい
りたいと考えております。
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東京一極集中是正に向けた愛知県の頑張りについて
(1)東京オリンピック・パラリンピック競技招致について
東京オリンピック・パラリンピックの競技招致について、サッカーも含めた
取組内容を知事にお尋ねします。また、相乗効果という観点で考えれば、外国
人選手団のキャンプ地誘致も重要であると考えますが、今後の取組についてお
尋ねします。
(知事答弁要旨)
続いて、東京オリンピック・パラリンピックの競技招致についてお答えします。
セーリング競技については、愛知・蒲郡・三河湾での開催を目指して渾身のプレ
ゼンテーションを行わせて頂き、競技環境等の面を中心に極めて高い評価を頂きま
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したが、残念ながら、結果として招致には至りませんでした。しかしながら、三河
湾の優れた競技環境を日本及び国際セーリング連盟など関係者にアピールすること
ができ、今後の国際大会の招致・開催や青少年へのセーリングの普及などにつなげ
ていけるものと考えております。
また、サッカー競技については、豊田スタジアムがオリンピックの追加会場の候
補となっております。私自ら正式に会場として選定されるよう大会組織委員会にも
要請してまいりましたが、今後は、決定のプロセスを見守り、必要に応じて関係者
に働きかけてまいります。
更に、オリンピック競技種目への復活が期待される野球・ソフトボールは、サッ
カーと同様、地方での試合開催の可能性がありますので、これらが追加種目となっ
た場合には、ナゴヤドームもその会場となることを目指して、既に、日本ソフトボー
ル協会等への働きかけを始めております。引き続き、優れた交通アクセスや、この
競技が非常に盛んであることなど、本県の優位性を関係者にアピールしてまいりま
す。
次に、外国人選手団の事前合宿誘致については、誘致を希望する県内市町村と連
携して、大会組織委員会が各国のオリンピック委員会等に情報提供するための「事
前キャンプ候補地紹介リスト」への掲載手続を進めてまいります。また、市町村を
対象に、専門家を招いて、前回のロンドン大会等における合宿の誘致成功例から学
ぶ研究会を開催するなど、しっかりと取り組んでまいります。
オリンピック・パラリンピックは、多くの人々に感動を与える夢のプロジェクト
であり、この一翼を担うことは、本県のスポーツ振興はもとより、国内外への魅力
発信や誘客促進など、地域の活性化にも大きく寄与するものであります。広範な団
体の参画を得て4月に設立したあいちスポーツコミッションのネットワークを活用
し、地域を挙げて競技の招致や合宿の誘致に取り組んでまいります。
(2)政府関係機関誘致について
政府関係機関の地方移転に係る提案について、本県として、どのような考え
方で進めているのか、知事にお尋ねします。
(知事答弁要旨)
次に、政府関係機関の誘致についてであります。
本県は、2027 年度のリニア開業により、首都圏から中京圏に及ぶ範囲で大交流圏
が誕生し、その西の拠点となります。また、FCV、MRJなどの日本のリーディ
ングプロジェクトを持つ自動車、航空機等の製造業を始め、産出額で全国3番手グ
ループに位置する農業等の強い産業力がございます。さらには、ノーベル賞受賞者
を多数輩出し、最先端の研究が行われていることも本県の大きな強みでございます。
政府関係機関の誘致提案にあたりましては、こうした地域の強みを活かせること
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はもとより、誘致機関の更なる機能向上や移転候補地の有無、また、候補地となる
市町村の意向なども重要な判断材料と考えております。
現在、これらを総合的に勘案し、誘致検討委員会で学識者等の皆様の御意見を伺
いながら検討を進めており、委員からは、研究機関が研究成果を検証する際、本県
の持つ企業集積を活用すれば、現在の立地よりも機能向上につながる、といった御
意見をいただいております。
こうした御意見や、市町村の要望も踏まえ、現時点では、次世代自動車等の部品・
材料や航空技術に関わる分野、産業用等のロボット分野、また、農業でも、日本一
の生産を誇る花の分野の政府関係機関を誘致対象とすることについて検討しており
ます。
今後、さらに精査し、東京一極集中を食い止める一番手として、日本一の産業県・
愛知にふさわしい提案をしてまいりたいと考えております。
(3)鉄道ネットワークの整備促進について
リニア効果を県内に波及させる鉄道ネットワークの充実強化が急がれるとこ
ろでありますが、当初予算に織り込まれました調査検討を、課題も含めて、ど
のような観点で進められ、名鉄三河線ルートの具体的な方向性をいつ頃、まと
めていかれる予定なのか、知事にお尋ねします。
(知事答弁要旨)
次に、鉄道ネットワークの整備促進についてであります。
本県では、リニア開業による首都圏との時間短縮効果をより広域的に波及させる
ため、
「リニアを見据えた鉄道ネットワークの充実・強化に関する方策案」を本年3
月に策定しました。
この中では、名古屋駅からの40分交通圏を拡大する方策として、豊田市への所
要時間の短縮を掲げており、そのためには「名鉄名古屋駅から名古屋本線・三河線
により名鉄豊田市駅に至る間の時間短縮が最も現実的であり、名鉄三河線の複線化
などによる速達化に向けた検討を進める。」としております。
県では本年度から、将来的な輸送需要動向や、時間短縮のために複線化が必要と
なる範囲及び事業の内容・規模など具体化に向けた調査・検討を行ってまいります。
合わせて、事業者である名古屋鉄道、地元豊田市などの関係者と方策案の実現に
向けて、県として積極的に協議・調整を進め、早期の合意形成を目指してまいりま
す。
現在、名鉄三河線では都市交通の円滑化やまちづくりを目的として、知立駅付近
連続立体交差事業を平成35年度完了予定で進めており、更に、若林駅付近でも豊
田市により連続立体交差事業が始められようとしております。
今後、リニア開業を見据え、これらの事業進捗などを視野に入れつつ、名古屋駅
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と豊田市間における40分交通圏の拡大に向け、県としての取組をしっかりと進め
てまいります。
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「産業首都あいち」のさらなる飛躍に向けた取組について
(1)環境先進県としての水素社会の実現について
環境先進県であります本県が日本の「水素社会」の実現をリードするための
取組を加速すべきと考えますが、知事のご所見をお尋ねします。また、水素社
会の構築に向けたモデルの検討などを通じた水素エネルギー産業の創出につい
てのお考えをお尋ねします。
(知事答弁要旨)
続いて、水素社会の実現についてのお尋ねであります。
水素を日常の生活や産業活動に利活用する社会の実現は、燃料電池自動車(FC
V)の普及や関連産業の育成、さらには環境負荷の低減やエネルギーセキュリティ確
保のために重要であります。
水素社会の実現に向けては、水素に対する需要の創出が必要とされていますので、
その取組を加速させていくべきと考えております。そのため本県では、水素社会を
先導するFCVの普及に不可欠な水素ステーションについて、整備・配置計画の策
定や補助制度の創設などにより、全国をリードして、その整備を図ってきていると
ころです。
また、3月には、地域の産学行政で構成する水素エネルギー社会形成研究会を立
ち上げ、水素エネルギー利活用モデルの検討などを通じた水素エネルギー産業創出
に向けた取組も開始いたしました。具体的には、漁港において波力や太陽光などの
再生可能エネルギーで得られた電力の余剰分を水素に転換し、非常時のエネルギー
源として貯蔵・利用するシステムを構築するための計画づくりに取り組んでおりま
す。さらには、港湾地域での作業車両のFCV化、中部国際空港の実証用水素ステー
ションを利用したバスやフォークリフトのFCV化に向けたモデル事業の構築も進
めております。
今後は、これらのモデル事業について、事業化可能性を調査しつつ、来年度以降、
こうした地域の取組を支援する国の制度の活用も視野に入れ、実証試験の実施など
につなげてまいりたいと考えております。
日本一の産業県であり、環境先進県でもある本県が、こうした取組を加速するこ
とで、水素社会の到来を確実なものとし、日本のエネルギー産業の未来をつくって
まいります。
(2)西三河地域におけるモノづくりを支える幹線道路網の整備について
西三河地域のモノづくり産業を支える幹線道路の整備について、どのように
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お考えか、知事のご所見をお尋ねします。
(知事答弁要旨)
次に、西三河地域におけるモノづくりを支える幹線道路網の整備についてであり
ます。
本県に拠点を置くモノづくり産業はグローバルに企業活動を展開しており、国境
を越えたサプライチェーンが構築されるなか、国内外を結ぶ物流インフラは、企業
の競争力を維持・向上させる上で不可欠な基盤であると認識しております。
このため、本県では、国際物流拠点である空港・港湾の機能強化や当地域と全国
を結ぶ高速道路網の充実、それらと生産拠点とを結ぶ幹線道路の整備を連携させた
一体的な取組を進めております。
なかでも、西三河地域においては、衣浦港の機能強化とともに、新東名の開通に
合わせたインターアクセス道路の整備や、国が進める豊田南・北バイパス、名豊道
路の整備と連携して国道419号や衣浦岡崎線の4車線化、名古屋岡崎線バイパス
の整備を進めるなど、地域内の幹線道路網の強化に取り組んでおります。
また、近年では生産拠点が西三河を越えて、知多地域にも広がりを見せており、
両地域の連携強化も重要な課題となっております。
このため、衣浦大橋周辺での渋滞対策や老朽化した橋梁の架け替えなど、既設橋
の有効活用を図るとともに、新たな橋梁計画も視野に入れつつ、まずは、交通実態
の把握や概略ルートなどの調査に着手し、将来の交通需要にも備えてまいります。
これからも、広域的な観点からの物流機能強化を図るため、道路や港湾などのイ
ンフラ整備に積極的に取組み、日本一元気な愛知を実現して参ります。
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「安心・安全に暮らせるあいち」の実現に向けた取組について
(1)民間活力を活かした待機児童解消対策について
本県の特徴でもあります産業集積が進む工業団地内において、民間活力を活
かした共同利用型の企業内保育所設置に取り組んでいく必要があると思います
が、知事のお考えをお尋ねします。
(知事答弁要旨)
続いて、民間活力を活かした待機児童解消対策についてお答えします。
本県が今後も活力を維持し持続的に発展していくためには、女性の活躍を促進す
ることが不可欠であり、仕事と家庭の両立を支援する保育環境の充実が何より重要
であります。
議員御指摘の企業内保育所は、親が子どもの近くにいられる安心感や、就業形態
に合わせた保育サービスが可能であるなど、子育てしながら働き続けられる環境整
備に、大変効果的であると考えております。
平成24年度に本県が企業や求職者を対象に実施したアンケート調査によります
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と、いわゆる事業所内保育は女性従業員のニーズが高い一方、事業主としては、新
たに設置・運営する際の課題として「保育所運営のノウハウがない」ことや「資金
的に困難」なこと等があげられており、取組が進んでいない状況にありました。
こうした中、平成27年4月からスタートした「子ども・子育て支援新制度」に
おいて、事業所内保育は、市町村の認可を受けることにより、新たに国・県及び市
町村が保育に要する経費を負担する地域型保育給付に位置づけられました。複数の
企業による共同利用型の事業所内保育も給付の対象とされております。
県といたしましては、子ども・子育て支援新制度の周知並びに事業所内保育を促
進するため、今年度あらためて県内の企業等約 5000 社に対して事業所内保育に関す
る実態調査を行い、企業の取組状況を把握するとともに、事業主の方々に共同利用
型も含めた事業所内保育の設置をしっかりと働きかけてまいりたいと考えておりま
す。
今後とも、民間の力をお借りしながら保育環境の充実に努め、
「日本一子育てしや
すいあいち」の実現に向け、社会全体で子育てを応援してまいります。
(2)地域包括ケアシステムに関する医療介護の連携について
こうした「地域包括ケアシステム」の構築にも深くかかわる内容が検討され
ようとする中で、地方からも具体的な意見を上げていくことが必要と考えます
が、知事のお考えをお尋ねします。
(知事答弁要旨)
次に、地域包括ケアシステムに関する医療介護の連携についてであります。
医療等分野の番号制度について検討している国の研究会では、医療・介護・健康
分野の情報は、個人情報保護等に十分配慮しながら、適切に活用することで、医療
と介護の連携がとれた質の高いサービスの提供、あるいは自らの健康管理に役立つ
と指摘しております。
本県では、昨年度から実施している地域包括ケアモデル事業におきまして、医療・
介護等に携わる多職種の関係者が、情報通信技術、いわゆるICTを使って、患者
の病状、服薬の状況あるいは日常生活の様子等の情報を共有し、個々の高齢者に効
果的・効率的なサービスを提供する取組を進めているところであります。
現在、国の研究会で検討されている電子カルテ等の医療情報における番号制度に
ついては、地域ごとのネットワークを超えた医療と介護の連携の推進にも大きな役
割を果たすと言われております。
一方で、日本医師会など医療関係団体からは、厳しい守秘義務のある医療従事者
とそれ以外の関係者が、同じ医療情報を取り扱うことについての法整備の必要性や、
医療情報が他の情報と照合されることで個人が特定されないよう、情報の取扱いを
厳しく制限する仕組みの必要性など、慎重な意見も出されております。
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県といたしましては、まずはモデル事業において医療・介護等の情報共有の体制
づくりにしっかりと取り組み、その中で明らかになりました課題につきましては、
市町村や関係機関の意見も伺いながら、国の施策・取組に対する要請等の機会をと
らえ、新たな制度に反映されますよう、意見を申し上げていきたいと考えておりま
す。
(3)第3次あいち地震対策アクションプランに掲げられた、水門・排水機場と橋
梁の耐震対策について
県民の命を守るためには河川・海岸の堤防とあわせて、水門・排水機場、及
び橋梁の耐震対策について、計画された対策を期間内に予定通り完了させるこ
とが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、知事にお尋ねします。
(知事答弁要旨)
次に、水門・排水機場と橋梁の耐震対策についてお答えします。
水門と排水機場は、地震時の津波の遡上や、その後の台風・大雨での高潮や洪水
による被害の防止に不可欠であることから、地震による損傷を防ぐため、河川・海
岸堤防と歩調を合わせて、耐震対策を実施してまいります。
その進め方としては、半島先端部など津波の到達が早い地域の水門や、ゼロメー
トル地帯など地震後の高潮や洪水による甚大な被害が想定される地域の水門・排水
機場から順次、更新・補強してまいります。
次に、橋梁については、これまで落橋等の致命的な被害を防止することを目的に
対策を進めてきましたが、今後は被災後、橋梁としての機能を速やかに回復できる
よう、さらに耐震性能を強化してまいります。まずは緊急輸送道路の橋梁や鉄道を
跨ぐ橋梁の補強を優先的に進め、さらにゼロメートル地帯の橋梁の取付部について
は、液状化による沈下を抑制する対策を実施してまいります。
第3次アクションプランの初年度となる本年度は、地震直後の浸水対策として、
緊急性の高いゼロメートル地帯での堤防の補強に着手するとともに、水門・排水機
場や橋梁についても対策に必要な調査・設計を行い、準備が整い次第、工事着手し
てまいります。
アクションプランにおけるこれらのハード対策は、県民の皆様の生命と財産を守
るため、極めて重要であることから、全体工程を管理するロードマップを作成し、
計画期間内での完了に向けて全力で取り組んでまいります。
(4)倒壊の恐れがある空き家対策について
市町村の実情を踏まえ、倒壊の恐れがあります空き家対策について、今後県
はどのように取り組んでいくのか、知事にお尋ねします。
(知事答弁要旨)
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次に、倒壊の恐れがある空き家対策についてのお尋ねであります。
本県の人口は依然増加が続いているものの、一部の中心市街地や郊外住宅地では
空家が目につく地域もあらわれてきています。こうした状況を受け、本県では平成
24年度から、空家の適正管理と利活用の方策を検討することを目的に、県と県内
全市町村からなる連絡会議を設置して、市町村による空家対策に関する条例制定へ
向けた支援などを行ってまいりました。
昨年11月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が制定されたことを受け
て、さっそく18の市町では空家対策の基本的な方針となる空家等対策計画の策定
を検討するなど前向きに取り組まれているところであります。
この5月26日に、全面施行され、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす特
定空家等の措置に関するガイドラインも公表されたことから、空家対策に、いよい
よ本格的に取り組むことができる状況になってまいりました。
そこで、本県といたしましても、老朽化した家屋が倒壊のおそれのある特定空家
等に該当するか否かの判断に係る技術的な助言を行うとともに、建物の除却・修繕
や、その後の利活用へ向けて、住宅関連団体とも連携し情報提供を行うなど、地域
の実情を踏まえながら、しっかりと市町村を支援してまいります。
(5)交通安全対策について
交通事故対策につながる「新たな道路標示あいちモデル」となるような、よ
り効果的な道路標示のあり方について、警察本部長のお考えをお尋ねします。
(警察本部長答弁要旨)
現在、摩耗した道路標示への対応が喫緊の課題となっているところ、これらの更
新を効率的に進める中、高視認性塗料を使った道路標示につきましてはコストがか
かりますことから、標示の全てを高視認性塗料のものとするのではなく、生活道路
における交通事故対策として実施しております「ゾーン30」区域内の横断歩道の
一部において整備をしております。
高視認性塗料の道路標示は、議員お示しのとおり、夜間や雨天時の交通事故防止
対策として高い効果が期待できますことから、今後は、
「ゾーン30」内の横断歩道
だけでなく、夜間の事故多発場所等につきましても、道路管理者と連携し、整備を
検討してまいりたいと考えております。
また、現在、関係機関・団体と連携し、自動車の前照灯を走行用前照灯、いわゆ
る「ハイビーム」に切り替えて運転することを促す「ハイビーム運動」を推進して
いるところですが、これにより、高視認性の道路標示との相乗効果が期待できます
ことから、同運動につきましても、今後さらに推進してまいりたいと考えておりま
す。
今後とも、効果的な道路標示の適切な整備と、その効果をより高める取組を組み
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合わせることで、交通事故の更なる抑止に努めてまいりたいと考えております。
(6)全国ワースト返上に向けた、市町村の地域安全対策への支援について
市町村が進める治安対策、例えば、防犯カメラ設置も含めてでありますが、
さらに、交通安全対策にも、積極的に取り組むことを前提とした補助制度の創
設に向けての知事のお考えをお尋ねします。
(知事答弁要旨)
私からの最後の答弁になりますが、市町村の地域安全対策への支援についてであ
ります。
本県では、平成18年以降、3次にわたる地域安全戦略を策定し、県民総ぐるみ
で取り組んだ結果、平成17年に約20万件あった刑法犯認知件数は、平成26年
には約8万5千件まで減少したところであります。これは地域の防犯力の向上が図
られた結果であると考えており、本年3月に策定した「あいち地域安全戦略 2017」
でも、引き続き、地域の防犯力の向上に向け、地域の核となる自主防犯団体への支
援を積極的に行っていくこととしております。
これまでも、パトロール資材の提供や防犯リーダーの養成などにより、活動を支
援してまいりましたが、今年度は、新たに、自主防犯団体から、地域の特性に応じ
た効果的な防犯活動の企画を募集し、それを団体が実践する事業を始めたところで
あり、優れた取組については、他地域へ普及させることとしております。
自主防犯団体には高齢化などの課題はありますが、活動の活発化に向け、地域に
根ざした創意工夫ある提案を展開していただくことで、より効果的な防犯活動につ
なげてまいりたいと考えております。
さらに、交通安全についても、地域の交通事故情勢に対応した効果的な活動を企
業・団体の提案により行う事業を始めたところであり、いずれの事業も、企画の効
果が一層あがるよう、市町村の助言・協力を得て取り組むこととしております。
今年度新たに始めたこの2つの事業をまずは着実に実施し、その成果をしっかり
検証してまいります。その上で市町村や自主防犯団体等から意見を伺いながら、さ
らなる地域の防犯力の向上に向け、今後の支援の在り方について、補助制度の必要
性も含め、研究してまいりたいと考えております。
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