仕様書(PDF:180KB) - 中部経済産業局

平成27年度地域経済産業活性化対策調査
(伊勢志摩サミットを契機とした地域ものづくりポテンシャルの
海外展開等可能性調査)
仕
様
書
1.調査事業の目的
東海地域は、自動車産業を中心とした世界屈指のものづくり産業が高度に集積した地
域である。しかしながら、国内市場の縮小とともに新興国市場の拡大や現地ニーズ等へ
の対応から、自動車産業の海外生産の拡大は不可避である。過度に自動車産業に依存
した地域経済の体質は、自動車メーカーを頂点とする強固なサプライチェーンによって世
界屈指の産業集積が形成された反面、世界経済の動向に大きく影響を受けやすい産業
構造であるとも言える。そのため、既存の自動車関連産業の更なる高度化とともに、高度
なものづくり基盤をベースにした多様な事業展開を推進していくことが必要である。
一方、精巧な作りや機能等で、海外において人気・評価の高い日本製品(調理器具、文
具、玩具、模型、雑貨、家電、スポーツ用具等々)について見ると、これら製品の付加価値
の源泉となる要素技術は、当地域の自動車や航空機分野といったものづくり産業が培っ
てきたレベルの高い素形材系技術との関連性も見込まれ、今後の更なる応用展開が十分
可能な分野と考えられる。
そこで、地域の素形材系中小企業が有する技術力や、海外市場の日本製品で活用さ
れている要素技術などについて、ものづくりのシーズ・ニーズの両面からの現状分析と、
「伊勢志摩サミット」等の機会を活用した、当地域のものづくりポテンシャルのプレイアップ
の検討を行うことにより、今後の地域ものづくり中小企業のグローバルな事業展開を支援
するための参考とする。
2.調査事業の内容
東海地域のものづくり中小企業が、現状の取引分野にとらわれず、グローバルな市場に
おいて、自社技術を活用した新たな事業展開を図るための各種課題について、以下の内
容を実施することにより、整理・分析を行う。
併せて、「伊勢志摩サミット」の開催を通じて、本調査による成果を含むものづくり中小
企業のポテンシャルについて、海外メディアに向けた効果的なプレイアップ手法とコンテン
ツを検討する。
1
(1)素形材系技術からの地域ものづくり中小企業のポテンシャルの調査・分析
東海地域(愛知県、岐阜県、三重県)の素形材系基盤技術を有する中小企業及び
業界の現状を、ヒアリング調査及び文献調査等により把握する。
併せて、国内の素形材系中小企業の中から、保有技術を応用した事業の他分野
展開事例を抽出・分析、必要に応じて現地調査・ヒアリング等を行い、業界(市場)の
背景を含めた当該技術分野の課題と今後の他製品等への展開可能性を検討する。
また、調査の対象となる技術分野に該当する企業経営者、ユーザー企業関係者等
をメンバーとして、ものづくり中小企業の高度な生産技術・品質管理技術の可能性に
関する意見交換ができる場を設定し、上記要因分析を補完することとする。
<留意事項>
※想定する素形材系基盤技術の例
金型技術、鋳造技術、鍛造技術、切削加工技術、表面処理技術、成形技術 等
※上記技術を想定しつつ、地域企業のポテンシャル(必ずしも技術にとらわれない)を
発掘し、そのポテンシャルによる今後の新たな事業展開の要素分析を行うこと。
※ヒアリング調査は15~20社程度、他分野展開事例の抽出は5~10社程度、東海
地域を含む国内企業を対象に選定すること。
※意見交換の場の設定においては、東海地域の素形材系中小企業関係者5名程度、
外部有識者(首都圏及び東海地域の先進事例企業関係者等)2名程度の構成で、
1 回あたり2時間程度の意見交換会を、必要に応じて1~2回程度開催すること。
※構成メンバーに対しては、必要に応じ謝金及び旅費を支払うこととし、あらかじめ候
補者を挙げた上で、当局担当者と協議し決定すること。
※ヒアリング調査、意見交換の場を通じて、①新市場開拓・異分野展開(BtoB から
BtoC へ)、②オンリーワン・ナンバーワン(BtoB にありながら海外展開も含めた脱
下請け化)といったアプローチを念頭に置き実施すること。
(2)海外市場における日本製品からの要素技術の調査・分析
海外市場(主に欧米地域)における日本の BtoC 製品の市場動向(製品動向、売上
動向、トレンド、サプライチェーン等)を調査し、市場での日本製品の評価を要素技術
の側面から分析する。
併せて、素形材系基盤技術を有する中小企業が、海外市場で評価される製品に参
入(BtoB または BtoC)している事例を抽出し、要素技術を分析すること。
<留意事項>
※日本製品の評価においては、活用されている要素技術に偏りが生じないよう、5~
10事例程度の製品を対象とし、活用されている技術事例の抽出においては、当
該企業の地域性に関係なく抽出・分析すること。
※事例分析にあたっては、必要に応じて現地調査・ヒアリング等を行うなど、可能な限
り当該事例に至った背景等も含めた分析を行うこと。
(3)伊勢志摩サミット開催を通じたものづくりポテンシャルのプレイアップ
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平成28年5月に三重県で開催される「伊勢志摩サミット」の機会を捉え、当地域を
中心にものづくり企業のポテンシャル(技術面、アイデア面、人材面等)について、主
に海外メディアをターゲットに、効果的な情報発信手法とコンテンツ(発信内容)を検
討する。
<留意事項>
※本項目は、上記(1)及び(2)と同時進行または先行して実施すること。
※手法の検討において、前提となる条件が未確定なことから、①サミット会場近隣(プ
レスセンター、情報館等)、②サミット会場へのアクセス拠点(空港、駅、近隣宿泊
施設等)などの複数のケースを想定して検討すること。
(4)調査報告書の作成
2.(1)~(3)の結果をとりまとめた調査報告書を作成する。
<留意事項>
※調査報告書は、PowerPoint形式で、概要版(日本語・英語)と詳細版(日本語)を
作成すること。
※概要版、詳細版ともに、直観的にわかりやすいものとなるように、画像・イラストや
ポンチ絵などを多数入れるなど、ビジュアル的にとりまとめること。
※概要版については、2.(3)のコンテンツとして活用することも踏まえ、とくに海外メ
ディアに対して、わかりやすく、インパクトのある構成とすること。
※詳細版については、2.(1)及び2.(2)の事例分析は、1事例あたり1スライド以上
でとりまとめ、全体で30スライド以上となるようとりまとめること。
※各スライドの構成は、当局担当者と協議し、その指示に従って作成すること。
※調査報告書は、オープンデータ(二次利用可能な状態)として公開されることを前提
とし、経済産業省以外の第三者の知的財産権が関与する内容を調査報告書に盛
り込む場合は、①事前に当該権利保有者の了承を得た上で、②調査報告書内に
出典を明記し、③当該権利保有者に二次利用の了承を得ること。
※調査報告書電子媒体の具体的な作成方法等は、下記URLを参照のこと。
http://www.meti.go.jp/topic/data/e90622aj.html
3.調査事業実施期間
委託契約締結日から平成28年3月31日まで。
4.成果物
(1)納入物
3
① 調査報告書(概要版・詳細版)
② ヒアリング調査結果
③ その他、作成、購入・入手等した資料
3式
1式
1式
(公表用)
(非公表用)
(非公表用)
※①は、PowerPointファイル及びそのPDFファイル(透明テキスト付き)とし、
電子媒体(CD-R等)によって納入する。
※ ②及び③は、電子媒体(CD-R等)又は紙媒体によって納入する。
(2)納入期限
平成28年3月31日
(3)納入先
経済産業省 中部経済産業局 産業部 製造産業課
5.その他
(1)実施にあたっての留意事項
○ 本調査の実施にあたっては、当局担当者と密に連携し、意思疎通に務め、
定期的に進捗状況等について報告すること。
(月1回程度以上、または伊勢志摩サミットの開催準備状況を踏まえた当局
担当者が指示する時期に、その時点までの調査結果のとりまとめを行い、
報告を行うこと。)
○ ヒアリングの実施にあたっては、当局担当者も同行することができるよう、
あらかじめスケジュール調整を行うこと。
(ヒアリング結果は個別にとりまとめること。)
○ 事業の遂行において疑義が生じた場合には、当局担当者と協議し、その指
示に従うものとする。
(2)権利の帰属
○ 本事業にて生じた知的財産及び成果物にかかる使用及び処分に関する一
切の権利は、中部経済産業局に帰属するものとする。
(3)秘密保持
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○ 事業の遂行にあたり、知り得た情報については、いかなる理由をもっても実
施期間中及び終了後において、第三者に漏らしてはならない。また、情報
漏洩に対する措置を講ずること。
(4)提案書作成にあたっての留意事項
○提案書には、以下の提案をできるだけ具体的に盛り込むこと。
・東海地域の素形材系基盤技術企業及び業界の現状把握の手法
・ヒアリング候補企業の想定及びヒアリング項目
・意見交換の場の外部有識者候補
・海外市場における日本製品の市場動向調査の手法
・海外メディアをターゲットとした情報発信の手法
・調査報告書の骨子等の構成案
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