COMPUTER SIMULATION TECHNOLOGY 低電圧回路遮断器の EFT/B 感受性解析 LV-CB(低電圧回路遮断器)電子制御スキームによる 2 枚の PCB について CST MW STUDIO でコンポーネン トレベルの結合電圧を計算した事例です。補助入出力ケーブルに EFT/B 信号を印加します(図 1 参照)。LV-CB の開閉制御は、ASIC とマイクロコントローラの間のディジタル信号によって行われます。ASIC とマイクロ コントローラは 2 枚のボード(水平ボードと垂直ボード)にそれぞれ搭載され、フレキシブルフラットケー ブルで多導体接続されます。2 枚のボードをつなぐフレキシブルケーブルのグラウンド導体の数を、PCB (a) では 1 本、PCB (b)では 4 本にしています。 上記の基板について、ディジタル信号(SER_load 信号)に混入したノイズによる誤操作の発生と、2 枚のボ ードグラウンドプレーンのコモンモード結合による EFT/B 信号と SER_load 信号の結合を想定しました。この ような局面では、2 枚のボードのグラウンドプレーン(Umc)の間におけるすべてのコモンモード電圧がその まま SER_load 信号に印加されます。 図 1:補助入出力に EFT/B を印加したケース(3)のシミュレーション 図 2:コモンモード電圧の等価電子回路 COMPUTER SIMULATION TECHNOLOGY 2 枚のボード間の結合電圧は、PCB に接続されたすべての負荷とソースの間の直行/逆行波のすべての組み 合わせを含む 3 次元電磁界の伝搬効果の結果です。EFT/B と SER_load の間の電気路モデルを、EFT/B ジェネ レータ、結合キャパシタ、ケーブル、PCB グラウンドプレーンを含めて作成しました(図 3) 。励起ポート(ポ ート 1)に EFT/B 時間信号の 1 パルスを印加し、2 枚のグラウンドプレーン間のコモンモード時間信号電圧 (Umc)を観測しました。 図 3:低電圧回路ブレーカーの PCB グラウンドプレーンの等価 3D モデル 計算された PCB(a)の Umc 電圧を図 4 に示します。最も低レベルの EFT/B(2 kV)でも、マージンを超えるノ イズが観測されます。EFT/B が注入される間、SER_load 信号の乱れのために誤動作が発生しています。この 結果は実験による結果に一致します。 図 4:PCB(a) Umc 電圧のシミュレーション結果 PCB(b)の Umc 電圧のシミュレーション結果を図 5 に示します。電圧は、最も高い EFT/B レベル(3 kV)でやっ とノイズマージンに触れる程度となっています。この結果も、実験による結果と一致しています。 COMPUTER SIMULATION TECHNOLOGY 図 5:PCB(b) Umc 電圧のシミュレーション結果 CST MW STUDIO による上記の Umc 電圧シミュレーションでは、Pentium II 233 MHz、256 MB RAM の PC を使用し、1 種類の PCB あたり 2 時間未満の計算で結果を得ました。 禁無断転載 株式会社エーイーティー 〒215-0033 神奈川県川崎市麻生区栗木 2-7-6 TEL (044) 980 – 0505 (代) 不許複製 ©2013 AET,Inc
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