1.電気の基礎知識

電気工学 講義資料
1.電気の基礎知識
■電気とは
1. (electricity)摩擦電気や放電・電流など、広く電気現象を起こさせる原因となるもの。電荷
や電気エネルギーを指すことが多い。
2. 電灯の総称。
-広辞苑より-
■用語について
陽子
原子核を構成するもので,正電気(+)を持っている
電子
原子核の外側をまわっており,負電気(-)を持っている。
自由電子
原子から離れ,物質の中を自由に動き回っている電子。
帯電
物質が電気を持つこと。
電荷
帯電した電気。
電気量
電荷のもつ電気の量,単位はクーロン(C)
1個の電子の電気量は,e = 1.60217733…×10-19 (C)
■電流、電圧、電位差、起電力
1. 電子(自由電子)の流れを電流という。電流は、電子の流れる方向と反対の方向に流れる
ものと約束する。単位はアンペア(A)を使用し、1秒間に1クーロンの割合で電荷が通過
するとき、電流の大きさを1アンペアという。(注:現在は電磁力を利用して1アンペアを定
義している。)
2. 電流を流そうとする電気的な力のことを電圧という。単位はボルト(V)を使用する。1ボルト
とは、1クーロンの電気量が2点間を移動して1ジュール(J)の仕事をするときの2点間の
電位差(電圧の差)で定義される。
3. 電池のように、電位差を発生する力を起電力という。単位はボルト(V)。
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■電気回路
電流が流れるための通路を回路と呼ぶ。電気回路は、抵抗、インダクタンス、キャパシタンスと、
電源やスイッチ等で構成され、この他にトランジスタや IC などの半導体素子(これらを能動素子と
いう)が加わった回路を、電子回路と呼んで電気回路と区別する。
■電気の技術史(抜粋)
BC600 頃
古代ギリシアで、琥珀を摩擦すると紙やゴミを吸引する現象が発見
1600
ギルバート(英)研究記録をまとめた「磁石について」発刊
1752
フランクリン(米)凧揚げの実験により雷が電気であることを照明
1785
クーロン(仏)磁気力、電気力のクーロンの法則を発見
1820
エルステッド(デンマーク)電流の磁気作用を発見、アンペール(仏)「右ねじの法則」
を発表
1827
オーム(独)「オームの法則」を発表
1831
ファラデー(英)「電磁誘導現象」を発見
1864
マックスウェル(英)「光の電磁波論」を発表
1879
ジーメンス(独)電気機関車を発明、エジソン(米)「実用炭素電球」を発明
1888
ヘルツ(独)電波の実験によりマックスウェルの電磁波理論を確認
1895
フレミング(英)「フレミングの法則」を発表、マルコニー(伊)無線通信の実験に成功
1896
東京電燈会社、ドイツAEG社の三相50ヘルツ交流発電設備を購入
1897
大阪電燈会社、アメリカGE社の単相60ヘルツ発電機を購入
1917
本多光太郎「KS磁石鋼」を発明
1924
八木秀次、宇田新太郎「指向性アンテナ」を発明
1951
原子力発電に成功(米)
1971
インテル社(米)世界初のマイクロコンピュータを開発
1975
IBM社とHP社(米)がパーソナルコンピュータを開発
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