古典落語には、猫がよく登場します。題名に「猫」の文字がつく噺をざっと挙げみる と「猫の災難」、「猫怪談」、「猫久」、「猫足」、「猫退治」、「猫忠(=猫の忠信)」、「猫と金魚」、 「猫と鼠」、「猫の恩返し」、「猫の皿(=猫の茶碗)」・・・といろいろ。その他チョイ役で猫が 登場する噺を挙げると数限りないでしょう。 猫は、ご隠居さん、旦那さん、番頭さん、与太郎、大家さん、熊さん、八つつあんと共 に、江戸の長屋や町並みにしっとりと溶け込む、とても重要なキャラクターなのです。 愛猫トラとタマと暮らす立川志の春さんは、猫が登場する落語と、お楽しみのもう 一席をお聞かせします。そして、『猫のパラパラブックス』が大ヒット中!’’猫ストーカ ー日として知られるイラストレーター/エッセイスト、浅生ハルミンさんとのトークで、 猫のいろいろなおはなしに花を咲かせます。猫と人との睦まじいおはなしは、落語の 舞台から、日常のひとこま、さらには外国にまで膨らんでゆくかもしれません。 江戸末期に建てられた古民家「可喜庵」での【猫と落語の宵噺】は、今回で2回目。和室 にある4枚の襖絵は、浅生ハルミンさんによるものです。『温故知新の家づくり』(可喜 庵の会著・鈴木工務店出版・農山漁村文化協会発売)のイラストを担当した緑で襖絵 が制作されたとのことです。里の紅葉が鮮やかな初冬のひととき、−I落語とおはなしで 猫を愛でる会日を、ごゆっくりお楽しみください。 二.〟 立川志の春 昭和51年大阪府豊中市生まれ。平成14年立川志の輔に入門。平成23年1月に二つ目昇進を果たす。 iVYリーグの名門Yale大学卒業∼三井物産勤務という経歴を持ちながら、通りがかりにふと立ち 寄って聞いた志の輔の落語に魅せられ入門を決意。得意とする英語を駆使した落語で、シンガポ ール公演や国内でも会を開催。25年にはCDブック『誰でも笑える英語落語』を発表。以後、『あな たのプレゼンに「まくら」はあるか?落語に学ぶ仕事のヒント』『自分を壊す勇気』といった著書も 出版。日比谷コンベンションホールなどで月例独演会を開催している。愛猫トラとタマと暮らす。 <立川志の春公式WEB>http://Shinoharu.com/<tWitter>@shinoharu2002 浅生ハルミン 三重県生まれ。イラストレーター/エッセイスト。著書に『私は猫ストーカー』『猫座の女の生活と 意見』『ハルミンの読書クラブ』『猫の目散歩』『三時のわたし』などがある。『私は猫ストーカー』は 平成21年に映画化(主演:星野真里)ざれた。資生堂の企業文化誌『花椿』でエッセイ「きれいの顕微 鏡」を連載中。24年には初の絵本『キツキとトーちゃんふねをつくる』を発表。25年には、箱根の ポーラ美術館で開催された企画展『紙片の宇宙シャガール、マティス、ミロ、ダ)の挿絵本』の鑑 賞ガイド「紙片の宇宙を歩くハルミンノート」を制作。青幻社から出版されている、動くハルミン ワールド『猫のパラパラブックス』は現在6巻発売され、ヒット中。 <tWitter>@harumin_tOdd 可吉尾(ka ki an) 一一住みつづける豪一一をめざす鈴木工務店の象徴的建物。茅葺屋根が特徴のこの建物は、江戸末期に隠居 小屋として建てられた家を平成18年にリノベーションし、「暮らしのサロン」として活用されている。
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