8 2015年 Vol.019 7月号 かながわ経済新聞 発行日 2015/7/10 発行 かながわ経済新聞社 編集長 千葉 龍太 〒252-0239 相模原市中央区中央3-12-3 相模原商工会館 本館1F TEL 042-851-3021 FAX 042-851-3532 産業情報化新聞社 監修 編集長 神奈川版 竹原 信夫 〒550-0004 大阪市西区靭本町1-16-7 日報印刷ビル2F TEL. 06-6445-7405 FAX. 06-6445-7406 内径 URL http://www.akaruinews.com 0.09 パイプ加工 史上最速で J 参入! 津田製作所(川崎市 866・2331)は、 創設からわずか6年。史上最速でJリーグ参 「スウェージング」と呼 津田製作所 入を成し遂げたクラブがある。サ ばれる方法で、髪の毛と ッカー元日本代表・望月重良 同じほどの細さ、内径0・09ミリの超極 社長が率いる、J3のSC相 細パイプを加工する技術を確立した。 模原(相模原市中央区相模原) スウェージングは、ステンレス製パイプや丸棒などを、 だ。日本代表エースとして君 金型で挟み込み、叩いて伸ばす加工法。言い換えれば、 臨したFW高原直泰選手も所 パイプを叩いて細くしていく技術だ。 ブだが、実は2008年2月、 きても勝ち続けなければ意味があ 社長が裸一貫から始めた。まして前身の社会人 りません」と望月社長は語る。 その言葉通り、参入の年でいきな みで公園で練習していた。望月社長の揺るぎな り県3部優勝。それを皮切りに、2 い信念が、やがては共感を呼び、団結力ある組 012年には全国地域サッカーリー 織となった。SC相模原の成長に、元気経営の グ決勝大会優勝(JFL参入) 、1 ヒントをみた。 3年にはJFL3位となり、史上最 速でのJ3参入を決めた。 ■ゼロからの出発 ■毎回のように夢語る 望月代表は現役時代、日本代表として活 望月社長はクラブ発足当初、チ 躍した。プロサッカー選手で名を馳せた人 ームのマネジメントから監督まです 間にとって、引退後に監督の道を歩むこと べてをやった。 は、いわば“王道”とされる。望月社長も 同じだった。 ところが転機 が訪れる。引退 後、たまたま知 “勝つチーム”にするには、スタ ッフを含めたチーム全員の「夢」 ゼロから出発、を望月社長と同じにする必要が あったという。言い換えれば、 6年で実現 全員が同じベクトルを向くこと 人と訪れた相模原の小料理屋。 「地元にJリ だ。 「選手たちと顔を合わせる度に、夢 戦できるのに ・・・」 。店の主人の一言に心が や目標を話しました。いや、 むしろ “す 動いた。 り込んだ”に近いかも知れません」 。 自分たちはJリーグに行く。そ してアジアで活躍する。そのために ど、逆にこの地域にJのクラブがないのは は、今、何をやるべきか―。明確な おかしいと思いました」と望月社長。 夢と目標は選手たちを一丸にした。 とはいえ、他地域のクラブのように前身の 選手の育成では、最初から高い 社会人チームもなかった。望月社長は自己資 ハードルは求めなかった。個人レベルにあっ 金で「スポーツクラブ相模原」を設立した。 た目標を立てて、段階的にレベルアップさせ 周囲からは「 (監督への道を捨て)なぜリスクを冒すのか」 と言われたものの、決意は動かず“覚悟”を決めたという。 こうして、 SC相模原を成長させた望月社長。 「相模原でチームをつくりたい」 。声を掛けて集まったメ 何も経営学や組織論、マネジメントを学んだ訳 ではない。 「経営は素人でしたが、情熱、信念、 いき、2008年に県社会人リーグの最下位カテゴリーに そして覚悟だけでやってきました。これだけは あたる「県3部」からスタートした。 発足時から今も変わっていません」 。 最初から最後までブレない強い信念こそ が、チームをけん引する強いリーダー 対応。 「なかでも注射針クラスの極細パイプが得意です」 と多田基史常務。 同社では医療現場で用いられる脳波計で、脳波を記 録する極細ペンを加工。 同分野で国内シェアをほぼ独占、 世界シェア60%ほどを占めている。 もともとプレス加工を主力とする町工場。ただ、 「コスト勝負の世界で、他社との差別化も難しいことから、20 08年以降はスウェージングに力を入れてきました」 (多田常務) 。 今では取引先100社以上を抱えるオンリーワン企業となっ ている。 コミーの小宮山社長登場 「かながわ産業Navi」を運営する、県 経営者福祉振興財団(横浜市中区元浜町)は、 9月10日の午後2時∼同4時まで、 JR根岸線・桜木町駅近くの県民共 催プラザビルで、経営セミナー「小 さな会社の競争しない経営術」を開催する。 小さな会社ながら、 「業務用ミラー」で世界的 企業にしたことで知られる、コミー(埼玉県)の 小宮山栄社長が登場する。独自の価値観と実行 「企業の役割とは人々の役に立ち続けること。 ■ご購読のお申込みは、www.kanakei.jp から 10 まだ見ぬ顧客の拡大ではなく、今のユーザーの 満足を第一に、その声にとことん耳を傾けます。湧き上 がる『なぜ?』を追求して生まれる『創造』が、現在の トップシェアを築きました」と話している。 参加無料(交流会は2000円) 。定員270人。問 い合わせは、同財団企画支援事業部☎045(671) 7127まで。 今回は、この連載の原点に返って、 〝需要を見 つける方法〟のポイントに触れてみます。 どのようにして見つけるか? 実行はなかなか 難しいです。見つけ方の一つの手段としては﹁足 で稼ぐ﹂ことです。待っていないで自らが行動 して〝行く〟のです。私もこれを実践しています。 具体的には、 ︵定義は難しいですが︶仕事がで きる人に会う、というのもあります。 ﹁仕事ができ る ﹂ と は、 前 回、 前 々 回 お 伝えしました 〝4つの種類の 貢献と見返り〟 で、 一 番 貢 献 度が高い人で す。すなわち、 ﹁見返りも大きい人﹂と 仮説を立てると、仕事ができる人=高い 需要を創れる人とも考えられます。 ではどうやって? と考えると、これ も前回、前々回の話で、 ﹁自分自身もし くは自社が高い貢献ができるようにな る﹂のが近道です。そうすることで﹁自 分自身もしくは自社に高い見返りが返っ てくる﹂という風になります。 高い貢献をしながら仕事の出来る人を 探しまくる︱。これが紛れもない重要ポ イントになります。 ︵バイオクロマト代表取締役︶ 加瀬運輸 加瀬運輸 シップの原動力になった。 (横浜市鶴見区 駒岡、☎045・5 75・1126)は、県内の中小製造 業を物流面でバックアップする体制を整 えた。保有する全車両を、荷台に屋根が なく搬送しやすい「平ボディー車」にした。 「平ボディー」は、 自由度の高い荷揚げ・ 荷下ろしに向くとしており、大型装置の 搬送に適しているという。同社は1∼10トン車で計23台を保 有。すべてを「平ボディー車」にしたのは、県内の運送会社では ほとんどないという。 同社ではキャリア20∼30年以上のベ テランドライバーが半分以上を占めており、 自動車部品や機械、金型などの輸送を担っている。同社の 西中鉄也部長は「ドライバーが慣れているかどうかも大切になってきます。その点、 当社は製造業に特化しているので、ほとんどの製品で輸送経験があります」と自負 する。また、 「タイミングさえあえば、急な案件にも対応できます」と、モノづくり 企業の輸送に強い運送業として、同業他社との差別化につなげていく。 製造業向けに強い 運輸会社に ミリといったサイズから、比較的太めのパイプ加工まで 需要を見つける方法 全車を「平ボディー」 県内では、このスウェージング加工を専門に手掛ける 町工場はほとんどないという。同社では、内径0・09 力で業界トップシェアを築いた小宮山社長。 たという。 ンバーはたった4人。それでも時間とともに選手が増えて 「サッカーは結果がすべての世界です。いくら試合がで 切り粉が出ないのも特徴だ。 日に講演会 「相模原のことは何も知りませんでした が、チームをつくろうと調べれば調べるほ プする。また、金属を削って加工することがないので、 9月 ーグのクラブがあれば、休日に子どもと観 金属を“叩いて伸ばす”ため、加工部分の強度がアッ 「競争しない経営術」 成長の秘訣 チームがあった訳でもない。最初は選手4人の 身近な道具では、野球の金属バットやゴルフのスチー ルシャフト製造で採用されている。 ■掲載記事の翻訳サービス始めました。英・中・韓国語対応。☎042・851・5090 ︵ 委託先/㈱コンテックス︶ 土地勘も人脈もなかった望月 望月社長「揺るぎない情熱と覚悟も」 属。飛躍が期待される同クラ スウェージング加工で実現 SC相模原に学ぶ 宮前区宮崎、☎044・ ミリの
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