小学校 1.単元名 教材名 第2学年 国語科学習指導案 ペープサートげきをしよう お手紙、アーノルド・ローベル作「ふたりシリーズ」の本 2.単元の目標 ○物語の特徴を生かして,ペープサート劇に表そうとする。 【国語への関心・意欲・態度】 ◎場面の様子について,ペープサート劇をすることによって,登場人物の行動や会話を中心に想像を広げなが ら読むことができる。 【読むこと(1)ウ】 ○文の中における主語と述語との関係に注意することができる。 【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項イ(カ)】 3.単元全体に位置づけた言語活動とその特徴 「ペープサート劇をしよう」(2)イ 本単元を貫く言語活動として,ペープサート劇を位置付けた。ペープサートは人形劇の一種で,棒の先につ けた紙人形を操作することで,表情を変えたり会話をさせたりすることができる特徴がある。したがって,「ペ ープサート劇をしよう」というゴールへ向けて,ペープサートを作って操作するために,登場人物の表情やそれ が変わる場面を読み取る必要がある。また,劇を演じるために,登場人物の会話や行動について,音読の仕方 を考える必要性もあるといえる。そのペープサートを作って操作することと,音読の仕方を考えるという大き く2つの活動を通して,単元の目標である「場面の様子について想像を広げて読む」力をつけていきたい。 4.指導にあたって (1)教材について 「お手紙」は,がまくんとかえるくんという,二人の登場人物の行動を中心に,場所や時間の移り変わりが はっきりと描かれた作品である。お手紙を待つ 2 つの場面が対照的であることから,がまくんとかえるくんの ペープサートを作る際,二人の表情やその変化の様子が捉えやすい教材であるといえる。また,会話文が多く, 二人の掛け合いによって物語が展開していく。そのため,児童が楽しんで音読しながら,場面の様子について 想像を広げて読むことができる教材であると考えられる。 そしてかえるくんからのお手紙をもらって,幸せな気持ちになるがまくんの姿を学習した後に,自分もお手 紙を書いてみようと思えるような物語であると考えられる。 (2)児童について 読むことについて,これまで「ふきのとう」の学習では,場面の様子を想像して読むために,役割に分かれ て音読してきた。また,「スイミー」の学習では,「スイミーの応援団になろう」という目標を立てて,各場面 のスイミーに対して自分なりの感想をもつ言語活動を行った。その活動を通して,スイミーの行動や気持ちを 中心に,場面の様子について想像を広げて読んできた。場面の様子や登場人物の行動については,教科書の叙 述をもとに考えるよう,ページや行の意識を持たせるようにしてきた。 (3)指導について 本単元では,これまでの劇や音読発表の経験を想起させ,ペープサート劇をしようという意欲を持たせる。 まずペープサートを作るために,教材文「お手紙」のがまくんとかえるくんの行動や会話を読み,二人がどの ような表情をしているのかを考える。すると,児童は,最初は悲しい様子である二人が,幸せな様子に変わる ことに気付くだろう。そこで,その様子が変化する場面について読み取ったり話し合ったりする中で,想像を 広げて読む力をつけていきたい。また,がまくんとかえるくんの会話や行動をどのように読むかを考え,自分 の感じたことを音読に表す中でも,想像を広げて読む力が伸ばせるのではないかと考えられる。 三次では,シリーズの本の中から自分の好きな場面を選んで,ミニペープサート劇をする活動を行う。教材 文で学習したことを生かして,まずペープサートの表情を考えて作り,次にペープサートの動きや音読の仕方 を考え,表現していく。そこでもまた,想像を広げて読むという力をつけていきたい。そのために,単元の初 めから「ふたりはともだち」シリーズの並行読書を進めていく。 5.学習計画と教材の評価規準(全 12 時間、本時 4/12 時) 次 目標 学習活動 評価規準 評価の観点 一 (3 ) 二 (十 ) 関 ・単元のめあてを ・これまでの音読や劇の経験を ・音読や劇の経験につい もつ。「ペープサ ふり返る。 て話し合い,学習計画を ート劇をしよう」 ・単元のめあてを知る。 立てようとしている。 ・学習計画を立てる。 (観察) ・「お手紙」を読 ・教師の範読を聞く。 ・自分が音読してみたい み,感想を書いて ・感想を書いて,お互いの感想 場面とそのわけを書い 交流する。 を聴き合う。 ている。 (観察・ノート) 読 ○ ○ ・本は友だちを見て,シリーズ 二 (6 ) 言語活動 ペ 「 ープサート劇をしよう。 の作品があることを知る。 ・挿絵の並べ替え ・挿絵を並べ替えて,どうして ・登場人物の行動や会話 を通して,物語の そう並べたのか,話し合う。 から,物語の全体をつか 全体をつかむ。 ・登場人物,場所,時を読んだ んでいる。(観察・ノー り,想像したりする。 ト) ・がまくんの様子 ・がまくんのペープサートを操 ・がまくんの行動やかえ 」 を,行動や会話を 作しながら,不幸せな気持ちか るくんとの会話を読み, 中心に,想像を広 ら幸せな気持ちになる様子を 様子を想像している。 げて読む。 読み取る。 (観察) ・かえるくんの様 ・かえるくんのペープサートを ・かえるくんの行動やが 子を,行動や会話 操作しながら,悲しい気持ちか まくんとの会話を読み, を中心に,想像を ら,お手紙を書こうと思いつ 様子を想像している。 広げて読む。 き,最後に幸せな気持ちになる (観察) ○ ○ ○ 様子を読み取る。 ・自分の好きな場 ・自分の好きな場面を選び,ペ ・場面の様子を想像し, 面について,想像 ープサートの動きや音読の仕 ペープサートを動かし を広げて読む。 方を考える。 たり,音読したりしてい る。(観察・音読) ○ 書 ・友だちの好きな ・お互いに,好きな場面を発表 ・場面の様子を想像し, 場面の発表を聞 し合い,良い点やアドバイスを 発表を聞いている。(観 き,自分の選んで 出し合う。 察・音読) ○ いない場面につ いて想像を広げ 言語活動 ペ 「 ープサート劇をしよう。 る。 」 三 (3 ) ・がまくんやかえ ・劇の役を決め,練習をする。 ・全体の流れをつかみな るくんの様子を ・ペープサートの動きを考え がら,音読している。 (観 想像しながら,劇 る。 察・音読) ・がまくんやかえ ・劇を発表する。 ・全体の流れをつかみな るくんの様子が ・発表をふり返り,お互いの良 がら,音読している。 (観 伝わるように,ペ かった点を伝え合う。 察・音読) ・シリーズの中の ・シリーズの中のお話から,好 ・登場人物の言動から, お話から,好きな きな場面を選ぶ。 様子を想像している。 場面を選び,自分 ・ペープサートの練習をする。 (観察・音読) ○ の練習をする。 ○ ープサート劇を 発表する。 ○ でペープサート を作る。 ・ペープサート発 ・セリフの読み方を考え,音読 ・様子を想像しながら, 表を交流する。 する。 音読している。(観察・ ・ペープサートの動きを考え 音読) ○ る。 ・お互いに交流する。 6.本時の学習(二次1時) (1)ねらい がまくんの様子を,行動や会話を中心に,想像を広げて読むことができる。【読むことウ】 (2)準備 挿絵,ペープサート (3)展開 学習活動 時間 5 ○発問 ・指導上の留意点◇評価 1 . 前 時 を ふ り 返 ・登場人物は,がまくん,かえるくん,かたつむりく ・挿絵を並べて物語全体 る。 ん。場所は,がまくんの家とかえるくんの家。 が見えるように掲示し, ・がまくんのペープサートを作ったよ。悲しい顔とう ふり返られるようにし れしい顔だよ。 ておく。 2.本時の課題を確 2 ・予想される児童の意識の流れ 〈がまくんの顔が,かなしいから 認する。 うれしいに かわるのは どこかな。〉 ○この 7 枚の絵の大体どのあたりかな。それは教科書 ・挿絵の中から数枚選 の何ページかな。 び,大体の位置を確認し て音読し,見通しをもた せる。 5 10 3.自分の考えをも ・「きみが」 ・教科書に線を引いて, つ。 わけは,お手紙を書いてくれたと分かってちょっとう 理由も考えるようにす 4.考えを話し合 れしいから。 る。 う。 ・「ああ。」「とてもいいお手紙だ。」 ・実際にペープサートを わけは,「とてもいいお手紙」と書いてあるから,お 操作しながら考えるよ 手紙のことを聞いて,うれしい気持ちになったと思 うにする。 う。 ・「お手紙をもらって,がまくんは,とてもよろこび ・演じる側と見る側に分 ました。」 かれ,ペアで考える時間 わけは,とてもよろこびました。と書いてあるから。 をもつ。 8 10 5.学習のまとめを がまくんは、 「きみが。」のところでちょっと幸せな気持ちになって、 「ああ。」 する。 「とてもいいお手紙だ。」のところで、悲しい顔からうれしい顔にかわる。 6.ペープサートを ○ペープサートを動かしながら,がまくんのセリフを ・「どうしてそんな風に 操作して,音読す 音読しましょう。どんな風に読んだらいいかな。 読んだのかな。」と問い る。 ・「きみが。」は少しびっくりしたように読むよ。 返し,がまくんの様子を ・ 「ああ。」 「とてもいいお手紙だ。」は幸せそうに,ゆ 考えさせる。 っくり読もう。 ◇がまくんの行動やか えるくんとの会話を読 み,様子を想像してい る。 (観察) 【読む能力ウ】 5 7.学習をふり返 ・ペープサートを使って考えたのが楽しかったよ。 る。 ・友だちの話を聞いて, 「ああ。」と言ったときにがま くんの顔がかわるって分かったよ。 8.次時の課題を確 ・次の時間は,かえるくんの顔がどこで変わるか考え 認する。 よう。 (4)板書計画 かなしいから どこかな。〉 うれしいに が ま く かわるのは きみが ・手紙を書いてくれてうれしい ああ。 とて もい いお 手紙 だ。 ・ きみ の 親 友 っ て言 わ れ て う れし い ・かえるくんのやさしい気持ちがわかった お手紙をもらって、がまくん は、と ても よろ こび まし た。 悲しい 「お手紙」のペープサートげきをしよう。 〈がまくんの顔が 挿絵4 挿絵5 挿絵6 挿絵7 がまく ・二人でしあわせそう がまくんは、 「きみが。」のところでちょっと幸せな 気持ちになって、「ああ。」「とてもいいお手紙だ。」 のところで、悲しい顔からうれしい顔にかわる。 幸せ
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