アルミニウム鋳物鍋による希釈卵の蒸し料理

食 物
1 Na-7
〔(社)日本家政学会
アルミニウム1寿物鍋による希釈卵の蒸し調理
埼玉大教育○大石栄恵 高梨千寿子
目的希釈卵の調理で難しいのは加熱温度と加熱時間の管理である。低温緩慢加熱法で
は蒸し器内の温度管理が煩雑であり、高温急速加熱法では最適加熱時間の把握が難しい。
無水鍋または万能鍋と呼ばれるアルミニウム鋳物製の鍋は蒸し器としても利用できるとさ
れ、保温性に優れている。高温で短時間加熱後、余熱を利用する高温急速加熱法にこの鍋
は適するのではないかと考え、希釈材料、希釈割合の異なる希釈卵についてこの鍋による
蒸し加熱を試みた。
方法 卵豆腐、茶碗蒸し、カスタードプディングを無水鍋(北陸アルミニウム㈱製、本
体の直径25cm、容量51、アルミニウム合金の厚さ4tim)を用い高温急速加熱法で調製し、
従来の家庭用アルマイト製蒸し器で調製した製品と最適加熱時間、硬さ、外観などを比較
した。
結果 ①ステンレス製容器に入れて加熱した卵豆腐、カスタードプディングは従来の蒸
し器による最適加熱時間の30-60%の加熱時間でよい製品が得られた。耐熱ガラス容器に入
れて加熱した茶碗蒸しは従来の蒸し器とほぽ同じ加熱時間でよい製品が得られた。②カス
タードプディングは砂糖の割合が異なっても同じ加熱時間でよい製品が得られた。③無水
鍋の保温性のよさが消火後の鍋内温度降下を緩慢にするため、希釈卵の高温急速加熱には
無水鍋は有効で、熱伝導のよい容器を使用した場合にその有効性が顕著であることがわか
った。
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市販鶏卵の卵黄球の形状分析
○峯木真知子 (青葉学園短大)
[目的]卵黄は多面体の卵黄球が卵黄膜の中に緊密充填された構造になっている。本研究
では、卵黄球の形状について、全卵重量、卵黄重量との関係を画像処理により解析した。
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[方法]試料は、初産卵・MS玉・M玉・L玉の4群の大きさの異なる市販の鶏卵を用い、電
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気茄卵器で全熟卵にした。全卵重量と卵黄重量を測定後、卵黄を卵黄膜側から外層部・中
層部・内層部の3部位に分けて切り出し、二重固定した後。脱水し、100%エタノール中で
分散状態の卵黄球の画像を。イメージ]マンF4I98を登載したExce川イメージセットに直接入力し、画像
処理した後、卵黄球の投影面積、長短軸比、絶対最大長、絶対最大幅を計測した。
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[結果]卵重量で分別された初産卵・MS玉・M玉・L玉の各群の間及び全群では
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、全卵重量
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と卵黄重量の間に有為の相関(y=0. 37x-6. 89)がみられた
これに対し、卵黄球の大きさと
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全卵重量及び卵黄重量との間では、群内にも群間にもまた全群でも有意の相関がみられな
かった。これは。卵黄球の大きさの平均値が、卵や卵黄球の大きさに拘らずほぼ一定であ
るためである。1個の卵黄の中での卵黄球の大きさの分布と分散は、外層部で小さく内層
部で大きかった。中層部の卵黄球は両者の中間を示していたことから、卵黄球は卵黄の外
層部と内層部に大きさの分布の基本パターンが存在し、この間で連続的に変化しているも
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のと考えられた.この傾向は卵の大きさに拘らず全群に共通してみられ、また、形状の分
布も同様のパターンを示していた.
以上のことから、卵黄の大きさは卵黄球の数によって規定されており、全卵重量60
卵黄重16gめ平均的な卵の卵黄に含まれる卵黄球の数は約2.4×10'個であると推計された
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