1 レーザ照射により集合組織制御した アルミニウム合金板と真鍮板の曲げ加工特性 Texture Control of Aluminum Alloy Sheet and Brass Sheet by Laser Radiation 成蹊大学(院) ○小川 智裕 成蹊大学 酒井 孝 (株)アマダエンジニアリング 金 英俊 (株)アマダエンジニアリング 小山 純一 日本機械学会2015年度年次大会 成蹊大学材料力学研究室 目次 2 研究背景 • 研究目的 • • ①AlとCu-Znの集合組織制御 実験方法 実験結果 • ②集合組織制御の有効性確認 実験方法 実験結果 • 結言 日本機械学会2015年度年次大会 成蹊大学材料力学研究室 研究背景 3 アルミニウムを曲げた際に生じる割れやしわ 集合組織を制御する事で防ぐ事が可能 集合組織 主な結晶方位の種類 繊維状組織 熱処理 圧延加工 Cube方位{001}<100> Copper方位{112}<111> Brass方位{110}<112> Goss方位{110}<001> 等軸状組織 ※ Cube方位を曲げ部外側に発達させることで割れやしわを防ぐ ※伊川慎吾, 浅野峰生, 黒田充紀, 吉田健吾 : 軽金属, 61(2011),53-59 日本機械学会2015年度年次大会 成蹊大学材料力学研究室 研究背景 レーザ照射 4 レーザ加工機による熱処理 ・曲げ加工性向上 ・荷重低下 ・スプリングバック量低下 応用例 ー照射 ー切断 ・加工性向上 ・歩留まり向上 切断加工の際に曲げ部の 熱処理を行うことが可能 日本機械学会2015年度年次大会 成蹊大学材料力学研究室 研究目的 5 Al Al 応用 曲げ加工性向上 ・集合組織制御 ・軟化 Cu-Zn ① アルミニウムと真鍮の集合組織の変化と曲げ加工性の調査 ② アルミニウムにおける集合組織制御の有効性の確認 供試材 Cu Si 試料 A1050-H18 0.04 0.20 < A5052-Batch < ,,,0.10 ,,,0.25 = = 65/35 Brass 62.0~64.0 A1050-H14 0.04 0.20 日本機械学会2015年度年次大会 Fe 0.25 < ,,,0.40 = < ,,,0.07 = 0.25 Mg Mn 0.03 0.03 < < =,,2.8 ,,,0.10 = 0.03 0.03 Zn Pb Al 0.04 Bal. < ,,,0.10 Bal. = < ,,,0.07 = 0.04 Bal. Zn Bal. - 成蹊大学材料力学研究室 ①AlとCu-Znの集合組織制御 実験方法 ND CO 2レーザ加工機を使用 レーザ照射条件 試料 A1050-H18 A5052-Batch 65/35 Brass 日本機械学会2015年度年次大会 TD 1.0[mm], 0.8[mm] A1050-H18 A5052-Batch 出力, F[W] 500 500 700 800 900 6 RD 65/35 Brass 速度, S[m/min] As-received 0.8 0.6 0.4 As-received 0.8 0.6 0.4 As-received 0.3 100[mm] 200[mm] 温度[℃] 361 407 445 366 396 451 681 767 806 試料番号 A1050-(1) A1050-(2) A1050-(3) A1050-(4) A5052-(1) A5052-(2) A5052-(3) A5052-(4) Brass-(1) Brass-(2) Brass-(3) Brass-(4) 成蹊大学材料力学研究室 ①AlとCu-Znの集合組織制御 実験方法 曲げ試験 V曲げ角度[°] 曲げ速度[mm/min] パンチ半径 : PR[mm/min] パンチ角度 : PA[°] ダイ半径 : DR[mm] ダイ角度 : DA[°] ダイ肩幅 : V[mm] 30.0 2.0 0.65 30 0.2 30 6 7 30°曲げ ヘミング曲げ 結晶方位測定 加速電圧[kV] 照射電流[A] 倍率 試料台傾斜[°] Al測定試料面 Cu-Zn測定試料面 日本機械学会2015年度年次大会 15.0 5×10 -9 ×300 70 ND RD IPFマップ 逆極点図 成蹊大学材料力学研究室 ①AlとCu-Znの集合組織制御 実験結果 A1050 A1050 A1050 A1050 A5052 A5052 A5052 A5052 -(1) -(2) -(3) -(4) -(1) -(2) -(3) -(4) 日本機械学会2015年度年次大会 ) ) ) Br as s − -(3 − Br as s − 納入材に対して 11%の低減 ヘミング曲げ -(2 − 30°曲げ Br as s ヘミング曲げ ヘミング曲げ 6 56 4 43 10[mm]2 21 0 0 -(1 10[mm] RD Br as s 30°曲げ 30°曲げ ND Brass Brass Brass- Brass-(1) -(2) (3) (4) ND ND 10[mm] 65/35 Brass RD ) A5052-Batch RD TD スプリングバック量[°] A1050-H18 TD -(4 TD 8 成蹊大学材料力学研究室 ①AlとCu-Znの集合組織制御 実験結果 35 − ■ Cube{001}<100> ■ Copper{112}<111> − ■ Brass{110}<112> ■ Goss{110}<001> 30 結晶方位面積率 [%] 9 25 20 15 10 5 日本機械学会2015年度年次大会 ) as s -(4 ) Br Br as s -(3 ) -(2 as s Br as s -(1 ) ) Br 52 -(4 ) 50 A 52 -(3 ) 50 A 52 -(2 ) 50 A 52 -(1 ) 50 A 50 -(4 ) 10 A 10 50 -(3 ) -(2 A 50 10 A A 10 50 -(1 ) 0 成蹊大学材料力学研究室 ②集合組織制御の有効性確認 実験方法 曲げ加工性向上 Al 10 ■ 硬さ ■ Cube方位面積率 ・集合組織制御 ・軟化 板全体の熱処理を行った硬さが同等, Cube方位面積率が異なる材料を比較 温度 焼きなまし条件 試料 A1050-H14 日本機械学会2015年度年次大会 温度[℃] 240 250 260 270 時間[h] 2 成蹊大学材料力学研究室 ②集合組織制御の有効性確認 実験方法 硬さ試験 試験荷重[N] 保持時間[s] 観察面 観察点数 結晶方位測定 0.98 15 ND 25 0.2mm 加速電圧[kV] 照射電流[A] 倍率 試料台傾斜[°] 試料面 結果表示 … … … … … 0.2mm 日本機械学会2015年度年次大会 15.0 1×10 -8 ×100 70 ND IPFマップ 逆極点図 11 曲げ試験 曲げ角度[°] 曲げ速度 [mm/min] 90 1.0 ND 1.0[mm] RD TD 100[mm] 150[mm] 成蹊大学材料力学研究室 ②集合組織制御の有効性確認 実験結果 240℃ 250℃ 260℃ 270℃ 30 303030 RD 2525 2525 ND 最大荷重[kN] 2.42 2.40 2.17 2.15 結晶方位面積率[%] 20 202020 ■ Cube{001}<100> ■ Copper{112}<111> ■ Brass{110}<112> ■ Goss{110}<001> ■ 硬さ HV 60 606060 50 505050 40 404040 硬さ HV TD 12 15 151515 30 303030 10 101010 20 202020 5 5 55 10 101010 0 0 00 0 0 00 240 250 260 270 240 240 240 250 250 250 260 260 260 270 270 270 温度[℃] 硬さ4.0%低下,Cube方位面積率5.4%上昇により,最大荷重9.6%低下 日本機械学会2015年度年次大会 成蹊大学材料力学研究室 結言 13 ① • A1050-H18材はレーザ照射の熱的影響によりCube方位が発達 し,逆極点図は<001>に多く移行した.30 曲げでクラックの ない良好な曲げが実現できた. • A5052-Batch材はレーザ照射により,逆極点図で<001>に移行 し,ヘミング曲げでクラックのない曲げができた. • 65/35 Brass材は681℃のレーザ照射においてスプリングバック 量が低下した.高温のレーザ照射では曲げ表面部にしわが見 られた. ② • 硬さが同等でCube方位面積率が異なるA1050-H14材の比較に おいて,Cube方位面積率が高い材料の曲げ荷重が低下した. 日本機械学会2015年度年次大会 成蹊大学材料力学研究室
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