平成19年度の災害業務を終えて

2007
2007.
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E-mail [email protected]
Tel 019-638-6834 Fax 019-638-6389
発 行 株式会社 昭和土木設計 業務センター
岩手県矢巾町流通センター南 4 丁目 1-23
~平成19年度の災害業務を終えて~
はじめに
岩手県内は昨年に続き、またもや災害に見舞われました。
9月に県内を襲った台風と豪雨により、県内各地に多大
な被害をもたらしました。
弊社でも各機関からの依頼を受け、災害業務を実施し、
先日、担当箇所の査定が終り、一段落したところです。
今回の災害では自分も直々に図面の作成や査定に立会
ったのですが、その中で「ここはこうすれば
「ここはこうすればよかったなー」
「ここはこうすればよかったなー」
とか「こうすればもっと効率的かなー」
「こうすればもっと効率的かなー」と感じたことを書
「こうすればもっと効率的かなー」
いてみました。
査定に立会ったのは今回が初めてではありませんが、今
まで同じような経験をしてきた割に、今回の査定では何故
か気になり出したので書いてみました。
清掃後に撮影したため、痕
跡が不明な写真。
木に引っ掛かった草で痕跡
が明らかな写真。
【ここで学んだ教訓】
洪水痕跡は、何を差し置いても先に調査すべし!(机上査
定では特に重要です)
図面について(仮設工等)
図面について(仮設工等)
災害申請区間について
単独災害(単災)では、災害申請額が 1000 万円を境と
して“総合単価”か“積上げ”かに分かれます。総合単価
の場合、数量計算書がないため、図面から数量が解るよう
に、すべて記載しますが、積上げの場合、任意の施設(工
事用道路等)等は数量計算書で処理して、余計な図面を作
成しない場合がありました(図面枚数を減らすため?)
。
査定では査定官・立会官に「工事用道路はどうなって
「工事用道路はどうなってい
「工事用道路はどうなってい
るの?」と言う質問が必ず来ます。その際、資料があちら
るの?」
こちらにあると、担当職員の方が、その場で図面を広げた
り設計書を開いたりして、探すのに手間取っている様子で、
担当の方に何か申し訳なさを感じました。
最近はあまりなくなったようですが、災害の申請区間を決
める際に、多少の余裕(切り代)を加えて被災区間の申請して
いた時があったと思います。
うまく行けば採択される場合がありますが、近年の財政事
情から言っても殆どの場合カットされて、本来の被災区間の
みが採択されるケースが多いようです。
また、現地でも災害の起終点の説明に苦慮し、思った以上
に時間が掛ることが往々にしてあります。
今回の災害では、殆どの箇所で余裕を見込まずに、ありの
ままで申請した結果、概ね満額で採択していただいた感じで
す。そのため、殆どが検算のみで直しの時間も短く、余計な
時間や経費が削減できたなーと感じました。
【ここで学んだ教訓】
【ここで学んだ教訓】
査定時の設計図面には、工事に関係する施設はすべて記
載すべし!(工事用道路、仮締切工、水替工等)
【ここで学んだ教訓】
数メートルに時間と労力を費やすよりも、ありのままの申
請で時間を短縮した方が、無駄な労力を掛けずに現場とマッ
チした復旧ができるのでは!
※「切り代」はある程度必要とする考えが今でもあるとすれば、
上記の考え通りには行かないかもしれません。
災害写真(洪水痕跡)について
災害写真(洪水痕跡)について
査定時に災害写真について、査定官・立会官からよく
言われることは、
「洪水痕跡がわからないなー」と言う一
「洪水痕跡がわからないなー」
言。
大抵の場合、災害写真の撮影は、大筋で計画が固まった
あたりから撮影に入ります。その際少しでも被災箇所の写
りを良く見せるため、刈り払いや清掃を行います。そのた
め、きれいにしたがために洪水痕跡がわからなくなり、撮
影してもただの断面写真になってしまうことが多いです。
災害査定研修テキストより
おわりに
おわりに
地球環境の変化と共に、局地的豪雨による風水害等の発生
頻度が多くなっています。
災害復旧は、安全・安心に関わる事業です。そのため、査
定の迅速化が求められており、よりスピーディーに、より効
率的に作業を進める必要があります。そうすることにより早
期に復旧ができると考えます。
株式会社 昭和土木設計の紹介
配布者
弊社は,道路・河川・橋梁等の計画・設計,GIS,IT ソリューション等の業務を行っております.
”なんでもインフォ“のバックナンバーについては http://www.showacd.co.jp をご覧ください.
作成者:コンサルタント事業部