久木歴史散歩 その7 庚申塔 こうしんとう 逗子市内には多くの庚申塔が見られます。久木地区でも山の根 3 丁目や久木 1 丁目・4 丁目・5 丁目等に見ることができます。 こうしんしんこう さんし かのえさる 庚申信仰とは「人間の体の中にいる『三尸の虫』が、60 日ごとに巡ってくる庚 申の てんてい 日の夜、眠った人間の体から抜け出して、天帝にその人間の悪事を報告する。天帝はそ れを聞いて命を縮めたり奪ったりする。」というものです。それを防ぐため、庚申の夜 は、集まって朝まで眠らず心を清らかにしてお祈りするのです。 こうしんこう 江戸時代になると庚申信仰がさかんになりました。庚申講という何軒かのグループを 作り、60 日ごとに巡る庚申の日に当番の家に集まってソバなどを食べ、夜を明かしま した。楽しみの少ない時代、庚申の夜は人々のレクリエーションの場でもあったようで す。また「話は庚申の晩」という言葉が残されていることからも、相談事や連絡などが 話された場でもあったようです。 庚申塔は、道ばたや村の境に建てられることが多いので、昔の道や村境を知る手がか りともなりますが、道路の改修や住宅開発等により元の場所ではないものもあります。 市内の庚申塔を見ると、色々な種類があり、彫ってあるものも異なりますが、恐ろし しようめんこんごう い顔をした青 面 金 剛という仏様を中央にし下に三猿が彫られているものが多く見られ ます。青面金剛は、病魔を退散させる神とされ、庚申信仰と結びつき江戸時代に広まり ました。三猿のいわれは、猿が神の使いとされているからとか庚申(かのえさる)の「さ る」からきているとか、いくつかの説がありますが、はっきり分かりません。 山の根3丁目の石仏群 右から1番目、2番目、3番目、5番 目が庚申塔。三猿や青面金剛が彫られて います。 じ ぞう ぼ さつ 4番目は頭部をなくした地蔵菩薩、6 けんろう じ し ん とう 番目は堅牢地神塔 -1-
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