携帯機器・民生機器向けメモリ64Mビットシングルデータレート

新 製 品
携帯機器・民生機器向けメモリ64MビットシングルデータレートFCRAM
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R
携帯機器,民生機器向けのSDRインタフェースFCRAM R です。ラ
ンダムアクセス性能の高速化を,低CASレイテンシ,低周波数で実
現しました。
はじめに
近年,DRAMはパソコンや携帯情報端末等の情報機器,デジ
タルTV,デジタルスチルカメラなどの民生機器,通信,ネットワー
ク関連機器等のさまざまな製品に搭載されています。当社では,
独自開発の高速・低消費電力メモリFCRAM R のコアにSDRインタ
フェース*1を搭載することで,これらの製品の高性能化・多機能化
に伴うさまざまなニーズに最適な仕様のメモリを開発しました。
現在,普及しているシンクロナスDRAMの多くは,クロック周波
数の向上により連続データ転送の効率を上げて,システム・パフォー
写真1 外観
マンスの向上に対応してきました。このため,情報機器,民生機
器等に必要なランダムアクセス性能の高速化は犠牲になっていまし
た。
今回開発した64Mビット シングルデータレートFCRAM R は,この
ような市場の要求であるランダムアクセス性能の高速化を,低CAS
レイテンシ*2・低周波数で実現し,システムのパフォーマンスを上げ
ることが可能になりました。
この製品には,次のような特長があります。
SDRAMと同一コマンド,同一ピン配置
CL=1での,オートプリチャージコマンドによるプリチャージタイ
ムを外部に見えなくしている
低周波数動作によりEMI*3が軽減
写真2 チップ
機 能
リード/ライト動作
図1・2に,周波数50MHzでランダムアクセス時のSDRAMと
FCRAM R でのタイミング比較を示します(図1:ライト動作,図
2:リード動作)。
これらの比較では,SDRAMはCASレイテンシ=2,FCRAM R は
CASレイテンシ=1となっています。図1・2から分かるように,ラ
イト動作時では,SDRAMはtRC=3クロック(60ns),FCRAM R
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はtRC=2クロック(40ns)となり,30%以上の高速化を実現して
図1 SDRAMとFCRAMでのライト時のタイミング比較
います。リード動作時ではSDRAMはtRC=4クロック(80ns),
FCRAM R はtRC=2クロック(40ns)となり,50%の高速化が可
0
1
2
3
4
5
6
7
ACT
WT
PRE
ACT
WT
PRE
ACT
WT
能となります。
オートプリチャージ動作
このように,今回開発したFCRAM R では,CASレイテンシ=1
の場合プリチャージ開始タイミングをデバイス内部で自動化しており,
外部からはプリチャージ時間を見えなくすることでサイクルタイムの高
SDRAM
tRC=3 クロック
CL=2
tRC=60 ns
tDAL=40 ns
速化を実現しています。
つまり,オートプリチャージ機能付きリードコマンド(RDA),また
ACT
はオートプリチャージ機能付きライトコマンド(WTA)の投入直後に
アクティブコマンド(ACT)を投入することで,システムバスのデー
タ占有率を高く維持した状態でシステムを動作させることが可能で
SDR FCRAM
tRC=2 クロック
CL=1
WTA
ACT
WTA
tRC=40 ns
ACT
WTA
ACT
WTA
tDAL=20 ns
す。
EMIの軽減
SDRAMでは動作周波数が100MHz以上となっており,システム
上では高速な信号による電磁妨害への対策が必要になります。本
図2 SDRAMとFCRAMでのリード時のタイミング比較
製品の動作周波数は50MHzであるため,EMIへの対策は軽減さ
れます。したがって,システムの安定動作・コストの削減に大きく寄
0
1
ACT
RD
2
3
4
5
PRE
ACT
RD
6
7
与することとなります。
特 性
表1に本製品の主要特性,表2に電源電圧とパッケージを示し
SDRAM
tRC=4 クロック
CL=2
tRC=80 ns
PRE
tRAC=48 ns
ます。
ACT
ま と め
当社では,マルチメディア・グラフィックス向けのDDRインタフェ
SDR FCRAM
tRC=2 クロック
CL=1
RDA
ACT
RDA
ACT
RDA
ACT
RDA
tRC=40 ns tRAC=35 ns
ース*4FCRAM R をすでに開発しており,本製品で携帯機器,民
生機器向けSDRインタフェースFCRAM R も開発しました。今後も
FCRAM R コア技術,高速インタフェース技術をもとに,お客様の要
求に対応した高付加価値FCRAM R 製品を開発・ご提供していき
ます。
表1 主要特性
■
*1:SDRインタフェース:一般的なSDRAMと同様に,クロックの立上がり時
に同期して動作するインタフェース。
*2:CASレイテンシ:コマンド入力後に最初のデータが出力されるまでのクロッ
ク数。
*3:EMI:電子回路,電子部品からの信号が信号線を伝わる時,電磁波
となって他の信号線や電源線等に漏れ誤動作を誘発すること。
*4:DDRインタフェース:一般的なDDR-SDRAMと同様に,クロックの立上
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CL=1
CL=2
CL=1
CL=2
tCK
20ns
12ns
25ns
15ns
tRC
40ns
36ns
50ns
45ns
tRAC
35ns
31ns
43ns
38ns
ICC1
190mA
160mA
ICC4
175mA
145mA
がり/立下り時に同期して動作するインタフェース。
表2 電源電圧とパッケージ
*FCRAMは富士通株式会社の登録商標です。
電源電圧
VCC=3.3V±0.3V
パッケージ
プラスチック86ピンTSOP
技術に関するお問い合わせ先:電子デバイス事業本部 第四システムLSI事業部 アプリケーションエンジニアリング部
TEL(044)754-3283
50
FAX(044)754-3343
営業に関するお問い合わせ先:最寄りの営業部門(裏表紙をご参照ください)
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