博士(医学)の学位論文提出要項 乙∴類

授与機関名
順天堂大学
学位記番号
甲第 1640 号
A Retrospective Statistical Analysis of the
Late Complications Associated with Central
Venous Port Placements
(中心静脈ポートの遅発性合併症に関する後方視的統計解析)
岡田
慎悟(おかだ
しんご)
博士(医学)
論文内容の要旨
皮下埋め込み型中心静脈ポート(以下 CV ポート)は病院や家庭で頻用されている。今回
CV ポートに関する遅発性の合併症に関して調査した。
2009 年 9 月から 2012 年 2 月に当院に入院した 239 人、264 例の連続するポート留置に関し
て抜去、化学療法、ステロイドの使用、中心静脈栄養の有無及び CV ポートの留置期間を調
査し、後方視的に解析した。CV ポートの留置は清潔操作のもと、全例透視装置及び超音波
ガイド下に放射線科専門医にて行われた。
CV ポートの総留置期間は 51033 カテーテル日であり、264 例のうち 71 例が抜去され、
147 例が研究終了時まで留置継続され、33 例で患者の死亡が確認された。抜去した 71 例の
うち 13 例はカテーテル関連血流感染と診断され、CV ポートの総抜去率は 1.39/1000 カテー
テル日であった。また、カテーテルトラブルによる抜去は 0.22/1000 カテーテル日、カテー
テル関連血流感染に伴うものは 0.25/1000 カテーテル日であった。統計解析ではステロイド
使用患者及び中心静脈栄養が行われている患者でカテーテル関連血流感染の率が高く、これ
らを行っている患者では特に CV ポートの管理に注意が必要と考えられる。