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≪胎児循環≫
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胎児循環
①臍動脈:2 本(1 対).静脈血が流れる.
内腸骨動脈から胎盤へ
②臍静脈:1 本.動脈血が流れる.
生後は肝円索
となる.胎盤から胎児へ
③静脈管(アランチウス管
):生後は静脈管索となる
臍静脈と下大静脈の短絡路
④卵円孔:心房中隔に開口
生後は卵円窩となる
⑤動脈管(ボタロー管
胎盤の働き
腸:栄養素の吸収
):生後は動脈管索となる
肺動脈と大動脈弓末端の短絡路
腎:老廃物の除去
肺:酸素の摂取と二酸化炭素排泄
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【消化器
総論】
≪消化器系の臓器≫*働き:摂取した食物の栄養分を消化吸収し,廃物を排泄する器官.
A.中腔性臓器(消化管)
①口腔
②咽頭
③食道
④胃
⑤小腸
-1:十二指腸
-2:空腸
-3:回腸
⑥大腸
-1:盲腸
-2:上行結腸
結腸
-3:横行
-4:下行
結腸
-5:S 状
結腸
-6:直腸
*胆嚢:中腔性臓器
B.実質性臓器・・・肝臓・膵臓
≪消化管の上皮≫
・口腔から食道…重層扁平上皮
・胃から直腸…単層円柱上皮
・肛門…重層扁平上皮
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≪消化管の構造≫
・大きく分けると:3 層構造
♪
・内腔側から:粘膜→筋層→漿膜(外膜)
・筋層:輪走筋(内層)と縦走筋(外層)の 2 層
*ただし,胃の筋層は 3 層
(最内層に斜走線維が加わる)
≪神経叢≫
「マイスナー神経叢
」
・粘膜層の運動や腺の分泌に関与
「アウエルバッハ神経叢
・蠕動運動に関与
【唾液腺・咽頭】
≪大唾液腺≫ 小唾液腺:口唇腺,頬腺,口蓋腺,舌腺など
1.耳下腺
:最大の唾液腺,純漿液腺,舌咽神経
2.顎下腺
:漿液性優勢な混合腺.顔面神経(鼓索神経)
3.舌下腺
:粘液性優勢な混合腺.顔面神経(鼓索神経)
≪唾液の働き≫ *唾液の分泌調節は神経系のみ(ホルモン系は無い)
・口腔粘膜を湿らせ,食物の滑りをよくする
・糖質の分解:プチアリン(唾液アミラーゼ)による
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」
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≪ 歯 ≫
・表面は,歯冠部はエナメル質,歯根部はセメント質でおおわれる
・乳歯:20 本…乳切歯 2(8)・乳犬歯 1(4)・乳臼歯 2(8)
・永久歯:32 本…切歯 2(8)・犬歯 1(4)・小臼歯 2(8)・大臼歯 3(12)
≪舌≫・糸状乳頭:味蕾なし
≪咽 頭≫
・消化器系と呼吸器系の共用の通路
・耳
管:咽頭鼻部に開口.中耳
と連絡する
・リンパ咽頭輪(ワルダイエルの咽頭輪)
*咽頭扁桃,耳管扁桃,口蓋扁桃,舌扁桃
【食
◆長さは約 25cm で三部に分けられる
a)頸部:C6(輪状軟骨)から T1 まで
*前方に気管
*食道と気管の間を反回神経
道】
が通る
b)胸部:縦 隔 を走行
*食道の中で最も長い
c)腹部:横隔膜の食道裂孔から胃の噴門まで
≪生理的狭窄部位≫
1.食道の起始部
2.気管分岐部.大動脈と交叉
3.横隔膜貫通部
≪ 筋 ≫
・上部 1/3 は横紋筋
・中央 1/3 は横紋筋と平滑筋
・下部 1/3 は平滑筋
≪粘 膜≫
・重層扁平上皮
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【 胃 】
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①噴門
②胃体
③幽門
A:胃底
B:小弯
C:大弯
:潰瘍や癌の好発部位
D:角切痕
E:粘膜ヒダ
F:幽門括約筋
≪上皮細胞≫
①主細胞:*ペプシノゲン
分泌
*ペプシンとなり蛋白質を分解
②旁(壁)細胞:▣塩酸
分泌
▣ペプシノゲンをペプシンに変える
殺菌作用
③副細胞:▴粘液
▴胃粘膜の保護
分泌
※ G 細胞(内分泌細胞):ガストリン
分泌
・塩酸,ペプシノゲンの分泌促進
胃の運動促進
≪胃の働き≫
・食物を貯留する.粥状にする
・十二指腸に送る
・蛋白質の分解
:胃…蠕動運動
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【小
腸】
≪分 類≫
・腸間膜をもたない:十二指腸
・腸間膜をもつ:空腸・回腸
A) 十二指腸
①上部(球部)
・十二指腸潰瘍の好発部位
②下行部
・十二指腸乳頭
・オッディの括約筋
③水平部
④上行部
・十二指腸提筋(トライツ靭帯)
B) 空腸と回腸
・全長は 6~7m で,はじめの約 2/5 が空腸で,残りの 3/5 が回腸
・空腸と回腸の明確な境界は無い
≪特 徴≫
・輪状ヒダ:空腸で最も発達
・腸絨毛,微絨毛:全域(十二指腸含む)
・集合リンパ小節(パイエル板):回腸
・リーベルキューン腺(腸腺):全域(十二指腸含む)
・ブルンナー腺(十二指腸腺)
≪小腸の働き≫
・消化と吸収(栄養分の約 90%は小腸で吸収される)
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【大
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腸】
≪分 類≫
A) 盲 腸
・回腸と大腸の連結部より下方にある
・回盲弁(バウヒン弁):大腸の内容物が小腸へ逆流するのを防ぐ
*虫 垂:間膜をもつ
・マック・バーニー点
:臍と右上前腸骨棘を結ぶ線上の外側 2/3 の点
:左右の上前腸骨棘を結んだ線を三等分した右側の点
・ランツ点
(上行結腸・横行結腸・下行結腸・S 状結腸)
B) 結 腸
①結腸ヒモ
*大網ヒモ,間膜ヒモ,自由ヒモ
②結腸膨起
③結腸半月ヒダ
:脂肪組織塊
④腹膜垂
*横行結腸でよくみられる
C) 直 腸
・S 状結腸から肛門管の間
・ヒモ,膨起,腹膜垂は無い
≪大腸の働き≫
・水と電解質の吸収
・腸内細菌の維持,糞便の滞留と排泄
≪特 徴≫
*間膜をもつ:横行結腸・S 状結腸・虫垂
【肛
門】
・内肛門括約筋:不随意筋 交感神経支配
・外肛門括約筋:随意筋 陰部神経支配 ・肛門上皮:重層扁平上皮
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【腹
膜】
≪腹腔とは≫
・横隔膜より下部(腹部)の内腔
≪腹膜腔とは≫
・臓側腹膜と壁側腹膜の間の腔
・少量の漿液を含み,摩擦を防ぐ
≪腹 膜≫*単層扁平上皮
・臓側腹膜:腹部内蔵の外面を被う
・壁側腹膜:腹壁の内面を被う
≪間膜とは≫
・臓側腹膜が二重に
合わさっている部分
『間膜をもつ器官』
:臓側腹膜に被われる器官
*胃,空腸,回腸,横行結腸,S 状結腸,肝臓,
『間膜をもたない器官』
・壁側腹膜の後部にある器官:腹膜後器官
*十二指腸,上行結腸,下行結腸,直腸,膵臓
十二指腸には腸間膜がないのか?
・・・実際はわずかにある
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【壁側腹膜の状態】
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A胃入口部
B十二指腸
C上行結腸
D下行結腸
E直 腸
F膵 臓
≪結腸の立体形状≫
①回盲部
②解剖学的肝弯曲部
③X線学的肝弯曲部
④X線学的脾弯曲部
⑤解剖学的脾弯曲部
⑥S状結腸起始部
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【肝臓(胆嚢含む)】
≪構 造≫
・腹腔の右上腹部 人体中最大の実質性器官
・上面の一部は横隔膜と直接に接する…無漿膜野
・肝鎌状間膜
により右葉(4/5)と左葉(1/5)に分けられる
・下面(臓側面):H 状を呈する 1 本の横溝と 2 本の縦溝
左側の縦溝 … 肝円索裂 ~ 静脈管索裂
右側の縦溝 … 胆嚢窩 ~ 大静脈溝
*カントリー線を形成
横 溝 … 肝門
出るもの:(左右)肝管.リンパ管
入るもの:門脈.固有肝動脈.神経
・肝門により,方形葉(前)と尾状葉(後)に分けられる
*カントリー線:肝臓を機能的な右葉と左葉に分ける
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