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物理化学III 復習問題(6月 1日)2015年度 前期
原子を構成する陽子と中性子の質量の和と、実際の原子核の質量は同じではない。陽子と中性子
が結合して原子核を形成するとき、それらはできるだけ安定な状態(低いエネルギー状態)をと
ろうとするので、結合した後余分なエネルギーを放出する。このエネルギーは(ア)エネルギー
とよばれている。Einsteinが提唱した相対性理論より(イ)と(ウ)は等価であることから、実際
の原子核の質量は、原子を構成する陽子と中性子の質量を足し合わせた質量より(エ)ことにな
る。この質量の差を(オ)という。
問1(ア)∼(オ)にあてはまる語句を書いてください。
(ア)
(イ)
(エ)
(オ)
(ウ)
問2 以下の原子について、それらを構成する陽子と中性子の質量の和と、実際の原子核の質量の
差を計算してください。ただし、質量の差は原子質量単位(atomic mass unit, amu)で表し、陽
子は1.0073 amu、中性子は1.0087 amu、電子は0.0005 amuとして計算すること。
ヘリウム4
ウラン238
問3 問2の原子について、原子核が形成したときに放出されたエネルギーを計算してください。
ただし、エネルギーは J(ジュール)および eV のそれぞれの単位で表してください。
ヘリウム4
ウラン238
原子の中には、原子核が不安定で、放射線を放出して他の安定な原子に変化するものがある。陽
子の数(原子番号)が同じでも、中性子の数が異なるため質量数が異なる原子のことを(カ)と
いう。(カ)の中には、安定なものと不安定なものがある。例えば、ヨウ素127は安定だが、原子
力発電所の事故で検出されるヨウ素131は(キ)(カ)である。ヨウ素131における陽子と中性子
の結びつきは不安定であり、放射線を放出してより安定なキセノン131へ変化する。ヨウ素131か
らキセノン131への変化を(ク)崩壊という。この他にも(ケ)崩壊と(コ)崩壊がある。
問4(カ)∼(コ)にあてはまる語句を書いてください。
(カ)
(キ)
(ケ)
(コ)
(ク)
問5 ウラン238はα粒子(ヘリウムの原子核)を放出し、トリウム234に変化する。この反応を核
反応式で表すと以下のようになる。
238
92 U
!
234
90 T h
+
4
2 He
ラジウム226は、上記のような反応を3回繰り返して鉛に変化する。各反応を上記のような核反応
式で示してください。
問6 アルミニウム27にα粒子(ヘリウムの原子核)を衝突させ、人工的にリン30をつくることが
できる。この核反応式を書いてください。また、この反応でリン30以外に生成されるものは何か。
問7 次の原子がα粒子を放出したときの核反応式を書いてください。
1)ビスマス210
2)白金190
3)コバルト60
4)ラドン220
原子核の中の中性子が陽子に変化し、β線が放出される核反応がある。β線は、大きなエネルギー
をもつ電子の流れである。例えば、炭素14が崩壊してβ線を放出すると、窒素14に変化する。こ
の反応を核反応式で表すと以下のようになる。
14
6C
!
14
7N
+
0
1e
問8 次の原子がβ線を放出したときの核反応式を書いてください。
1)リン32
2)カリウム40
3)鉄60
4)バリウム141
問9 次の核反応式を書いてください。ただし、陽子と中性子は以下のように記述する。
陽子:
中性子:
1
1H
1
0n
1)窒素14に高速の陽子を衝突させると、α粒子が放出され、炭素の同位体が生成された。
2)亜鉛66に高速の陽子を衝突させると、ガリウム67が生成された。
3)窒素14にα粒子を衝突させると、酸素の同位体と陽子が生成された。
4)窒素13は、ホウ素10にα粒子を衝突させることで合成できる。