平成27年度 第2回 がん看護事例検討会 報告書

平成27年度 第2回 がん看護事例検討会 報告書
日時
平成27年6月2日(火) 17時45分~19時15分
金沢大学:13名、富山大学:6名、福井大学:8名、石川県立看護大学:11名、金沢赤十字病院:6名
開催施設
参加者数
恵寿総合病院:3名、金沢市立病院:5名、済生会富山病院:13名、富山市民病院:11名、
富山県立中央病院:2名、市立砺波総合病院:27名
テーマ
「放射線化学療法によって生じた疼痛のセルフマネジメント支援」
【事例紹介】
Bさん、男性、病名:中咽頭癌
<経過>
中咽頭癌の根治目的に入院し、放射線化学療法開始。22Gy時より疼痛緩和のために医療用麻薬のオキシコンチン・オキ
ノーム使用開始。使用開始後、Bさんの希望にてオキノームはレスキュー・自己管理となる。しかし、52Gy時より持続的疼痛が
強くなったためレスキューの増量を行うが、使用回数が1日10回まで増加。医療用麻薬への依存を懸念し、定期内服のオキシ
コンチンを増量し、レスキューの使用は5時間空けて行うよう、医師より指示の変更あり。しかし、5時間空けないと使用できな
いことは不都合であるとの言葉がBさんより聞かれた。
【検討事項】
医療者間の情報共有が上手くいかず、増量のタイミングやレスキューの使用間隔が患者の希望に合わない指示になった。患
者の望む疼痛コントロールを図るためにチームとしてどのように関わればよかったか。
【意見交換内容】
Q1「薬剤師や、栄養士、放射線科など他科の医師との連携はどのように行っていたのか?」、A1「個別での他科の医師との
関わりあったが、集まってのカンファテンスは月に1度栄養士が入ってのカンファは行っていた。」
Q2「NSTや緩和ケアNsなどとの連携はなかったのか?」、A「病棟に認定Nsはおり、その看護師は携わっていた。」
Q「抗がん剤の副作用や、電解質など全身状態はどの様な状態であったのか?」、A2「便秘などの副作用なし。電解質も血液
検査上は異常みられず、Alb値:3.0とやや低値であった。」
Q3「痛みの評価はどの様な方法で行っていたのか?」、A3「NRSを使用し、0~10の11段階にて評価を行っていた。」
Q4「麻薬増量時の評価はどの様に行っていたのか?、A4「医師、看護師にて評価を行っていた。麻薬の説明には薬剤師も携
わっていた。」
【他施設からの意見】
・病棟スタッフと他スタッフ全員が集まってのカンファレンスを定期的に開き、情報を共有することが必要ではないか。
・放射線科の看護師や医師とも連携をとり、放射線治療中の患者の状況を把握することも必要ではないか。
・症状が進む前に、治療の変化に合わせて先んじて薬剤を調整していくことも必要ではないか。
・薬剤による疼痛調整だけでなく、口腔ケアにも重点を置くことも必要ではないか。
・外泊時にレスキューなどを使用したタイミングや、その時の状況を日記などとして記してもらい、患者の状況を把握することも
1つの方法ではないか。
ミニ・レクチャー
テーマ:地域包括ケアについて