Title Author(s) Citation Issue Date 中堅看護婦研修に「職場trip(訪問)」を実施して : 平成 10年度の研修より 中尾, 由紀子; 谷浦, 葉子; 安藤, 邦子 大阪大学看護学雑誌. 6(1) P.50-P.55 2000-03 Text Version publisher URL http://hdl.handle.net/11094/56668 DOI Rights Osaka University 大 阪大 学 看 護 学 雑 誌Vo1.6No.1(2000) 中 堅 看 護 婦 研 修 に 「職 場trip(訪 一 平 戌10隹 中尾由紀子 問)」 を 実 施 して 麾 の研 修 よ り 一 谷浦葉子 安藤邦子 Introductionof"WorkplaceTrip" intoTrainingprogramfornurses -acasestudyon1998Trainingwith4-5yearcareerNakao,Y.,Taniura,Y.,Ando,K. 本 報 告 で は 、職 場tripを 実 施 した2回 1.は じめ に 当 院 にお け る段 階別 教 育 の一 つで あ る 中堅看 護 婦 研 修 は 、臨床 経 験5~6年 目に あた る 平 成10 年 度 中 堅看 護 婦 研 修 の 内容 を 、研 修 の 概 要 、職 場trip、グ ル ー プ面 接 の順 で 、 評 価 的 視 点 か ら振 り返 って みた い。 II.研 目の看 護 婦 を対 象 に行 っ て い る 。研 修 の概 要 修 のね らい は 、病 棟 にお け る 自已 の 課 題 を達 成す る た め の方 向性 を明 確 に し、 リー ダ ー シ ップ 能 力 を 高 め る こ と 1.中 で あ る。 研 修 内容 は 、 まず 、講 師 の 杉 万 俊 夫 教 授(京 都 ね ら い:自 己 の課 題 を達 成 す る ため の方 向性 を明 確 に する 大学 総 合 人間 学部)か ら、グル ー プ ・ダ イ ナ ミ ッ クス(集 団や 組織 の理 論)に 堅看 護 婦 研 修 の概 要(図1) 目 つ い て の 講 義 を受 け 、簡 単 な ゲ ー ム 標:① 自已 の 課 題 を 明 確 に で き る ② 自己 の課 題 を達 成 す る た め の方 法 に つ い て 実 習(異 文 化 シ ミ ュ レー シ ョ ンゲ ー ム)を 行 っ た 上 で 、「職 考 え る こと がで き る 場trip」を実 施 した 。ゲ ー ム 実習 は 、研 修 の 受講 者 を半 分 ③ 所 属 病 棟 にお ける リー ダ ー と して の役 割 に ず つ2室 に分 け 、水 と油 の よ う に異 な る行 動 様 式 を演 技 で きる よ う に練 習 させ た 上 で 、受 講 者 に他 室 を訪 問 させ 、そ つ い て考 え る こ とが で き る の行 動 様 式 を 視 察 、 報 告 させ る と い う も ので あ り、 この ④ 集 団や 組 織 の理 論 が理 解 で き る ゲー ム実 習 は 、引 き続 い て 行 う職 場tripの、い わ ば ウ ォー 受 講 者:37名(当 ミン グ ア ップ と して の位 置 づ け を も って い る。 場 所:関 西 地 区大 学 セ ミナ ー ハ ウス(宿 泊)と 、14 院35名+歯 学 部 附属 病 院2名) お よ び、 半 年 後 にお け る グ ルー プ面 接 で聴 取 した 。 受講 講 師:杉 万 俊 夫(京 都 大 学 総 合 人 間科 学 部 教 授) 者 は 、半 年 後 の面 接 にお い て も、職 場tripの内 容 をよ く覚 研 修 期 聞:平 成10年6月9日 階会議 室 今 回、職 場tripに 対 す る 評 価 を、研 修 直 後 の レポ ー ト、 ~11日 えて お り、 「カ ル チ ャー シ ョ ッ ク を受 けた 」 と話 す な ど 、 2.職 職 場tripの 印 象深 さが うか が え た 。 場tripの 概 要 目 的: 1)他 の職 場 をtripし 、 自分 の職 場 と比 較 す る ことで 、 自 職 場tripは、講 師 と看 護 部 が 共 同で 考 案 した 「手 づ く り の研 修 プ ロ グ ラム 」 で あ る 。 そ れ だ け に、 実 施 した職 場 tripにつ いて 自 己評 価 して い く こ とを忘 れ て は な らな い 。 分 の職 場 及 び そ こに 所属 す る 自分 を知 る プ ロ グ ラム (図1) 9:009:209:5011:3012:3013:3014:0016:0016:3017:00 s/s (火) 6/10 (水) 開講 式 オリエンテー ション 講 話 講義 ・ 演習 「 集 団の意義 とリーダー シップ」 京都大 学総合人間学部 教授 杉万 俊夫 講義 ・ 演 習 「 集 団の意義 と リー ダー シップ」 京都大学総合人間学部 教授 杉万 俊夫 6/ll (木) 「 職 場trip亅 講義 ・ 演習 「 集 団の意義 と リーダー シップ」 セミナーハウス 昼食 へ移 動 昼 食 昼 食 講義 ・ 演習 「 集 団の意義 とリー ダー シップ亅 京都大学総合人間学部 教授 杉万 俊夫 「 職 場trip」 千里中央経 由 阪大病院へ ま と め ・発 表 ・初 日 は 午 後 か らセ ミ ナ ー ハ ウ ス に移 動 。1泊 す る 。 ・2日 目 の 午 後 か ら は 、 室 内 で ゲ ー ム 実 習 「異 文 化 シ ミ ュ レー シ ョ ン ゲ ー ム(BaFa-BaFa)」 を実 施 。 ・3日 目 に 、 職 場tripを 実 施 。講 師 の直 接 の参 加 は な い が 、講 義 の 中で 指 導 を受 けて い る。 大阪大学医学部附属 病院看護部 一50一 入浴 懇親会 京都大学総合人間学部 教授 杉万 俊夫 閉 講 式 大 阪 大 学看 護 学雑 誌Vbl.6No.1(2000) 2)他 の職 場 をtripし 、 目的 を もっ て観 察す る こ とで 自己 目的 の説 明 が あ り、 そ の 後 以 下 の 質 問 を の課 題 を明 確 に し、そ れ を達 成す る た め の方 法 を 見 出 行 っ た。 1)「 訪 問 者 の 人 数 につ いて 」 す 3)積 極 的 に観 察 学 習 す る 姿勢 を 身 につ け る 2)「病棟 側 の 受 け 入 れ 状 況 」 職 場tripの 方 法: 1)訪 問 先 は 事前 に希 望 を聴 取 し、 内科 系 と外 科 系 の2っ 3)「 職 場tripは 卒 後5年 目で よ いか 」 4)「 職 場tripか ら帰 っ た後 の職 場 の反 応 」 の職 場(手 術 部 ・分 娩育 児 部 ・放 射 線 部 を 除 く)を 、前 5)「半年 経 っ た今 の印 象 」 等 半 と後 半 に分 けて 訪 問。 2)2~3人 一組 でtr量pする。 皿.結 果 事 前学 習: 自己 の課 題解 決 に 向 けて 、どの よ う に職 場tripすれ ばよ い か 、 観 察項 目を ま とめて お く。 1.研 修終 了後 の ア ン ケ ー トよ り 受 講者 数37名.回 自已 の 課 題 に つ いて は 、研 修 前 レポ ー トと して 提 出 。 答 者 数36名(締 め切 り 日まで の 回 収).回 収 率97.2% 自己 の課 題 と して あ げた 内容 を項 目で整 理 す る と以下 の通 りで あ る。{重 複 回答.O内 は入 数} D企 後 輩 の教 育指 導(21)、業 務 改 善(11)、 リー ダ ー シ ップ の推 進(11)、問 題解 決 能 力 の 向 上(6)、看 護 業 務 の質 的 向 上(6)、 リー ダ ー(責 任 係)業 務 の推 進(5)、 新 人 教 育(2)、研 究推 進(2)、委 員 と して 活動 推進(2)、模 範 的看 護 モ デ ル(1)、そ の他(1)、 無記 入(1) 時間 配分 場所 研修 内容 第 一 印象 シー ト、②第 一 印 象分 (表1) 適当 期間 当 日の学 習: 1)決 め られ た 時 間 に 、決 め られ た職 場 を訪 問 す る 。 2)4種 類 の シー ト類(① 画 につ い て ど ち らで も な い 不適当 27名 (75%) 6名 (16.7%) (8.3%) 13名 14名 9名 (36.1%) 30名 (38.9%) 5名 1名 3名 (25%) (83.3%) (13.90) (2.8%) 30名 6名 なし (83.3%) (16.70) 析 シー ト、③ 教 育 課 題 分 析 シー ト、④ 自己 の 課題 分析 2)研 修 につ いて シー ト)に 観 察 内容 を記 入 す る 。 ① 第 一 印 象 シー トに は、「え?」 「ま さか 」「な る ほ ど」と 項目 各 自が 思 っ た こと を記 入 す る 。 ② ~③ の 分析 シー トに は 、自分 の職 場 の現 状 、訪 問 先 の 期 待を も っ て 参 加 したか 職 場 の 状 況 、 今後 参 考 に した い と こ ろ を記 入 す る 。 訪 問 病 棟 へ の 事 前 の依 頼 に つ い て: 訪 問 の依 頼 は看護 婦長 会 議 を通 して 行 った 。受 け入 れ 側 の 対応 につ いて は 、ス タ ッ フ は通 常 業 務 を しな が らも 、訪 問 者 の質 問 に は答 えて ほ しい こ とや 、可 能 で あ れ ば前 年 度 の研 修 受講 者 が訪 問 中 に勤務 で き るよ う配 慮 して ほ しい こ と、見 た い 資料 の希 望 が あ れ ば 全 て 公 開 して ほ しい こ と、 患 者 さ ん の所 へ行 きた い希 望 が あ れ ば 、受 け持 ち 看護 婦 と 行 か せ て ほ しい こ とな ど を依 頼 した 。そ して 、婦 長 か ら職 場 のス タ ッ フ に この職 場tripにつ いて 簡 単 な 説 明 を して ほ しい こ と も依 頼 した 。 受 講 者 は 中 堅 看 護 婦 で あ る ことか ら、 自 ら積 極 的 に 問 う姿 勢 を重 視 した 。 3.半 目 的:1)職 場tripの 印 象 を話 す 2)そ の後 の 自己 の変 化 を話 す 成10年12月15日 ・16日 ・17日(全 て 勤 務 外 を原 則) 実 施 時 間:事 前 に①9時30分 40分 ~11時40分 ~10時30分 、②10時 の時 間 を提 示 。希 望 を も 今 後 の 課 題 を見つ ける こと ができ た か グルー プ ワー クに は積極 的 に 参 加 で きたか 極的 に参 ・②6人)、16日(①5人 ②5人)、17日(①6人 34人 。 ・②8人)の ・ 合計 面 接 時 の展 開:ロ の字 に座 り、初 め に杉 万 教 授 か ら簡 単 に 一51一 はい 20名 (55.60) 23名 (63.9%) 13名 (36.1%) 31名 (ss.ii) 33名 (91.7%) 32名 (88.9%) 15名 (41:7%) 13名 (36.1%) 22名 (61.1%) 4名 (11.1a) 3名 (8.3%) 4名 (11.1%) い いえ 無回答 なし 1名 なし なし なし 1名 なし 1名 なし なし なし なし 1名 なし ゲ ー ム rBaFa-Ba Fa亅に は 積 と に決 定 。 グル ー プ構 成:15日(①4人 問題解決 の手掛か りが 得 ら れ たか或 い は 解 決 されたか 研 修 を受 けて良 か っ た と思 うか 年 後 の グ ルー プ面 接 の概 要 実 施 期 間:平 自己の課 題 が明確 になった か (表2) ど ち らで もない 加 で き た か 28名 (77.8%) 7名 (19.4%) 大 阪大 学 看 護学 雑 誌Vbl.6No,1(2000) 3)満 足 度 ① 研 修 の満 足 度 49%以 下 (表3) 1)第一 印 象 シー トの 分析 ・第 一 印象 シー トの 分析 は31名 分 を 分 析 した 。 こ の分 析 なし 50% 3名(8.3%) 2名(5.6%) 600 70% 4名 の合 計6名 分 を 除外 した 。 ・記 述 内容 をテ ー マ で み る と 、16に 分 類 で き た。 記 述 数 3名(8.3%) の 多 い順 で ま と め る と以 下 の通 りで あ る 。 4名(ll.1%) ① 環 愛(患 者 環 境 や環 境 整 備 も含 む)216件 (表4) 満足度 49%以 下 ② 看 護 ケ ア に関 す る こ と91件 ③ 雰 囲 気(か や)81件 なし 3名(8.3%) 50% 60 ④ 記 録 に関 す る こと71件 ⑤ 看護 体 制68件 ⑥ 薬 剤 管 理68件 ⑦ 申 し送 り42件 ⑧ カ ン フ ァ レン ス41件 ⑨ 責任 業 務35件 5名(13.9%) ⑩ 勉 強 会18件 ⑪ 新 人 教 育16件 6名(16.7%) ⑫ 婦長 業務11件 ⑬ プ リセ プ ター10件 ⑭ 事例 検 討8件 ⑮ 感 染 対 策8件 4名(11.1%) 6名(16.7%) ?0% 80% 90 11名(30.6%) iooO (表5) ③講義の満足度 49%以 50% にお いて は 、歯 学 部 の2名 と記 述 が判 読 で き な い 当 院 の 6名(16.7%) 17名(47.2%) 80% 90% iooO ②BaFa-BaFaの シー トに分 けて 分 析 を行 った 。これ は 、② ~ ④ の全 て が 第 一 印 象 シ ー トか ら記 述 展 開す る た め に よ る。 下 60% 70% 80 ⑯ ゴ ミ処 理6件 ・総 合 計790の 気 づ きが あ っ た。1名 の者 が2つ の 部 署 を な し 5名(13.9%) 3名(8.3%) 訪 問 して い る こ とか ら、1人 につ き 、1部署 平 均 約13件 、 12名(33.3%) 気 づ き の記 述 が あ っ た。訪 問者5名 を受 け入 れ た あ る内 10名(..%) 90% 100 科 病棟 の第 一印 象 シー トを 、集 計 分類 した もの を参 考 資 5名(13.9%) 1名(2.8%) 料 に示 す 。 2)分 析 シー ト類 ② ~④ の 分 析 ・第 一 印 象 分析 シー ト、教 育 課 題 分 析 シー ト、自 己 の課 題 (表6) 1名(2.8%) 3名(8.3%) ④ 職 場tripの 満 足 度 49%以 下 50 60 poi 3名(8.3%) 10名(28.8%) 80% 11名(30.6%) 90 100 分 析 シー トの3つ を、 事 後 の提 出記 録 と した。 ・歯 学 部 を 除 く35名 分 の レポ ー トで 、 内容 が重 複 した も の を除 く146件 の 記録 か ら、どの よ う に分 析 した か をま 5名(13.9%) とめ た 。気 づ き の レベ ル を4つ(レ 3名(8.3%) い)に 分 け る こ とが で き た(表7)。 4)職 場tripの 企 画 に対 す る感 想 、意 見 、 要 望等 ・訪 問 先 の ス タ ッ フ が忙 しそ う に して い る ので 気 を使 っ た。 ・担 当看 護 婦 が い な か っ た の で や や 質 問が しに くか った 。 レベ ル 気づきの内容 tripす る こ とで 自己 の職 ・「何 か あ っ た ら聞 い て くだ さ い」 と言 わ れ た が 仕 事 の 邪 場 と の違 い に 気 づ き 、 課 件 % 47 32.2 57 39.0 27 18.5 15 10.3 題 を 明確 化 し た 。 ま た 、 レベ ル1 動 機 づ け を深 め た り、 職 づ らか っ た 。 ・冷 た く一 言 返 谷 す る人 が い た 。 場 の 特 殊 性 を考 慮 し た 上 trip先は一 日中 同 じ所 で もよ い の で は な い か と思 っ た 。 ・職 場tripに 重 点 を 置 い た ほ うが 良い 。 良 い か を 記 述 して い る。 で 、 今 後 ど う 取 り組 め ば ・職 場tripを して 、 院 内 で 統 一 で きて いな い こ とが あ る 気 づ いた こ と(他 の 病 棟 レベ ル2 こ とに気 が つ い た 。 ・も っ と長 い 期 間 職 場tripし た い。 で 実 施 して い る こ と)を 、 そ の ま ま 真似 て 自 己 の 職 場 で 実 施 して み る。 ・一緒 に職 場tripする 人 と事 前 に交 流 で き る よ う に座 席 を レベ ル3 配 慮 して あ っ た こと が よ か っ た 。 ・職 場tripは 新 鮮 だ っ た 。 気 づ き は あ るが 、 取 り組 み へ の言 及 は な い 。 tripの 目的 が 曖 昧 で あ っ ・事 前 レポー トによ っ て職 場tripで した い こ とが 訪 問先 に 伝 わ っ て い れ ば 良 い と思 った 。 2.職 もっ と も高 分 析 シー トに記 述 さ れ た 自己 の気 づ き の レベ ル (n=146)(表7) ・自分 の積 極 性 が足 りず 目標 達 成 で きな か った 。 魔 を して い る よ うで い づ らか っ た 。 ・ 婦長 か らス タ ッ フに紹 介 して も らえず 最 初 の一 声 がか け ベ ル1が レベ ル4 た た め か 、職 場 の 問題 や 自己の課題 が明確 にでき なかった。 場tripの レポ ー トの結 果 職 場tripの レポ ー トは 、① 第 一 印 象 シー トと② ~ ④ の分 析 一52一 大 阪 大 学 看 護 学 雑 誌Vbl.6No.1(2000) ・「 気 づ いた こ とを や っ て み よ う」とい う意 志表 示 を した も の(レ ベ ル1~2)が7割 以 上 に の ぼ っ た こ とか ら、 今 回 の職 場tripに よ り、他 の職 場 を実 際 に見 聞 し、自己 の 目標 達 成 に向 け て の 動 機 づ けが 高 ま った と言 え る。 3.グ 婦 長 が 対応 した と聞 い た(1)、訪 問者 に は 聞 かれ た こと を 答 え た(1)と い っ た状 況 で 、訪 問者 の こと は あ ま り話 され て はい なか っ た よ うで あ る 。 5)半 年 経 っ た今 の 印 象 ル ー プ面 接 の結 果 面 接 の 初 め に 、 ど こへ訪 問 した か を各 自 に聞 く と、 全 員 間 違 わ ず 答 えて い た。 1)訪 問者 の人 数 につ いて 以 下 の 内容 の 発言 が あっ た 。 ・業 務 改 善 を した 。(7名) ・業 務 に よい こ と は取 り入 れ た い。い ろい ろ取 り入 れ た い 職 場tripに お け る訪 問 時 の人 数 は、 「2人が 良 い」 と し た者 は31名(91.2%)で 一方 、自分 の病 棟 へ の訪 問者 につ いて は 、情 報 な し(5)、 あ った 。 こ とは あ る。 今 は難 しい。(3名) ・固 定 観 念 に と らわ れ て い けな い 。情報 を 受 け入 れ 、柔 軟 に対 応 で き る 。(2名) ・気 を 引き 締 め られ た。 役 割 を改 め て 認 識 した 。(2名) ・初 めて 勤 務 に出 る時 、感 覚 が違 っ た。な にげ な くや っ て 大 半 が 一 人 で は 心細 い と答 え て いた 。 2)病 棟 側 の 受 け入 れ 状 況 各 職 場 の受 け入 れ 状 況 は 、表8の とお りで あ る。聞 き難 か っ た人 は9.6%、 聞 け る状 況 で は な か っ た と感 じた人 は 7.2%と 、 いず れ も少 数 で あ っ た 。8割 以 上 は 、質 問で き る状 況 に あ った と言 え る(表8)。 きた こ とが新 鮮 だ っ た 。 ・ 業 務 改 善 す る時 、他 の 病 棟 の情 報 も取 り入 れ て い こ う と す る 姿勢 が で き た 。 ・ 違 う見 方 が で き る気 づ きが あ った 。同 じ感 動 は伝 え に く い。 良い 機 会 で あ った 。 ・忙 し くて も、職 場 内 を綺 麗 に す る こと に心 が け て い る 。 ・人 に 対 して 、話 しや す い雰 囲気 づ く りを して い る 。 ・い ろん な方 法が あ る こ とに対 し、一 つ 一 つ 意 味が あ る と (表8) 病 棟 の 受 け 入 れ 状 況(重 複 回答) 担 当者が いた 13 15.7 婦 長が対応 12 14.5 考 え るよ う にな っ た。 ・自分 の所 が ま す ま す好 き に な っ た。 初 め少 し婦長 か ら話 を聞いた 12 14.5 ・自分 か ら率先 して や っ て い る。 ス タ ッ フ が業 務 を しな が ら対 応 15 18.1 紹 介が あ り良 か っ た 4 4.8 知っている人がいて聞けた 2 2.4 聞き易かった 9 10.8 聞 き難 か っ た 8 9.6 聞ける状況ではなか った 6 7.2 に な った 、86%が 今 後 の課 題 を見 つ け る ことが で き た 、9 自分 の 病 棟 の こ と を聞 か れ た 2 2.4 割 以 上 が 研 修 を 受 け て よ か っ た と答 え て い る。 概 ね 課 題 合 計 83人 IV.考 1.目 察 標 に対 す る評 価 につ い て 研 修 直 後 の ア ン ケ ー トで は 、64%が 100% 自已 の課 題 が 明 確 に対 す る評 価 は 達成 で きた とい え る。 印 象 分 析 シ ー トの 結 果 か ら も、 日常 業 務 の 中で7割 以 上 の 人が 課 題 解 決 へ の 動機 づ け を深 め て い る。 半 年 後 の グル ー プ面 接 にお い て も職 場tripの状 況 を よ く覚 え て お り、職 場 の 中で よ く話 3)「 職 場tripは 、5年 目で 良 い か 」 に つ い て 「5年目が 良 い」 と した 者 は28名(70%)、 い 」 は6名(15%)、 そ の他6名(15%)で 「3年目が 良 し、 固 定 観 念 に と らわ れ ず 柔 軟 に物 事 を考 え る姿 勢 が 見 られ た 。研 修 のね らい以 上 の も の を、職stripを 通 して 得 あ った 。 そ の 他 は 全 員 中途 採 用 者 で あ っ た 。7割 の人 は臨 床 経 験5 た よ うに思 われ る 。 年 目が よい と答 え た 。理 由 と して は 、 「自分 の職 場 に戻 っ て 何 か を改 善 す る 時 には 、3年 目で は意 見 を通 す こ と が難 2.職 し い。5年 目な ら比 較 的 可 能 」で あ っ た。そ こ に は 、職 場 tripが単 な る見 聞 に終 わ らず 、自 己 の課 題解 決へ の姿 勢 を す る と い う効 果 を もつ の み な らず 、訪 問 者 を 受 け入 れ る 職 場tripは 、訪 問者(研 修 の 受講 者)自 身 を 教育 、啓 発 病 棟 側 に も、自 らの病 棟 を見 直 し、自 らの 病棟 の現 状や 問 積 極 的 にす る こ とが うか が え る。 4)職 場tripか ら帰 っ た後 の 、職 場 の 反応{重 場tripの 相互 学習 効 果 題 点を言 語化 す る機 会 を与 え る 。 つ ま り訪 問者 と 受 け 入 れ病 棟 ス タ ッ フ は、互 い に、教 え、教 え られ る 関係 、あ る 複 回 答.() い は 、先 生 で もあ り、生 徒 で あ る と い う関 係 に あ る。言 い 内 は 入数} 半年 後 に 、職 場tripの職 場 の 反応 を 聞 い た 結 果 、詰 所 会 で話 した(5)、業 務 担 当 ・研 究 担 当 の 仲 間 で話 した(3)、み ん な 聞 い て くれ 職 場trip談 義 に 花 が 咲 い た(7)、婦 長 ・副 婦 長 と話 した(11)、雑 談 で4~6人 ぐ らい と話 し た(9)、職 場 tripした 者 同士 で話 した(3)と述 べた 人 が 多 く、概 ね 職 場 に か えれ ば 、相互 学習 の関 係 で あ る 。こ の点 、学 生 や 新 人 を 指 導 す る 場 合の 一方 的 指 導 関 係 とは大 き く異 な っ て い る。 また 、職 場tripは 、研 修 会 場 と現 場 、あ るい は、研 修参 加 者 とそ れ 以 外 の人 々 を連 動 、共 振 させ る 効 果 も も って い る。通 常 の研 修 で は 、研 修 会 場 と現 場(あ る い は研 修参 加 者 とそ れ 以外 の 人 々)は 切 り離 され て い る。 した が っ て 、 戻 って か らだ れ か に話 して い る こ とが 確 認 され た 。 一53一 大 阪大 学 看 護 学 雑 誌Vbl.6No,1(2000) 研 修 受講 者 が 、隔離 さ れ た 研 修 の場 で 、い か に病 棟 の 改善 を決 意 した と して も、研 修 が 終 わ り、 いざ 病 棟 に戻 る と、 ・ カ ー デ ッ ク スBを 毎 日深 夜 で打 ち 出 し、 ワー ク シ ー トが わ りに使 う よ うに 、 受 け持 ち ご と に ボ ー ドに は さ ん で い る 。 ・ ナー ス用 の 熱型 表 が あ り、看 護 記録 に は さ ん そ こ に は、 研 修 に 出 か け る前 と ま っ た く変 わ らな い現 実 が 継 続 され て お り、 そ の現 実 の 流 れ に再 び 巻 き込 まれ て で い る。 い って し ま う。病 棟 の 人 た ち が 、どの よ う な研 修 を 受 けて ・ そ の 日の受 け持 ち に応 じて 、カ ー デ ック スB が 振 り分 け られ て い る 。 ・ 連 絡 簿 が な ぐ1枚 の紙 に書 いて 、 そ の連 絡 きた のか に関 心 を示 す こ と も ほ とん どな い 。 しか し、職 場tripは 、こ の 隔離 状 況 を 克 服 し、研 修 会 場 が 不 要 にな れ ば捨 て る こ とが で き る 。 ・ 蓄 尿 プ リン トを打 ち 出 した後 、婦 長 室 の と こ と現 場 に共 振 を もた らす 。第 一 、病 棟 ス タ ッ フは 、自分 の 病 棟 の訪 問者 と接 す る こ と に よ っ て 、 自分 の病 棟 か ら参 う に貼 っ て あ っ て 、 医 師が カ ル テ に 記 入 して い 加 して い る研 修 受講 者 も、 他 の病 棟 を 視 察 して い る こ と を知 って い る 。あ る い は 、受講 生 が 、職 場tripの 体 験 談 を る 。 ・ カ ー デ ッ ク スAを 活 用 し 、下 の空 白 の とこ ろ を有 効 に使 っ て いる 感 じ で 、 処 方 や 処 置 内 容 が 話 し始 め る の を容 易 にす る。 こ う して 、職 場tripは 、研 修 記 載 され て い る。 ・ 退 院 サ マ リーチ ェ ッ ク表 が あ り 会 場 内部 の 「閉 じた研 修 」を越 え 、組 織 全 体 が 相 互 に学 習 、退 院 した ら そ のチ ェ ック 表 に患 者 の 名 前 を 書 い て 、 サ マ リ 一 の記 入 が 終 わ れ ば ×を 書 い て い る 。 ・ ト リプル 制 を と っ て い て 、お 互 い協 力 しあ っ す る組織 学 習 、す な わ ち 、 「開 か れ た 研 修 」へ と連 な って い く。こ の意 味 で も、病 棟 で の リー ダー シ ッ プ発 揮 が 期 待 され る中 堅看 護 婦 の研 修 に、職 場tripを実 施 す る こ と の意 ⑤看護体制 義 は大 き い と思 わ れ る。 て い る。 ・ 準夜 、深 夜 は看 護 婦 が2人 の た め 、受 け持 ち 患 者 を部 屋 ご と に決 め て い る 。 ・ 研 修 医 ご と に輸 液 、 注 射 薬 のBOXが V.参 考文献 ある。 ・ 点 滴 の メ ニ ュ ー ボ ー ドが あ り 、 全 員 の メ ニ ュ 一が把握 し易い。 杉 万 俊 夫 著(1999).集 ・ 投 薬 係 が い て 、シ ス テ ム が しっ か り とさ れ て 合 性 の 理 論 一 グ ル ー プ ・ダ イ ナ ミ ッ ク ス ー,62~70,放 い る。 送 大 学 教 材. ・ 日勤 で 、 明朝 分 ま で 輸 液 を 用 意 す る。 ・ 水 薬 を配 る時 、 薬 杯 にす べ て 蓋 を し て い る。 ・ 抗 生 剤(ド リッ プ用)の 薬 効 時 間 を 見 て 、薬 を溶 く。 ・ 点 滴 、 注 射 薬 の指 示 表 だ け の ボー ドが あ る。 ・ 注 射 薬 は定 数 配 置 で、抗 ガ ン剤 な ど が 医師 ご と に分 けて 保 管 され て い る 。 ・ 点 滴 の数 が す ご く多 い な 。 参考資料 第 一 印象 シー トの実 例(一 あ る 内 科 病 棟 のtripよ り 一) ・ ナ ー ス ス テ ー シ ョ ンが 広 い 。 ・患 者 の ネ ー ム プ レー トを科 別 で 色 分 け して い ⑥薬剤関係 る。 ・ 廊 下 が す っき りして い る。 ①環境 、 全 体 の1/3~1/4ほ ど。 。薬 札 を使 用 せ ず カ ー デ ック ス に記 載 して い る 。 定 時 処 方 の チ エ ッ クは 処 方 箋 で確 認 して い る 。 ・ 処 置 台 の 所 に 白板 が あ っ て、 それ に点 滴 し て ・ 個 室 が15室 あ る 。 ・Sao2モ ・ 内 服 薬 の 自己 管 理 は ・ 同 じ 内科 で も内 服 薬 が 多 いな ニ タ ー が 持 ち 運 び に便 利 な コ ンパ ク い る人 や 、 追 加 の 時 間 が わ か る よ う にな って い トな も の で あ る 。 ・ 部 屋 の 前 や ナ ー ス コー ル な ど て 、 み ん な が わ か る 。 輸 液 箋 は 白板 に貼 って い 、分 か りや す い よ うに ぬ い ぐ る みや リボ ン をつ け 、 工 夫 して い る 。 ・ 内服 薬 に つ い て は 、薬 剤 師 が 毎 日来 て 、患 者 る。 ・ 詰 所 の 物 が 綺 麗 に整 理 され 、 ま た 、テ プ ラー に説 明 を して い る。 で ネー ム もあ り、 綺 麗 な 印 象 。 ・詰 所 内 は 棚 な どで きち ん と整 理 され て いて き (医師 が 指 導依 頼 を され て い る 。 患 者 か ら説 明 を求 め られ る こ と も 少 な くな っ た とか) ・ 点 滴 翌 朝 分 まで を 日勤 の りら ダー が組 み合 わ れ い。 物 品 な ど も適 切 に管 理 され て い る 。 ・ ウ ロ ゼ ン トが あ る せ 、 投 与 す る 前 に受 け持 ち が ミ キ シ ン グ して い 。 う ち に も ほ しい 。 る 。 ・ 検 温(全 検 温)が10時 に 設定 さ れ て い た ・ 申 し送 りは指 示 変 更 の あ った 人 、変 化 の あ っ た 人 と管 理 事 項 。 ・ 朝 の 申 し送 りの前 に 、それ ぞ れ今 日受 け持 つ 患 者 の情 報 収 集 を細 か く行 っ て い る 。 申 し送 り の 内 容 は 、管 理 事 項 、 新 た な 医 師 の 指 示 。 患 者 ⑦ 申 し送 り に 関 して は 、 血 液 内 科 は検 査 デ ー タ を 申 し送 っ て い る。 他 は 重 症 患 者 、変 化 の あ っ た 患 者 。10 分 か ら15分 間 前 後 で 、 全 員 が 聞 く。 ・ み ん な フ リー シー トを持 って い て 、自 分 の受 。午 後 の時 間 が 有 効 に使 え る。 ②看 護ケア ・ 体 脂 肪 測 定 付 き体 重 計 を使 っ て い る 。 ・ ナ ー ス コ ー ル が 非 常 に少 な い 。 ・ 病 棟 に ク ラー ク さん が い て 、 あ る程 度 事 務 を され て い る の で 、 看 護 業 務 に集 中 しや す い 。 ・ 私 語 が 少 な く、 静 か 。黙 々 とみ ん な が 仕 事 を こ な して い る 。 ・ 静 か だ な 一 。 整 然 と して い る な。 ③雰 囲気 け 持 ち で な くて もそ の 申 し 送 りで ポ イ ン トと思 わ れ る こ と を記 入 して い る 。 ・ カ ン フ ァ レ ンス を決 め た時 間 に 、毎 日実 施 し ・ ス タ ッ フ が 黙 々 と仕 事 を され て い て 、 ピ ン と 空 気 が は っ た よ うな 緊 張 感 が あ る。 ・ 静 か で ス タ ッフ 同 士 あ ま り会 話 せ ず 、 きび き び と し 、黙 々仕 事 を して い る。 ・ カー デ ッ ク スA・Bと も有 効 に活 用 して い る。 ④記録 ・ カー デ ッ ク スA・Bを 部 屋 ご と に フ ァイ リ ン ⑧ カ ンファ レ て い る 。 ・ 医 師 との カ ン フ ァ レ ン ス を ンス 、 お昼 の 時 間 に持 っている。 ⑨責任 業務 (責任 係) グ して 活 用 して い る 。 一54一 ・ 責 任 さん が 一 人 で 、 点 滴 の 用 意 を して い る。 次 の 勤 務 帯 の 分 まで 。 大 阪大 学 看 護 学 雑 誌Uol.6No.1(2000) ・ 責 任 係 も患 者 受 け 持 ち を して い る。 ・ 責任 係 が 必 ず 深 夜 勤 務 にな って い る。 ・ 責 任 、 受 け 持 ち の 他 に、 投 薬 係 が い る 。 ⑪新人教育 ⑫婦長業務 ⑭事例検討 ・ 新 人 教 育 は 、項 目別 に看 護 婦 が 分 担 して 行 っ ている。 ・ 婦 長 さん が 、電 話 受 けや 受 診 業 務 に参 加 され て い る。 ・ 第 一 木 曜 日は、POSの 事 例検 討 日 ・POSの 事 例 の検 討 会 は 、全 員参 加 で行 っ て い る。 ・MRSA患 者がいない。 ・ 毎 朝 、環 境 整 備 と し てバ ケ ツ に 水 を は り、雑 ⑮ 感染対策 巾 を持 ち部 屋 を 回 る 。 ・ 日勤 者 が検 温 に 行 く際 、カ ー トの 下 にバ ケ ッ と雑 巾 を 入 れ 、 検 温 毎 に環 境 整 備 を し て い る 。 ・ ク リー ンル ー ム に入 る 患 者 が 多 い た め か 、薬 杯 や 薬 杯 の 蓋 、 吸 引 ピ ン、 ネ ブ ラ イ ザ ー 用 の ジ ャバ ラな ど、 滅 菌 した も の を使 用 して い る 。 ・ ゴ ミ箱 の 上 に籠 を置 き、針 付 き ボ トル の確 認 を して か ら きち ん と捨 て る努 力 が あ っ た 。(3) ・ ゴ ミ箱 の 上 に籠 を置 き 、2段 階 で 上 に廃 棄 さ ⑯ ゴ ミ処理 れ た ボ トル を 看 護 助 手 が針 の な い よ う に点 検 し て 廃 棄 処 理 して い た 。 ・ プ ラ スチ ック 、 ビ ン用 の ゴ ミ箱 に か ごを 置 い て 捨 て て い る。 まず そ れ に 捨 て て 、針 が な い の を確 認 して 、 か ごの 下 の ごみ 箱 に捨 て て い る。 ・ 足 で 押 す と開 くゴ ミ箱(ア ンプ ル 用)が あ る。 一55一
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