町立金山診療所だより ほっとくりにっく72

クリニック
ほっとクリニック
町立金山診療所だより ■
金山町大字金山548−2 ☎52−2915
町立診療所は、夜間休日でも急患診察を受け付けています。具合が悪い場合はいつでもご連絡ください。
ドクター・メッセージ
痛みの治療
金山診療所で 痛外来をはじ
めて半年たちました。頸部痛、
肩こり、腰痛、下肢痛、帯状疱
疹⋮歳だからとあきらめず、痛
みのない健康寿命をのばしたい
ですね。
﹁痛 み は 体 の 危 険 信 号 だ か ら
無くしてはいけない!﹂などと
いうことはありません。痛みそ
東郷ひろみ
れ自体が不眠症や高血圧症の原
因にもなります。動けない↓動
かない↓筋肉が衰えるようにも
なります。そうならないように
痛みを和らげることはとても大
切です。
どこが痛むのか、痛みの強さ、
種類︵ずきずき、重苦しい、ぴ
りぴり⋮︶、どんな時︵朝・夕、
安静時、体動時⋮︶に痛むのか、
どの位続くのか、どうすると楽
に な る か な ど。対 処 の 仕 方 も
違ってきます。帯状疱疹は初期
にきちんと痛みをとっておかな
いと痛み︵帯状疱疹後神経痛︶
が残りかねません。
今回は鎮痛薬についてのお話
です。炎症など熱や
腫れのある痛みには
消炎鎮痛薬︵ボルタ
レンやロキソニンな
ど︶が効果的です。
ただ常用すると胃腸
障害、腎機能障害な
どを引き起こすこと
があるのが大きな欠
点です。
また、さらに強い
NPO﹁モルヒネ友の会﹂発行のパンフレット
鎮痛薬オピオイド︵医療用麻薬
⋮モルヒネ、トラムセットなど︶
も あ り ま す。﹁麻 薬 は 怖 い 薬、
使うと中毒になる、人格が変わ
る﹂とか﹁癌で先が長くない人
だけに使われる薬﹂など、まっ
たくの誤解です。中毒とは特定
の薬物が体内の至適量︵ちょう
どいい量︶を超えた状態になる
こと。くせになること︵=依存
症︶とは違います。痛みのある
方が医療用麻薬を使っても依存
症になることはありません。痛
みが取れてかえって穏やかな状
態になるでしょう。非合法な覚
醒剤と医療用麻薬は違うもの。
そして癌だけに使う薬物でもあ
りません。
現在山形には、癌ではない疾
患で、医療用麻薬のモルヒネを
使っている患者さんたちのNP
O︵非営利組織︶﹁モルヒネ友の
会﹂もあります。会のパンフレッ
トや体験談の冊子を当診療所内
に用意していますので、興味の
ある方は一度ぜひ読んでみて下
さい。
かねやま
2014/10月号
広報
13
町立金山診療所
非常勤嘱託医