5月 優しいクラス作りを目指して 学校長 筒井 豊 新年度が始まって一ヶ月が経ちました。どの学年の生徒も新たな目標を持っ てスタートし、まだそれなりの緊張感を持続しています。新入生は放課後のク ラブ活動も始まり、今は優しく先輩達から手ほどきを受けているところです。 しかしクラブによっては毎日活動するところも多く、体力的にも気力的にも、 少し疲れが出はじめるころではないかと心配しています。 さて新しい学年になり、「果たしてクラスの仲間とうまくやっていけるのだ ろうか」と不安に思う人も多いでしょう。今まで仲の良かった友達と離れてし まったということはよくあることですが、また新たな友達を作り、自分の居場 所を確立することはとても大切なことです。しかし、新しい環境にすぐに馴染 めなかったり、人とコミュニケーションを取るのが少し苦手な生徒もいます。 特にここ十数年、テレビゲームを中心としたバーチャルな世界を一人で楽しむ 人が増えています。たとえネットワークの中で他人と交流を持ったとしても、 画面上の言葉遊びに終わることが多く、人と人とが顔を合わせて会話をすると いうことはありません。これではコミュニケーション能力が身につかないのも 当然です。こうした環境の中、せめて学校は集団生活を通して、コミュニケー ションが自然に生まれ、その力を着実に身に付けさせることができる場であり たいと思っています。生徒同士が互いに思いやりの心を持ち、特に弱い立場に いる仲間に優しく声を掛けることで、クラスの中に信頼感が生まれ、みんなが 気持ちよく学校生活を送れるようになることでしょう。全体を見通し行動でき る生徒を作ることも大切です。各クラスの担任もそういうクラス作りを目指し、 繊細な目で子ども達を見守っていくつもりです。 最後に、家庭の中で子ども達に手伝いをさせる機会はあるでしょ うか。手伝いをよくする子どもは、正義感や道徳心が強く、問題 解決能力が高いという統計があります。教科書の勉強だけでは得 られない、『生きる力』を身に付けるためにも、ぜひ積極的な手 伝いの機会を与えて頂きたいと思います。
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