グリーンボンド

グリーンボンド
気候変動:世界規模の優先課題
温室効果ガスの排出削減に向けて協調した取り組みが行われなけ
れば、地球の気温は今世紀中に4℃上昇する可能性があります。
もしこれが現実のものとなれば、かつてない規模の熱波、干ばつ、
洪水が発生し、途上国の人々の繁栄は達成できなくなり、過去数十
年に及ぶ開発による進歩も無駄になるでしょう。
気候変動による影響を緩和し、それに対処するために途上国が必
要とする資金は、毎年1,000億ドルにのぼります。この世界規模の
優先課題への取り組みに必要な資金と独創的なアイデアを提供す
る上で、民間セクターは重要な役割を果たすことができます。
世界銀行グループの一員であるIFC(国際金融公社)は、途上
国の民間セクター支援に特化した世界最大の国際開発金融
機関です。
IFCは民間セクターへの投融資資金の提供のほか、国際金融
市場における資本の動員、事業や政府への助言サービスを提
供することで、途上国の持続可能な成長達成を支援していま
す。
IFCは新興市場における民間投資の収益性を証明することで、
触媒的(catalytic)な役割を果たしています。
「貧困から脱出し、生活の向上を図る機会は、誰にも与えられ
IFCは、気候変動対策プロジェクトに対する民間資金活用策の検討、 るべきである」というのが、IFCのビジョンです。
革新的な技術開発への資金援助、エネルギー効率の向上と再生
可能エネルギーへの転換促進を通じて、気候変動対策への支援を
進めています。
資本市場を活用した民間セクターのソリューション支援
IFCのグリーンボンドは、魅力的な投資提案と気候変動対策プロ
ジェクトを支援する機会とを結び付けています。2015年11月現在、
IFCは10種類の通貨建てで48本のグリーンボンド(総額43億ドル相
当)を発行しています。
IFCは2010年からグリーンボンドの発行を始め、ベンチマーク・グ
リーンボンドを定期的に発行しています。2013年には2本のベンチ
マーク・グリーンボンド(各10億ドル)を発行し、発行当時の段階で
市場最大のグリーンボンドとして先鞭をつけたことで、市場の地盤
固めにつながりました。それ以降、IFCはさまざまな通貨で積極的に
発行を続けています。例えば、オフショアルピー市場初のグリーン
ボンドとして、グリーン・マサラ・ボンド(5年債)をロンドン証券取引
所に上場し、インドでの民間セクターによる気候変動対策プロジェク
トへの投資に31億5,000万ルピーを調達しました。同様に、5億人民
元のグリーンボンドをオフショア市場で、4,200万ペルーソルのグ
リーンボンドをペルーの国内市場でそれぞれ発行し、いずれも当該
市場で国際機関が発行する初のグリーンボンドとなりました。さらに、
2015年11月には再び米ドル建てで5億ドルの3年債を公募発行しま
した。
IFCの強み
• 世界銀行グループの一員
•
資本金が全額払込済である唯一の国際機関
•
潤沢な資本と高い流動性による強固な財務基盤
•
グローバルに分散したポートフォリオ - 120カ国、
2,000社以上の企業に投融資
•
バーゼル規制におけるIFCのリスク・ウェイトは0%
•
184の加盟国政府が出資、資本の約60%をAAA/AA格の
国々が出資
•
スタンダード&プアーズおよびムーディーズは一貫して
AAA/Aaa(見通し「安定的」)に格付け
IFCグリーンボンドによる調達資金:
多様なプロジェクトを支援
IFCグリーンボンドからの調達資金は分別管理され、途上
国における再生可能エネルギー、エネルギー効率化、そ
の他気候変動対策プロジェクトを対象とした融資のみに割
り当てられます。
ヨルダン:太陽光発電開発の促進
ヨルダン政府は、国家再生可能エネルギープログラムを通して、
再生可能エネルギーによる発電量を2020年までに10%に増加す
る目標を掲げました。ヨルダンは優れた太陽光資源に恵まれてい
るものの、実用規模としての太陽光発電量は極めて少なく、民間
セクターの出資による電力網接続型の太陽光発電プロジェクトは
ありません。同国の太陽光資源を活用し、再生可能エネルギーに
よる発電を促進するために、IFCは2億7,000万ドルの長期融資
パッケージを提供し、中東・北アフリカ地域最大の民間セクター主
導太陽光発電プログラムを支援しています。「The Seven Sisters」
と呼ばれる7件のプロジェクトのうち、5件のプロジェクトはグリーン
ボンドの適格プロジェクトです。当該プロジェクト全体の発電量は
最大102MWになる予定です。
パナマ:電源の多様化
エネルギー需要の高まりを見せるパナマは、輸入石油によ
る発電のほか、水力発電に大きく依存しているため、乾季
になると安定的な電力供給が困難になります。発電分野に
おける気候変動に強靭なインフラへの投資は、この先10年
間のパナマの経済成長を支援する戦略的なものです。IFC
はPenonomeプロジェクトを通して、中米最大の風力発電
所の建設を目的とした長期的な資金提供を行っています。
運用が開始 されると 、86基 の 風力タービンで設備容量
215MWになる同発電所は、パナマのエネルギー需要全体
の約5%に相当する電力を発電する見込みです。本プロ
ジェクトの費用は総額4億2,500万ドル近くにのぼり、IFCが
アレンジした融資にはIFCの自己勘定による融資9,900万ド
ル、管理共同融資ポートフォリオプログラム(MCPP)による
融資6,000万ドル、シンジケートローンによる1億4,400万ドル
が含まれます。
「グリーン(環境配慮型)」と見なされる投資とは
グリーンボンドによる資金調達の対象プロジェクトを決定するIFC
の選択基準は、オスロ国際気候環境研究センター(CICERO)の
認定を受けています。その基準は以下のとおりです。
再生可能エネルギー:再生可能資源のエネルギー利用を可能
にする設備やシステムへの投資。これには、太陽光、風力、水
力、バイオマス、地熱、潮力等が含まれます。
エネルギー効率化:生産単位当たりのエネルギー消費削減に
役立つ設備、システム、製品、サービスへの投資。これには、
廃熱回収システムの設置、送配電損失の削減、エネルギー効
率の高いモーターの開発等が含まれます。
その他:その他の方法で温室効果ガス(GHG)排出を削減する
投資。これには、持続可能な林業およびアグリビジネス、メタン
の回収/フレア処理または利用、二酸化炭素回収・貯留等が
含まれます。
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2015年11月