平成26年度胆江地域県立病院運営協議会会議録

平成26年度胆江地域県立病院運営協議会会議録
1 開催日時
平成26年12月24日(水) 14時00分から16時00分まで
2 開催場所
岩手県立胆沢病院大会議室
3 出席者(敬称略)
(1)委 員
佐々木 努
郷右近 浩
後藤
完
及川 幸子
小沢 昌記
髙橋 由一
藤原 信明
工藤 洋子
関谷 敏彦
青木淳一郎
高野 紀代
髙橋 宏子
佐々木祐子
明神キヨ子
千葉
聡
以上、15名の委員出席
(2)事務局
医療局
医療局長
佐々木 信
業務支援課総括課長
小笠原 一行
医師支援推進監
佐々木 勝広
経営管理課主査
北田 善伯
胆沢病院 院長
松本
登
事務局長
総看護師長
外舘 幸子
副院長
副院長
半田 政志
副院長
副院長
清水 幸彦
副院長
救急医療科長 渋谷 俊介
事務局次長
医事経営課長 久慈 一広
総務課長
江刺病院 院長
川村 秀司
事務局長
総看護師長
廣田
勝
副院長
事務局次長
阿部
誠
4 会議
(1)開
会
村田
健
松井 秀明
勝又宇一郎
郷右近祐司
髙橋
広
藤本
繁
盛合
健
佐々木英夫
(2)委員及び職員紹介
(3)会長・副会長選出
会長に小沢昌記奥州市長、副会長に髙橋由一金ヶ崎町長を選出。
(4)会長あいさつ(小沢昌記奥州市長)
慣例によりということで、暫時の間、私がこの協議会の会長として本日の会議の進行役を務
めさせていただきます。なかなか頻繁に開催できる協議会でもないということもございますけ
れども、県立病院の果たすべき役割というのは非常に重大かつ命にかかわる部分、あるいは住
民の安心安全にかかわる部分でございます。限られた時間ではありますけれども、委員各位の
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それぞれのご意見などをしっかりと頂戴、ご提出いただきながら胆江広域における県立病院の
役割がさらに充実、そして発展に資する会議にいたしたいと思っております。事務局、両院長
を初め皆様方のご協力を心からお願い申し上げ、冒頭の挨拶といたします。本日は皆様どうぞ
よろしくお願いいたします。
(5)院長あいさつ
(松本胆沢病院長)
胆沢病院の松本です。
本日は足元の悪い中、当協議会に参集いただきまして、まことにありがとうございます。
この地域の県立胆沢病院と江刺病院ですけれども、両病院の運営につきまして、今後どうした
らいいかというのをいろいろご検討いただきたいと思います。本日は胆沢病院からは救急の問
題、現状について話がありますので、よろしくご協議ください。よろしくどうぞお願いします。
(川村江刺病院長)
皆様お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。今年度、江刺病院長を拝
命しました川村と申します。これからもよろしくお願いします。
冒頭に先立ちまして、当院では、8月に食堂と売店が撤退となりまして、患者さん、ご家族
に大変ご迷惑をおかけしているところです。現在、総力を挙げて調整を図っているところです
けれども、もうしばらくお待ちいただきたいと思います。本当に申しわけありませんでした。
今年度私が院長になりまして、今後どうしたらいいのか、暗中模索の中ではありますけれど
も、これから地域医療をどうしたらいいかというのを考えております。奥州市江刺区地域医療
連携福祉懇話会というのを立ち上げまして、それを中心に今後医療と福祉が本気になって連携
をしなければならない時代に来ていますので、それを私たちが音頭をとって橋渡しになればと
考えております。今日はご協議のほどよろしくお願いいたします。
(6)医療局長あいさつ(佐々木医療局長)
医療局長の佐々木でございます。運営協議会委員の皆様方におかれましては、日ごろから県
立病院運営に対しましていろいろとご支援、ご協力をいただいており、この場をお借りして改
て感謝申し上げます。
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医療局は、おかげさまで発足以来65年目に入ることになりました。「県下にあまねく良質な
医療の均てんを」という創業の精神を受け継ぎながら、より信頼され愛される病院づくりを進め
るためにいろいろ取り組んでおります。当胆沢病院につきましては、本日の資料でも出ておりま
したけれども、地域医療支援病院の承認を受けて、より一層地域のかかりつけ医の先生方と連携
しながら地域全体での医療を支える、そういう役割を担うという位置づけが明確になったところ
であります。また、江刺病院につきましてもその持っている機能を果たしながら地域の皆様方に
愛されて病院運営を行っているものと承知しております。
我々は、病院運営を進める中で4つの基本方針を立てておりまして、1つが患者本位、それか
ら2つ目が職員重視、3つ目に不断の改革改善、4つ目が地域との連携というものを掲げており
ます。まさに地域との連携、今医師不足等、限られた医療資源の中でどうやって地域医療を守っ
ていくかということになりますと、やはり開業医の先生方、地域の医療機関との連携、さらには
福祉、介護施設との連携がより重要になると思っております。そういったことで、地域との連携
の一つとしてこういう運営協議会というものもセットしておりますので、今日はぜひ忌憚のない
ご意見をお聞かせいただいて、それを今後の病院運営に反映させていきたいと考えておりますの
で、どうぞよろしくお願いいたします。
(7)報告及び協議事項
胆江地域県立病院の運営について
別紙資料により病院運営方針等について各病院事務局長から説明
【意見・質疑応答等】
(後藤完委員)
在宅訪問診療についてお尋ねをしたいのですが、今の説明によりますと、体制が不備だとい
うことしか聞こえてこなかったのですけれども、これには診療報酬の改定が今般ありましたよ
ね。この関係はどの程度あるのか。
それから、在院日数の関係で在宅診療の方もおられるのはもちろんですが、要介護の方ある
いは認知症の方、外来診療の不可能な方々をどのように救っていくかということが、多分に多
いと思うのです。これは県立胆沢病院だけではなくて、市町村立病院あるいは開業医も含めて、
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やっぱり早い時期に体制整備をしないと大変なことになるのではないかという思いがありま
す。今後の対応について、もう少し具体的にわかればお願いしたいと思います。
(村田胆沢病院事務局長)
診療報酬の今回の改正において、一部につきましては在宅医療関係が家から家、もしくは施設
内の改定がかなり厳しいものになっているということで、東京方面、関東方面ではかなり手挙げ
をする人が少なくなっているというような話も聞いております。特に施設関係者とか、有料老人
ホームみたいな、要するにそこの1カ所にいて何人も診るような場合については診療報酬上、な
かなか算定がしづらくなったという話を聞いておりまして、それらについては医師会等のほうで
再度要望して、そこら辺の減になった分を補うようなことを考えていってほしいというようなこ
とが話されております。施設関係とか、訪問診療する方が近くにいればそういうことになります
けれども、診療報酬的には、基本的には在宅関係に手厚く措置はされております。1点そこら辺
がネックになっているというふうに聞いております。実際に私たちが在宅医療で訪問しているわ
けではございませんので、大変申しわけございませんけれども、詳細についてはちょっと控えさ
せていただきたいと思います。
(川村江刺病院長)
先ほどの件ですけれども、まさしくそのとおりです。早目に対応しないと、平成30年に診療
報酬と介護報酬が同時改定になります。ですから、それまでに体制を市町村で整えておかない
と、それに合ったような仕組みがもうつくれないでは、今まで何していたのだと厚労省から言
われると思います。ですから、そうならないように、先ほども言ったように江刺区の連携地域
懇話会を立ち上げたわけですけれども、まだ始めたばかりです。今までは医師会のほうが一緒
に入っていませんでしたので、今後開業医の先生たちも巻き込んでやらないと、これはもう全
くやっていけない状態です。先ほども言ったように一関と北上にはちゃんと在宅の専門医、診
療所がありまして、24時間体制でやっているのですけれども、こっちにはないのです。ですか
ら、その先生をどうかしたいのですが、手を挙げる先生がいない。
はっきり言って申し上げますと、本当に申しわけないのですけれども、我々医学というのは救
命というところから医学を学んできました。ですから、在宅になりますとそういう看取りとか、
そういうのはやっぱりそこまでは興味が湧かない先生がおられるわけです。ですから、そこを
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何とかして、ではみんなでやろうかということでこういう連携が始まったのですけれども、ま
だ立ち上げたばかりですので、もうしばらくお待ちいただきたいなと思います。これは医師会
を通じて着実に進める予定ですので、そこはしっかりと見ていきたいなと思います。もちろん
認知症も、それもそうなのですけれども、認知症になってきますと、今度は介護のほうのフォ
ローが必要です。訪問の看護とか、それからヘルパーさんが多く必要なのですけれども、それ
に対応するとなるとかなりの職員数をやらなければなりませんけれども、ただ奥州市はまだま
だ不足しておるのが実態なものですから、そこも連携をとりながら考えていこうかなと思って
おります。
(及川幸子委員)
大変な状況下の中で、人口減少という問題は大きく取り沙汰されておりますが、この人口減
少ですけれども、やっぱり若い人が安心して子供を産み育てるということができるように、子
供たちが病気をして、今かかりつけという病院があるにもかかわらず、入院する場所がないと
思うのです。そういう中で、先生には余り病院をあちこち動かないで1カ所に定めるようにと
言われますけれども、なかなかそれも難しい状況の中で、この県立病院の小児科の入院ですけ
れども、どのように対応されているのか。それから、やっぱり安心して産み育てるという面で
は、産婦人科も大変不足していると思います。この病院には、県立病院には産科の入院の施設
もあるのですが、その後の医師対策についてお伺いしたいと思います。まず1点です。
(松本胆沢病院長)
ただいまの質問にお答えします。
胆沢病院では、小児科医はいますけれども、1人だけです。たった1人です。それで、入院は
やっていますけれども、必要最小限にしています。
産科に関しては、今大学と交渉していますけれども、産科はチームとしてしか出せないとい
うことで、胆沢病院は今引き続き交渉中です。今はいません。
(川村江刺病院長)
江刺病院も前は産科と小児科あったのですけれども、小児科は当時1人体制で、やはり家庭
の事情でおやめになりましたし、婦人科もそういう状況でおやめになりました。ただ、産婦人
科に関しては週1回大学のほうから応援が来ております。あと近くに、おいなお医院がありま
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して、江刺区はそれで対応しております。医師確保の目途は立っておりません、一応公募はか
けているのですけれども。
(及川幸子委員)
では、今ですと里帰り出産はできない状況ですよね。
(川村江刺病院長)
江刺区の場合は、おいなお先生のところで診ております。里帰り出産は、江刺病院ではできま
せん。
(及川幸子委員)
ありがとうございます。それから江刺さんですけれども、私は県議会でも聞いたのですけれど
も、売店と食堂が一回になくなるというのは突然のことだったので、患者さんも、もちろん職員
さんも困っているという状況です。大変な努力だと思うのですが、医療局さんと連携しながら、
もうけないのはわかるのですけれども、
もうけないからといって、
取り上げていいものかどうか、
その辺のところをお聞かせいただきたいと思います。
(川村江刺病院長)
実はこちらから撤退してくれと言ったのではないのです。採算が合わないということで、テ
ナント側から、どうにか撤退したいと、そういう話がありました。病院事務局で交渉し、その
後数カ月先延ばしてもらったのですけれども、最後には撤退されて、今の状況になっているも
のです。
(及川幸子委員)
今後はどのようになりますか。
(盛合江刺病院事務局長)
今、公募しておりますけれども、最初に地域の業者さんをということで、県内の業者さんを
対象にいたしまして公募をいたしましたが、その公募に応募してくれる業者さんがありません
でした。
そこで、現在は県外も含めて業者さんを探しておるというようなところでございます。まだ
2回目の公募の期間中ということで、病院ではなるだけ早く業者を決めたいところなのですけ
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れども、今公募中というところでございます。
(及川幸子委員)
医療局長さんもいらしています。私は、質問しまして、前向きに検討していると思うのです
けれども、急がないと、これは評判が大変悪いので、その辺のところをちょっとお聞かせいた
だきたいと思います。
(佐々木医療局長)
先ほども説明ありましたとおり、テナントについては病院として、例えば委託しているとい
うことではなく、いわゆる場所貸しなのです。場所を提供しますので、そこで営業していただ
ける方ということで手を挙げてもらってやっている中で、今回、江刺の食堂と売店の業者さん
が、業者さんの事情でこれ以上続けないということで撤退になったということであります。
我々としてはやはり少なくとも売店はないと入院患者さんあるいは外来で来た方にとって
も不便だろうということで、何とかテナントに入っていただきたいなと思っているのですが、
何年か前にもテナント業者さんの選定についていろいろご議論をいただいていたところもあ
って、まずは地元優先ということで、公募方式で地元の方に手を挙げてもらって、そこで決ま
ればぜひお願いしたいと。地元の方で手を挙げる方がいなければエリアを広げてやるしかない
ということで、そういった段階を踏んだ形でやっておりますので、遅れてご迷惑をおかけして
いるかと思うのですけれども、そのテナントに入っていただきたいという気持ち、それから業
者選定に当たっては透明性、公平性の観点から、なおかつ地元優先という考え方も入れながら
進めてきておりまして、これは我々も当然手をこまねいているわけではなく、病院と一緒にな
って、地元の商工会の方の代表のところに行って、どなたか手を挙げる方いませんかとか、そ
ういうことでご相談申し上げている中での話ですので、ご迷惑はおかけしておりますけれども、
何とか業者決定に至りたいなと思っております。そういった状況でございます。
(郷右近浩委員)
先ほど後藤委員のほうから質問があった訪問診療についての部分なのですけれども、あのと
きは医療点数であったり、そちらのほうの観点であったというふうに思うのですが、私は別の
考え方でちょっとお聞きしたいのですが。
といいますのは、この地域で入院していて、確かに胆沢病院さんが12.何日間かで退院とい
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うことになるというのは私自身も大体肌で感じて、周りの方々の動向を見ていて思っておりま
す。もちろん県立病院がそのような形で、長くても3週間ほどで大体退院してくるといったと
きに、今度は受け入れるところというのがやはりない。なかなかないというような現状におい
ては、そのときはどうするのだと。県立病院がずっと置けるような形での体制をとっていただ
いて、長く見ていただくという方法が一つあるのだろうなと。そうでなければ、やはりどうに
かして在宅であったり、次の受け皿をどうにかつくっていかなければいけないというような部
分については、ものすごく緊急性があるのだろうというふうに思っていました。
先程は、訪問診療に関連してでしたけれども、その中で30年をめどにそのようなシステムと
いうか、考えていくといったお話でしたけれども、実はもっと急を迫られているというか…
(川村江刺病院長)
そうです。
(郷右近浩委員)
ものすごいそうした感がありまして、そこについてまず現状での地域での、先程は、お話の
中で一関であったり、北上にはそういった病院もあるしというお話ありましたけれども、今行
われている部分でのそうした訪問診療というよりも在宅診療ですね、そうした部分に関連する
部分でやっていることの取り組みというのは、先ほどのケアの部分で2件あったというような
お話だけなのでしょうか、どのような現状になっているかお知らせいただきたいと思います。
(松本胆沢病院長)
胆沢病院の現状をお話しします。
胆沢病院では、退院した患者さんの在宅に関しては、金ヶ崎の地域ですと金ヶ崎の町営診療
所に依頼していますし、
あとは胆沢区であればまごころ病院等にお願いしています。
当院では、
入院患者のケアで手いっぱいで、なかなか在宅に回す人はいませんので、できないのです。そ
ういう状況です。
(川村江刺病院長)
江刺病院に関しては、患者さんの希望があれば在宅での訪問診療、それと看取りもやってお
ります。昨日も夜、私一人で看取りに行きました。ですから、患者さんが希望するのであれば、
そういう体制には今なっていますけれども、これから高齢者が多くなってくるとどんどんそうい
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うドクターも必要になってきます。その体制を今度は医師会に投げかけて、いろいろ協力し合い
ながらというふうに思っております。
ただ、まだ現実、一般の方々が、では在宅で高齢者を看取るというところまでまだ普及してい
ませんので、その啓蒙も必要かなと思っております。
やはり最後は、現状で8割は病院になっていますので、厚労省はそれを引き下げたいと、それ
を狙っている意図があります。
(郷右近浩委員)
ありがとうございます。非常に難しいところだと思います。先程、村田事務局長のほうから
お話あった説明の中でも、胆沢病院で取り組んできた中での在宅緩和ケアの部分でも、ではそ
れをやるときに勤務をしていて、勤務医の先生方が勤務をしていて、その勤務外の時間に行っ
てということにどこまで病院としてたえられるのか。そうすると、そのときに病院の体力をど
のようにつけていかなければいけないのかというのは非常に難しい。逆に病院が体力をつける
のであれば、病院の中で処理できるような部分でもあるでしょうし、だからそこのバランスと
いうのは非常に難しい。だから、そうなってくるとやはりきょうは医師会の会長さんも委員と
していらっしゃっておりますけれども、地域のそれこそ開業医の先生方との本当に綿密な話し
合いであり、ただそれも時間をなるべく置かずに進めていかなければいけないというふうに思
います。
昨年までですか、地域連携の医療会議ですか、あった際に、クリティカルパスやら、そう
したことでこの数年間で大分導入が進んだというか、話が進んできたなというふうに思います
けれども、そうしたもの、そしてさらにはそれを進めていって、今度は地域の医師会と、さら
にもうワンステップ進んだところまで話をぜひ進めていっていただければなというふうに思
うわけでありますけれども、ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、1年で何か見えるもの
というか、そうしたぐらいのスピード感で頑張っていただければなというふうに思いますが、
コメントいただければなと思います。
(松本胆沢病院長)
どうもありがとうございました。
それで、
当院でも開業の先生と協力してやっていきたいと、
そういう希望はありますので、今後そういう道筋をつけていきたいと思っています。よろしく
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どうぞお願いします。
(小沢昌記会長)
川村先生のほうからも何か、先ほどのお答えであれですよね、もしあれであれば関谷先生が
お見えですから、医師会長としての立場でなく、委員の立場でもどちらでもいいのですが、少
しお話をお聞かせいただければ。
(関谷敏彦委員)
ちょっと立って話させていただきます。その他のところで話させていただこうと思ったので
すけれども、今委員の先生方からいろんな話が出て、私もことしから、6月から医師会長をや
りまして、川村先生も本年度から理事になってもらいました。江刺病院からは、今まで佐々木
副院長が理事になっていまして、今度は川村院長に理事になってもらって、そのときに川村院
長にお願いしにいったときに、「先生、在宅どうするのだ」という話が出ました。自分も考え
ていたのですけれども、実際に自分が動けるかというとなかなか医師会もいろんな仕事を持っ
ているのです。それで動けないということありまして、それはそのときに川村先生に在宅のこ
とをもうちょっと、江刺だけではなくて奥州全体として考えていこうということでお話ししま
した。
江刺でそういう会議にも出てきましたけれども、胆沢のほうもそういうのがあります。まご
ころ病院というところもあるし、金ヶ崎もそれはもうやられています。ですから、そういうも
のを、そこに各病院のいいところを全部結集し合って、ネットワークづくりを今図っていると
ころです。どんどんそれを広げて、それは実際に実行させていただいています。まだ本当に始
めたばかりなのですけれども。ただ、開業医に関してもその部分に関しては、一つの輪がばら
ばらではなくて、奥州金ヶ崎地区の大きな輪になって、漠然としているのですけれども、そこ
に今度は医師会の協力できる人たちも入っていこうと、そういうネットワークづくりをしよう
と、それは考えております。
ですから、それは川村先生にある程度たたき台をつくってもらっていますし、急がなくては
いけないのはわかっております。ただ、本当に先ほど報酬がどうなのだと言うけれども、在宅
をやる先生がいても、余りやり過ぎると今度は点数が高いということでやられるのです。それ
をすごい怖がっている先生たちがおられるのが事実です。それが一つありますから、もうしば
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らくお待ちください。医師会もそれは全面的に協力させていただいております。
それから、先ほど及川委員のほうからも言われたように、医師会は小児科、小児夜間救急を
やっているのです。これをなぜやったかというと、胆沢病院とか水沢病院の小児科とかには負
担かけないように、せめてその時間帯にはできるようにとやったのがきっかけなのです。とこ
ろが、ある病院では小児救急もう受けられないという話にもなってしまっているし、今胆沢病
院も1人の先生ですけれども、ご高齢の先生で、では小児夜間やっていてもバックがないと非
常に怖いわけです、何かあったときにはどこに運ぶのだと。では、胆沢病院に今まで運んでい
たけれども、胆沢病院に運んで全部受けてもらっても小児科の先生がいないと、小児科の専門
でないとわからない。もちろん先ほど奥州市の人口の話があったように、そうすると里帰りし
てきて、婦人科はあります、開業医の先生。ただ、そこでもし、これはちょっと難しい手術だ
からとか、そういう場合に、緊急の場合に婦人科の病院はどこにあるのですかという話になっ
てしまいます。
僕も、後でその他で頼もうと思っていたのですけれども、ここに市長さん、町長さん、それ
から県議会の先生たちもおられます。一丸となって、これは各院長とか、医師会あたりで一生
懸命頼んでもなかなかまとまらないのですけれども、これ奥州金ヶ崎地区が一つになって、胆
沢病院がもっと、僕的に言ったら高層化ですね、1名だけではなくて婦人科にしても何名か、
小児科も何名か、ある程度の二次も全部受けてもらえるような病院になってもらいたいという
のは、これは医師会員全員なのです。そのためには、医師会だけではなくて行政の皆さん、そ
れから医療局の方にもお願いしなくてはいけないし、もちろん大学とか、そういうところにも
お願いしていかなくてはいけないし、そのつもりあります。ですから、ぜひご協力をしていた
だきたいと思っていますし、自分はわずかの時間なのですけれども、みんなの力を合わせてど
うにかそこを乗り切りたいと。本当に安心して、でないと安心して子供を産めない、子供を産
んでもどうするのだと、皆さんの娘さんが帰ってきたときとか、そういうときにどうするのだ
と、絶対大丈夫、安心しなさいと。今だったら、東京にいたほうが安心だよという話になって
しまうではないですか。そういうことのないようにしていきたいなと、これが僕の、医師会長
になったのですけれども、自分のやりたいなと思っている希望の一つなもので、ぜひそのとき
には一丸となってご協力願いたいと思っております。
(小沢昌記会長)
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関谷先生ありがとうございました。
どうぞ、川村先生お願いします。
(川村江刺病院長)
先ほどの郷右近委員からのあれなのですけれども、胆沢病院あるいは江刺病院でドクターが
そういう在宅を担ってくれればいいというのをちらっと言いましたよね。
(郷右近浩委員)
にしても大変でしょうと。
(川村江刺病院長)
そうです。確かに我々急性期病院ですから、急性期病院は午前中は外来がある。あとは午後
は手術、あるいは内科であれば検査ということで、やはり役割分担というのがありますので、で
すからそういう急性期以外の先生が訪問在宅診療をやってくれればいいのですけれども、先ほど
言ったように奥州市はないものですから、
手を挙げてくれる先生がいれば最高なのですけれども、
なかなかそうやってくれる先生はまだいないものですから難しいところですけれども、ただそれ
は医師会を介しながら、協力し合いながらどうにかしたいなとは思っております。
(郷右近浩委員)
関谷先生、どうもありがとうございました。そうした意味でというか、わかっています。胆
沢病院さんが、今の状態でそこまでできないだろうなというのももちろんわかっております。と
いって、開業医の先生方がそれを今すぐ、例えば訪問であったりというのはなかなか難しいのだ
ろうなということもわかります、おっしゃられることも。であれば、例えば胆沢病院が2時まで
きっちり診れるような形になればいいのか。それも逆に言うと、岩手県という中で、もちろんこ
の地域の医療をどう考えるといったときにそこまで発展できればいいわけですけれども、岩手県
全体の医療を考えたときに、そのときに恐らくこの地域というのは医療資源としては恵まれてい
ると県内では言われているほうだと思います。そうしたときに、ここを二次まできっちり胆沢病
院が管理できるような、そうしたものにしていくのだということというのは、県全体で見たとき
には比較的難しいのかなと。あってほしいですけれども、そうなってほしいという思いは物すご
く強いです。しかしながら、難しいのではないかといった思い。となると、今ある医療資源の中
で何とかして診ていかなければいけない。だとすると、先程、ここのかかりつけ医といった部分
がありますが、例えば私の母方の祖父もやっぱり亡くなる前はドクターが家に来ていただいたり
しながら診ていただいていたと。その延長線上みたいな形で、そうしたかかりつけ医の先生方が
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亡くなる前も少し診に来ていただいたりというところの延長線上で持っていけないかなというの
が正直なところの思いです。そして、そのシステムをどこまで延長線を延ばしていくかとか、そ
うしたものを早目に何かしら話ができるような形であれば進むのかななんていうことを漠然と思
いながら、そうしたことを思いながらこれから議論していくといった先ほどのお話の中にぜひ入
れていっていただきたいなといった思いで、なるべく急いでやっていっていただければという思
いでございますので、よろしくお願いいたします
(松本胆沢病院長)
どうもありがとうございました。確かにそのとおりで、急ぐのですけれども、現在医師会の
ほうにもそういったかかりつけ医の手挙げをお願いしていますし、胆沢病院で二次救急は全部
診ようと思っています。それはそのとおりです。
(小沢昌記会長)
協議の議題については、救急の現状等もありますけれども、協議は(3)のその他というと
ころまで協議を議題として持っていこうと思いますので、まだご意見、ご質問等あるかもしれ
ませんけれども、一旦ここで区切らせていただいて、(2)番、胆沢病院の救急の現状につい
てという部分を議題といたしたいと思いますので、事務局より説明をしてください。
渋谷胆沢病院救急医療科長より胆沢病院の救急の現状について説明
(小沢昌記会長)
渋谷先生ありがとうございました。ご苦労をおかけしております。
現場で担当されている先生の直接の声を聞くと、私も奥州市の市長としては本当に申しわけな
いなというか、ご苦労をおかけしているなということで、できる部分については会長の役をお
りて、市長として努力をしたいと思います。ご苦労をかけますが、よろしくどうぞお願いいた
したいと思います。何とか改善に向けて、私も努力をしていきたいと思います。
それでは、この救急についての部分でございますが、皆様のほうからご質問あれば、ある
いはご意見があればご発言をお願いします。
(松本胆沢病院長)
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さっき二次輪番をどうするかという話が出ましたけれども、二次輪番はどうすればいいので
すか、渋谷先生の案はありますか、何か二次輪番について。
(渋谷胆沢病院救急医療科長)
二次輪番制度というのがありまして、当院は大体1日置きに二次輪番、急患の振り分けとい
うことですね。救急車をとるというのを2日に1遍当番でやっておりまして、2日に1遍はほ
かの他院に回っているという状況ですけれども、やはり重症例というのは本院でしか診れない
というような症例もたくさんあります。例えば心筋梗塞とか、そういったものがありまして、
最初から当院のほうに重症例が回ってくるということで、最近はどちらかというと二次輪番制
度自体がちょっと形骸化してきているというのが実情でして、救急車も全部が重症というわけ
ではなくて、やはり軽症例、帰れるものとか、余り大した検査も要らないようなものもあると
いうことなので、とりあえず輪番制度の中で本院としてはバックアップで全て重症例は受ける
ということで、毎日輪番でいいのですけれども、軽症例ですね、救急隊が判断して、これはち
ょっと軽症例だから他院でもいいのではないかというようなものをその他の病院で、輪番で受
けていただければ少し改善ができるのではないかというふうに私は考えております。
(松本胆沢病院長)
一次と二次をちゃんと分けてということですね。わかりました。どうもありがとうございま
した。
(小沢昌記会長)
わかりました。
では、町長さん。
(髙橋由一委員)
胆沢病院さん、江刺病院さん、大変お世話になっております。
今、小沢市長申し上げましたように、なかなか申し上げづらいことがいっぱいございますけれ
ども、今話題になりました救急体制の問題ね、これは医療圏の中核病院としての胆沢病院さん
あるいは江刺病院さんがいろんな意味で苦労をしながらもこれを何とかクリアしたいと、こう
いう努力されているわけですよね。それに対してこの協議会あるいは私ども行政がこういう点
では協力してほしい、あるいは行政組合が救急搬送するに当たっての対応としてはこうしてほ
しいとか、いろんな組み立てがそこで必要なのだろうと、こう思います。
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この解決策の最後にお聞きしようと思った二次の関係の輪番の問題ですね、こういうのは早く
手をつけてやらなければならないのではないかと、こう思いますし、盛岡一極集中の救急医療
センターの体制ではなくて、やっぱり県南にもつくると、佐々木局長さんがおいでになってい
ますのでね。県としての体制と、医大さんとの体制、両方の組み立てが必要なのだと思います
けれども、地域の広域化、県がこのとおり広いわけですから、県南としてどうするか。胆江医
療圏だけの問題ではなくて県南としてと、こういうサイドでこの問題を解決しなければ、お医
者さんが、さっきお話があったようにやめるとかやめないとかの問題ではなくて、もう疲れた
と、こういう状態になるのではないかと思います。現実に今もそういう状態ではないかと、こ
う思いますので、お医者さんを楽にと、そういう意味ではないですが、仕事の量を幾らかでも
減らせる、あるいは休む時間と申しますか、夜勤務して、また翌日午前勤務するとか、こうい
う勤務態勢そのものにも大きな課題もあるのだと思います。しかし、現実にそうしなければや
っていけないというのもそのとおりだと、こういう問題がずっとここまで来て濃縮されて、い
よいよ大変だと、こういう事態だと思いますので、私たち行政でもいろんな視点での対応が必
要なのだろうと思う中で、さっきご紹介ありましたこの12月からスタートいたす事となった地
域医療支援病院の問題ですね、4番目。非常に経営努力をされ、松本院長さん初め、皆さんが
こういう決意をされたわけでございますし、私は中核病院としての機能をどう果たすかという
のと支援体制をどう組むか、我々行政とどういう連携をするかと、医師会長さんは事情あって
早く帰るからと、こういう話だったけれども、先ほど医師会長さんがお話しされましたように、
医師会としてもこうしたい、あるいはこうありたいという願いあるいは期待をお話しされまし
たので、私は具体的に病院の、2つの県立病院の運営協議会ですけれども、それだけではなく
て江刺さんで立ち上げた懇話会のような、あるいは地域医療連携のような形のものをもっても
っと拡大をし、参加者が具体的に役割分担をする人たちがお集まりになって詰めなければ、私
はこの問題はまた1年先送りになると思うのです。せっかくの支援病院としての認定あるいは
機能を果たそうという努力をされてきたわけですので、新規に病院内で経営戦略プロジェクト
をおつくりになると、こういうことですから、そこのところで検討される部分もあると思いま
すけれども、やはりそれぞれの分担をというその役割を担う人たちが具体的にそういう責任の
ある、あるいは方向性を持ちながら、ここまではこういうふうにしようという自分たちの役割
分担と将来方向を明確にしなければ、いつまでたってもこの問題は解決しないよりも糸口のな
いような、そういう堂々めぐりになる危険性があるのではないかと、こう思っていました。
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金ヶ崎町は、おかげさんで皆さんから支援協力をいただいておりますけれども、もっともっ
と住民サイドに立った、あるいは住民がこういう在宅診療を期待するような啓発もしなければ
ならないと、そういう一体性を持った取り組みができるような体制づくりをするというのが一
つではないかと思いますので、ご提案を申し上げますし、松本院長さんが、あるいは川村院長
さんが考えておる地域医療の支援体制の役割分担と今後の方向について、具体的に協議できる
ような話し合いの場、あるいは検討の場があったほうがいいのだろうと思いますので、ぜひご
検討の上、早い時期にお願いいたしたいと、こう思っていました。よろしくお願いいたします。
(松本胆沢病院長)
わかりました。どうもありがとうございました。胆沢病院としては、二次救急というか、重
症の救急はみんな診ようと思っています。それが当院の役割だと思っていますので、しようが
ないのかなと思っています。そういう協議の場をどこに設置するかは、またこれは保健所とも
相談しなくてはいけないのかなと思っています。
(川村江刺病院長)
まさしくそのとおりでありまして、さっき町長さんが言ったように、先ほど奥州市江刺区地
域医療連携福祉懇話会を立ち上げましたけれども、これはまず私たちの病院が行政に向かって
立ち上げて、これはどんどん広げていく予定で、最終的にはどんどん広げて、名称を最終的に
は奥州地域医療連携福祉懇話会というふうになる予定です。ですから、いましばらく、先ほど
言ったようにもっと早く進めたいと思っております。
あとそれから、腹を割って話したい会議でしたので、医療側から一言救急医療体制について
話したいと思います。確かに胆沢病院が集中的になって、どんどん、どんどん救急患者さんが
多くなってきております。もちろん高齢者が多くて、高齢者が伴う急性疾患等があります。た
だ、その中でまだいまだにタクシー代りに救急車を使っているというのが現状にあります。そ
こをやはり市民、そちらとしての立場としてそこをどうにかしてもらいたいなというのが医療
側の要望でございます。確かに遠いところから独居の人、確かにいますけれども、そういうこ
とで救急車がとられて、ほかの救急患者さんが対応できない。もちろんそれのしわ寄せに胆沢
病院の負担になっているというのも、もちろん私たちの病院もそうなのですけれども、そうい
うのが現状であります。
あともう一つ、これも余り言いたくないのですけれども、現実ですから話しますけれども、
施設にいる人が急変して、やはり運ばれてきます。ただ、その中で本当にこの人がここで治療
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していいものかどうか、普通であれば施設で穏やかにそのまま看取るというふうな方々も来る
のです、結構。江刺もそうだし、胆沢も来るというのは聞いております。ですから、そういう
施設の看取り、それが十分担っていない状況であるものですから、そこもやはり全体として考
えなければならないのかなと思っております。
確かに終末期に関しては、施設に行けばいろいろその対応、施設に行けば本人はわかりませ
んので、それを施設に入れている家族、そういう人たちがどのように持っていきたいのかとい
うのをやはりしっかりとやらなければならないのかなと、それがこちらからは提案させていた
だきます。余り大っぴらに言いたくないのですけれども、これが現実であります。そこもやは
り連携を通じてしっかりやらなければならないのかなと思っております。
(髙橋由一委員)
ありがとうございました。かなり今の2点は具体的ですね。行政も手をつけなければならな
い部分だとこう思っています。病院任せ、あるいは施設任せが現実でございますので、本当に
最後はどうなるのだということについては意識的に取り組むのには少し環境づくりが必要な
のだと、こう思いますけれども、やっぱりやがてはそういう時期が来るということに対する家
族と本人はなかなか大変かもしれませんが、心構えは必要なのだと。行政はそういう点につい
ては、いろんな方法を考えながら少し浸透するような、これは必要だろうと、こう思っていま
す。ありがとうございました。
(郷右近浩委員)
何か私だけ話しているようなので、すごく恐縮なのですけれども、先ほどの在宅の部分と1
項目めの部分ですね、そことかかわってくるのですけれども、結局こうした救急患者であり、
救急車であり、かかりつけ医がどのように診ていくかというのは一緒の土俵だと思うのです。
だとすると、この連携会議、12月からというその部分について、ぜひとも連携会議の中で、ト
ータルでもちろん話していっていただきたいなというふうに思いますし、ただ現状で、ちょっ
と質問なのですけれども、今胆沢病院さんのほうで今の2,500が幾らになってという数字の中
で、人員を厚くして、今現状で例えばどこでパンクしますか。というのはベッド4台あって、
ベッドが稼働して、それでいっぱいいっぱいですよね。それが交代で患者さんが動いたとして
も、ざっと考えて1日に何台分来るとアウトというのがざっと見えると思うのです、先生たち
の配置も含めて。重い、軽いあるでしょうし、さまざまな要素もあると思うのですけれども。
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(渋谷胆沢病院救急医療科長)
数として、トータルの数というよりは一気に来られる数の問題です。それと、あとはやはり
入院をとる人の問題というのがあるので、当直医の中の1人が例えば一番多いのは内科系統の
入院、例えば脳梗塞だったりとか、肺炎だったりとかというのが多いのですけれども、その人
が自分でそれをとるという状況になることになると思います。やはり一晩に例えば入院が四、
五人入ると、翌日はもうやる気がなくなるとか、そういうような状況に多分なります。自分一
人で診れる患者数というのは、10人ぐらいが入院患者としては適正ではないかと思いますけれ
ども、それが例えば一気に5人増えるとかというような状況になるともう手いっぱいになる。
当直で疲れて、翌日にはさらに1.5倍の患者数を診なければならないというような状況になる
と、もうとてもやっていけないと。若ければやれるかもしれないですけれども、だんだん年齢
がいってくればとても診れないというような状況になりますので、やはり入院患者として大体
20%入院というのが今の状況ですから、救急車としてはどのぐらいですかね、10台来れば入院
が2人とかですけれども、それがさらにもうちょっと超えてくると厳しいという感じだと思い
ます。今は10台いかないぐらいにはなっているので、何とかやっていけるのですけれども、1
日の救急車の台数が10台を超えてくるような状況になってくると厳しいのではないかと思い
ます。それまでは何とかもつのではないかと思います。あとは人員ですね、研修医がたくさん
来ているような状況であればまだいいのですが、3年目、4年目という一番働き盛りの研修医
がたくさんいるかどうかというところで、それは変わってくると思いますけれども、それがほ
とんどいないというふうになると病院としてはかなり厳しい、戦力としては厳しいような状況
になります。
(郷右近浩委員)
どうもありがとうございました。なかなかいろんなケースがある中で、すごいお答えづらい
ような話をお聞きしてしまいましたけれども。といいますのは、私の家がすぐそこなので、もう
夜であれ、昼であれ、家にいるときは救急車の音が常に聞こえているようなところに住んでおり
まして、本当に多いなと正直思っております。もちろんここのみならず、水沢病院に行くときも
そのとおりですから、
ここのところの通りというのは物すごい救急車の音で常に音が鳴っている
なと、サイレンが鳴り響いているところだなというふうに思っているのですけれども。
その中で、救急二次輪番制度の中で、先ほどお話ありました重症というか、例えばどうしても
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ここに運び込まなければいけない、すぐに処置しなければいけないというような方と、こちらで
なくても例えばいいのではないかという場面というのを輪番制度という枠だけではなくて、
やっ
ぱりきちんと考えていくといったような形というのはできるものなのでしょうか。
といいますの
は、ざっとですが、これちょっと語弊があるとあれなのですけれども、例えば水沢病院さんでも
690というような数字の救急車の数ですけれども、これは例えば1日平均2台とか、例えばざっ
とそういうふうに見受けられますよね。
それをある程度の軽度なものであったら水沢病院さんと
か、江刺病院さんが得意としている部分で江刺病院さんとか、こういうふうな割り振りの仕方と
いうのをどこかコントロールしてやるということはできないものなのでしょうか。
(松本胆沢病院長)
救急車の内容を評価するというのはなかなか難しいのですけれども、それは現場の救急隊がや
るしかないと思いますね、
病院に運ぶかどうかを含めて。
病院に頼まれれば運ぶのですけれども、
内容は重症なのか、軽症なのかという判断はなかなか現場では難しいのですけれども、救急隊が
やるしかないと思います。
(川村江刺病院長)
先ほど松本院長が言ったように、やっぱり救急救命士の判断でやるしかないです。奥州市の救
急救命士はレベルが高いので、私たちは信頼を寄せているのですけれども、現場で見て、これは
確実に胆沢病院だなといったものはそういう状況で運んでいくと。ただ、場合によっては混んで
いるときには、そういうときには水沢に行ったり、私たちのところに来たり。ですから、前沢の
方がわざわざうちらに来ることもあります。ですから、やっぱり全て現場での救急隊の対応によ
ります。ただ、そのことでかなりの苦労はかけてはおります、救急隊には。
(藤原信明委員)
保健福祉環境部の藤原ですけれども、二次救急の輪番制についてお話が出ましたので。
実はこの二次救急の輪番制のルールというのが保健所が関与して、
現在つくられているルール
がございまして、ちょっとその部分はお話をさせていただきたいと思います。
今二次救急でこの地域でそれを担っていただいているのが胆沢病院さんと江刺病院さんで、そ
のほかに総合水沢病院さんと奥州病院さんの4つでございますが、これについて重症か、軽症か
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という区分けまではできていないのですけれども、診療日数、対応日数をある程度その病院の実
績ですね、入院の患者さん、救急の入院の患者さんと、それから均等割りということで、均等に
ある程度の数は4つの病院で担っていただく。ただ、実績として入院の患者さん、救急の入院の
患者さんの数で実績割りというふうな形での区分けをしていまして、
実際に計画上というのです
か、分担計画上は胆沢病院さんが全体の50%の日数を担っていただいている。それから、例えば
江刺病院さんですと21%というような形でのルールを実際にはつくっていましたが、
ただこれは
渋谷先生おっしゃるとおり、これがそのままの形ではいっていないと思います。その中では、重
症、軽症の部分というのはあると思いますし、その消防、救急車の判断で、やはりこれは胆沢病
院ということになるかと思いますが、こういうような一応のルールはできていました。今胆沢病
院さん、江刺病院さんのほうからもお話ありましたとおり、やはりこのルール、各病院さんのほ
うの声を聞きながら、
必要であれば見直していくというようなことが必要になってくるのではな
いかなというふうに思います。それが1点です。
それから、もう一つは、これは今までもお話をされている部分ですが、先ほどもお話出ました。
いわゆるコンビニ受診の部分です。
救急車で運ばれる方の約4割強の方々がそのまま帰られると
いうようなデータもあるように聞いています。やはりこれは、行政も含めて一層患者の方々に勤
務医の先生方の実態をご理解していただくということを一つ大きな課題ではないかなというふ
うに思いますし、それから一次救急の部分についても、どのようにしていくのかということもや
はり考えていかなければならない、二次救急だけではなく、トータルで考えていくことが必要で
はないかなというふうに思っておりました。
(郷右近浩委員)
今藤原委員のほうからそのようなお話がありましたけれども、県のほうで見ている中でのお話
だったと思いますけれども、だとしたらですよ、保健所というのが、例えば地域の医療であった
り、福祉だったり、そこの全体的なコントロールする場所であるというふうに思うのです。そう
すると、今のようなお話ではなくて、ちゃんと保健所がどのようにやっていくのだということを
きちっと示すことのほうが先なのではないかと逆に思うのですけれども。
委員間でやりとりする
ような会議ではないというふうには思っておりますので、
ただそこの部分もぜひ今後とも地域の
検討会議の中で保健所さんにもぜひ出ていただいて、
一緒になって考えていっていただければな
という要望をさせていただきたいと思います。
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(藤原信明委員)
今のお話は承りました。私の言い方が誤解を受けたのかもしれませんが、この会議の中でそれ
を決めていくということではなく、
二次救急を担っている病院の方々の中でルールの見直しも必
要だろうということで、その趣旨をお話しさせていただいたところでございます。
(青木淳一郎委員)
座ったままで済みませんが、いろいろお世話になっています。
保健所の所長さんでなくて、振興局の部長さんがいらっしゃいますが、今ちょっと話題になり
ましたが、それも年に3回いろいろ会議等もあって、私も委員の一人で参加しているのですが、
やっぱり今日かなり議論になった内容は、そこでもっと詰めていくというか、郷右近委員さんは
保健所さんのほうでと言ったけれども、保健所だけ、あるいは振興局だけと言ったって無理あり
ますから、医師会もいろんな関係の人も入っていますので、言葉は悪いですが、そこで議論にな
っているのですよ、地域をどうすると。でも、なかなか中身に突っ込んでいけないというか、そ
ういう実態にあるのです。そういう点では、言葉が変ですが、やっぱりきょうの会議は、県立病
院2つをどううまくより一層運営するかというのがテーマでしょうから、
そういう点ではそこの
会議を当然医師会も、歯科医師会も全部入っていますので、そこで詰めていくということが大事
だというふうに思いました。
それから、私は福祉協議会の立場で出ていますが、福祉協議会だって介護の関係を全部やって
いるわけではありませんから、
民間というより地域の福祉法人が大きな力が胆江地区はあります
から、やっているのですけれども、簡単に言いますと在宅の医療の話も随分いろいろ前段で出ま
したが、在宅の介護のこともですが、国の政策というか、流れが、お金がかからないように、と
にかくうちで見てくれというような流れなのです、医療も介護も。介護の場合だって、懇話会の
ことで最初に立ち上げたと言いますけれども、施設に入るなと言ってないけれども、入れない実
態が圧倒的にあるのです、
十二、
三万円最低払えない人なんて物すごく多いですから。
ですから、
介護度5まであるのですけれども、介護度4、5でも自宅で頑張っているというのは経済力の問
題ですよ、施設の空きよりもむしろ。議会なんかでは、施設がふさがって空きがないということ
ばかりになりますが、実際は入れなくて、うちにいるという実態で。つまり言いたいのは、国の
政策が、これからは自民党が勝ったからうんとよくなるのでしょうけれども、医療も介護もなる
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べく、家にいてくれと、そのほうが金かからないというのが本音だと思うのです。
最後になりますけれども、1つ、余りよくないのですけれども、昔はライバル関係にありま
した、私は水沢病院の事務なりを10年ぐらいやったのです、行ったり来たりして。余りいい話で
はないですけれども、前回も言わなければよかったなと思ったけれども、一言言いますと、胆沢
病院さんが私たち一般の者から見ると県南の拠点病院になるのではないかというような雰囲気
でぐっと大きくなってきたのです。そして、あと一方では、開業医、診療所というのが正確です
が、皆さんが土曜とか、日曜はやらなくなったのと大体一致しているのです。そのときに、それ
までは実は県立病院さんも、
江刺病院のことは私は合併になっていなかったからわからないので
すが、県立病院さんの方でもこういう問題提起は余りしなかったのです。はっきり言えばどんど
ん胆沢病院が一極集中で……、一極集中というのは他意がないのですけれども、市民から当てに
されて、お医者さんも多いし、水沢病院は十八、九人、江刺病院もさっきお医者さんの数は大変
だと聞きましたけれども、
そうなってきたって何ともならないから何とか地域でうまくやらない
かという感じにずっと聞こえるわけです、年々。でも、やっぱりそれは地域では、水沢病院であ
れ、前沢診療所は今医師はいませんけれども、地域の医師会なり、地域の中で江刺病院だけ大き
いのだから、当然頑張ってやるのは当たり前だという話はないと思うのです。そういう点では、
いろんな機会なり、仕組みをつくりながら、言葉は悪いですが、胆沢病院はきっと苦しんでいる
と思うのです。そして、救急も求められるし、前半の在宅医療も求められます。これは絶対でき
ないことなのです。恐らくどっちかなのです。多分後段の救急のほうだと思うのです、どうした
って、現実的には。そういう点では、何とか地域の公立市町村もだし、開業医の皆さんとも、最
後になりますけれども、
もちろんそういうつもりでいると思いますが、
実力はないわけですから、
地域の医療機関のほうが。ですから、それに対する目を向けながら、本当の意味で手を組んでい
くような方向が絶対必要ですから、もちろんそういうつもりで、今の院長先生以下いらっしゃる
と思いますが、何とかもっといい姿勢というか、そういう少しレベルを落とした姿勢で地域の医
療のことを議論に参加してもらえればいいと思いますし、一番最初に言いました保健所さん、振
興局のほうの音頭とりの役割に期待しながらというか、
お願いしながらというふうに思っており
ます。
ちょっと行ったり来たりしますが、3つぐらい申し上げましたし、3番目はちょっと県の皆さ
んは嫌な話かもしれませんが、ずっとそういうふうにみんな見ているものですから、そういう点
であえて申し上げましたが、どうぞよろしくお願いしたいと思います。
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終わります。
(小沢昌記会長)
それでは、協議議題の(3)番、その他ということで、1番の部分でも結構でございますし、
今お話、議題となっておる救急のことでも結構でございます、あるいはそれ以外の部分のことに
ついてもご質問あるいはご提言等あれば委員の皆様からお話をお聞き取りしたいと思いますが、
何かご発言はありますでしょうか。
(佐々木努委員)
議員だけしゃべるのもはばかられたので、一番最後にお話をさせていただきますが、これは
質問ということではなく、
私の県立病院のあり方という考え方をちょっとお話しさせていただけ
ればというふうに思います。
前段の在宅医療については川村先生からも、それから開業医の先生方と一緒になってやって
いきたいというふうな、そういう仕組みづくりをしたいというふうな話がありましたが、私は、
県立病院は在宅診療には手を出すべきではないと、私はそう思っています。むしろさっき青木さ
んがおっしゃられたように救急あるいは高度医療、
これを専門にやるこれからは病院であってほ
しいなというのが私の思いであって、やはり医療局もそうなのですが、病院個々にそのような在
宅医療をどうしようかというふうなことを進めるよりも、それは県の、きょうは部長さんいらっ
しゃいますから、県のほうでしっかり音頭をとって市町村と、それから民間の病院の方々と話し
合ってつくり上げていくべきだというふうに、これは私のあくまで個人の意見ですので、ぜひ県
立病院、胆沢病院、江刺病院には本当に救急の方が来たときにいつでも診てもらえるような、そ
ういう体制をきちっとつくっていただくのが本当に地域の方々が安心して暮らしていける一番
の策といいますか、そういうものにつながっていくのだというふうに思いますので、勝手なこと
を言って申しわけないのですが、ぜひ院内の体制強化をこれまで以上に図っていただきたいし、
医療局のほうにはやはり全てはお医者さん不足、看護師不足がこういう現状、状態をもたらして
いるということを認識していただいて、
頑張って医師確保に取り組んでいっていただきたいと思
います。
これは意見というか、これで終わりたいと思います。
(小沢昌記会長)
いろいろと語れば何ぼでも語りたいという部分はあるのでしょうけれども、なかなかきょうの協議
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の中でということに関しては難しさもあったかなというふうに思いますが、ぜひ委員各位には県立
の病院、きょうは県立のお話ですけれども、公立の病院、私立の病院、さまざま胆江広域には存在
するわけでありますけれども、特に県立、公立の病院については、ほとんどおぼれそうな状況の中
で、山ほどウエートを体につけながらやっと、まずおぼれないように頑張っているという、胆沢病
院は70人もお医者様がいらっしゃるから大丈夫なのだということではなく、まだまだ不足するとこ
ろがたくさんある。
着任早々の川村先生におかれましては、さまざまな状況を見るにつけ、変なければならないと
いうことで地域連携強化にも一歩も二歩も思いを寄せていただいている。
また、渋谷先生のほうからは救急のお話も頂戴いたしました。病気にかからないで、救急車に
乗らないでいいような人まで来られるということもご負担になっているということも含めてであり
ますが、現実にはそういうふうな患者さんがいることによって、本来施すべき患者さんへの医療が
手薄になってしまうという現実、まさに救急における本当に必要とされる部分において、このまま
では非常に厳しいという状況のお話も頂戴したわけでございます。でき得れば委員各位におかれま
しては、そういう状況の中で自分たちが考え、行動できることについては一つ一つ実践をしていた
だきたいというような啓蒙の光をともしてほしいというほど大げさではないにしろ、そういうお話
を少し組織に戻ってお話、話題にしていただければと思います。かかりつけのお医者様がいれば、
夜医院に電話して先生が出てくれるかどうかはわかりませんけれども、電話をすることによって救
急車を呼ばなくても対応できるなという場合もあるでしょうし、かかりつけの先生にきちっとかか
っておられれば救急車で運ばれたときにおいてもその症状をいち早く見通すことができる状況もつ
くれるというふうなことで、最終的に命を守るお手伝いは病院の先生方にお願いするしかないです
けれども、命を守るのは自分の命ですから、市長がこういうことを言うと語弊があるのかもしれま
せんけれども、自分の命は自分で守る、救急車のタクシー利用はしない、かかりつけ医はちゃんと
かかると、最低年1回は健康診断をして、不具合があればちゃんと薬を服用して自分のコントロー
ルするというようなことを奥州金ヶ崎の住民全てがしていただければ救急の搬送回数も激減するで
しょうし、医療資源を有効に使える状況になるのではないかというふうに思ったところでございま
す。
今日は会長という立場でありますが、奥州市長とすれば市から医療連携あるいは医療の部分につ
いてのお話し合いを市のほうから申し上げればいいのか、県から来るのを待っていればいいのかと
いうのは、そういう出先の話ではなくて、私も担当のほうには今日明日、はっきり申し上げますし、
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あればいいのにということではなく、ありたいという思いをまずはぶつけて、ないものをねだるで
はなく、あるものを生かしていけるような、そんな中から次への希望を確かなものにしていければ
というふうに思ったところでございます。
最終の部分になって、私の発言が少し長くて申しわけないですが、結びに何としても言いたいの
は、松本院長、川村院長、お二方の院長さん初め、胆沢、江刺の病院医師、スタッフ、ナース、全
ての皆さんに私から心からの感謝を申し上げたいと思います。お手伝いできるところはしっかりお
手伝いさせていただきますので、何なりとお話を聞かせていただければというふうに思います。
これを結びに、協議の部分は閉じたいと思います。
(8)閉
会
5 運営協議会名簿(順不同、敬称略)
区 分
学識経験者
職 名
氏 名
岩手県議会議員
渡辺 幸貫
岩手県議会議員
佐々木 努
岩手県議会議員
郷右近 浩
岩手県議会議員
後藤
岩手県議会議員
及川 幸子
奥州市長
小沢 昌記
金ヶ崎町長
髙橋 由一
県南広域振興局保健福祉環境部長
藤原 信明
岩手県奥州保健所長
佐藤日出夫
奥州市民生児童委員連合協議会理事
佐々木 政子
奥州市国民健康保険運営協議会委員
工藤 洋子
医療関係団体
奥州市医師会長
関谷 敏彦
社会福祉関係団体
奥州市社会福祉協議会常務理事兼事務局長
青木淳一郎
婦人団体
奥州市地域婦人団体協議会長
高野 紀代
市町村
関係行政機関
岩手ふるさと農業協同組合経営管理委員
JA江刺女性部 部長
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完
髙橋 宏子
佐々木祐子
奥州商工会議所女性会会長
青年団体
水沢青年会議所 副理事長
江刺青年会議所会員開発委員会委員長
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明神キヨ子
千葉 聡
前田誠一郎