化学(204KB)

必要があれば、次の数値を使いなさい。
C = 12 H = 1 . 0 O = 16 N = 14 S = 32 Cl = 35 . 5 I = 127
2
水のイオン積= 1 . 0 × 10 - 14( mol/L )
log 10 2 = 0 . 30 log 10 3 = 0 . 48
[問題1]
次の問1~7の空欄に入る適切な語句、化合物名、元素名または数値を解答欄に記入しなさい。
問1 水蒸気を冷やしていくと
氷が水に浮くのは、
③
②
して水となり、さらに冷やしていくと
②
して氷となる。
するときに氷は隙間の大きな立体構造となるので、水のほうが
が大きくなるためである。
問2 溶液とは
①
①
①
を
②
に
③
したものである。
の質量( g )をそのモル質量で除した値(
⑤
④
1 kg 当たりに溶けている
)で示した濃度を質量モル濃度と
いう。
問3 原子番号が同じでも中性子の数が異なる原子を
②
14
Cの
①
という。
を放って他の原子に変化するものもある。この変化を
④
①
③
の中には 14 C のように
という。天然に存在する
はわかっているので、古い年代の遺物中の 14 C の割合を測定すれば、動植物が死ん
だ年代を推測できる。
問4 1 . 0 mol/L 酢酸水溶液 10 mL に水を加えて全量を 40 mL に希釈した溶液の水素イオン濃度[ H+ ]
は
①
mol/L であり、pH は
である。ただし、酢酸の電離定数は、K a = 2 . 5 × 10 - 5
②
( mol/L )とする。
問5 塩化アンモニウムは、
①
液の pH は 7 より
。
③
性化合物と
問6 適当な酸化剤で酸化するとき、第
②
①
級アルコールは酸化されにくい。
②
性化合物からできた塩であるため、その水溶
級アルコールは酸化されケトンを生成するが、第
問7 天然タンパク質を構成するアミノ酸のうち、
中にベンゼン環を持つアミノ酸は
③
①
(必須アミノ酸)や
反応で検出できる。
②
のような構造
[問題2]
次の文章を読んで、以下の問に答えなさい。
次のⅰ)式で表される可逆反応において、右向き→の反応を
①
反応、左向き←の反応を
②
反応という。
c X + d Y …ⅰ)
aA+ bB
しかし、(1)反応によっては右向き→の反応が一方的になることもあり、この場合、
③
反応とい
う。密閉容器中、一定温度で①式の可逆反応が起こり、十分な時間が経つと各物質( A、B、X と Y )の濃
度に変化が認められなくなる。
(2)これは、右向き→の反応の速度と左向き←の反応速度が等しくなるから
であり、これを平衡状態という。この状態において、各物質濃度( mol/L )を[ A ]、[ B ]、[ X ]、[ Y ]
とおくと、それらの間には
④
の法則とよばれる、次のⅱ)式の関係が成り立つ。
K=
ア
…ⅱ)
ここで、K は平衡定数とよばれ、温度が一定ならば、一定の値をとる。例えば、(3)水素とヨウ素からヨ
ウ化水素が生成する可逆反応は 400 ℃において K = 64 . 0 の値を示す。また、一定温度で平衡状態にある
ⅰ)式において、物質 X を新たに加えたとき、反応が
⑥
現象を
⑤
向きに進むと同時にすべての物質の
が変化して新たな平衡状態になるが、K の値は変わらない。このように、新たな平衡状態になる
⑦
という。この現象は、温度が変化するときにも観察されるが、この場合、K の値も同時に
変化する。水素とヨウ素との反応において、400 ℃で K = 64 . 0 であるが、600 ℃で K = 39 . 0 である。こ
⑧
れは水素とヨウ素との反応の過程が
反応のためである。さらに、平衡状態は圧力の影響も受ける。
ⅰ)式の各物質が気体の場合、反応系の係数の合計( a + b )が生成系の係数の合計( c + d )よりも大
きいとき、圧力増加により反応は
⑨
向きに進んで新たな平衡状態になる。また、すべて気体の場合
は、各気体の分圧を用いて表わす平衡定数があり、これを
問1 文章中の空欄
①
~
⑩
問2 ⅱ)式の空欄
ア
に入る式を書きなさい。
⑩
定数という。
に入る適切な語句を答えなさい。
問3 下線部(1)について、このような一方的な反応の例となる化学反応式を一つだけ書きなさい。
問4 下線部(2)について、右向き→の反応速度 v を表す式を書きなさい。ただし、反応速度定数を
k とする。
問5 下線部(3)について、水素 1.0 モルとヨウ素 1.0 モルとを 1L の密閉容器に入れて、400 ℃に保っ
た場合、平衡状態に達したときのヨウ化水素のモル数は 1 . 6 モルである。この状態で、外から新
たにヨウ化水素 1 . 0 モルを加えて平衡状態に達したときの水素とヨウ化水素のモル数を答えなさ
い。
[問題3]
次の文章を読んで、以下の問に答えなさい。
生物体は多種多様な高分子化合物に依存して成り立っている。
例えば、生物はエネルギー源として重要なグルコースを、重合により高分子化し、動物体内では
①
、植物体内では
③
る
②
という高分子として貯蔵する。一方で、同じくグルコースの重合体であ
は、上記の貯蔵多糖と異なり細胞壁など植物の構造を作る繊維質の材料となる。
や
⑤
といった高分子は遺伝情報の媒体として利用され、アミノ酸が多数結合して
出来る高分子である
⑥
は、酵素や筋肉などとして機能し、生物が“生きている”状態を作り出して
また、
④
いる。
私たち人間は、他の生物が作り出す様々な物質を利用して発展してきた。現在では、単に生物が作り出
す物質をそのまま利用するだけではなく、さらに化学の力で加工したり、あるいは生物とは異なる仕組み
で代替となる物質を合成したりして利用している。
実は、木材や繊維、樹脂、A天然ゴムのような生物由来の高分子物質に代わる材料は 20 世紀にいたるま
で実用的な形で合成することは出来なかった。しかし、今では、合成樹脂、合成繊維、合成ゴムを用いた
製品をいたるところで大量に利用している。もちろん、これらは石油や石炭のような化石燃料を利用して
おり、厳密な意味で言えば、生物由来のものであるとも言える。
合成高分子は、一種類またはそれ以上の小さな分子を、重合反応を利用して多数結合させることで作ら
⑦
れる。もとになる小さな分子のことを
という。
重合反応には、スチレンからポリスチレン、Bアクリロニトリルからポリアクリロニトリルを生成する
ような
⑧
重合反応と、Cテレフタル酸とエチレングリコールを原料として
⑨
と呼ばれる高分
子を合成するときや、D アジピン酸とヘキサメチレンジアミンから 6 , 6 -ナイロンを合成するときの
⑩
る
重合反応が利用されている。
⑧
重合では、複数の種類の
⑦
を混合して重合させること(
⑪
)が容易で、成分とな
⑦
の割合によって様々な性質を作り出せるため広範囲に利用されている。例えば、スチレンとブ
タジエンによる SBR、アクリロニトリルとブタジエンの NBR、アクリロニトリルとスチレンとブタジエン
から合成される ABS 樹脂などがある。
また、繊維状のポリアクリロニトリル(アクリル繊維)を不活性ガス中で高温加工して得られる
⑫
は、軽くて強度や弾性に優れており、スポーツ用品や航空機用の複合材料などに利用される。
問1 空欄
①
~
⑥
に入る適切な語句を次の選択肢から選び、記号で答えなさい。
(ア)ペプチド (イ)デンプン (ウ)脂肪
(エ)グリセリン (オ)DNA (カ)セロビオース
(キ)エタノール (ク)ガラクトース (ケ)タンパク質
(コ)グリコーゲン (サ)セルロース (シ)RNA
問2 空欄
⑦
~
⑫
に入る適切な語句を答えなさい。
問3 下線部 A の天然ゴムに関して(1)、(2)に答えなさい。
(1)
天然ゴムはゴムノキの樹液より得られ、その主成分は C 5 H 8 の炭化水素が重合した高分子
物質( C 5 H 8 )
n である。この C 5 H 8 の名称と構造式を答えなさい。
(2)
天然ゴムの弾性を高め化学的な安定性や機械的強度を高めるために行う操作の名称を答え
なさい。
問4 文中下線部 B のアクリロニトリル、下線部 C のテレフタル酸とエチレングリコール、下線部 D の
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンそれぞれの構造を例にならって書きなさい。
問5 100 g のデンプンを完全にグルコースに分解すると何 g のグルコースが得られるか(小数点以下を
四捨五入して整数値で答えなさい)。