【104】細胞分化因子刺激によるPAR-2及びTNF

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細胞分化因子刺激による PAR−2 及び TNF-α の発現機構について
◎佐喜眞容子、岡田妹子 1)、時吉恵美 1)、山田果歩 1)、吉田優花 1)、泊 宏和 2)、麻生 靖子 3)、楢原 真二 4)
熊本保健科学大学学生 1)、ファルコバイオシステムズ 熊本研究所 2)、熊本市医師会 地域医療センター 3)、熊本保健科学大学 4)
はじめに Protease-activated receptor(PAR)とは、G タン
cDNA を増幅して PAR2,TNFα の発現を検討した。
パク質共役受容体(GPCR)に属し、その中でも異なる活性化
刺激は 6 時間と 12 時間の 2 パターンで行い、
メカニズムを有する受容体である。そのメカニズムは細胞
0ng/mL(Brank)、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL の 4 濃度を用い
外特定領域がセリンプロテアーゼによって限定分解を受け、
て行った。RNA 抽出は ISOGEN(ニッポン・ジーン社)に
それにより生じた N 末端構造が新たなリガンドとして受容
て行い、RT-PCR は PrimeScript RT-PCR Kit(TaKaRa 社)
体自身の細胞外第 2 ループに結合して活性化される。
を用いた。
PAR のアゴニストは、PAR 自身にも内在しているが、通常
結果 k562 細胞では GM-CSF 刺激での PAR2 、TNFα の発
活性化部位は隠されていると言われている。PAR には、
現は認められなかった。エラスターゼ刺激では、バンドの
4 つのファミリーメンバーが存在し、その中でも PAR-2 は
再現性が得られず継続中である。Colo201 細胞では
がん細胞などで高率に発現しがんの成長に関与していると
PAR2 と TNFα の発現がみられ、TNFα は濃度依存的に発現
の報告されている。最近の PARs に関する研究で、炎症な
が認められた。
どへの関与の理解が急速に進み、PAR-2 は様々な腫瘍にお
まとめ K562 細胞、Colo201 細胞における PAR2 遺伝子発
いて血管新生を誘導し、腫瘍の増殖や進展に関わっている
現などを RT-PCR 法にて増幅し、電気泳動によって検討し
と考えられている。今回我々は GM-CSF などのアゴニスト
た。RT-PCR 法は諸条件にて検討を行ったが、K562 細胞で
(細胞分化刺激因子)を用いて k562 細胞と Colo201 細胞を
は PAR2 遺伝子の発現は現在の所、認められていない。ま
刺激し、PAR-2 遺伝子の発現の有無を検討した。
た、エラスターゼによる刺激においては、バンドの再現性
材料・方法 k562 細胞と Colo201 細胞を Human GM-CSF や
が得られず、実験を継続中である。 エラスターゼで刺激後、RNA を抽出し、RT-PCR にて
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