固体熱物性標準整備の現状 と 開発計画

平成26年度 固体熱物性クラブ全体会合(第10回)@秋葉原、Feb. 3. 2015
固体熱物性標準整備の現状
と
開発計画
ー概要ー
産業技術総合研究所
⼭⽥修史
平成26年度 固体熱物性クラブ全体会合(第10回)@秋葉原、Feb. 3. 2015
●新たな標準整備計画
■H23.8に閣議決定の第4期科学技術基本計画において、新たな知的基盤整備計
画の策定が求められ、知的基盤整備⼩特別委員会によりこれまで議論が進められ
ている。( http://www.meti.go.jp/committee/gizi_0000003.html )
■昨年12⽉2⽇に産業構造審議会 産業技術分科会・⽇本⼯業
標準調査会合同会議 知的基盤整備特別⼩委員会(第6回)に
おいて、
・物理標準に関する整備実績及び計画改定案;資料4-2
・標準物質に関する整備実績及び計画改訂案;資料4-3
(http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003843/006_haifu.html)
物理標準 106項⽬
標準物質 114項⽬(280種)
物理標準
標準物質
5項⽬
6項⽬(6種)
平成26年度 固体熱物性クラブ全体会合(第10回)@秋葉原、Feb. 3. 2015
●産総研における標準整備計画
H13
2001
〜
2002
2003
H16 H17
2004
2005
〜
2006
2007
2009
2010
〜
2011
2012
H26 H27 〜
2013
2014
2015
2016
2017
2018
2019
2020
2021
独⽴⾏政法⼈産業技術総合研究所
←H12FY以前は⼯業技術院 第1期中期計画期間
H21 H22
2008
第2期中期計画期間
第3期中期計画期間
第4期中⻑期計画期間
第1期標準整備計画
産総研第3期標準整備計画
標準整備の
種類数
第3期⽬標
142種類追加
熱物性標準では
新規2⾼度化9
第2期⽬標
500種類
計量標準整備計画(物理標準) 106項⽬
計量標準整備計画(標準物質)114項⽬(280種類)
1000
750
第1期⽬標
340種類
500
250
0
H18FYに上⽅修正
648種類
産総研
スタート
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●物理標準に関する整備実績及び計画改定案
項⽬
(単位)
校正器物
供給計画
2014 2017 2022
測定器
供給範囲
年度 年度 年度
まで まで まで
室温
熱流密度
熱流センサー
熱流計
熱伝導率
熱伝導率標準試料 熱伝導率測定装置
・2014年度まで: 熱流密度校正
(10 W/m2〜数100 W/m2)
◎
○
○
○
○
○
・2022年度まで: 新規標準物質(数W/(m・K))
熱膨張率
熱膨張率標準試料
熱機械分析器(TMA)
各種膨張計
中⾼温(300 K以上)
・2014年度まで:アルミナ(300 K〜1700 K)
・2022年度まで:⽯英ガラス(300 K〜1000 K)
中⾼温(300 K〜1500 K)
レーザフラッシュ法によ
熱拡散率
熱拡散率標準試料
・2014年度まで:⿊⾊セラミックス
る熱拡散率測定装置(周
〜10-5 m2s-1; 1000 Kまで)
期加熱法による装置にも
・2022年度まで:新規標準物質
適⽤可)
(10-6 m2s-1〜10-5 m2s-1
もしくは10-4 m2s-1〜10-3 m2s-1)
⽐熱容量
熱膨張率
⽐熱容量標準試料
⽰差⾛査熱量計(DSC)
・2022年度まで:断熱法の温度範囲拡⼤
他各種熱量計
絶対測定法開発による⾼度化
ゲージブロック
ゲージブロック
固体ブロック
熱膨張率基準試験⽚
○
室温付近(5 ℃〜35 ℃)
・2014年度まで:温度範囲拡⼤(-10 ℃〜+60 ℃)
○
○
・2022年度まで:器物範囲拡⼤
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003843/pdf/006_04_02.pdfより抜粋
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●標準物質に関する整備実績及び計画改定案
供給計画
物質・項⽬等
熱膨張率測定⽤
2016
2017
2022
年度
年度
年度
まで
まで
まで
済
形態
CRM
⾼熱膨張材料標準物質
熱拡散率測定⽤
2013
⿊⾊セラミックス標準物質
熱拡散率測定⽤
2015
◎
CRM⼜
⾦属薄膜標準物質
熱膨張率測定⽤
2015
はRM
アルミナ標準物質
熱膨張率測定⽤
⽯英ガラス標準物質
熱伝導率測定⽤
◎
CRM
CRM⼜
◎
はRM
◎
想定される⽤途
供給
TMA装置等の校正および参照試料
レーザフラッシュ法、光交流法等の装置の精度確
認
ピコ秒サーモリフレクタンス装置の校正, サーモリ
フレクタンスを⽤いた計測器⽤の薄膜標準物質
TMA装置等の校正および参照試料
CRM⼜
TMA装置等の校正および参照試料
はRM
低膨張を評価する熱膨張計の評価
CRM⼜
◎
ピコ秒サーモリフレクタンス装置の校正
はRM
⾦属薄膜標準物質
http://www.meti.go.jp/committee/summary/0003843/pdf/006_04_03.pdfより抜粋
←ニーズ調査やユーザの要望を反映し、
定期的にローリングを実施
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固体熱物性標準整備の現状
と
開発計画
ー熱膨張率ー
・熱膨張率標準の整備状況報告
・今年度のトピック
産業技術総合研究所
⼭⽥修史
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●熱膨張率に関する標準供給の現状(2015.1現在)
供給形態
標準物質
名称
適用範囲等
不確かさ等
標準物質名
適用温度範囲
認証値などの不確かさ/頒布形状
単結晶シリコン
NMIJ RM 1101-a
293 K ~ 1000 K
ガラス状炭素
NMIJ RM 1102-a
293 K ~ 1100 K
ガラス状炭素
NMIJ RM 1104-a
293 K ~ 約1600 K
熱膨張率測定用単結晶シリコン
相対拡張不確かさ: < 1.2 %
3
3
3
3
頒布形状:4.5角×L60 mm , 9.0角×L60 mm
相対拡張不確かさ: < 3.3 %
頒布形状:6.0角×L10 mm , 6.0角×L20 mm
相対拡張不確かさ: 0.91 %~1.7 %
3
頒布形状:6.0角×L10 mm
-9
-1
-9
NMIJ CRM 5803-a
(RM 1103-aを移行)
20 K ~300 K
拡張不確かさ: 5.0×10 K ~ 8.0×10 K
熱膨張率測定用高純度銅
20 K ~300 K
拡張不確かさ: 2.9×10 K ~ 5.2×10 K
NMIJ CRM 5805-a
試験名
校正温度範囲他
3
頒布形状:10.0角×L30 mm , 10.0角×L60 mm
-8
-1
-8
-1
3
頒布形状:10.0角×L30 mm
校正・測定能力(k =2)
・単結晶シリコン
もしくはガラス状炭素の
熱膨張率校正
・25×25×t6の単結晶シリコン
もしくはガラス状炭素試験片
・校正温度範囲は293 K~1000 K
2.0×10-8 K-1
・固体ブロックの
熱膨張率校正(特殊)
・20×20×t8の固体ブロック
・校正温度範囲は15 K~320 K
5.8×10-9 K-1~4.2×10-7 K-1
・ブロックゲージの
熱膨張率校正
・JIS B7506で定めるブロックゲージ
もしくは同等な形状精度をもつ固体試験
片
・呼び寸法の範囲:
20 mm以上100 mm以下
・校正温度範囲:
5 ℃以上35 ℃以下
依頼試験
-1
3
 A 
  99 11
22 BB22
K ;;
 1010
CC
℃

T



22
22
 5.9 
 6.3 
39
 , B  0.38  , C  00..020
020  
A  4.3  
L0
23
 L0  23
 L0 
尚、L 0 <40の場合はA =2.0とする。また、入力量の単
-6
-1
位はαが10 K , L 0がmm, ΔT がKとする。
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今年度のトピックス
■1:新認証標準物質 熱膨張率測定⽤
⾼純度銅NMIJ CRM5805-a
■2:室温熱膨張率校正の範囲拡張
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■1: 新規熱膨張率標準物質の開発
●標準値の範囲拡張を⽬的としてとして銅に
よる新たな熱膨張率標準物質の開発を開始
-6
Thermal expansivity /10 /K
20
16
12
731(Borosilicate Glass)
732(Sapphire)
736(Copper)
NIST SRM
737(Tungsten)
738(Steinless steel(AISI446)
739(Fused Silica)
NMIJ RM1101 (Single crystal Si)
NMIJ RM 1102 (Glass-like carbon)
NMIJ CRM 5803 (Single crystal Si)
8
4
※RM1104
K)
(GC;〜1400
0
0
500
1000
o
Temperature / C
1500
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■1: CRM5805-a 熱膨張率測定⽤⾼純度銅
認証値の温度依存性
CTE /10-6K-1
15
10
5
0
0
50
100 150 200 250
300
Temperature /K
・適⽤温度範囲: 20 K〜300 K
・頒布形状:10 mm×10 mm×30 mm
・認証値
温度の5次多項式セットによる提⽰
拡張不確かさ(k=2):
0.029 10 6 K 1~0.05110 6 K 1
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■2:室温熱膨張率校正の範囲拡張
名称
適⽤範囲等
校正・測定能⼒(k =2)
 A 
  99 11
22 BB22
 1010
K ;;
℃
CC

T


・JIS B7506で定めるブロックゲージ
22
もしくは同等な形状精度をもつ固体試験⽚
・熱膨張率校正
22
 5.9 
 6.3 
39
 , B  0.38  , C  00..020
020  
A  4.3  
L0
23
 L0  23
 L0 
・呼び⼨法の範囲:20 mm以上100 mm以下
・校正温度範囲:5 ℃以上35 ℃以下
尚、L 0<40の場合はA =2.0とする。また、⼊⼒量の
単位はαが10-6K-1, L 0がmm, ΔT がKとする。
●開発⽬標
・校正温度範囲(現状)5℃〜35℃
-20℃〜+60℃((20±40)℃)に拡張する
●位置づけ;
■標準物質による供給が有効でないゼロ膨張領域での標準を
より広範囲の温度で提供
■標準物質の再校正を実現などためのファーストステップ
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■2:システムの構成図
データ収録用
コンピュータ
GP-IB
データ
サーバー
データ収録プログラム
温度設定プログラム
温度計
データ処理プログラム②
20.0
ロックイン・アンプ
20.0
温度制御装置②
オシロスコープ
補助用空調機
対象区域
干渉計光源
リニアゲージ
光へテロダイン干渉計
熱電素子
②
光学窓
白金抵抗
温度センサー※
●システム概要
・光ヘテロダイン式レーザ⼲渉計
による試験⽚の⼨法変化測定
・⽩⾦抵抗温度センサーによる試
験⽚温度計測
・ペルチェ駆動による温槽による
試験⽚温度制御
試験片
精密温槽
1.023456
試験片
AC抵抗ブ リッジ
基準反 鏡
ch1 :
23.4℃
ch2:
23.5℃
環境モニター用
温度計
熱電素子①
標準 抵抗器
20.0
20.0
温度制御装置 ③
恒温 水循環 装置
恒温 水循環 装置
①
②
真空 ポンプ
20.0
20.0
温度制御装置 ①
真空 計
●改良点
温槽の温度制御範囲
の拡張
+⼩型化、⾼安定化
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■2:新熱膨張率校正システムの構築
システム全景
(⼲渉計、温槽および計測器部)
レーザ⼲渉計部拡⼤(左に温槽)
室温が1℃変動
⽯定盤上での⼲渉計構築
ブース内は
0.03℃以下の変動
安定度、剛性の確保
平成26年度 固体熱物性クラブ全体会合(第10回)@秋葉原、Feb. 3. 2015
■2:新熱膨張率校正システムの構築
試料ステージ(温槽底部)
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■2:温槽の温度制御性能
60.03
60.02
o
Stage Temp. / C
校正温度範囲を含む̶30℃〜+70℃で
の温度範囲での検証試験結果
60.01
60
59.99
60
59.98
40
59.97
2.55
2.6
2.65
2.7
2.75
2.8
time /h
20
-19.97
0
-19.98
-20
-19.99
o
Stage Temp. / C
到達温度 / ℃
80
+60℃設定での温度安定度
-40
-40
-20
0
20
40
設定温度 /℃
60
80
-20℃設定での温度安定度
-20
-20.01
-20.02
-20.03
3.2
校正温度範囲内(20℃±40℃)で
3.25
3.3
3.35
3.4
3.45
time /h
±1 mK以内での温度安定制御が可能
平成26年度 固体熱物性クラブ全体会合(第10回)@秋葉原、Feb. 3. 2015
まとめ
■1:新規熱膨張率標準物質/熱膨張率測定⽤⾼純度銅NMIJ
CRM5805-aの供給を2014年4⽉より開始した。(⼊⼿は資
料巻末の標準物質ベンダーより可能です)
■2:室温熱膨張率校正の供給温度範囲の拡張を⽬標に、室
温熱膨張率校正システムの改良を⾏っている。温度制御性能
として室温±40℃の範囲で安定度±1mKを達成した。
平成25年度 固体熱物性クラブ全体会合 2015. 2. 3
於:秋葉原コンベンションホール
固体熱物性標準整備の現状と開発計画
熱拡散率/熱伝導率
(独)産業技術総合研究所
計測標準研究部門 熱物性標準研究室
阿子島めぐみ
国内の熱拡散率 熱伝導率の標準( ルク材料)
国内の熱拡散率・熱伝導率の標準(バルク材料)
【固体材料】産業技術総合研究所(NMIJ)
【断熱材】 建材試験センター
依頼試験 (thermal diffusivity)
JCSS校正(国際MRA対応JCSS校正)





対象 : 等方性黒鉛
形状:φ 5 or φ10 mm × 1.0 mm - 4.0 mm
温度範囲 : 300 K – 1500 K
測定方法 : レ
レーザフラッシュ法
ザフラッシュ法
不確かさ : 3.1%以上
NMIJ CRM 5804a (thermal diffusivity)





材質 : 等方性黒鉛 (IG-110)
形状:φ10 mm×1.4, 2.0, 2.8, 4.0 mm
温度範囲 : 300 K – 1500 K
物性値 : 熱拡散率
不確かさ : 5 % – 7 %
……NMIJ RM1201a before Mar. 2011
NMIJ RM 1401a (thermal conductivity)
材質 : 等方性黒鉛(IG-110)
形状 10 mm × 1.0,
形状:φ10
10 2
2.0
0 mm
温度範囲 : 300 K – 900 K
物性値 : 熱伝導率
(熱拡散率・比熱容量・密度)
 Uncertainty
U
t i t : 7.2
7 2 % – 9.8
98%




    cp  
 対象:熱伝導率0.020~0.23(W/m・K)の断熱材
 形状:□300 mm or □200 mm
厚さ15~30mm
 温度範囲 : 平均温度10
平均温度10~40℃
40℃
 測定方法 : 保護熱板法 (JIS A1412-1)
 不確かさ : 1.3 % 以上
熱伝導率校正板
 材質 : 高密度グラスウール
 形状:形状:□300 mm or □200 mm x 25 mm
 国際MRS対応JCSS校正で値付け
関連する国内外の標準
一般的な固体材料(主にレーザフラッシュ法)
 IRMM BCR-724 ((Glass Ceramics))
 JFCC TD-AL (Alumina)
低熱伝導材料(主に保護熱板法)




NIST SRM 1450d (Glass fiber board)
IRMM 440 (Resin
(Resin-bonded
bonded glass fiber board)
IRMM BCR 39 (Pyrex glass)
測定機関: NIST, LNE, NPL, KRISS, ….etc.
熱拡散率標準の整備状況(バルク材料)
10-4
Thermal diffusivitty / m 2s-1
信頼性を確保した熱物性値のニーズ
• 省エネルギー
• 熱設計
• 熱対策
• 安全・安心 …
固体材料の熱伝導率
• 熱拡散率
• 比熱容量 の積による算出が普及
• 密度
Au (TPRC)
Cu (TPRC)
Al (TPRC)
W (TPRC)
Mo (TPRC)
IIsotropic
tr i
Graphite
(NMIJ CRM 5804a)
10-5
Ge (TPRC)
Armco Iron
((TPRC))
SUS 304
(measured)
Al2O3 (JFCC TD-AL)
熱拡散率測定
10-6
• 範囲: 10-7 m2s-1 ~ 10-4 m2s-1
• 測定手法
測定手法: ((レーザ)フラッシュ法、周期加熱法、….
ザ)フラッシ 法、周期加熱法、
300
Pyroceram
(IRMM BCR-724)
3YSZ (JFCC ZR-1)
600
900 1200 1500 1800 2100
Temperature / K
 市販実用測定装置の妥当性評価・校正のニーズが増加している。
 市販実用測定装置の妥当性評価・校正のための標準物質は種類が少ない。
市販実 測定装置 妥当性評価 校
ため 標準物質 種類が少な
 現状のCRM・RMは、必要とされる熱拡散率の範囲全てをカバーしていない。
3
NMIJの熱拡散率・熱伝導率の標準整備の取り組み
NMIJの熱拡散率
熱伝導率の標準整備の取り組み
主にレーザフラッシュ法を用いた熱拡散率の精密測定により標準整備を進めています。
FY
2001
2003
2005
2007
2009
2011
2013
2015
熱拡散率 依頼試験
300 K – 1200 K
Φ10 mm
等方性黒鉛
300 K – 1500 K
+ Φ5 mm
等方性黒鉛 RM 1201a
+ 黒色試験片
CRM 5804a
CRM 5804b
販売終了
熱拡散率 標準物質
Al2O3-TiCセラミックス
CRM 5807a
New !
熱伝導率 標準物質
等方性黒鉛
RM 1401a
熱流密度標準
4
NMIJが提供する熱拡散率標準のコンセプト
• インヒレントな熱拡散率
“インヒレント”
インヒレント = 測定条件に依存せず、材料固有であること
熱拡散率は温度に依存する物性値であるため、測定時の温度上昇の影響
を考慮した測定方法を開発・実施しています。
• SI トレーサブルな熱拡散率測定
熱拡散率 = 長さ、時間、温度の組立量
測定システムも、『長さ』『時間』『温度』毎に校正・不確かさ評価が可能
長
SI(国際単位系)にトレーサブルな熱拡散率の評価を確立し実施しています。
• GUMに沿った不確かさ評価
ISO G
Guide
id 98 -- Uncertainty
U
i
off measurement -- Part
P 3–
“ Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM:1995) “
GUM沿った不確かさ評価を確立し、実施しています。
• 熱拡散率標準物質
熱拡散率依頼試験により値付け、多様性が求められている
SI(国際単位系)にトレ サブルな熱拡散率が値付けされた認証標準物質
SI(国際単位系)にトレーサブルな熱拡散率が値付けされた認証標準物質
5
レーザフラッシュ熱拡散率測定の概要
ザ ラッシ 熱拡散率測定の概要
• 熱拡散率: (T) = d2 / 
• 長さ・時間・温度の組立量
• 測定装置の校正(長さ、時間、温度)
SIトレーサブルな熱拡散率
• GUMに沿った不確かさ評価
• ISO 17025(JIS Q 17025)に沿った運営
Mode Mixer
Pulse
Laser
Optical fiber
Detector
PC
解析ソフトウエア
0
Vacuum
chamber
SI Units
Length
Frequency
Uniform Heating
熱損失低減
S
Sample
l
Voltage
A/D
Fixed point
Thermo couple
converter
Gauge Block
F
Function
ti
Generator
(Calibrated)
DMM
(Calibrated)
Thermocouple
(Calibrated)
DMM
Ice point
Amplifier
< Thickness >
Linear Gauge
< Time >
A/D Combater
< Temperature >
Thermocouple
Laser Flash system
Reference material (Sample)
Temperature
Time
より正確な測定
0
Linear
Gauge
Length
Infrared radiation
thermometer
高速応答、温度目盛(遅れ、非線形性の低減)
6
新規認証標準物質 NMIJ CRM-5807a
新規 認証標準物質 NMIJ CRM 5807
5807-a
a
熱拡散率測定用セラミックス(Al2O3-TiC系) として、
 材質・形状等
• Al2O3-TiC系セラミックス
• 3枚1組のセット: 直径10 mm × 1 mm, 2 mm, 3 mm
 熱拡散率 
適用温度範囲 300 K ≦ T ≦ 1000 K
相対拡張不確かさ 5.1 % ≦ U ≦ 8.1 %
2015年4月以降 頒布開始予定
Thermal diffusivity / m2s-1
 選定理由
• 材料として安定。入手が容易。黒化処理不要。
• 熱拡散率が10-66 m2s-11 オーダー
オ ダ
1.0 x 10-5
2 mmt
1 mmt, 3 mmt
eq. (5-3)
8.0 x 10-6
6.0 x 10-6
4.0 x 10-6
2.0 x 10-6
200
400
600
800
1000
1200
Temperature / K
7
ラウ
ラウンドロビンテスト:
•
熱拡散率/熱伝導率 測定のラウンドロビンテスト
1. レーザフラッシュ法のラウンドロビンテスト
• JIS R1611改訂版の附属書を元にした精密測定
– インヒレントな熱拡散率を求める測定方法
– 不確かさ評価
• 試料:黒鉛(比較的熱拡散率が大きい材料)
• スケジュール: 2015年 3月
試料配布・測定開始
2015年
年 11月
測定結果返信
2. 熱拡散率・熱伝導率測定のラウンドロビンテスト
熱拡散率 熱伝導率測定のラウンド ビンテスト
• 様々な材料の熱拡散率・熱伝導率を幾つかの測定方法で測定
– 測定方法:レーザフラッシュ法、周期加熱法、細線法、定常法…..
• 候補試料:セラミックス(マコール)、金属(SUS)、高分子材料(アクリル)
候補試料 セラミックス(マコ ル) 金属(SUS) 高分子材料(アクリル)
• スケジュール: 2015年 夏以降
測定開始
レーザフラッシュ法のラウンドロビンテスト
ラッ
法 ラウ
– JIS R1611改訂版の附属書を元にした高精度測定
イン
ントな熱拡散率を求める測定方法
• インヒレントな熱拡散率を求める測定方法
– 一定温度で、パルス加熱強度を3段階以上変化させた測定
– 同一パルス強度で繰り返し2回以上
上記を 厚さが異なる試験片に対して行う
上記を、厚さが異なる試験片に対して行う。
• 不確かさ評価
– 不確かさ評価を試行(雛型は産総研で用意します。)
– 不確かさ要素:試料厚さ、熱拡散時間、温度 etc.
– 試料:黒鉛
• 基本的に、直径10 mm円板 厚さ1.0~4.0 mmの4枚セット
– 測定条件
• 室温(全ての試験片)
• 600 K, 800 K , 1000 K, 1200 K(1個以上)
まとめ
• 熱拡散率・熱伝導率の標準整備状況
(2015年末までに5804b作製予定)
• 認証標準物質 NMIJ CRM-5807a開発
CRM 5807a開発
(2015年4月以降 頒布開始予定)
– 熱伝導率
• 標準物質 NMIJ RM-1401a供給中
RM 1401 供給中
– 熱流密度標準
• 2015年年度
年年度 供給開始
Thermal diffusivity, m 2s-1
– 熱拡散率
• 依頼試験(SIトレーサブル・インヒレントな値、
依頼試験(
ブ
イ
な値
不確かさ評価)
*2014年4月から黒色試験片全般が対象
2014年4月から黒色試験片全般が対象
• 認証標準物質 NMIJ CRM-5804a完売
10-4
Au (TPRC)
Cu (TPRC)
Al (TPRC)
W (TPRC)
Mo (TPRC)
Isotropic
Graphite
(NMIJ CRM 5804a)
10-5
Ge (TPRC)
Armco Iron
(TPRC)
Al 2O3-TiC ceramics
(NMIJ CRM 5807a)
Al2O3 (JFCC TD-AL)
10-6
Pyroceram
(IRMM BCR-724)
3YSZ (JFCC ZR-1)
300
600
900 1200 1500 1800 2100
Temperature, K
•
熱拡散率RRについて
2015年3月以降、順次試料配布・測定開始予定。
よろしくお願いいたします。
10
まとめ
依頼試験 (thermal diffusivity)
 対象:
黒色試験片
※ 2012年までは等方性黒鉛のみ
※ 2013年に汎用的に拡大
(黒化処理をした材料を含む)
 形状:
φ 5 mm または φ10 mm円板
(厚さ 1.0 mm - 4.0 mm)
 温度範囲:
温度範囲 300 K – 1500 K
 測定方法: レーザフラッシュ法
 不確かさ : 3.1%以上
(認証) 標準物質
NMIJ CRM 5804a (thermal diffusivity)






材質 : 等方性黒鉛 (IG-110)
形状:φ10 mm×1.4, 2.0, 2.8, 4.0 mm
温度範囲 : 300 K – 1500 K
物性値 : 熱拡散率
Uncertainty : 5 % – 7 %
頒布終了 (2015年度中に5804bを作製予定)
NMIJ
JC
CRM 580
5807a
a (thermal
(t e a diffusivity)
d us ty)





材質 Al2O3-TiC
形状:φ10 mm × 1.0, - 3.0 mm
温度範囲 : 300 K – 1000 K
物性値 : 熱拡散導率
Uncertainty : 5.1 % – 8.1 %
new
NMIJ RM 1401a (thermal conductivity)
材質 : 等方性黒鉛(IG-110)
形状:φ10 mm × 1.0, 2.0 mm
温度範囲 : 300 K – 900 K
物性値 : 熱伝導率     cp  
(熱拡散率・比熱容量・密度)
 Uncertainty : 7.2 % – 9.8 %




熱流密度標準(GHP法による)
Coming soon !
 熱流センサの校正
 条件:室温、熱流密度:≲ 100 W/m2
平成26年度 固体熱物性クラブ全体会合 2015.2.3
固体熱物性標準整備の現状と開発計画
-比熱容量-
比熱容量
(独)産業技術総合研究所
計測標準研究部門 材料物性科 熱物性標準研究室
阿部陽香
1
比熱容量標準の整備
比熱
容量標準の整備状況-依頼試験
容量標準の整備状況
状況
状況-依頼試験-
依頼試験-
測定法
測定装置
相対拡張不確かさ
(k =2)
2) (%)
0.6 ~ 8.2 %
低温
(50~350 K)
断熱法
中温
(300~900 K)
示差走査熱量法 入力補償型示差走査熱量計
1.8 ~2.1 %
高温
(900~1600 K)
示差走査熱量法 熱流束型示差走査熱量計
3 9 ~7.2%
3.9
7 2%
パルスチューブ冷凍機式断
熱型熱量計
2
比熱容量標準の整備
比熱
容量標準の整備状況-標準物質
状況-標準物質-
-
標準物質
相対拡張不確かさ
(k =2) (%)
低温
(50~350K)
比熱容量測定用単結晶シリコン
NMIJ CRM 5806-a
形状:直径5 mm×厚さ1.0 mm
1.1 ~ 4.1 %
中温
(300~900K)
熱伝導率標準物質 等方性黒鉛
NMIJ RM1401-a
形状 直径10 mm×厚さ1.0,
形状:直径10
厚さ1 0 2
2.0
0 mm
(参考値として比熱容量値が
付与されている)
3.1 ~4.3 %
高温
未整備
(900~1600K)
3
今年度の報告
1.【低温】比熱容量標準物質NMIJ CRM5806-a の
有効期間延長
2.【高温】熱伝導率標準物質NMIJ RM1401-a の
比熱容量評価
3.来年度からの整備計画について
4
NMIJ CRM5806
CRM5806--a の概要
-1
0.6
--1
cp / J K g
母材: 単結晶シリコン(インゴット)
製造元: 信越半導体株式会社
製法: FZ法(浮遊帯域溶融法)
Si_A1
Si
A1
Si_A2
Si_A3
Si_A4
0.8
評価用試験片
0.4
0.2
0
50
100
150
200
250
300
350
Temperature / K
T (K)
50
100
150
200
250
300
350
-1
cp / J K g
0.0786
0.2583
0.4253
0.5562
0.6480
0.7119
0.7568
-1
-1
U/JK g
0.0032
0.0049
0.0065
0.0075
0.0080
0.0081
0.0081
-1
5
安定性モニタリングの結果
0.425
0 42
0.42
測定時期
2014/6
2
0.75
2014/6
0.74
2013/12
0.745
2011/12
0.63
0.755
2009/11
0.635
0.76
2008/9
0.64
T = 350 K
0.765
認証値
350
Speccific heat capacity / J K -1 g-1
T
Temperature
t
/K
300
2014/6
250
2013/12
200
0.645
2011/12
150
0.65
2009/11
100
T = 250 K
0.655
2008/9
50
0.77
認証値
-0.015
20
013/12
測定時期
0.66
-0.01
20
011/12
20
009/11
2008/9
2
認証値
認
0.415
測定時期
-0.005
-0.02
0.43
2014/6
2
0
T = 150 K
0.435
0.41
20
013/12
0.07
Specific h
heat capacity / J K -1 g-1
0 075
0.075
20
011/12
0.005
Speccific heat capacity / J K -1 g-1
xmeas - xCRM / J K-1 g-1
0.01
0.08
20
009/11
0.015
T = 50 K
2008/9
2
2008年9月
2009年11月(認証時)
2011年12月
2013年12月
2014年6月
拡張不確かさ
0.44
認証値
認
0.02
Specific h
heat capacity / J K -1 g-1
0.085
測定時期
特性値の変化は見られない → 有効期限を2021年3月31日までに延長
6
NMIJ RM1401
RM1401--a の比熱容量評価
CODATA_Graphite
RM1401-a
present data
RM1401-a
present data
0.6
CODATAからの
の残差 / J K g
-1
2.5
-1
-1
Specific Heatt Capacity / J K g
S
-1
08
0.8
2
15
1.5
1
0.4
0.2
0
-0.2
-0.4
-0.6
0.5
0
500
1000
1500
Temperature / K
2000
-0.8
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
T
Temperature
t
/K
Temperature: 900 ~1600 K
Relative Expanded Uncertainty: 7.7 ~ 11 %
7
比熱容量標準のまとめ
1. NMIJ CRM5806-a 比熱容量測定用単結晶シリコン
有効期限延長申請済
2016年3月31日→ 2021年3月31日(5年間延長)
2. NMIJ RM1401-a 熱伝導率標準物質
高温(900 ~1600 K)での比熱容量評価
相対拡張不確かさ 7.7
7 7 ~ 11 %
3 来年度からの整備計画
3.
350 K以上における標準装置開発
8
2016年2⽉3⽇
H26年度固体熱物性クラブ全体会合
分散型熱物性データベースの開発
(独)産業技術総合研究所 計測標準研究部⾨
材料物性科 熱物性標準研究室
⼭下雄⼀郎
分散型熱物性DB概要
<⽬的>固体、⾼温融体、流体の信頼性の⾼い熱物性デー
タを広範に収録するとともに、利⽤の促進を図り、科学技
術の知的基盤整備に寄与する。
物質・材料の開発
セラミックス
ガラス
半導体
⾼分⼦
物性データベース
⾦属・合⾦
物質・材料情報のハブ
物質・材料の利⽤
エネルギー
エレクトロニクス
プロセス制御
環境・建築・⽣活
⾷品・医療・バイオ
分散型熱物性DB特徴
複数の熱物性データベースをネットワークを介してシームレスに
利⽤(無償)
• 参画機関が得意な分野でデータの体系的整備
• XML形式での熱物性メタデータ提供(WebAPI経由)
• クラウドサービスを利⽤した安定公開
•
•熱物性データの
体系的整備
•機関横断的連携
の実施
第3期中期計画対応︓⾼信頼熱物性データの整備
2-(1)-② 熱物性を中⼼とした材料計量データベースの整備
材料の熱物性及び関連物性について、不確かさ評価等により信頼性の保証された
データセット100組以上を新たに収録し継続的かつ安定的に提供する
Ti、NbTi、Ta、⾼マンガン鋼、Invar、Nbの熱膨張係数 ・・6件
SUS316、V、Ni、Pb、Pt、Co、Hf、Nb等の熱膨張率 ・・・12件
Mo(NIST SRM)、SU303、⾼純度Feの⽐熱容量 ・・・3件
⾦属薄膜(Al、Mo、Co、Pt等)・・・12件
他多数
合計114件を収録(〜H27/01時点)
収録データ例︓
⾦属単体の熱膨張率(⾼温域)
コンテンツ整備状況
流体=7,477件、固体&融体=3,604件、
薄膜=283件
合計11,364件の熱物性データを収録
ユーザーインターフェース
•TPDS-web –ウェブブラウザ⽤閲覧システム -グラフ上のデータ⽐較、 横断検索、物質名による簡易検索
アルミニウムの熱伝導率データ
信頼性レーティング機能
考え方
・GUMに基づく不確かさがついたデータには高いレーティングを与える。
・熱物性分野では、クリティカルエバリュエーションによる信頼性担保が歴史的に実
施されてきた。そうしたデータにも高いレーティングをつける。
Rating
☆☆☆
Classes
Uncertainty(GUM)
☆☆☆
Critical evaluation / クリティカルエバリュエーションによる評価値(推奨
Recommendation
値)や国際機関による認証値
☆☆
Evaluation︖
(複数の)信頼できるデータから作成したデータ。
Others
GUMに基づかない不確かさ(精度、確度、誤差等)
☆
(⽤語検討中)
No star No Information
comments
GUMに基いて評価された計測の不確かさ
不確かさ情報なし
ポイント:VIMにおけるReference Data, Standard Reference Dataに3つ星が付くように設定
7
レーティング表示例と不確かさ情報の表示
星の数を表示(2つ星)
不確かさに関するコメント情報
星の数を表示(無星)
表データにおける不確かさ表示
数式データにおける不確かさ表示
(案)
1
0.01
8
不確かさ表示機能(エラーバー表示)
移行中
不確かさに関する情報があるものは、チェックを入れて、
「Redraw」すると、エラーバーが表示
9
外部サービスへのデータ提供︓検索⽤WebAPI
検索結果XML
検索問い合わせ
………/searchAPI.ashx?matname=methane
AIST︓分散型熱物性DBのコンテンツを外部サイトから検索
できるサービスを提供
User︓サイト運営者は取得したコンテンツを使って、サー
ビスに付加価値をつける事が可能
分散型熱物性DB
まとめ
・コンテンツ整備
>約3,600物質・材料について合計11,364件の
熱物性データを公開(グラフ1本が1件に対応)
>第3期中期計画の数値⽬標をクリア。
・システム開発
>Webブラウザ版閲覧システムTPDS-webを提供。
-新機能として信頼性レーティング指標の導⼊を検討
-数式データでの不確かさ表⽰機能の開発
-グラフにおけるエラーバー表⽰機能の開発
>産総研物質・材料データバンクポータルとのデータ連携を
実現