7月号 アグリワークポイント 『ミカン』 7月になると生理落果も終わりに近づき、本格的な摘果の時期となります。隔年結果 是正のための着果量の調整とともにフィガロン散布・マルチ被覆を行い、消費者に好ま れる高品質果の生産に努めましょう。 《結実管理》 本年は着果量の少ない樹が多く見られると思います。そのような樹に対しては隔年結 果是正のために、摘果は9月以降に行いましょう。今月は軽い夏季剪定(立ち枝・被さ り枝の除去)を中心に管理してください。 着果量の多い樹(ベタ成り)は、隔年結果是正のため、7月下旬までに、樹冠上部1 /3摘果と枝別全摘果を合わせて行ってください。それに加え、9月に後期摘果として 裾成り果・外観不良果の摘果、外周の間引き摘果を行って下さい。バランスが良くなり、 隔年結果が改善されます。 早生温州に関しては、内裾なり果・外観面における不良果の除去など肥大促進のため に早期に摘果を行いましょう。 《フィガロン散布》 品質向上を目的としてフィガロン散布を行いましょう。 一回目(2000倍)の散布は、樹冠表面上の果実の横径が平均3cm以上で二次落 果が終了していることを確認してから行って下さい。二回目(3000倍)の散布は、 一回目の散布から20日以内に行ってください。気温の高い時間帯は避け、夕方か曇天 の日に行いましょう。 フィガロン散布は、発根を抑制して根からの吸水を止め、水分ストレスをかけます。 樹にかなりの負担がかかりますので、樹勢の低下している園では、散布を控えてくださ い。 《マルチ被覆》 熟期促進と増糖効果を目的に、マルチ被覆を実施しましょう。被覆時期の目安は早生 温州で7月下旬、青島温州で8月上旬です。 《病害虫防除》 農薬の使用基準の遵守・他作物への飛散防止に努めましょう。 ・黒点病 ジマンダイセン水和剤600倍(30日―4回) ・チャノキイロアザミウマ コテツフロアブル4000倍(前日―2回) 果樹林産センター 小栁
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