W-6139 W-6139 COPAL ELECTRONICS 22 V 高電流 昇圧式 白色LEDドライバー 概 要 W-6139はLEDを駆動するのに最適な、正確で一定な 電流を供給するDC/DC昇圧式のコンバータです。1MHz の固定スイッチング周波数の動作により、小形のセラ ミックコンデンサとインダクタが使用できます。直列 に接続されたLEDは、外部抵抗R1によって設定された 一定の電流で駆動できます。W-6139は、最大22 Vまた は最大5個の直列接続された白色LED連を並列に駆動 するのに最適です。 LEDの輝度調整は、DC電圧、ロジック信号やパルス 幅変調信号 (PWM) により行うことができます。シャ ットダウン入力ピンにより、デバイスをゼロに近い自 己消費電流値のパワーダウンモードにすることができ ます。 過熱保護と過電流制限保護に加え、デバイスはLED がオープンになった異常時に非常に低い電力で動作す るモードになります。W-6139はスペースが問題となる アプリケーションのために、薄型 (最大厚み1 mm) 5ピ ン SOT23パッケージとなっています。 特 長 ・750 mAのスイッチ電流制限 ・最大 22 VまでのLED連を駆動 ・最大 87 %の電力変換効率 ・0.6 mAの自己消費電流 ・1MHzの固定周波数・低ノイズ動作 ・ソフトスタート“突入”電流制限 ・シャットダウン電流 1 μA以下 ・オープン時のLED過電圧保護 ・入力電圧1.9 Vで自動シャットダウン (UVLO) ・過熱・過負荷保護付き ・薄型SOT23 5ピン (最大厚み1 mm) ・鉛フリー、ハロゲンフリー/BFRフリー、RoHS対応 マーキング TP = デバイスコード Y = 製造年(下 1 桁) M = 製造月(1-9, A, B, C 又は O, N, D) オーダーインフォメーション 型式 パッケージ 出荷 W-6139TD-GT3 (注記 1) TSOT-23 (鉛フリー) 3,000 / テープ& リール 1. NiPdAu メッキ (RoHS 対応) アプリケーション ・GPSナビゲーションシステム ・ポータブルメディアプレーヤー ・携帯機器 日本電産コパル電子株式会社 2015年10月 – 改訂 2 ピン接続 1 文書番号: W-6139/E W-6139 図 1. アプリケーション回路 表1. 絶対最大定格 パラメータ VIN, FB電圧 ―――――― SHDN 電圧 SW電圧 保存温度範囲 ジャンクション温度 リード温度 定格 -0.3~+7 単位 V -0.3~+7 V V ℃ ℃ ℃ -0.3~+40 -65~+160 -40~+150 300 「絶対最大定格」を超えたストレスはデバイスに致命的なダメージを与えます。最大定格はストレスの定格のみで す。絶対最大定格の条件に長時間放置しておくと、デバイスの信頼性に悪影響を与えます。 表2. 推奨動作条件 (外付け部品を用いた代表的なアプリケーション回路を上に示します。) パラメータ 定格 VIN 最大5.5 SWピン電圧 0~22 動作温度範囲 (注記 2) -40~+85 単位 V V ℃ 2. TSOT23 5ピンパッケージの熱抵抗は、基板のグランドプレーンに搭載したときにはθJA = 135 ℃/Wになります。 2 W-6139 表3. 電気特性 (上記の推奨動作以外に指定されない限り以下の条件とする。VIN = 3.6 V, TA = 25 ℃) 記号 IQ 動作電流 ISD VFB IFB ILED シャットダウン電流 FB ピン電圧 FB ピン入力リーク電流 プログラムできる LED 電流 VIH ―――――― VIL ―――――― FSW ILIM RSW ILEAK TSD THYST VUVLO VOV-DET VOCL DC パラメータ SHDN ロジック High SHDN ロジック Low スイッチング周波数 スイッチ電流制限 スイッチ ON 抵抗 スイッチリーク電流 シャットダウン温度 温度のヒステリシス 低電圧ロックアウトのスレッショルド電圧 過電圧検出スレッショルド電圧 出力クランプ電圧 最大デューティサイクル 最小デューティサイクル 条件 VFB = 0.2 V VFB = 0.4 V (not switching) VSHDN = 0 V 9 x 3 LEDs, IOUT = 180 mA Min R1 = 10 Ω R1 = 3 Ω Enable Threshold Level 28.5 Shutdown Threshold Level 0.4 0.7 0.8 600 750 ―――――― VIN = 3.6 V VIN = 5 V ISW = 100 mA Switch Off, VSW = 5 V 285 23 “Open LED” 3 Typ 0.6 0.1 0.1 300 Max 1.5 0.6 1 315 1 31.5 単位 mA 1.5 V 1.0 1.3 MHz mA 1.0 1 150 20 1.9 24 29 92 16 2.0 5 Ω μA ℃ ℃ V V V % 30 100 0.8 μA mV μA mA W-6139 標準的な特性 (VIN = 5.0 V, IOUT = 180 mA, TAMB = 25 ℃) 図2. 自己消費電流とVIN (スイッチングなし) 図4. FBピン電圧と温度 図3. 自己消費電流とVIN (スイッチングあり) 図5. FBピン電圧と出力電流 図6. スイッチング周波数と電源電圧 図7. スイッチON抵抗と入力電圧 4 W-6139 標準的な特性 (VIN = 5.0 V, IOUT = 180 mA, TAMB = 25 ℃) 図9. 出力電流変動 図8. 出力電流と入力電圧 図11. 効率と入力電圧 図10. 効率と出力電流 図12. 電源起動 (180 mA) 図13. スイッチング波形 5 W-6139 標準的な特性 (VIN = 5.0 V, IOUT = 180 mA, TAMB = 25 ℃) 図14. 最大出力電流 図15. シャットダウン電圧 図16. スイッチ電流制限 6 W-6139 端子の機能 VIN:内部ロジックのための電源入力です。デ バイスは、電源電圧が2.8 Vから5.5 Vに適応でき ます。4.7 μFの小さなバイパス用のセラミック コンデンサをデバイスの近くのVIN-GND間に 取り付けすることを推奨します。もし、電源電 圧が1.9 V以下に降下した場合には、デバイスは スイッチングを停止します。 SW:このピンは、内部のブーストコンバータの CMOSパワースイッチのドレインに接続されて います。インダクタとショットキ・ダイオードの アノードを、SWピンに接続してください。SWピ ンへの引き回しは、できるだけ短く、最小の閉回 路としてください。過電圧検出回路がSWピンに 接続されています。電圧が24 Vに達すると、デバ イスは低電力動作モードに入り、SW電圧が最大 定格を上回るのを防ぎます。 ―――――― SHDN:シャットダウン用のロジック入力です。 ピンが0.4 V以下の電圧になっているときには、 デバイスはシャットダウンモードになり、電流 はほとんど0となります。ピンに1.5 V以上の電 圧を接続したときには、デバイスは有効になり ます。 FB:フィードバッグピンは、0.3 Vに安定化され ています。FBピンとグランドとの間に接続した 抵抗で、以下の式によりLED電流を設定します。 最下部のLEDのカソードをFBピンに接続しま す。 GND:GNDに接続するピンです。このピンは基 板上のグランド面に直接、接続してください。 表4. 端子の機能 ピン番号 名称 1 SW 2 GND 3 FB ―――――― 4 SHDN 5 VIN 機能 スイッチピン。内部電力スイッチのドレインに接続されています。 グランドピン。このピンはGNDに接続されています。 フィードバックピン。このピンは最後のLEDのカソードに接続します。 シャットダウンピン (Logic Low)。Hにすることでドライバーを有効にします。 電源入力 図17. 簡易ブロック図 7 W-6139 動作 W-6139は固定の周波数 (1 MHz) 、低ノイズ でインダクタンスを用いたブーストコンバータ で、優れた入力および負荷変動を有し、安定し た電流を供給します。デバイスは、インダクタ を動作させるためにSWピンとグランド間に高 電圧CMOSパワースイッチを使用します。スイ ッチがOFFに切り換わったとき、インダクタに 保存されたエネルギーは、ショットキ・ダイオ ードを介して負荷に放出されます。 パワースイッチのON/OFFデューティサイク ルは、内部で調整されかつ、フィードバックピ ン (FB) に接続されているフィードバック抵抗 で0.3 Vの一定に安定化された電圧を維持する ために制御されています。抵抗の値でLEDの電 流を設定します (0.3 V/R1)。 電源投入の初期において、内部パワースイッ チのデューティサイクルは、過度の突入電流を 防ぐために制限され、それによりソフトスター トモードの動作を提供します。 LEDがオープンになるような異常の場合に は、フィードバックコントロールループはオー プンとなり、出力電圧は増加し続けます。一旦 電圧が24 Vを上回ると、内蔵保護回路が動作 し、デバイスは非常に低い電力の安全な動作モ ードになります。 過熱で保護回路は、デバイスが150 ℃以上の異 常なジャンクション温度での動作の保護も含ん でいます。過熱保護時には、デバイスは自動的 にシャットダウンし、通常動作はジャンクショ ン温度が130 ℃に冷えるまで待機します。 アプリケーション情報 外付け部品の選択 ショットキ・ダイオード ショットキ・ダイオードの定格電流は、それ を流れるピーク電流以上のものにします。ショ ットキ・ダイオードの性能は、その指定される 電流での順電圧によって評価します。最高の効 率を達成するために、順電圧をできる限り低く する必要があります。ドライバーが1 MHzで動作 しているため、応答時間も重要となります。 Central Semiconductor 社 の シ ョ ッ ト キ 整 流 器 CMSH1-40 (1 A) は大部分のアプリケーション で推奨されています。 コンデンサ W-6139では入力側に4.7 μF、出力側に1 μFの 小形セラミックコンデンサのみを必要とします。 通常状態では、4.7 μFの入力コンデンサで十分 です。高出力電力のアプリケーションには、10 μFの大きな入力コンデンサを推奨します。X5R またはX7R特性のコンデンサタイプが温度範囲 における安定性の面から理想的です。 インダクタ 22 μHのインダクタが、大部分のW-6139アプ リケーションに推奨されています。効率が重要 な場合は、低い直列抵抗のインダクタを選ぶこ とを薦めます。インダクタは800 mAまたはそれ 以上の定格電流のものが推奨されます。スミダ 製インダクタCDRH6D28-220、22 μHの定格電流 は1.2 Aで、直流抵抗 (D.C.R.) は、128 mΩです。 LED電流設定 LED電流は、フィードバック (FB) とグランド 間の外付けの抵抗R1で設定します。抵抗と電流 の関係は、以下の式となります。 表5. 抵抗R1とLED電流 8 W-6139 LEDオープン保護 LEDがオープンとなるような異常の場合、 W-6139は出力電圧がおよそ24 Vに達するまで 出力電圧を昇圧し続けます。一旦、出力がこの レベルを上回ると、内蔵回路はすぐに全入力電 力が6 mW以下の非常に低い電力モードに入り ます (3.6 Vで約1.6 mAの供給電流) 。SWピンは 出力電圧を40 Vの最大定格以下に固定します。 VoutとFBピンの間に外付けのツェナーダイオ ードを使用する必要はありません。35 V耐圧の C2コンデンサがLEDがオープン状態での過電 圧による損傷を防ぐために必要です。 図18. LEDオープン保護回路 図19. LEDオープン時と再接続 図20. LEDオープン時 図21. LEDオープン時の供給電流 図22. LEDオープン時の出力電圧 9 W-6139 輝度調整 LEDの輝度を制御するためのいくつかの方法 があります。 フィルタをかけられたPWM信号 フィルタをかけられたPWM信号は、LED電流 の制御に可変のDC電源として利用することがで きます。図24は、W-6139のFBピンへのPWM制御 回路の接続を示します。PWM信号は、0 Vから2.5 Vまで変化します。LED電流は、0 mAから20 mA の範囲内で調整ができます。PWM信号の周波数 は、超低周波から100 kHzまで可変することがで きます。 ―――――― SHDNピンへのPWM信号 ―――――― LEDの輝度調節は、SHDN 入力へPWM信号を 加えることで可能です。LED電流はオンかオフ が繰り返されることから、平均電流はデューテ ィサイクルに比例します。100 %デューティサ ―――――― イクルで、SHDN が常にHのときに、LEDの代 表的な電流と一致します。図23は、50 %デュー ―――――― ティサイクルの1 kHz信号をSHDN ピンへ加え たときの波形を示しています。推奨するPWM周 波数範囲は、100 Hzから2 kHzです。 図24. フィルタをかけられたPWM信号回路 直流電圧が0 Vまたは、0 %のデューティサイク ルのPWM信号では、約22 mAの最大LED電流とな ります。93 %以上のデューティサイクルのPWM 信号では、0 mAのLED電流となります。 ―――――― 図23. SHDNでの1 kHz PWM信号のスイッチング波形 図25. フィルタをかけられたPWM調光 (0 V~2.5 V) 10 W-6139 基板のレイアウト W-6139は高周波スイッチングレギュレータ です。高周波スイッチング電流を伝送するパタ ーンは、全体のEMI、リップル、ノイズを最小 にするために基板上のレイアウトを慎重にしな ければなりません。図26に示してある太線は、 スイッチング電流の経路を示しています。全て のこれらのパターンは、寄生的なインダクタン スや抵抗を最小にするために、短く、十分広く しなければなりません。図26上で示されるルー プはW-6139の内部スイッチが閉の時の電流経 路と一致します。W-6139のスイッチが開の時は、 図27の電流ループとなります。両方のループ領域 は、できる限り小さくしなければなりません。 コンデンサC1は、できる限りVINピンとGND の近くに置いてください。コンデンサC2は、一 番上のLEDのアノード端子から離して接続して ください。W-6139の下のグランド面は、グラン ドへのコンデンサの直接、接続を可能とします。 抵抗R1は、W-6139のGNDピンと直接、接続しな ければならず、スイッチング電流のループや他の 構成部品と共有しないでください。 図26. 閉スイッチ電流ループ 図27. 開スイッチ電流ループ 図28. 推奨PCBレイアウト 11 W-6139 パッケージ寸法 TSOT-23, 5LEAD 注記: (1) すべての寸法は、mm で表します。角度は度で示します。 (2) JEDEC MO-193 に準拠。 12 W-6139 オーダーインフォメーション (注記 5) 型式 W 製品番号 - 6139 サフィックス TD - G T3 製品番号 テープ&リール T: テープ&リール 3: 3,000/リール パッケージ TD: TSOT-23 リードメッキ G: NiPdAu シリーズ LED ドライバー 型式 概要 W-6137 CMOS 昇圧式コンバータ-白色 LED ドライバー W-6237 高電圧 CMOS 昇圧式 白色 LED ドライバー W-6238 高効率 10 LED 昇圧式コンバータ W-6139 22 V 高電流 昇圧式 白色 LED ドライバー 3. 全てのパッケージはRoHS対応品です。(鉛フリー、ハロゲンフリー) 4. 標準のリードメッキは NiPdAu です。 5. W-6139TD–GT3 (TSOT-23、NiPdAu、テープ&リール、3,000/リール) を例として表しています。 注意事項 本製品の記載内容は予告なく変更することがあります。 弊社は、特定目的のための製品の適合性の保証は致しません。また、製品や回路の使用から生じるいかなる損害も 負わないものとし、お客様の特別損害、間接損害、付随的損害を含む損害を放棄し、弊社はこれらの責任も負わな いものとします。 弊社のデータシートと仕様書に記載の標準的なパラメータは様々な用途で変化することや、実際の性能は時間の経 過とともに変化する可能性があります。「Typ.値」を含むすべての動作パラメータはお客様のアプリケーションで 十分な検証をお願いします。 弊社は、本資料に関する特許に基づくライセンスやその他の権利を付与しません。 弊社製品は、体内に外科的に埋め込むことを意図したシステムに使用される部品や、生命の維持や支援を意図した 他のアプリケーションや、弊社製品の故障が身体の傷害や死亡の状況を引き起こすかも知れないその他のアプリケ ーションのための使用の認可や、意図、設計はされておりません。 お客様は、弊社が意図しない不正な使用により、直接、間接的に生じた個人の身体傷害、死亡から生じる如何なる 請求、コスト、損害や支出(費用) 、合理的な弁護士費用から弊社の役員、従業員、子会社、関連会社や販売店を免 責させ補償しなければなりません。これらが、弊社製品(部品)の設計上、製造上の過失から生じた請求、コスト、 等であっても同様とします。 13
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