理科解説

向陵中 過去問解説
個別ゼミWill宮の森校 作成
【問題】
2014年度 向陵中2学期期末テストより
図のように、10Ω の抵抗器A、抵抗の値が
わからない抵抗器B、60Ω の抵抗器Cを用
いて直列回路と並列回路をつくった。直列
回路の電源の電圧を3Vにすると、直列回
路の電流計は100mAを示した。並列回路
の電源は6Vにした。
(1)抵抗器Aに流れる電流の強さを求めなさい。 (2)抵抗器Bの抵抗の大きさを求めなさい。
(3)抵抗器Cに流れる電流の強さを求めなさい。 (4)並列回路の電流計の示す値を求めなさい。
【考え方】
電流の計算では、直列回路と並列回路での電圧と電流の性質を使って解いていく。問題文を読んで
からどうやって求めようか考える子が多いが、求められる値を全て求めてから答えにあてはまるものを
そこから抜き出すほうが、この分野を苦手としている子には楽になる。
オームの法則と回路の性質、この二つのみで簡単な作業を繰り返して、不明の値を求めていきます。
回路の性質を覚えていない子は、それの暗記から始めましょう。
【解法】
【手順】
①抵抗と電源に左の図を書き込む。
②問題文と回路の性質からわかる値を書き込む。
③値が2つ分かるものでオームの法則を使う。
あとは②③の繰り返し。
問題文から、Aは10Ω 、直列回路は100mA(0.1A)、3Vと6V
これらの情報と回路の性質から、直列回路のBが0.1A、
並列回路のBとCが6Vであることが分かる。
値が二つ埋まっているAとCでオームの法則を使用。
【解法のポイント】
Aが1.0V、Cが0.1Aと求められる。ここで、再度回路の性質を
使い、直列回路のB=2.0Vと分かる。
直列回路のBで値が二つ分かるので、オームの法則により
Bの抵抗=20Ω となる。
(4)電流計を流れる電流を求める。
↓
並列回路の抵抗器B、Cの電流を求める
↓ (3)の答え
並列回路のB、Cの抵抗と電圧の値が必要
↓
直列回路から抵抗器Bの抵抗の値を求める
↓ (2)の答え
抵抗器Bの電流と電圧の値が必要
↓
抵抗器Aの電圧から抵抗器Bの電圧を求める
↓
回路の性質から、直列回路の全体抵抗も分かる。
並列回路ではBの値が二つあるので、オームの法則から
Bの電流=0.3Aとなる。
そして、回路の性質より、電流計を流れる電流=0.4A
抵抗器Aの電流と抵抗が必要
(1)の答え
求めたい値にはどの値が必要かを考え、
その値を求めるにはさらに何の値が必要
か、という思考の繰り返しでも解ける。
【手順】②③を繰り返すことで、全ての値を求められる。
この状態から、問題の答えを抜き出していく。
(1)抵抗器Aに流れる電流=0.1A
答 0.1A
(2)Bの抵抗=20Ω
答 20Ω
(3)抵抗器Cに流れる電流=0.1A
答 0.1A
(4)並列回路の電流計の電流=0.4A=400mA
答 400mA
この問題は、答として必要な値を順を
追って求めていけば解けるようにつ
くってある。しかし、実際の模試や入試
ではいきなり(4)の値が必要な場面も
ある。だからこそ、物理が苦手な子に
は難しい。よって、作業として解ける状
態になることも大事となってくる。
解説の手法のように、求められる値を
全て求めてから問題に取り掛かる解き
方であれば、回路の性質の使い方さ
えマスターしておけば、この分野が苦
手な子でも解けるようになる。答えへ
の最短解法が、生徒にとって必ずしも
最良とは限らない。