教 育 研 究 業 績 平成 27 年 学位 研 究 分 野 8日 氏名 土屋 志穂 上智大学大学院法学研究科(修士) 研 究 内 容 の キ ー ワ ー ド 人文社会系 社会科学 国際法学 主要担当授業科目 7月 国際法、国家責任、個人、人権、国際投資 日本国憲法 教 育 上 の 能 事項 1 教育方法の実践例 視聴覚教材を利用した研修教育 力 に 関 す る 事 項 年月日 概要 平成 25 年 4 月 1日より 保育士・幼稚園教諭養成課程において、憲法の基礎習得の ために視聴覚教材および新聞記事などを用いて、できる限り 現代社会の問題との関連を意識させるようにしています。 2 作成した教科書,教材 特になし 3 教育上の能力に関する大学等の評価 学生による授業評価アンケート 平成 25 年度・ 26 年度 「日本国憲法」では、満足度および理解度平均で 5 段階中 3.5 以上でした。 4 実務の経験を有する者についての特 記事項 特になし 5 その他 特になし 職 務 上 の 事項 実 績 に 関 す 年月日 る 事 項 事 項 概要 1 資格,免許 特になし 2 特許等 特になし 3 実務の経験を有する者についての特記 事項 特になし 4 その他 特になし 研 究 著書,学術論文等の名称 (著書) 1.「外交的保護」 業 績 単著・共 著の別 等 発行又は発 表の年月 に 関 発行所,発表雑 誌等又は発表 学会等の名称 す る 概要 共著 平成 23 年 4 月 信山社 村瀬信也教授他と共著 国連国際法委員会で委員を務められた山田 中正大使の記念論文集において、国連国際 法委員会で採択された条約草案のうち、外 交的保護に関する条約草案を担当しまし た。外交的保護制度とは、外国に在留する 自国民が、外国政府の行為により被った損 害に関して、自国民に代わって国籍国が当 該国の国際責任を追及する制度ですが、そ の条約草案について、制度全体の紹介と、 その特徴および現代国際法における問題点 を論じました。 (村瀬信也、鶴岡公二編集代 表『変革期の国際法委員会 山田中正大使 傘寿記念』pp.193-214 執筆) 2.「国際投資法と国際人権法に 共著 おける外国人投資家の人権保護」 平成 26 年1 月 信山社 江藤淳一教授他と共著 現在の国際法では、個人を保護するため の国際投資法と国際人権法の二つのレジ ームが存在しており、各レジームが独自 の個人の権利救済措置を設けています。 これまで両分野は各々別個のものとして 発展を遂げてきましたが、個人の保護に 関する国際法の実体規則を通じて、現在 両分野が重複するという実行が生じつつ あります。そこで本稿では、これらの実 行の分析を通じて、両分野の発展が一般 国際法に与える影響を指摘しました。 (江 藤淳一編集代表、 『村瀬信也先生古稀記念 論文集』pp.319-336 執筆) (学術論文) 1 「個人の国際法上の権利侵害 と国家の国際責任 ―Avena 事件を手掛かりとして―」 単著 平成 25 年 10 月 上智法学論集 第 57 巻第 1・2 号合併号 個人の権利を国際法上創設する条約に関連 して、国籍国が国民への権利侵害を国際裁 判に訴える場合、国籍国と加害国の国際法 上の責任はどのように理論的に整理される かということを検討しました。2004 年に国 際司法裁判所は Avena および 51 人のメキ シコ人に関する米国の領事関係条約違反を 認定しましたが、この際、領事関係条約で 規定されている権利の状態を「国家の権利 と個人の権利の相互依存」という状況であ ると述べ、外交的保護であるとは述べませ んでした。そこで、本稿では Avena 事件に おけるメキシコの請求を分析し、現代国際 法において、国籍国は国民の権利侵害と、 自国に対する条約義務の違反の両方の訴え を提起できるというメカニズムが国際法上 生じているのではないか、このメカニズム が Avena 事件判決の中で明らかにされたの ではないか、という問題提起をしています。 「国際裁判所と国内裁判所」 共著 平成 22 年 3 月 上智法学論集 第 53 巻第 2 号 ~第 53 巻第 4 号 国内裁判所と国際裁判所の関係という共 通テーマの下で国内裁判所と国際裁判所 の制度的関係および国際裁判所判決の国 内裁判所での効力について論じる 3 号連 続の論文となっています。私は米国につ いて担当し、国際裁判所、とりわけ国際 司法裁判所の判決が、米国国内裁判判決 に与える影響について、領事関係条約に 関する事例を中心に検討しました。その 中で、米国はヨーロッパとは異なり、国 際裁判所の判決の影響をできる限り排除 する制度となっていることを導きまし た。 (土屋担当部分は第 53 巻 4 号収録) 3 「個人の国際法の権利と外交 的保護―国連国際法委員会の外 交的保護草案の検討から―」 単著 平成 19 年 11 月 上智法学論集 第 51 巻第 2 号 個人が国際法上有している権利とその国 籍国が有してきた伝統的な外交的保護権 との関係とその問題点を論じました。伝 統的に、国籍国の外交的保護権は国家の 利益を保護するためであり、個人の権利 を保護するための制度ではありませんで したが、国連国際法委員会の外交的保護 に関する条約草案を境に個人の保護のた めの制度に変化している点を指摘し、個 人の国際法上の権利と伝統的外交的保護 の理論的関係性を論じました。 4 「Sanchez-Llamas v. Oregon 単著 平成 20 年 3 月 上智法学論集 第 51 巻第3・ 4合併号 2 事件 ―領事関係条約第 36 条に 関する判決と国際法上の諸問題 ―」 2006 年 6 月 28 日にアメリカ連邦最高裁判 所にて下された Sanchez-Llamas 対オレゴ ン州の事件判決について、米国連邦最高裁 判所の判決紹介および領事関係条約と国際 法の観点から、判決の評価を論じています。 本稿は判例評釈として発表しました。 : (その他) 1 国際経済法学会第23回研 究大会報告 「国際投資法と国際人権法にお ける外国人投資家の保護」 平成 25 年 10 月 立教大学での国際経済法学会第23回研究 大会にて研究報告を行いました。 (その成果論文が著書の2.です) : (注)「研究業績等に関する事項」には,書類の作成時において未発表のものを記入しないこと。
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