別紙3 Ⅱ 報告徴収 1 紛争解決援助後に報告徴収を行い、法違反について行政指導を実施 (第29条関係) [妊娠等を理由とする不利益取扱い] 妊娠を理由とする不利益取扱いに係る「労働局長による援助」終了後に、事業主に対し、男 女雇用機会均等法第29条に基づく「報告徴収」を実施し、今後の取扱いを改めるよう行政指 導を行った。 会社は、今後、妊娠を理由とする不利益取扱いを行わないことを管理職に徹底した。 報告徴収を実施した経緯 契約期間中に妊娠を理由に解雇された女性労働者から、契約期間満了までの雇用を求めた労働局長の 援助終了後に、会社の取扱いは、妊娠を理由とした不利益取扱いに該当するか否か、男女雇用機会均等 法第29条に基づき報告徴収を実施。 ※労働局長による援助 雇用契約期間満了までの雇用となり、援助終了。 事業主からの聴取内容 当該女性労働者は妊娠による体調不良のため、早退、遅刻が続いた上、顧客訪問業務ができないこと から、他の労働者への影響も考慮し、契約期間途中で退職するよう提案したところ、労働者がこれに了 解したと思っていた。 労働局長による助言 妊娠に起因する症状により労務の提供ができないこと、又は労働能力が低下したことを理由に退職を 求めたことは、妊娠を理由とした不利益取扱いであり、男女雇用機会均等法第 9 条第 3 項に違反する旨 助言。 結果 事業主は、社内で同様の事案が起こらないよう、人事管理担当者に対して、当該事案の経緯、男女雇 用機会均等法第 9 条の趣旨等について研修を実施し、再発防止を徹底するとともに、今後は男女雇用機 会均等法等の法規内容の徹底・適切な運用を行うとの回答を得た。 [参考] 男女雇用機会均等法 (報告の徴収並びに助言、指導及び勧告) 第 29条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助 言、指導若しくは勧告をすることができる。 2 前項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任す ることができる。 (婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等) 第9条 1.2(略) 3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)第 65 条第 1 項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第 2 項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関 する事由であって厚生労働省令に定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをし てはならない。 2 相談を端緒に報告徴収を行い、法違反について行政指導を実施(第29条関係) [子どもがいることを理由とした男女異なる取扱い] 採用面接において、女性にのみ子どもの有無を質問するとの相談を端緒に、事業主に対し、男 女雇用機会均等法第29条に基づく「報告徴収」を実施し、今後の取扱いを改めるよう行政指導 を行った。 会社は、今後、男女異なる取扱いを行わないことを徹底した。 報告徴収を実施した経緯 求人情報誌を見て応募したところ、女性応募者に対してのみ子どもの有無を確認し、「小さい子ども がいると急に休まれて対応に困るから採用しない」といわれた。 自分の名前は出したくないので匿名による情報提供があったとして、今後このようなことがないよう にしてほしいと相談があったことから男女雇用機会均等法第29条に基づき報告徴収を実施。 事業主からの聴取内容 男性には子どもの有無を聞いていないが、小さい子どもがいる女性は急に休むことがあり、対応に苦 慮するため、女性にのみ子どもの有無及び子どもの年齢を質問している。 労働局長による助言 採用選考において、子どもの有無、保育状況等について、女性に対してのみ質問すること、採用にお いて男女異なる取扱いをすることは、男女雇用機会均等法第5条に違反する旨助言及び指導。 結果 男女雇用機会均等法の内容について、採用担当職員に対する指導及び役員勉強会を実施し、同法の周 知徹底を図った。 [参考] 男女雇用機会均等法 (報告の徴収並びに助言、指導及び勧告) 第 29条 厚生労働大臣は、この法律の施行に関し必要があると認めるときは、事業主に対して、報告を求め、又は助 言、指導若しくは勧告をすることができる。 2 前項に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任す ることができる。 (性別を理由とする差別の禁止) 第5条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりのなく均等な機会を与えなければならない。
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