ユーザー・マニュアル 熱応力 WBGT 測定器 モデル HT30 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 前書き 熱応力 WBGT (湿球黒球温度)測定器をご購入頂きありがとうございます。本測定器は湿度が温度や 気流、直射又は放射日光と合わさりどれくらい暑く感じるか熱応力指数(WBGT)を測定し表示します。 黒球温度(TG)モニターは直射日光が露出面に影響します。 測定器は気温(TA)と相対湿度(RH)も測 定します。付加機能として: °F/°C の単位の選択、無効にできる自動電源オフ、別売りの 407752 Windows®ソフト対応 RS-232 インターフェイス内臓がございます。本製品は完全な検品と校正を 行って出荷しておりますので、適切にご利用頂ければ長年に渡る信頼できる測定が可能です。 測定器の記述 2. 黒球温度センサー 3. 保護カバー付き相対湿度と温度センサー 4. 液晶ディスプレイ 5. /セット 6. 次 7. モード/ 8. RS-232 インターフェイス 9. 電池収納箇所(後面) ディスプレイ 記号 機能 WBGT 湿球黒球温度 TG 黒球温度 TA 気温 RH% 相対湿度 OUT 屋内 (日光無し) IN 屋外 (快晴時) C/F セ氏/華氏 低電池表示 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 測定器の操作 1. /SET ボタンを押し装置の電源をオン/オフする。 2. 測定する前に保護センサー・カバーを押し下げる。 3. MODE/ボタンを押し希望のモードを選択する。: 湿球黒球温度熱インデックス(WBGT)、気温 (TA)、黒球温度(TG)又は相対湿度 (RH)。ディスプレイにアイコンが表示され現在の選択を示 す。 4. 希望の温度単位(°F 又は°C)を選択するには、MODE/と NEXT ボタンを同時に押して離す。F 又は C アイコンがディスプレイに表示される。 5. 測定器は直射日光あり(IN)又は無し(OUT)の湿球黒球温度インデックスを測定する。MODE/ を 1 秒以上押し続け設定を変更する。IN 又は OUT アイコンがディスプレイに表示される。 アラーム設定 HT30 はユーザーが設定できる熱応力インデックス・アラームを装備している。HT30 は熱応力イン デックス(WBGT)がユーザーが事前に設定したレベルに達すると音響アラームが鳴る。アラームは測 定された熱応力インデックス温度がユーザーによって設定されたアラーム・レベルまで下がるまで、 或いは測定器の電源器を切るまで鳴り続ける。設定範囲は 68.0 から 99.0°F (20.0 から 37.2°C) 。 /SET ボタンを 2 秒以上押 1. アラーム設定モードを開始するには、測定器の電源を入れる際に し続ける。 2. 現在のアラーム設定がディスプレイに表示され最上位の数字が点滅する。 3. ボタンを使い値を増加させる。 4. 次の桁を設定するには NEXT ボタンを短く押す。 5. 全ての桁が設定された後、NEXT ボタンを 2 秒以上押し続けると測定モードに戻る。 注意: 新しい設定がアラーム範囲の設定圏外であれば OUT アイコンがディスプレイに表示される。 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 自動電源オフ 自動電源オフ機能は約 20 分後に測定器の電源を自動的に切る。本機能を無効にするには測定器の 電源を入れる際に /SET と MODE/を 2 秒間押し続ける。測定器はつかの間“n”と表示し測定 モードになる。測定器の電源を切ると自動電源オフモードはリセットされる。 電池交換 電池を交換する時期になると液晶ディスプレイの下部左手角に低電池表示 するには: が現れる。電池を交換 1. 測定器の後面の電池収納箇所を開ける。 2. 2 本の単 4 電池を交換し収納箇所を閉める。 3. ユーザーとして使用済み電池や蓄電器の返却が法的に義務付けられている。(電池に関す る条例); 家庭ゴミへの廃棄は禁じられている! 使用済み電池/蓄電器は地域の収集所或いは電池/蓄電器を販売している所に渡す! 処分:装置の寿命後は装置の廃棄に関する法規定に従う。 RS-232 PC インターフェイス RS-232 シリアル・データ・ポート(3.5mm フォノ・ジャック)は測定器の右側にある。 PC インター フェイス・ハードウェアは Extech ソフトとの使用用であり、部品番号は 407752 はウィンドウズと 互換性のあるソフトと PC インターフェイス・ケーブルを含む。本ソフトは測定器から PC ソフトへ データを移すことを可能にする(データ収集)。 より詳しい情報は Extech に問い合わせるか 407752 のユーザー・ガイドを参照。 エラーメッセージ 測定器が内部の診断検査に失敗した場合ディスプレイにエラーメッセージが表示される。 1. E2: 値が範囲以下 2. E3: 値が範囲超過 3. E4: 値がエラー 4. E11: RH 校正エラー 5. E33: 回路エラー。必要に応じて修理/交換 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 仕様 湿球黒球温度(WBGT) 0°C から 50°C (32°F から 122°F) WBGT 精度 測定したパラメータから計算 TG 黒球温度範囲 0 から 80°C (32°F から 176°F) TG 精度 屋内 ±2°C (4°F) 屋外 ±3°C (5.5°F) TA 気温範囲 0°C から 50°C (32°F から 122°F) TA 精度 ±1°C (1.8°F) 相対湿度(RH) 0 から 100%RH RH 精度 ±3% (25°C で 10 から 95%RH) レゾリューション 0.1°F/°C; 0.1%RH 操作温度 0°C から 50°C (32°F から 122°F) 操作湿度 最高 80% RH 電源 2 本の単 4 電池 電池寿命 約 1000 時間 寸法 測定器: 254 x 48.7 x 29.4mm (10x1.9x1.1") 黒球: 40mm, 35mm (1.57 直径, 1.37H) 重量 136g (4.8oz) 別売りアクセサリー PC ソフトとケーブル(407752) HT30-ja-JP_V3.5 12/15 追加 下記は米国海洋大気庁の許可を得た転載。 国家問題 熱は人体に能力を超えた負担を課すことによって死に至らす。通常 1 年に約 175 人のアメリカ人が夏の熱による被 害で死亡する。大きな大陸性の自然災害群の中には電光やハリケーン、トルネード、洪水、地震だけではなく冬の 寒さもあり、甚大な数の犠牲が出る。1936 年から 1975 年の 40 年の間にアメリカ合衆国では 20,000 人近くの人が熱 や太陽放射によって亡くなった。1980 年の破滅的な熱波では 1,250 人以上の死者が出た。これらは直接的な因果関 係ある。熱波により更にどれぐらいの死者が出ているのか知る由もない。多くの病気の人、或いは高齢による心臓 疾患者はより良い状況下では生きながらえたであろう北米の夏は暑い; 合衆国の 1 つ或いは別の地域で夏に熱波が 発生する。いくつかのひどい災害は破滅的な乾燥によるものだが、ロッキー山脈の東側は高温と多湿が重なりがち である。 悲劇的な死者の数を考慮し、国立測候所はより効果的に一般の人や関係官庁に熱波の危険--長く熱/湿度にさらさ れ発現する症状に対して警鐘を鳴らすことを強化した。最近のリサーチに基づき国立測候所は”熱指数”(HI)を考 案した(”見かけ温度”としても紹介される)。華氏温度での熱指数は相対湿度(RH)が加わった時実際の温度に対し てどのように暑く感じるか精密に測定したものである。熱指数は熱指数表参照。例えば、気温が 95°F (表の左側) で相対湿度が 55% (表の上部)の場合、熱指数 -- すなわちどれぐらい暑く感じるか -- は 110°F となる。95°の横 列と 55%の行の交差点が表す。重要: 熱指数は日陰や風の具合を考慮に入れて試算されるので日光に完全にさらされ ている場合は熱指数は 15°F まで上げられる。強風、特に熱を帯びた風や乾燥した空気は非常に危険である。熱指 数表の 105°F 以上のゾーンに注意する。熱にさらされることや身体活動を行うことで酷暑による障害が増加する熱 指数のレベルと一致する。 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 熱インデックス/熱障害 熱インデックス/熱障害 熱インデックス ハイリスク・グループの人の熱による起こり得る障害 130°F 又は以上 熱射病/日射病 長時間さらされると被害が高まる。. 105° - 130°F 日射病や熱痙攣症或いは熱中症が起こりやすく日射病が長時間 の暴露や身体活動によって起こり得る。 90° - 105°F 日射病、熱痙攣症や熱披露が長時間の暴露と身体活動によって 起こり得る。 80° - 90°F 披露が長時間の暴露と身体活動によって起こり得る。 "熱インデックス/熱障害"表は特定の障害、特にハイリスク・グループの人を対象にした分類している。 熱が体にどのような影響を及ぼすか 人体は血液循環の速さや深さを変えることにより、また水分を肌や汗腺から失うことにより熱を発散し -- 極限に 達する -- 血液が 98.6 以上まで上がると息切れを起こす。心臓はより多くの血液を噴出し、血管は血流の流れに順 応する為に拡張し、肌の上層部を曲がりくねって張り巡る毛細血管の束は作動状態となる。体の血液は肌の表面近 くを循環し、異常な高温は涼しい空気を無くしていく。同時に水分は発汗のように肌を通して拡散される。肌は体 の熱消散機能の約 90 パーセントを担う。 発汗自体は蒸発して水分がなくならない限り体を冷やさない、 -- 高い相対湿度は蒸発を遅らせる。蒸発の過程そ の物は下記のように働きかける: 汗を蒸発するよう求められた熱エネルギーは体から出され、その結果体を冷やす。 高温(90 度を超える)と高い相対湿度の状況下では体は 98.6 度に維持できるようあらゆることをする。心臓は拡張し た循環管を通る大量の血液を噴出している; 汗腺は肌の表面で液体を放射している -- 必要不可欠なナトリウムや 塩化物といった溶解物を含む。 過剰な熱 熱障害は一般的に循環変化や発汗により熱を発散する身体能力を減らしたり崩壊したり、大量に汗をかくことで化 学(塩分)の不均衡を引き起こす。熱が体が発散できるレベルを超えて上昇する場合、或いは体が発汗による体液 や塩分の損失を補えない場合、体内の温度は病気になる高さまで上昇する。 過酷さの範囲分けをする中で、熱障害の 1 つの共通特徴に気付く: 熱環境にさらされ過ぎたり過度に運動した場合 年齢や体の状況に対して症状が現れる。 紫外線による日焼けは肌の熱放射能力を著しく妨げる。 研究によると年齢以外のことは等しく反応するが、年齢に応じて熱障害は重くなる傾向がある。-- 17 歳では熱痙攣 を起こす場合、40 歳では熱射病となり 60 歳以上重い熱中症となる。 環境への順応は汗の塩分の濃度調整とその他の事が関係する。充分な水分を失うことが可能な化学物質の混乱を最 小限にし体温の調節につながると考えられる。 都市は特別な危険性を提示する。 熱波の停滞する空気状況は都市エリアに汚染物質を閉じ込め、暑い天候による既に危険な圧力に加え未発見の健康 上の問題を作り出す。例えば、1966 年のセントルイスでの熱に関する死の分布地図は熱波の間空気が汚染している 混雑した通りや市内により集中している。 市内の高い死亡率は又エアコンのある部屋へたどり着きにくさも示す。通常エアコンが贅沢であるが、熱波状況の 間は命を救う物でもある 涼しい空気は着実に高くなり、残酷な経済の側面が熱災害に追加されている。1978 年テキサスでの熱波では固定収 入の高齢者の多くはエアコンがなく喚起せねばならない建物に住み、高額な費用を抑える為に設備を切り、最終的 には死に至らしめた。 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 熱障害の症状を知る 熱障害 症状 日焼け 赤みと痛み。酷い場合は肌が腫れ水ぶ 水ぶくれがひどくなければ軟膏を塗る。水ぶくれが破れた場合 くれや熱、頭痛を伴う。 は乾いた滅菌包帯をする。更に深刻な場合は医師に診てもら う。 応急処置 熱痙攣 痛みを伴う痙攣が通常足や腹部に起こ 痙攣する筋肉に強い圧力を加える、又は痙攣が引くように丁寧 る。酷い発汗。 にマッサージする。水を少しずつ飲む。吐き気が起こったらこ れらを止める。 熱中症 酷い発汗や衰弱、肌の冷え、青ざめた 日光を避ける。横になり衣服をゆるめる。冷たい湿った布を当 り悪寒が現れる。糸様脈 。通常温度で てる。扇風機を使ったりエアコンのある部屋へ移動したりす 起こり得る。失神や嘔吐。 る。水を少しずつ飲む。吐き気が起こったらこれらを止める。 履き続けるようなら正に医師の治療を受ける。 重い熱射病 (又は熱中 症) 高い体温(106°F またはそれ以上)。熱 重い熱射病深刻な救命救急事態である。医療支援を呼ぶか患者 く乾燥した肌。速く強い脈。意識を失 を直ちに病院へ連れて行く。処置の遅れは死につながる。 う可能性がある。 患者を涼しい場所へ連れて行く。冷たい湯船やスポンジングで 体温を下げる。十分注意する。衣服を脱がせ扇風機やエアコン を使う。体温が再び上がった場合この過程を繰り返す。液体を 与えてはならない。o 警告: 急激な温度と湿度の変化(例えば屋内から屋外へ行く) は不正確な温度を出す可能 性がある。湿度と熱指数の読取には 45 分程掛かる。読取が安定するまで(例えば絶え間な く上昇したり下降したりするのが止まる)ユーザーは温度や湿度又は熱指数の本測定器の 読取、或いは読取値に関する測定器の警報機能が作動するまで読み取れない。本測定器は 医療機器ではなくユーザーは読取値を医療目的で使っては決してならない。 HT30-ja-JP_V3.5 12/15 熱に関する病気の防止 高齢者や幼い子ども、特定の治療や薬(特に精神安定剤や抗コリン作用薬)が必要な持病がある人、体重やアルコー ルの問題がある人は特に熱に反応しやすく、特に熱波の間は気候が温和な場所でしのぐ。 熱波に対する安全の助言 ゆっくりとする。 激しい動きを減す、或いは止めたり涼しい時間に変更する。危険な状態の人は涼しい場所に移る。 必ずしも屋内である必要はない。 夏に適した服を着る。軽く、明るい色の服は熱や日光を反射し体温を常温に保つのに役立つ。 体内に熱を蓄えないようにする。(タンパク質のような)メタボリック熱の産出を増やす食品は水分の損失も促す。 水かノンアルコールの液体をたくさん飲む。体を冷たく保つために水分が必要である。喉が渇いていないと感じて もたくさんの水分を取る。(1)てんかんや心臓、腎臓、肝臓疾患のある人、(2) 水分の食事制限中の人、(3) 水分の 保有に問題がある人は水分を大量に取る前に医師に相談する。 アルコールを飲んではならない。 医師による特定がない限り塩の錠剤を服用してはならない。減塩療法中の人は塩分の摂取量を増す前に医師に相談 する。 エアコンのある場所で過ごす時間を増やす。 家庭やその他の建物のエアコンは熱による危険を劇的に減らす。もし エアコンを受け付けないなら、(暑い季節の間は)一日に少しでもエアコンで空気を管理された場所で過ごすよう にする。 日に当たり過ぎない。日焼けによって熱放散の働きをかなり損なわれる。 著作権 © 2015 FLIR Systems, Inc. 製品そのもの或いはいかなる部分的な形でも無断複写・複製を禁じる。 ISO‐9001 認定 www.extech.com HT30-ja-JP_V3.5 12/15
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